ここに住むようになって5年経つ。ワタシの縄張りを侵す不埒な奴がおるので何とかしてくだされ、と猫がアワアワ呼びに来て発見。ヤモリやカナヘビは毎年見かけるが、蛇は初めてだわ。まだ子供。2歳くらい? どこから登ったのか。木登り上手の青大将。長さは60cmほどかな? 顔を近づけると二股の舌を出して威嚇する。何を餌にしているのかは知らないが、手に負えない植物の攻勢に棲む場所はたくさんありそうだ。30分後、見に行くと姿を消していた。しかし5年も同じところに住んでいると、ちょっと嫌気が差すこともある。近所のお婆ちゃん連と顔見知りになっちゃったり、買い物先で「あら、こんにちわ」から、飯を食いに行けば、「また来たのかよ~」だし、役所に行けばあっちこっちでドモドモ、取引先の遊ばない~? 攻勢に至るまで、人間関係が馴れ馴れしちゃうのは仙人化計画に重大な齟齬をきたすのではないか? と憂慮が絶えないこの頃。

青大将

世間は夏休みのせいか、昼時を外しても飯屋が女子供で混んでいてかなわん。ウチはブラックを通り越した、光すら出てこれぬブラック・ホール産業だから勤務時間やら盆暮れ正月「休み」という概念すらないんだな。というか、世間が休日のほうが電話もメールも来ないから、仕事がすこぶる捗るってものよ。仕事は期日までに終わらせるもので、終わらなきゃ「終わるまで」やる、んだな(笑)。納期が迫ると、個人の力では如何ともし難い天変地異や核戦争でも起きねぇ~かと毎回待望することになる。今年は梅雨明けが早かったせいか7月の電気代が3万超え。ウヌヌ。年間で均しても水道やガスに比べ10倍以上って、システムの根源が腐ってるわな。おまけに、普通預金が底をつきそうだというにカードの利用限度額を2倍にしたよ! ってお手紙が来た(笑)。太っ腹だなぁ。いきなり2倍されるってのも、却って萎縮するものですこと。

■チーズ麺■

チーズと白飯の組み合わせは躰が受け付けないが、チーズと練った小麦粉の組み合わせは好ましい。麺は短いのはトルコ産だったかな? 長いのは市販の生麺。アスパラ・オイル・パスタはうちの標準仕様、ディヴェッラ(Divella)。パンチェッタは豚バラ肉塊を買ってきて塩漬け水抜きしたもの。製作期間1ヶ月を1ヶ月で使い切るので、常備するには1ヶ月おきに肉を塩に漬け込む。

カルボナーラ

生の扁平麺があったので、卵とペコリーノ・ロマーノでカルボナーラ。麺は一応コレで一人前なのだが、ショボいな。

青カビクリーム

オリーブ油で塩抜きしたパンチェッタに茹でたフジッリを加え、ゴルゴンゾーラ・ピカンテと白葡萄酒を振って味付けしたもの。

アスパラ・パスタ

贔屓にしていたメヒコ産アスパラが時期をハズレ、代わって福岡・佐賀あたりのアスパラが出回るが、さすがに高いわ。メヒコ産の倍じゃん。細くて本数が多いものを選んでいるが、正直、味の違いはわからない。

■半端人のための半額■

半額

近くの店が岡田屋系列になってしまい選択肢が減るのは残念だが、「半額」なら許す。自分の品性というか、身の丈に合ったグレードを考えると「半額」こそ相応しい。チーズは好きだからkg単位でブロックを購入するが、こういうのはツイ手が出ちゃうな。クリームロイヤルはデンマーク産の青カビタイプ。レッド・チェダーはニュージーランド産。どちらも100%ナチュラル・チーズなので、変性するし、しっかり匂う。カビが生えたら、ソコだけ削るか、どうせカビなんだから気にしない。ハードチーズは凍らせることもできるが、風味は落ちる。

半額バックリブ

麦の味がしない食パンは元々半額の価値しかないから、半額にならなきゃ買わないけど(笑)。お肉といえども殆ど骨に128円/100gも出せないので、やはり半額が好みです。鮮度信仰に帰依している人が意外に多いせいか、狙わなくてもけっこう入手は容易。半額の見切り品を冷蔵庫で更に一週間ほど寝かしてから、おもむろに焼きに取り掛かる。芋は春先に庭に植えておいたもの。

バックリブ

ブリーはフランスの白カビチーズ。10%増量で110g。この手の日本向けパッケージ品は凡庸でトボけた味わいなのが玉に瑕だが、「半額」なら仕方あるまい。子供騙しのマフィンズも「半額」が望ましいが、40%引きで妥協した。もちろん、焼き立てのパンには縁遠いので、しばらく未開封のまま冷蔵庫で放置して、固く水分が抜けてきたら、チーズを載せて焦げ目が付く程度にカリカリに焼く。

半額2

一方、鮨屋は昼だというにガラガラ。今季初新子は7/30。横4枚付で。黒鮪の夏場の代替品、インド鮪の剥がしが絶品。黒鮪は採れすぎて値崩れが止まらないらしいが、夏場は味が大きく落ちる。まぁ、ネタは総じて夏枯れだけど、新子にホヤと馬糞雲丹、もうちょいして新イカとカンパチが出れば夏も終わる。2回目の土用丑も終わったので、誰もが蔑みの目線と鼻で笑うすき家の特うな丼ゴハン半分+健康セット27回目くらい。魚類の中でもプリン体が少ないと聞き、5月の終わりから約26尾+吉野家で4枚、自前で3尾食ってるけど、普通に夏バテしてるし、もの凄く疲れるしヘロヘロに消耗するから、中国鰻食ってもスタミナなんぞはまったく付かないと思うの。心ある方々が「国産」に拘る所以でも在りましょう。一方こちとら貧鈍の底。丑の日前後は鰻の注文がけっこう耳に入るが、「うな牛」はともかくとして、食べもしないでいきなり山椒掛けたり、紅生姜を鰻の脇にてんこ盛りにしたり、サラダをセットしたりという新しい鰻の食い方には、毎度目を開かされる思いがして爽々にして清々しい。カラ~ゲ10個とビールを2本飲むときは、腹が膨れちゃうから、ご飯なしの特うな皿にするのが合理的で快適。値段が値段だからココの米はお世辞にも上等な白飯とは言えんし、その気になれば持ち帰り品をいつでも測ることができるから、あんまり酷いのは(無関心な上、測る術を持たない)西に流しているだろうが、いつ見ても{何だ}からな。

いつも通り、カウンターは素通りしてテーブル席へ。最近は北東アジア農奴風のコスチュームを心掛けているので、わらじを履いて手拭いを被り、特大の麦藁帽。身には襤褸を纏い、落とさないようガラケーは首にぶら下げ、ドアを押す。ドアの脇に貼られた身長確認バーで今日の身長を確認してエアコンの冷気に一息つく。チラ見した店員は必ずといっていいほどギョッとするのが面白い。天カセ・エアコンの吹き出しを瞬時に見て取り、席を選択。麦藁帽子を隣の椅子に置いて、足を伸ばして寛ぐ。ビールをクピクピしながらカラ~ゲを摘み、無造作かつワイルドに盛られた鰻を眺める。相変わらずトボけた鰻に惚けたタレだが、大きさは減らしてもらった飯をなんとか覆い隠す。毎回白飯は半分、タレ少なめにしてくれって言ってるのに、微妙に遠慮されちゃうんだよな。もうひと月ほどすれば、鰻屋の鰻もこなれてくるだろうが、ウザクに肝串に白焼きに酒つけて鰻重食ったら万単位だからなぁ。繋ぎの鰻としては貴重だし、自分の属する社会階層と人としてのグレードを鑑みれば、極めて妥当な選択だと常々思っている。江戸の昔から庶民の食い物には程遠い高級料理を食おうってんだから、ある程度の瑕疵には目を瞑らねばならないよね。もちろん、個人的には、鰻の蒲焼という伝統的食文化の継承のために、大量養鰻が不可能なほど稚魚が減って、希少な天然と一部のブランド養鰻だけが生き残ることを心から願っている。獲れたり獲れなかったりするのは当たり前。鰻のような生命力が強い生物が減るとも思えんが(笑)。

■新たなる挑戦~~~~お!ソース■

醤油と同じく極めて地域性に富んだソースは、千差万別雨霰、膨大な種類を入手することができるが、扱いがとても難しい調味料でもある。リー&ペリンズとは異なり、国産のこれらは出来上がった食い物に後掛けすることを主目的に作られており、まぁ、素材がなんであれ、問答無用でソース味になっちゃうんだわ。その粘度を上げた隠蔽力を上手く使えば、質の低い素材でも舌を誤魔化せるかどうかはしらないが、昨今旧来の調味料にとって代わり、あちこちで安直かつ多用されるようになった調味料の一つ。砂糖を主体とした多糖類と野菜くずが主原料だが、イメージが崩れぬ範囲内で、多種多様なヴァリエーションが存在する。

ソース4種

イカリは大阪の老舗の一つだが、場違いなことに手を出して一回潰れたのをブルドックに拾われたんだっけ? 今は確か、ブルドックの傘下のハズで、ブルドックが関東の家庭向け、イカリは関西の業務用という棲み分けなのかな? もっとも、そのブルドックも外資の投資会社の類に乗っ取られかかってるんだっけ? ややこしい。で、どぶづけゴッコをしてみたくて、どぶソース買ってみた(笑)。もうちょい涼しくなったら、ウズラの卵とイカ下足やら茄子、南瓜なんぞを掻き集め串揚げにしてドボンという目論見。

■米茄子■

ヘタが黒い日本の茄子ではない輸入品種。大きくて、煮崩れしないのが売り。半割して、適当に刻み目を入れ素揚げ。大根おろし、紫蘇の葉、葱、生姜、つゆは鰹出汁の自家製。片栗粉を溶いてトロミを付けてもいいか。今年はまだ水茄子を見つけられなくて、形が似ているからと安直に手を出しただけ。水茄子のように、生では食えん。

米茄子

■焼肉■

さすがに454gはきついので、最近はもっぱら330gで。脂身を落としたリブアイ。もちろん高価な霜降り和牛には全く手がでないので、豪産のわざわざ脂を落とした赤身肉一択。肉を食うときは飯を食わないので量は一定程度必要になるが、ジャガイモで誤魔化すこともある。貧乏臭ぇ(笑)。330gだと厚さは2cm~2.5cmくらい。これより薄いとアッという間に火が通ってしまい、そこには落胆と絶望だけしか残らない。一方、この厚さならオーブンを使うほどではない。筋切りは許すが、肉叩きは許さん。室温に戻した肉に約30分前に塩胡椒。好みでタイム、セージ等のハーブを。フランス産の特濃発酵バター(今回は田舎臭いイズニ:Isignyのdemi-sel)か鴨や家鴨の脂肪肝、赤葡萄酒、付け合せの野菜類も準備を。

リブアイ焼肉

いつも同じじゃ飽きるので、こちらはリブアイとサーロインを半分にカットして計300g。ピーマンを食うのは3年ぶりくらい。バターを載せて、レモンを軽く絞っている。ソースはバカの一つ覚え:グレイビィ。

2種焼肉

■カナダ豚ヒレかつ重■

カナダ産四元豚のフィレ500gを2本揚げて、1本はカツ膳、残った1本を中二日くらいで重に使い回したもの。載せる前にバラけやがったので面倒になって適当に重ねた(笑)。玉葱1/4、卵1.5個、三つ葉は自家製だが、夏場は気温が高すぎてヘロヘロ。重箱の内側は基本的に朱塗りされているものだが、確かに色味は映える。食い物をより旨く見せる先人の知恵だろう。外食で蓋付重や蓋付丼にお目にかかる機会は著しく減っているが、玉子の綴じ加減の調節だけでなく、蒸らすことで味がしっくり染みて、表面が乾かないという利点もあるように思う。

ヒレカツ重

Memento mori

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2013/08/18 作成__2013/08/22 最終更新