暴走老人

最後の車検をクリア。車検証が従来の紙とICチップ付きの2枚になったが相変わらず前時代的なシステムにゲンナリ。免許(本人認証)と車検証と車両起動を統合的に認証するシステムが出来るのはいつ? 次は2年以内に乗り換えなくちゃいかんが、ディーラー曰く納車に1年半掛かるから夏ぐらいまでに次決めてねって、すごい世の中になったもんだ。まぁ、取り敢えず10年を凌げば、その次になるだろう最後の車には自動運転が標準で付きそうだ。体の衰えを自覚すればするほど自分の自由な移動を保証する装置が必須になるのは当たり前。クルマはいずれ手放す日が来るだろうが、完全互換の代替システムが整備されない限り自ら進んで免許を返納することはないよなぁ。

統計上は10~20代の事故が最多なのに、年金老人が暴走すると鬼の首を取ったかのように大喜びで拡散・罵倒するネットやメディアがおもしろい。ネットは物理的に運転免許を取れない(運転免許試験場の教官や自動車学校の教習員に指導されたらおしっこチビッちゃう)ヒキコモリ、或いは実社会では誰にも相手にされないマウント取りたがりの薄っぺらいコンプラ野郎が己の不遇を年金老人にぶつけて溜飲を下げているだけだが、それに便乗してあやかろうというメディアの低知性化にも笑ってしまう。新聞やTVといった化石メディアがそっぽを向かれるのは、コアな顧客層だけにおもねった事実の捻じ曲げ、金蔓と権力への恣意的な迎合と内容に値しない価格にあるのであって、校正してるの日本人か? と思わんばかりの誤字脱字からロクに字も読めないアナウンサーに至るまで、中身に見るものがなくなって、そこに時間を割くのが純粋な無駄になってしまったのが原因であって他者のせいではないよ(笑)。1980年代をもってマスコミが本来の役割を終え、体制と結託し広告宣伝機関に成り下がったのは生き残りのための必然なのだろうが、それも今や風前の灯。国内のみならず、世界的にも何も「生む」事ができなかったマスメディアはその役割を終えた。

老木に咲く梅

でも実際高速道路で異様な運転してるのは貨物か爺かなんだわ(笑)。磁石でくっついてるようなビタ付ですんげー煽りまくってるなぁと近くに寄せて見ると運転してるのはほぼ間違いなくプライド高そうな初老以降糞爺まで。車はピカピカのレクサスかドイツ車で決まり。まぁ、そこに至った原因は想像付くわ。煽られ側は傷だらけの軽のオバちゃんかハンドルにしがみついて前だけ凝視してる若者で赤ちゃんマーク付き(笑)。赤ちゃんが乗ってますじゃなくて赤ちゃんが運転してるんじゃないか? というアレだ(笑)。オレなんかポンコツだから後ろに速い車が来たら直ぐ譲るし、前にとろい車がいればなんの躊躇いもなく抜かすから、煽りとか煽られなんて趣向の一種としか思えない。動画にして屑メディアに売りつけることを小遣い稼ぎや生業にしてる業者や個人もいるんだろうか。桑原桑原。

都会に住めばクルマいらない……なんていう人もいるが、クルマは単なる移動の便を図るだけではない。荷物もあれば雨風がキツい日もある。混雑した電車やバスの立ちんぼは苦痛でしかないし、プライヴァシィを欠く不快感を受忍せねばならん。チャリやバイクはホビーの域を出ないし、レンタカーやカーシェア、或いはタクシーも所詮義足であって自分の足にはならん。クルマでなければ行けないところ、行けない時間、できない経験は大都会住人であっても変わらない。どころか徒歩や電車移動では辿り着けない、位相が異なる別の世界が広がっていることに気付いている人は多いだろう。

芋天

昔はバカにしていたサツマイモやカボチャ、レンコンの天麩羅が旨い。味覚の爺化恐るべし。ギンポもメゴチも、エビもキスもなくても気にならない。キノコはOKだが、かき揚げは表面積が大きいからちょい油っこいかな。春菊、こごみ、行者にんにく、蕗、芹等の癖がある青菜の天麩羅も最高。今や藍屋辺りでもお薦めメニューになるくらいだから珍しくもないが、鮨と同じで天麩羅の種ってお仕着せじゃなくて自分で選びたいよね。袋物(イカ、大蒜、キクラゲなど薄膜があるもの)はポンポン跳ねるからやりたくないけどさ。自分で揚げると100%揚げたてで食えないのが至極残念だが、齧って中がアツッならばギリギリ許容範囲か。揚げたてならば名店の揚げ置きに勝る数少ない料理の一つである。

揚げ油は平田の菜種油と九鬼の太白胡麻油の50%混合。継ぎ足しはどちらかになるので実際の比率はどちらかに寄っている。トンカツの場合は煮豚作成時に大量に析出する自家製ラードを追加する。鍋は深さ12cmほどのもの。種の長さと最終目的によって専用2種と中華鍋を使い分ける。衣は薄力粉、卵、冷水で作る。色々添加する手法は聞くが今のところ必要性は感じない。濃度は種でコントロ―ル、原則は野菜→茸→生物の順で揚げるが、卵や厚めの魚切り身などは保温力があるので先に揚げることもある。

芋天

厨房機器にも流行り廃れはあって、最近のキッチンを眺めると凡そ揚げ物には対応できないスタイリッシュなデザインばかりで、揚げ物の中外食化は避けられない方向だろう。天麩羅やフライはもとより、中華における油通しの省略が当たり前の風潮はどうかと思う。しかし、オレの場合、最大の問題は酒だ。調理中は葡萄酒や焼酎等を気分良く嗜み、サンプリング192kHzの音源がPC→中華DDC→中華DAC→中華PA→背後のトールスピーカーをズンズン鳴らしている。天麩羅時の熱源はIHなので直火はないが高温で発煙すると直近の壁と天井の熱感知器と煙感知器が発報してしまうんだな。センサーはボタン押せば解除して黙るが別室にある警報盤の解除を忘れてしまう。(だって揚げ物してるとき離れるの嫌じゃん?)

結果としてヘルメットに警棒構えた制服のお兄さんがウチの廊下をドスドスと向かってきて、揚がった天麩羅トレイに載せて悦に浸っているオレと鉢合わせして、へ! たまげるんだわ。「どうされました? 火災の警報が入っています」「天麩羅揚げてました。ごめん」ということが今までに2回ほど有りました。まぁ、契約の範囲内だからいいんだけどさ。来る前に電話もしくれてるみたいだけどBGMで聞こえない~ああ、聞こえない。

南瓜天

卸値も仕入れ値も上がっているはずだが、売値をちょいとでも上げると途端に売上が落ちるから値上げができない小売は苦境だろう。利益を圧迫するカッペ乞食御用達の値引きシールもしょぼくなって、シールを貼る時間になると閑散としていた売り場に嘘のように人が集まってきて笑える。これ、売り切りたいという思惑で値下げしているのだろうが、むしろ逆なのではないか? 品出しした商品数が徐々に売れて数が減っていけば残りは価値が上がるはずなんだから時間ごとに値上げしたほうが良くないか?(笑)。今から値上げシール貼るぞ―ってヘラヘラ笑いながら店員がやって来たら我先にカゴに入れると思うんだが。乞食は相手にしないってのが商売では基礎的な素養の一つ。馬鹿みたいに儲けてる企業はみんなそう。

葱玉子焼き

玉子は行列がないなと思ったら、割高6個パックと4個入り温泉卵とうずらしか無いじゃん(笑)。普通の10個パック売り場に置いてねえよ、マジすか?(笑) 卸値も瀑上がりみたいだから、出入り遮断してひた隠しにして箝口令敷いてる養鶏場もあるだろうな。5月に入ってからは供給も落ち着いてきたようで税抜き260前後で見かけるようになった。深川飯の深川太郎の卵焼きが雑味なく好きなので、店で爺さんが作っているのをガラス越しにしばらく眺めた後、深川飯と共に一本買い求める。適当な厚さに切って山葵醤油と紅生姜がいちばん。自分で作ると今一つ上手くいかないのは卵に対する愛情が欠けているせいだと指摘されている。山葵は西伊豆産を常用するが数年前の豪雨か台風で山葵田崩壊したせいなのか、けっこう品薄で正月明け以降は刻み山葵の練加工品で凌いでいる。収穫に最低2年は掛かるらしいので今夏辺りには回復するかね? 鮨屋や割烹ならどんなに高くても仕入れない訳にはいかないだろうが、ま、オレは所詮かっぺ。でも、蕎麦食う回数は減るな。

最近よく行く鮨屋の玉子は、厚さ4cmほどの卵焼きをシャリ幅にカットして電熱器で各面を同時にじっくり炙って5mm厚くらいの極薄シャリに載せて黒帯海苔で留めたもので天火焼きのカステラみたいのと普通の厚焼きと2種類あるんだな。江戸前の甘い玉子だから関東カッペ土族以外では相手にされない下手物だろうが、玉子と詰め塗ったでっぷりと肥え太った炙り煮穴子と山葵たっぷり入りの干瓢巻で締めて緑茶で上がると。あー堪らん。

玉子焼断面

毎月給与みたいな社会保険料を払っている(個人+法人)のにこの仕打ち

個人番号カードの電子証明書の有効期限切れのお知らせが来た。もう5年も経つのか。更新は役場の窓口でしかできないようで「厳格な本人確認のため」としっかり記載されている。とは言ってもスケキヨ仮面の人もいるだろうに、面相通しのプロでもない門外漢の木っ端役人(流石に丸投げ派遣は案内係だけだろう?)に任せていいことなのか? はかなり疑問だな。まぁ、こう書いておくことでナリスマシたちが怯んでくれる効果を狙っているのか。10年目のカード自体の更新時には新しい写真が必要になるのだろうが、事前に用意されたミニサイズの写真などいくらでも誤魔化しが効くアヤフヤな根拠で本人認証されることの怖さを実証するような案件がそのうち生じるのだろうな(笑)。ヒト個体は生死を問わず概ね唯一無二の識別データを持つのだから、何故それを利用しない?

更新は役所の窓口onlyだが、ところがどっこい、新規の申込みで溢れてて近づくこともできない。糞迷惑なコイツラのせいでオレの電子証明に欠格期間ができてしまうって我慢すべき妥当性があるの? 歯医者にも病院にも行けないんだが。申請はネットと郵送のみ、受取と更新は役所窓口のみにすれば何の問題もない事を期限の延長を繰り返し、ポイント取得のお手伝いまで派遣を配置して公金で行うって根本的に狂ってないか? そこまで甘やかしてポイントくれてやっても今度は使い方すらわからんのだから使われないポイントザクザクのポイント発行業者は笑いが止まらんだろ(笑)。保険証化も貧困ビジネス政党の横槍で結局抜け道を用意するようだが、毎年役所で更新するならある程度の歯止めにはなるか? 保険証機能は顔認証以外にパスワード認証も可能なのだが、敢えて顔認証しない高額・高回数利用者を解析すれば構図は見えてくるのかな? 既に何度か窓口で使用したが顔認証の精度は極めて迅速でマスク程度なら物ともしない。カードの手渡しも不要だしカードを置いて画面をタップすれば瞬時に認証され、限度額認定対象であることも同時に表示される。病院側のチェックが不要だから極めて合理的なシステムだが、けっこう大きな病院なのにオレ以外使ってるの見たことないんだけど、それでいいの?

秋~初春の田舎鰻

H屋ならぬY屋でござい

秋晴れの10時半。仕事が予定より早く片付いたのでルート検索。帰路とは若干逸れるが20分の距離。到着予定時刻=開店時刻だったので即決。落ち葉が舞い上がる田舎の間道をヒャッハーと走る。街道沿いのかなりの老舗のはずで、40年近く前、頻繁にその前を通っているはずだが全く憶えがない。恐らく隣に座った彼女の笑顔と太腿の白さに目が眩んでいたんだろう(笑々)。

扱う鰻は共水丸特か坂東太郎、宮崎和匠のみというのが売り。共水は大井川河口に近い工場でシラスから成魚まで一貫生産している最も有名なブランド鰻。坂東太郎は利根川下流、銚子と東庄の間くらいの利根川沿いにある忠平のブランドで国内数カ所の養殖場で、こちらは生育期間や池替えを行わないとまでは言っていないが、最近かなり売出中で扱いが増えているようだ。もっとも、素材が良ければ旨い白焼・蒲焼になるとは限らず、職人の焼き、蒸しの技術と掛けられる時間と優良な設備がモノを言うのは間違いない。

ココも特上は5,000円超えで、まともな店はほぼ横並び。活き鰻を使い焼きたてを提供するという前提に立つとコスト構造上、卸値に連動させる他はあるまい。鮨なら値上げを抑えてネタの質やヴァリエイションの変更である程度調整できるだろうが、鰻のように定形が完成されていると落とすところがないよなぁ。元々多少の変動でついてこれなくなる客層でもないし、実際ほぼ50代以降、元気ハツラツ年金生活者でどこも繁盛してるわ。鰻以外の魚や天麩羅もなかなかおいしそうで食指が動く。鰻重は時間が掛かろうと鮨3貫を貰う。石鯛とカンパチと鯵かな? どれも地物と謳われたデカネタ。半割の下駄に載って10分ほどで配膳された。白身は適度に熟成されて旨味が載っている。鯵も上等な部類。どれも冷たくなくてよかった。

30分後、鰻重、肝吸い、お新香が揃う。お茶も差し替えてくれて、さぁてと蓋を開ける。共水4pサイズが半身3つでは飯を覆いきれないので半身の縦半身が追加されきっちり。うむむ、見事な鰻重である。今は脂乗りの良いでかい鰻を出す店が多いが、これは古風な鰻重であるな。身肉も川魚の薫りが乗って皮目もしっかり焼けて柔らかすぎず硬すぎず。タレはサラサラで薄めだがちょっと甘みがある。巨大な昭和風ドライブインみたいで気取った店ではないが、料理はとても上品でプロのあしらい。

北沼東岸MB

以前行ったNTのちょい北。天然物のマニアックな仕入れに前から関心を抱いていたが、行くと戻るのが面倒いなぁとなかなか行く機会がなかったが、まぁ、春爛漫の野山の桜を眺めながら駄車を転がすのも悪くはあるまい。以前からしぶちんのPaypayが使えたようだが、今は期限延長を繰り返している自治体プレミアム食事券対象なので尚ありがたい。

街道沿いに折板葺きの掘っ立て小屋、駐車場は舗装なし。店前に用水路? があって駐車場から仮設? 橋を渡って店舗入口に至るという場末感丸出し。典型的な田舎食堂。ググると休日にはバイカスやチャリンカスみたいな集団が来るらしいが、今は平日11時半、先客の車が2台あるだけ。橋を渡り引き戸を引く。まぁまぁ、広い。窓際に3人と2人用のカウンター。一人1m位の間隔でスカスカ。2,4、6人卓が一つづつ。奥には立派な座敷もある。出て来た白頭巾・白割烹着の昭和オバちゃんにカウンターで良いかしら? と訊かれたので、よろしゅうおますことよと答えたら笑ってた。

座ると机上にA4クリアポケットのメニュー。表が料理で裏に飲み物。ペラ一枚。手拭きと緑茶とお茶請けなのか? 泥鰌の唐揚げの小鉢付。お決まりかしら? と訊くので即決。と云うか撰ぶほどないんだわ。特大限定品の鰻重を蒸し、ウナ肝ハーブ塩と鯉の洗いを所望するが洗いは切れちゃったそうで。250円だからノンアルも追加。

価格は税込み。蒸しと地焼きが選べる限定特大鰻重が3500円と今どき破格の割安感。目を惹く副菜は、肝煮(タレ、塩、ハーブ塩)、ザリガニ、鯉の洗い。ノンアルの摘みに鰻の皮とヒレの唐揚げがお通しなのか突き出しなのか先付けなのか、ノンアルにお通しって珍しいねと思いつつも焼き上がりの時間潰しにはありがたい。セルフで鯉コクが食べ放題なのとお茶とお水も追加はセルフで汲んでねと。先客はカウンターに爺1,テーブルに婆とオバちゃんの親子。途中で弁当注文のお姉ちゃんが来ただけで比較的閑散とまったり。鰻屋はクソガキやバカ学生、ゴミファミリィがまずいないから、心が休まるよな。

30分ほどと予想より早く配膳。重箱は小さめながらも、鰻は重なりつつ一尾しっかり載っている。タレは多めだがサラサラちょい甘系。皮はよく焼けているが身側の焼きは浅め、蒸しは強めなのかふわふわで蕩けそう。脂はかなり載っている。なんか矛盾してるな。浜松産と表示があった。次は地焼きを試してみよう。鰻の下の飯はコシ系、1cm厚ほどで老人向けで丁度よい量だがタレがちょい多めかな。箸だとちょいと食い難い。卓上の山椒は缶入りの既製品で、わざわざ掛けるには及ばない。漬物は胡瓜と生姜、小魚の甘露煮の小鉢、蜆の味噌汁。肝はすべて肝煮になってしまうのだろう。肝吸いの選択肢はない。

どこで何を食おうか? という場合、店は渋滞回避誘導してくれるカーナビとしても使っているGoogle Mapに依るところが大きい。営業時間や定休日も変動に自動追従するわけではないからアテにはならんが、一応注意喚起してくれる程度に無駄足も少ない。メインと思われる料理の写真を数葉眺めればグレードはわかる。評価付きの口コミはこの手のメデイアの宿命、知識も経験もない未熟者の筋違いな罵倒から胡散臭い褒めちぎりまで、中身には有益な情報は殆どない。強いて言えば、利用する客層と書かれていない事実を推察する役には立つか。よく見るとローカルアドバイザという資格制? みたいな格付けが有るんだな。一応登録は個人アカウントで行うようだが、誰でも無制限に作れるアカウントじゃ、広告代理店の成りすましや口コミ専門業者、雇われライタである可能性はまったく排除できない。そこにランチメニューですべてを語っちゃう金は出さないが口は出したいドシロートが入り混じるんじゃ、食べログと同じになっちゃうよね。ときどき、良い店の場合は褒めたくもなるが、その場合は食事中や会計時に直接話しているので、これまでも、これからもこの手のメディアに書き込むことはない。しかし、思惑から外れたからってわざわざ渾身の悪意をもってディスるものかね? 負のエネルギーを溜め込んで燻ぶらせてるんだなぁ。怖いですねぇ。桑原桑原。

花見なのか?

誤解がないように最寄りの時刻表を載せよう。かっぺ地帯の証し(笑)。平日のみ、一日に3本しかない路線バスで遠路はるばる花見に向かう。とはいっても飲食禁止で座るのも禁止だから一周して終わり。台風や潮風で傷んでいる樹が残っているが、大分大きく育ってきたね。ここは初めてなんだが、桜そのものより完全平地で勾配を確保するための凝りに凝った地盤レベルの造成と恐らく極小エネルギーで完全循環の水流のシステムに唸った。さすが安藤。近くには飲食店自体がないので結局15分ほど歩くのだが、やっぱりロクな店がない。モールも店の数だけはあるもののどこかで見たことがあるチェインばかりだし、単価を抑えたコスパ重視のファミリィ向けばかりで、仕方なく最も高単価な回らない金沢の回転寿司へ。行ったら何だか薄暗い。開店休業かよ? とレジのあんちゃんに訊いたら、人手が揃わないので入場制限中で30分待ちだと。

カッペバス

他に選択肢がない辺境カッペモールだし、まぁ、30分なら他で用を足すかとパネルに登録、15分ほど経つと携帯端末に着信があってもう直ぐ空くからはよ来いと自動音声に言われる。でれでれ歩いて店近くのソファで寛いでいると順当に待ちは減っているようで、時間ぴったりに番号が表示された。カウンターを所望していたが案内されたのはツケ場正面のテーブル席。職人が動かなくても手が届く範囲ということらしい。取り敢えずビールを貰い喉を潤す。お品書きを眺め2割ぐらい上がっているかな? 天麩羅と酢の物から始めて食いたいものを順次2、3皿づつ。客数を絞っているせいか注文品はテンポ良く手元に届く。揚げ物や焼き物、巻物や汁は表から見えない調理場から出てくるし、どう見てもツケ場の職人は暇すぎて半分遊んでる(笑)。ホールのバイト君とパートおばさんが足りないのか? ネタは欠品もなく質も程々で今まででいちばん良かったかも。やれば出来るじゃん。

帰りは17時前だけど終バスの時間を過ぎていたので無料バスを見に行くが、30分待ちだったのでカッペ電車で。このローカル線、できたての頃通勤に使っていた時期もあってその当時に比べ随分と延伸しているが、相変わらずズゴン・ズゴン煩せー。電気で動くなら郵便配達のスクーターみたいにヒュイーンて走れないのか?

花見2023

昨年12月頭から対象飲食店で2万で2.4万食えるという電子クーポンが公金投入で運用されているわけだが、2月末までだった期限が3末に延長になり、更に3/3には今まで一度に2.4万分しか買えず、それを使い切るまで次が買えなかった制限が撤廃された(笑)。現状の残額に3.6万を超えるまで補充ができるようなので、最大限補充で、現残1.12+2.4で3.52、3.52に1.2足して4.72まで補充完了。残り4週間ならいい線だろう。今回は紙クーポンが無かったせいか、相当売れ残っているのだろう。対象は県内飲食7200店云々で行動範囲では概ね対応しているので大変重宝している。もう1回分くらいは買えるかな?

3/10。いつものとんかつ屋で0.8万弱使ったので残が3.15になった。躊躇いなく2.4追加で残5.6と最高額。残り3週でまだまだ行けるか? 売れ行き悪いんだな(笑)。携帯端末とクレカ必須だから無用なトラブル防止とバラマキ人気取り政策の恩恵に預かれない愚直な納税者への当たり前の還元という意味では適切な足切りだろう。常時、4万ほどを充填できるから、二人程度ならちょっと鮨でも食って行くかというときに残額や不足額を考えなくていいからとても使い勝手が良くなった。最初からやれよ。

3/15、とうとう5/31まで延長するよんというLINEが来たわ(笑)。追加購入の閾値は36000円と大幅に引き上げられたのはそのまま継続で射幸心を煽るじゃないか。5/3現在、まだ売り切れにもならず、販売は5/31まで続ける模様。オレの残高42507円。連休中は家から出ないが、もう1回ぐらい買えそうだな。

3枚肉角煮

豚角煮2

皮付き豚バラはけっこう入手が難しい。皮+白身+赤身で3枚肉なのでそこらで扱っている豚バラは2枚肉。1kgの3枚肉を2等分。ほぼ正方形の肉塊に塩胡椒して肉の各面をトングで掴んで焼く。軽く焦げ目がついたら老抽王をまぶす。その間に鍋に老酒、ザラメ、八角、生姜、大蒜、丁子、花椒、水、長葱の青い葉先で作った煮汁を温め、沸騰したら肉を入れ落し蓋をして弱火で取り敢えずの1時間。

ピータン花椒

火を止め冷めたら冷蔵庫(冬なら放置)でラードを析出させ掬い取る。再加熱と冷却を気が済むまで繰り返す。肉が煮汁から顔を出さないよう。手で押してフニャッたら概ね完成だ。包丁で9等分か16等分、方形にカットしようとしてもグニャってなればOK。煮汁を少量取って醤油とザラメを加え煮詰めておく。上掛けしたらハフハフしながら肉を食う。肉を食うのが食事である。

豚角煮1

煮豚に酒は合うのだが飯は重いから合わない。蒸しパンも優れた組み合わせだが、粥も軽いからバランスが良い。梅干しと昆布の粥も良いが肉には中国粥が合う。出汁は鶏ガラでも良いが、乾燥ホタテが格別。トッピングは好きにせい。ピータンは殻を剥いて30分ほど置くと硫黄臭が消える。最近は花椒をガリガリ挽いて黒酢醤油を垂らす。

2.4万円分のクーポンを追加するのに1500円ほど金額がオーバーしている。そんなときに便利なのが日高屋。開店と同時に酒が飲めて昼飯時を外せば一人爺が多いから比較的静かで長閑な時間に浸れる。この歳になれば頑張っても3000円を超えることは難しい安酒飯屋。だったはずが、正直言って昨今ママ友グループ、バカ学生、BBA集団がいない店はどんどん減っていて、かつての棲み分けが急速に侵害されている。肩身が狭いヘベレケ爺は比較的値が張って子供向けメニューがない割烹和食、鮨、天麩羅、鰻屋あたりが最後の砦になりつつあって困惑する。止めてくれよ、君たちにはファストフード、パスタ、洋食屋、ラーメン屋に饂飩屋、西洋料理に至るまですべて明け渡してきたじゃないか。

粥1

特に恥じているつもりもないが「行きつけの店」なんていう常連顔できる店もない。酒を飲まないから飲み屋や赤提灯といった飲酒目的店に行くこともない。KKRなので誘われることもないし、〇〇ハラになるから誘うこともない。金蔓には「では失礼します」、その他には「ではご機嫌よう」と宣って去る。去って、さぁて、今日は鮨屋か鰻屋か、はたまた天麩羅か軽く蕎麦にでもするか? その場所と時間での最適解を考えるのが愉しい。

時間は開店直後の11時、中休みなしなら2~4時くらいが最適。概ね客がいるのかいないのかという状況だが、この時間に酒飲んでるのは声がでかい土建屋かチンピラ不動産屋の薄ら馬鹿、年金爺と相場は決まっている。そこには混じらず、カウンターの真ん中でない左右にちょっとずれた位置に居座る。職人が二人の場合はヒエラルキーを読み取って店長じゃなくて格下(だけど40代後半以上)の前に座るのが習わし。今は食事には水がいちばん合うなんて言う時代だから、ツケ場のおっちゃんはお飲み物は何しやしょ? と期待しないで訊くけど、ビールとか酒って応えるとちょっとオヨヨって顔する。2杯目頼むとオヤ飲むのか? って顔になって、こいつは一体何をする人ぞ? と俄然興味が湧くみたいで色々話が弾んでくるが、煩くはしない。あくまでもひっそりと穏やかに食事を心ゆくまで愉しみたい。

粥2

唐突に、20代の頃見たヴィスコンティのあまりの退屈さに困惑した『ベニスに死す』のラストで、老醜の主人公が光に包まれた砂浜のチェアで一人孤独にもそもそケーキを食いながら、ひっそりとコト切れるシーンを思い出した。寒くもなく暑くもない光が滲む静かな海の情景と、生の象徴である美と死の象徴である醜。

2022忘年ボッチ

5月の中頃以来だろうか?(2022年の話) 11月になって涼しくなったので久しぶりに電車に乗って打合せに出掛け、帰路は普段滅多に近寄らない大きな街の駅ビルや繁華街の中を通って世情の変化を眺めるわけだが、犬も歩けば棒に当たるほどラーメン店が増えていて驚く。焼肉や餃子専門? も増えたかな。どこの国だよ(笑)。自慢の和食は外食店ですらすっかり駆逐され、麻辣やチーズ載せた丼屋じゃないと生き残れないのか? 奇異を通り越してもはや異様。特にラーメンは20~40くらいの女がカウンターで一人で食ってる事例にあちこちで遭遇するんだが、これは世界広しといえども日本だけの極めて特異な事象だろう。中国女ですら有り得なそう(笑)で受ける。

でもまぁ、LGBTなんちゃらには全く関心の欠片もないが、儒教やお家がいちばん先祖代々教や地元大好き教に根差した旧態依然のツマンナイ常識や制約から解放されて、自分が好きなものを誰でも臆面なく食える状況は良い方向だと思う。でも、それを称賛しなくちゃいけないポリコレ風味はキモいよな。実際ホーホーとお店自慢の〇〇ラーメンの看板を眺めてもピクリともしないんだよなぁ。チャーシューが生焼けピンク色だしさ。おまけにどこも一杯1000円近いお値段のラーメンだけ食って満足するものなの? 余計なお世話だろうが一人でバリア張り巡らせてチマチマ食ってもあまりおいしくないだろう? 背凭れもない床固定丸椅子の60cm/人の肩幅カウンターじゃ鞄置けないし、預かってくれるわけでもない。脱いだ帽子や色眼鏡、外套を置くスペースもない。ズロ~ズロ~音と隣のヤツの跳ねた汁が飛んできそうだし、息は生大蒜臭いし敢えてそこまでして落ち着かない環境に身を置きたいという感覚もわからん。驚いたのは、帽子被って外套着たまま、一体成型されたかような巨大リュック背負ったままラーメン食ってるあんちゃんがいて、なんか凄い世の中だなと感服致すぞ(笑)。

オレには大雑把で似たりよったりにしか見えないんだが、驚いたことにラーメンは多様で複雑で繊細な食い物であるそうだ。スープの味や麺の質、具の組み合わせによって無限のヴァリエイションがあるそうで、その多様性が飽きずに食える秘訣だそうだ。なるほど、野卑で野暮な馬鹿舌カッペ爺には縁遠い話だ。

そのラーメン、統計的には山形で人気があって世帯あたり(2人世帯以上)の年間支出額が1.3万、ついで新潟1.25万、関西、四国、南九州は少なくて0.5万、大阪市に限ると0.4万だそうだが、何の何の、オレなんて日高屋で麺食うの年3回もあるかな? 食うのは390円の中華そばがほとんど(金額上げたいときはピリ辛豚骨かタンメン)だが、白葱の山載せて500円としても年0.15万だな。で、5年に一度くらいうっかり専門ラーメン屋に行って玉砕する。かっぺなもんで(笑)。蕎麦は場末の町蕎麦でいくらでもゆるりと堪能できるが、饂飩で酒は飲まないし、観光地に行ったときぐらいだからもうまともな記憶にすらないな。しかし山形は蔵王の蕎麦粉で新潟はへぎ蕎麦じゃないんか? おまけに2人世帯以上の統計に意味があるのかね? ラーメンって家族で食いに行くものなの? 蕎麦屋や中華屋の出前(伸びててヌルいから旨くない)が当たり前だった昭和の中頃ならともかくとして、想像ができない。

布石

雄花

山椒は多分裸子植物という一時代前の植物で、雌雄があるのね。4月に咲くこの花は雄花。実山椒を着けるのは雌の木で近くにあって花粉が交配すると実がなるという仕組み。なので雌の木を探して植えないといけないのか。ホムセンで探してみよう。

誰が考えたのか知らないがポテサラ・サンドウィッチというものが売っていたので買わなかったが真似して作ってみた。ジャガイモだから一枚はホットサンドにしてみたが悪くはないが餃子で飯食うみたいな違和感は否めない。気付いている人も多いと思うが、メーカー製食パンの大きさが2割ほど小さくなっている。作っているとハムがはみ出るんだわ(笑)。

ポテサラサンド

玉子サンドウィッチも何度か拵えてみたが玉子が黄色くならないんだな。もっと茹で加減を半生にすればいいのか、試行錯誤を続けている。玉子焼きが旨く出来るようになったら関西風の玉子焼きサンドウィッチも作ってみよう。ちなみに合わせる緑はレタスやパセリよりルッコラが好み。

玉子サンド

日高屋の天津飯(笑)の思い出(既に販売終了)

過疎カッペ村では数少ない飲食店ながら、通りがかりに寄ったはま寿司が改装中で、仕方なく向かいの安楽亭に行ったら撤退で閉店、マジかよっ? て並びの幸楽苑のドアを引いたら開かない(笑)。よく見ると張り紙に人材不足で休業中だとさ。過疎の現実。その点、日高屋はよくやっている。バイトの待遇が良いのは以前から有名だが、ここに来てその差が歴然としてきたな。いちばん近い店のスタッフ、最近グエンは見かけない。日中混合だがあまり入れ替わりがない。厨房もいつも見た顔で調理に安定感があって尚且つ提供が早い。早すぎるので注文はダラダラ五月雨式にしないと食うのが追いつかない。

1代叩き上げの現会長も80を超え、私利私欲よりもバイトを含めた社員の幸せ、地域に喜んでもらえる出店、長年支えてくれた株主の利益を追求したいと言うくらいだ。コロナの打撃からは回復途上だが、調子に乗って滑りまくる他社とは一線を画し、箱根の山と白河の関を越えないどころか概ね圏央道の外へは出ない堅実さ。禁煙とキャッシュレスも達成されて言うことなし。徒歩圏4店舗のうち一店だけ15:00から焼き鳥メニューがあるんだが、早朝から飲める焼鳥日高も出店してくれ。

馬鹿じゃねーの? 天津飯かよ? アヒャヒャと笑っていたものだが、食わずに貶すのも大人気なくない? と思い返し、ニラレバ、餃子、イワシフライの締めに酒追加して天津飯を所望した。5分もしないうちに出て来やがって下がりきった期待値でレンゲで一口。お、熱々で、酸っぱいな。餡の色がちょい赤味がかっているからよくあるケチャップ味かと思ったら黒酢だな。甘味を隠すほど酸味強し。赤味はトマトでなくパプリカかな? トマト臭はゼロ。玉子はトロケもせず固くもなく良い塩梅。量はふんだん。鶏そぼろもけっこう入って、カニカマ、葱ちょっと。白飯と合わさると柑橘系の爽やか酸味の餡が丁度良い味になっている。餡は片栗粉少なめで粘らない。さらさらとは言わないが、かなり緩め。甘酢スープのオムライスに近い。よくある子供向けの濃厚極甘ケチャップ餡を想定していたからかなり面食らう味。酒に合うじゃないか(笑)。

天津飯はご飯にオカズが載っている典型的な現代日本の創作料理だが、オリジナルのカニ玉や木耳、トマトの卵綴じは鶏ガラスープ味がベースで、牡蠣油やXO醤をちょいと利かす感じだけど、中国人が作る卵料理は原理はわかってもなかなか真似ができない。瞬間芸術の一種。出来上がりを直ぐ食べるという意味では自分で作るオカズではないのだろう。

ちなみに天津飯というと『餃子の王将』が有名らしい。残念ながら徒歩圏に店舗がない『餃子の王将』は生まれてこの方、一度も訪ねたことがない。たまに他所の駅前や街道筋で見掛けることはあるが、駅前の場合は近くの鮨屋、鰻屋、天麩羅屋、蕎麦屋が優先目的になるし、街道筋の場合はこの手の店でビール抜きはないので車で乗り付けようという気にならないし、だからといってタクシーで駆けつける店ではないだろう? 結果、ただの一度も経験がない。『大阪王将』は2店舗一回づつあるんだが、あの大蒜臭いのと甘ったるいコテコテのケミカル風味の濃い味は誰に受けるんだろう? 老人には辛い。で、どちらも天津飯はけっこう前面に出してるので、そのうち比較に食ってみようと考えている。玉子が上がり過ぎて今もメニューにあるかはわからん(笑)。

かじき煮

買ったときは透明だったんだがな。冷蔵庫で忘れられるといういつものパターン。煮るか焼くか。煮るほうがずっと簡単だし脂っこいから煮付けにしたわ。魚は常温に戻し、汚れがあれば手なり包丁で取る。海塩を振って暫く置く。煮る前に浮いてきた水分は拭き取る。浅い鍋に煮汁は良い醤油1、良い味醂1、良い酒1、ザラメ1、薄切りにした根生姜を合わせ軽くひと煮立ちしたら水3(八方出汁)を加える。再沸騰したら魚を加えちょい揺する。蓋をして火加減中火で5分。様子を眺め切り身の場合はひっくり返したり。姿の場合はそのままいじらず。魚の身を器に上げ、残った煮汁を煮詰める。青紫蘇、赤紫蘇の千切りをトッピングしたら煮汁を上掛け。そこらで売ってる切り身なら5分もあれば火は通る。煮込んでも水分と脂分が流出して身が固くなるだけ。

カジキ煮魚

Fの駅

県央部の台地の上にある浄水場へ納品の帰り。以前、下水道施設の仕事でも感じたが、インフラ系はウチらにとっては大地と同じ土木構造物だし、そこに載っける上屋も巨大な無人施設ばかりで、地味でいろいろ大雑把で細けーことをごちゃごちゃ言う人がいないので楽ちん。下水は臭うが上水は臭いもないが、警備が煩いので出入りは面倒。そこから下って5kmほどか。あくまで道の駅ではない。主に県産の農産物や加工品、お土産を扱う商社が運営する小さなチェイン物産店だが、郊外タイプはかなりマイナーな所在で、車なしではとてもじゃないがアクセス不能。ここも国道と県道の交差点に立地するも周囲にはほぼ何もない。見渡す限りの田畑にポツポツと人家。立派な歩道があっても歩く人はいないという真性カッペ地帯。物産部門をコンパクトにして主要な駅ナカや観光地にテナント出店しているが、数はあまり多くはない。郊外店は自前? の農産物を生産者の名前入りで販売している。ものすごく安いわけではないが質を考えれば割安。市場には出ないちょっと珍しいものも多く扱っている。野菜の苗木や花卉類もホムセンよりは大分良いのか? 農家の爺が軽トラで箱買いしてるわ。

その数えるほどしかないFの駅に唯一食堂が併設されていてFの駅食堂というらしい。営業時間が11:00~15:00のみで夜は需要がないのか? 早く着きすぎたので開店まで15分ほど売場をウロウロ眺めて時間を潰す。時間ぴったりにご案内。店内4人掛けの椅子席が5席、他は6人掛けの掘りごたつ付座敷席が8箇所でかなり広い。お好きな席へどうぞと言われるので、靴を脱ぐのは面倒だし座敷は団体を吸引するからもちろん椅子席を選ぶ。黒装束のお姉チャンが茶碗と袋入り濡れティッシュを持って来てくれて、テーブルのポットは冷たいお茶、熱いお茶は給茶機でセルフとな。

20%還元のプレミアム・クーポンの加盟店Mapで見つけた店だが、Googleでも評判は良いようだ。メニューは地魚主体の海鮮、天麩羅、煮魚で定食または丼で1000円前後からと良心的な価格。地元産の伊勢海老や鮑を使った料理もあるが、もうちょっと詳しい説明がないとちょっと手を出し難いだろう? 見せるセンスは今一。旬にはちょっと早い穴子は君津産。一本穴子の天麩羅と煮穴子1尾が載った秤目丼と鰺サンガの揚餃子、刺盛り5点単品、味噌汁を地海苔汁に変更してオーダー。秤目は穴子の別称で元は江戸時代の言葉だろう。身の側面に等間隔の点があるから。昔は鮨も皮目を上に握っていたが、今は身を上にするから秤目は見えないのが普通。寿司職人に訊いたら炙った皮目が脂デロデロでグロいって女の子が嫌がるそう。昔は芝浦、今は羽田沖、金沢八景の小柴の穴子が高級品として有名。大阪湾以西の瀬戸内海も良い穴子が採れるがあちらは原則頭付き腹開きの焼き穴子。ちなみに紛い物カッペ老は秤目丼をご当地グルメとした富津で食ったことは一度もない(笑)。

オーダーはハンディの端末をピッピと打込むタイプで近代化されている。メニューも一定の材料で歩留まりよく多くの料理を演出する辺りは田舎ドシロートでない技量とバックを感ずる。店長と思わしき爺さん、ホールはお姉ちゃん2、厨房はオバチャン3で回す模様。オーダーを済ました頃にお仕事系姉ちゃん。スマホをしばらく弄ってノーパソを広げる。5分おきくらいに地元客が増え、座敷から埋まっていく。12時前には満席。周囲には街道沿い田舎ラーメン店が2、3点在するだけだから選択の余地はないのだろう。

刺盛りは鮪、イカ、サワラ、ヒラメ、スズキで後者3種は皮付き。サワラは皮目を霜降り。とびっ子で和えたイカ以外はどれも切り付けが分厚くてふ~ん。ただし刺し身の引き方は一流ではない。サンガ揚げは店舗でも売っている冷凍餃子だろう。臭みはないけど逆に面白味にも欠けるか。穴子天は40cm超えの厚い穴子で下処理完璧、煮穴子もちょっと冷たいが柔らかすぎず硬すぎず。千切り胡瓜と海藻が添えられていrた。小鉢、甘酢生姜と昆布の漬物付き。出て来た丼の巨大さに怯むが、飯の盛りはそこそこでホッとする。つゆは甘めだがサラサラ、あっさり目、控え目で許容範囲。スプーンは付いてこない(笑)。微妙にコンサルっぽい小賢しさは感ずるが、概ね良いバランスでまとまっている。

携帯端末の20%プレミアム・クーポンで支払うが、カード以下ほぼ全てのキャッシュレス対応、タッチ決済対応でど田舎とは思えんな。休日の観光客相手かな? 使っている人は皆無だが(笑)。

やきとり

ときどき食べたくなるやきとりだが外では酒がメインの店が多いからあまり食べる機会がない。銘柄鶏にもあまり興味がないので安く済まして満足しちゃう馬鹿舌です(笑)。専門の鶏肉屋も周囲からすっかりなくなって、5kmほどのところに唯一残っている老舗も、今は焼き鳥やコロッケ、メンチ、アジフライなど惣菜がメインで生肉は奥の方で細々扱っていて時代の流れを感じさせるものだ。デパ地下やスーパーの惣菜品もときどき買ってみるが、焼き物は焼き立てという原則からは外れてしまうから不満が残る。

肉一覧

近くの食品スーパーは常時ではないがときどき誰が買うんだよ? な肉を出していて、同時に一定のものが揃えばやきとりにでもすっか? とカゴに入れる。ココで言えばセセリかな。買い物は徒歩なのでカートは使わずカゴだけ。重量は多くても3kgくらいかな? 切れたキャベツや大根は買わないが、丸物や一本物は帰り道を考えて買う。重いものと嵩張るものを持って歩くのは勘弁。

塩とタレ

特に工夫はなく、調理前に肉は室温に戻す。串は中国産の竹串だが一箱(300円くらい)買ったら1000本入で生涯使い果たせなそう。串は焦げ防止で水に浸けておく。タレ焼き用のタレは醤油、酒、味醂、ザラメ、下ろし大蒜、下ろし生姜を合わせて煮立てて冷ます。塩は岩塩、胡椒は白、七味は新潟大祐の鬼七味。葱はごく普通の長葱だ。泥葱買ってプランターに植えているので花咲きそう(笑)。肝以外は特に下処理もせずそのまま串に挿す。1点だと回転したり脱落するので種を折りたたみながら2点以上挿すのがコツ。肝はハツを落し、レバーの小さい方を2等分、大きな方は3等分、ハツは縦に割り血塊を洗い流す。全部を器に入れ冷水で軽く2、3回洗い、沸騰直前の鍋に入れ湯掻く。再沸騰しそうになったら火を止め表面が薄っすら白くなったらザルに開け冷水で軽く揉み、キッチンペーパー等に包みしっかり水を切る。

やきとり

焼きは備長炭からIHまでなんでもあるが、最近はもっぱらIHグリルの水なしフルオートモード。楽ちんだもの。最近の生っぽいのが通という風潮にはチャンチャラ与しないので鶏も豚も必要に応じて必要なだけ火を通す。惣菜の鶏レバーはトラブル防止で火を入れ過ぎるから苦味が立って旨くもなんともないが、自分で作れば外カリ中ぐにゅ~と芳醇に蕩けるものが簡単安価に作れる。何を持って旨いとするかは人それぞれだが、もう40年ほど前、上で書いた鶏屋のレバー串を食って、それまでレバーに抱いていた印象とは全く異なる味わいに愕然としたものだ。


2023/05/07 作成__2023/05/07 最終更新