秋霖シニア

しつこい残暑が続く夏も終われば湿った雨。生物学的な寿命を超え自分の躰・軀・体を思い通りに制御できなくなると、それは意識にもそれなりの影響を与える。行動基準や判断基準は常に残り時間を考慮しなければならないから若さ故の躊躇や拘りは無駄で滑稽な事象でしかなくなる。年の功というのは割り切りの一種なのだろう。残り時間が少ないなりに何でもスパスパ割り切って、どんどん進める、食えるときに好きなものを食い、したいときにしたいことをする。まだまだやらなければならないことに忙殺されて、好きなことを好きだけできるほどの境遇には恵まれないが、思い悩むのは時間の無駄だと全己の細胞が告げている。

昼時になるとスーパーとくし丸の販売車がテーマソングを流し隣家の角で営業を始め、近隣老がワラワラと集う。ここのとくし丸の中身はBelcで、1商品当り+10円ならわざわざ店に行くこともないのは理解する。そのとくし丸もなんとか宣言が出てお休みの模様。ここ一月ほどは救急搬送のピーポー音もすっかり途絶え(笑)、強烈な日差しだけがあらゆるモノをジリジリと焼いていくような静かで時間が止まったような日常が続いてますな。消防は廃車予定の2台の救急車を急遽存続させるとか。暑くて外出る気がしないけど電車に乗るのは嫌だし飯屋に行っても酒無いんじゃ蟄居せざるを得まい。仕事の打合せも激減中だが、こっちは車で行けばいいのでお手軽にして気軽。タルいから高速使えるところは全部高速乗っちゃう(笑)。最近だいぶチャリにも慣れてきたものだが、脚力が弱り、ただ単にスピードを出せないからなのか、平衡感覚が退化しているのか、フラフラふらつくなぁ。車で側方を通過するとき、出てくんなよ糞爺と念じている正にアレだ。道路は人口減で交通量も減り、何より段差が少なくなって快適だ。

野苺2021

ま~た酒が一律提供禁止になっちゃって個人相手の小売は笑いが止まらんな。ネスパの酒類も高止まり。特にノンアル(笑)。夜営業ができない鮨屋や天麩羅屋は軒並み8月いっぱい営業休止(どうせ9月もだろうが)。昼がメインの鰻屋と蕎麦屋はちょぼちょぼかな。この毎回繰り返される、手段と目的を履き違えた“一律”というのがとことん好まれるのは理解し難いところだが、もうどうでもいいや。酒は質量共にあらゆる種類を確保しているが、毎年恒例初夏の痛風で今、酒断ち3週目(笑)。春から3ヶ月ほど起き抜けに朝ビールしてたのが祟ったか、調子こいてウイスキーをカパカパ煽り始めたのが原因か、どっちだろう?(笑)。でも、元々酒は嫌いだからその気になればすぐ止めれるところが我ながら凄いなと自画自賛している。おかげで頭スッキリ、夜もよく寝れるし、運動不足を除けば体調良すぎで仕事もびっくりするほどよく進む(笑)。おまけにむくみがとれて、痩せてきたし、今血液検査したら主治医のセンセもビックリに違いない。

過疎カッペ村は徒歩5分以内のクリーニング取次が一斉に壊滅してしまい、田舎駅へのシャッター通り途中にある取次まで行かねばならない。かつては日常生活に困らない程度の業種が揃っていた商店街もすっかり廃墟と化して、残るは歯医者、乱立する美容院、墓石屋、薬局、不動産、駅に近い側に居酒屋が数件のみ。去年くらいから空き店舗を利用してベトナム食品店ができたと思ったら、すかさず道の向かいに中華食材店が開店し、とうとうフィリピン食材店までできてて笑った。そのうちミャンマーとかラオスとかパキとかもいけそうだな。

Poorman's fishes

カマ焼き

ヒラマサかま、カンパチかまの単なる塩焼き

初夏になると南九州や四国の養殖ブリの切り身がスーパーの店頭を賑わすが、いい値段だよなぁ(笑)。サケ類とブリ類はいろんな意味で養殖が天然を上回った典型だろう。養殖ブリの切り身が冷蔵ケース一つを覆い尽くすほど大量に並んで、端っこにブリカマとアラが各1列、5パックづつほど置かれ、その陰に隠れるようにヒラマサとカンパチのカマが一つづつあって、当然それだけ買うオレ(笑)。

カンパチカマ

格差社会ってやつ。だってブリ高くて買えないもん。まぁ、すぐ焼いて食えばいいんだろうが、火を入れると決まったやつは当然後回しになる。塩振って置いて、水分拭って焼くだけ。工夫もヘッタクレもありゃしないが酒の摘みにも飯のオカズにもなる。

ヒラマサカマ

で、ヒラマサとカンパチの差がわかるのか? と言われると、天然の刺し身ですら心許ないわけで、焼き魚じゃますますわからんね。ランズエンド・フロンティアではヒラマサは初夏、カンパチは盛夏~晩夏、ブリは秋~冬が旬として出回るものが多いが、そんなネタを揃えて悦に入るなんて、鮨屋ですら昔話に近い。

アジフライ

鯵

外食で揚げたてならそれなりだが、中食や惣菜になると途端に食えたものじゃなくなる。下拵えが良ければ冷凍でも味に大差はないが、生のアジを買ってきて自分でフライにするのは格別である。普段使いの牛刀の刃渡りは19cm。なのでアジとしては中型。フライの場合は大きくて脂のりが良さそうな肥えたアジが相応しい。南シナ海産。3尾で298円。ゼイゴと背びれを取って背開きにして洗い、塩を振る。しばらく置いて出てきた水分をペーパーでしっかり拭き取り、小麦粉を両面に振る。溶き卵、パン粉を着けて30分ほど置く。その間に油を準備しておく。

アジフライ

まぁ、アジフライといえば安物の代名詞。昔は肉屋が揚げたコロッケやメンチと並べて売っていて、油紙みたいな紙に包んでくれたのをムシャムシャ食っていた気がする。定食屋じゃソースじゃなくて醤油かけてた気もするし、ビチャビチャの国産ウスターソースか無けりゃとんかつソースでもかまわない気もするが、いつのまにか“フライにはタルタル”になったのはバブルの頃かな?

たるたるソース

タルタルソースはマヨネーズ、茹で卵、玉葱、ピクルス、レモン、ケイパー、パセリ、塩胡椒に白バルサミコちょい。コレといったコツもヘッタクレもありゃしないが、よっぽどの料理店でもない限り予め調合された業務用が出回っているので、わざわざ材料揃えて作るのはカッペど素人の自己満足に過ぎないのはその通り。

IH用親子鍋を試用する

カツ丼フライパン作

ガス用の親子鍋は随分前から持っていたが、IH200V対応の蓋付き16cm親子鍋を2個新調。早速カツ丼を作ってみた。5.5寸の丼だとはみ出るな。親子鍋の方がちょっと大きめのようだ。ガス用は雪平だったが、IH用はSUSの2重底だそうで、IHとガスの火加減以上に性質を掴み切れておらず、3回位は試さないと上手くいかんな。柴漬けは梅干しの副産物である赤梅酢で胡瓜と茄子を漬け込んでいる。

カツ丼親子鍋作

牛薄切り肉とマッシュルームの転用というか使い回し

ハヤシライス

どこかの林さんが考案したからハヤシ・ライスだっけ? 西洋料理にはない洋食メニュー。牛薄切り肉、マッシュルーム、玉葱を炒めて葡萄酒で煮込むあたりまではビーフ・ストロガノフやボルシチと共通なのでときおり転用して作る。ビーフ・ストロガノフやボルシチは飯に合わんが、ハヤシライスはカレーライスの親戚だね。ラッキョウ酢漬けや福神漬を付け合わせにしてムシャムシャ食うのが楽しい。

小麦粉とバターをカラメル色まで炒め、フォン・ド・ボーなんて気が利いたものはないのでコンソメで誤魔化す。玉葱、人参、茸、月桂樹の葉などを適当に炒め、塩・胡椒と小麦粉で揉んだ牛薄切り肉を加え、概ね火が通ったら、赤葡萄酒・トマト缶を加え20分ほど煮込めば出来上がりとお手軽の極み。甘くしたいならケチャップやソースを加えれば良い。ラッキョウ酢漬けは鳥取産で自作した2年もの、福神漬は元祖酒悦謹製に限る。

ハヤシライス

ビーフ・ストロガノフ

ロシア圏ストロガノフさん考案と言われる。巷に溢れているビーフ・ストロガノフは何故か赤っぽいものだが、アレはどうしているのだろう? 赤葡萄酒で煮込んでいるのか、デミグラで味付けしてるのだろうか? よくわからん。どこでそうなったのかは知らないが、いつの間にかハヤシライスみたいに白飯に添えるものに成ってしまったようにも思える。まぁ、好きにしてくれ。

バターで大蒜、玉葱、マシュルーム、月桂樹の葉をフライパンで炒め、薄切りの牛肉に塩胡椒、薄力粉を振ってよく揉んだものを加え、焼き色をつける。肉に半ば火が通ったら肉と同量の白葡萄酒、コンソメを加え、蓋をして20分ほど煮る。仕上げはサワークリーム。乳脂肪たっぷりの生クリームで調整して、塩胡椒で味を決める。あくまでも白基調。乳クリーム類が多いから炊いた白飯とは合わんと思うけど。サワークリームはヨーグルトと生クリームで簡単に作れるが、ス-パーの棚を眺め賞味期限を記憶して期限切れの3~7日前に行けばけっこうお買い得(笑)。値下げシール品を片っ端から買い捲くる。まぁ、中年以降のロシア人を見るまでもなく、笑っちゃうほど超高カロリィなので心して食うがよい。

ビーフストロガノフ+

付け合せがマッシュド・ポテトなら、芋は皮ごと茹でて、熱いうちに皮を剥き、芽を抉ってボウルで塩、胡椒、バターを加え潰す。白葡萄酒酢なりシェリー酢を振ってオレガノをまぶしたりあとは好みで適当に。パンならば薄切りのトースト、ライ麦パン、カンパーニュやブールでもいいね。最近は冗談抜きでトースト用10枚切りのパンが入手し辛くて困惑する。12枚切りに至ってはほぼ絶滅したようで、塊を買ってきて半分凍らせて自分で切るしかないのが現実である。

ビーフストロガノフ

例えば日常的な朝食にしても、メインの皿にハム、ベーコン、ソーセージ、卵料理、豆料理、チップス等を盛り付け、サラダ、スープを食いつつ、バスケットに種々のパンを盛り、種々のバター、チーズ、ジャム等を添えるとパンはせいぜい一切れ、二切れがやっとだと思うし、ポリッジやオートミールが添えられたりしていれば生フルーツジュースから始めて、最後のコーヒー・紅茶まで2時間掛かりで腹いっぱい。食文化の先進地である大都会では主に4枚切りや5枚切りの食パンを食べるようだが、よく食えるね? 朝御飯が充実するのは良いことだと思うが、8枚切りや10枚切りが無い場合、サンドウィッチはどうするのだろう?

増殖中の喝采の陰で失望と悲嘆に暮れるときもある

天麩羅が好きなので常日頃どこかに良い天麩羅屋はないかね? と、通りすがりの街を眺めている。残念ながらカウンターでお好みを食えるような街場の専門店はほぼ絶滅し(辺境にそんな店は元々ない)、デパートの食堂街に爺婆相手の定食屋と化した老舗の支店が細々と残るだけ。一方で、根強い丼需要を当て込んだ下層民向けの安直なチェインは随分増えてきたように思うが、そんな業界にまともな職人が育つわけもなく、若造バイトやリストラ親父、水商売からアブレた素人オバサンがやる気ナッシングで揚げた衣を纏ったナニかばかりで、「もうどうにでもなあれ」状態であることは考えるまでもない。それで売れるなら、それでかまわんよな。オレも心の底からそう思うわ。

最近あちこちに見掛ける大阪のフジオフード系列のチェイン天麩羅屋「えびのや」。R-payのみ使えるようなので、14:00過ぎ、たまたま田舎役場の帰り道にあったので入ってみた。ローソンと共用の駐車場は広くて停めやすい。よくある鉄骨平屋の安っちい作りの外壁面に頭悪そうなやたらでかい文字の垂れ幕が暑苦しくもウザい。入ろうと思ったガラスドアには出口専用と表示があったので、反対側の入口専用に回る。入った正面に持ち帰りカウンターがあって、ちょっと品定め。高いな。ショボい天丼が1000円越えてるじゃないか。マゴマゴしてると、奥の方から女店員が注文は中程のカウンターへ進めというので、調達予定だった持ち帰り品は諦めて先に進む。オープンな厨房を半周したところで注文。一本穴子を垂直置きした天丼が売りのようだが、天丼は外すすと食い切るのに難渋するから、まぁ、最初だし海鮮定食1250円也。飯は五穀米を選ぶ。Rポイント付けて貰い、R-payで決済。間違えてd払いでと言ってもそのまま通りそうだったから対応payを増やしたのかもしれない。セルフでよくある受信機を貰い、更に厨房を半周すると給茶機と冷水機があって、その奥が客席。4人掛けテーブルの壁際ベンチシート手前隅に先客爺1名のみ。100人くらい座れそうだがガラガラ。窓側は日当たりが良すぎるので間にテーブル3つ挟んだ同じくベンチシートの一番奥へ。エアコンの効きがあまりよろしくない。オレのすぐ後に入店したサラリーマンは窓側の隅へ。この時点で客3名で四角形の客席の入隅3点が埋まった状態。

天麩羅だからそれなりに時間は掛かろう。壁には創業者の父親がどこかに店を構えた頃のモノクロ写真で、父親に抱かれている赤ん坊が現経営者だ、どうだ参ったか~だそうで。嫌な予感しかしない(笑)。別の壁には店内精米のコシヒカリがどうたら、オリジナルの揚げ油がこうたらとB層ド素人が飛びつきそうなウンチクが垂れ流されていて、正直食う前から失望感に苛まれる。退屈しながら厨房越しに眺めていると、次に来たのはなんとかパッドを手にし、柄物のシャツをだらしなく着崩した茶髪のあんちゃん。厨房を半周した後、こともあろうかワシの隣にやって来る。視覚障害者の方ですかな? と唖然として顔を上げると、何を思ったのか今度は先客の隣のテーブルへ。不思議である(笑)。ようやく受信機が鳴り、配膳カウンターへ。ここの売りは食べ放題の辛子明太子切子と黄色く染められた大根のツボ漬けだそうで、どう見ても醤油皿にしか思えない直径5cmほどの小さな皿に自分で盛ってトレイへ追加。思ったよりはショボいなと楕円銀皿の網の上でUberEatsのリュックで運ばれてきたかの如く無造作に転がる天麩羅群を眺めつつ席へ戻る。やたら色濃い天つゆには最初から大根下ろしが浮いている。下ろし生姜? 何それ? 生姜使うのは爺だけ(笑)。味噌汁は麩入り、合わせ味噌。さっそく売りになっている25cmほどの一本穴子を箸で掴む。箸でいとも簡単に持ち上がる時点で何じゃコレは? と思いつつ天つゆに端を付ける。オイオイと一口食うまでもなくバリバリ。サクサクじゃなくてバリバリ。天つゆの中で穴子の端を折れないくらいの装甲だぜ。いやマジで。昼の残りの天麩羅の二度揚げ(揚げ直しなら霧吹きで水吹くもんですわ、ド素人さん)かもしれんが、普通は小麦粉と卵と水でこんな衣は作れない。

大方、失敗しないてんぷら粉みたいな添加物満載の業務用調整粉を使い、若造バイト店員がこねくり回してグルテンたっぷりみたいな衣でペラペラの極薄アナゴをしっかり芯までとことん火が通るように揚げました、どうだ参ったか? という感じかね? 天つゆも出汁の香りがまったくない既製品で濃い甘、辛すぎ。砂糖醤油かよ? いや、今流行りの天タレっていうやつか(笑)。何かの新感覚創作フーズなのか? こりゃ凄い、というか酷い(笑)。まぁ、持ち帰りでもシナシナにならないとか、穴子を垂直置きする豪華な見栄えが最優先とか色々あるんだろうが、グーグルの口コミでも「衣はサクサクで美味しい」とか「タレが甘辛くて最高」が8~9割と大絶賛だし、ここまで来ると老い先短いオレの貧困カッペで時代遅れな味覚がイカれているんだろう。入れ歯はないんだけどな。飯は天丼用かね? 硬めに炊かれて、オレでも少ないねと思う量。旨くもない端物切れ子(ほとんどバラ子)と業務用ツボ漬けをお代わりしようと席を立つ気には全くならないような老人に優しい配慮が絶品ですね(笑)。

このガチ天、どうも記憶の片隅に触れるものがあって過去10年分ほど記憶の襞を検索してみたんだが、5、6年前の小諸そばと更にそれ以前10年くらい前の丸亀製麺で2度出くわしたことを思い出した。小諸は揚置きの二度揚げだろう。丸亀は揚げたてのはずだが、なんじゃコレは? としげしげと眺めた記憶が蘇った。どちらもつゆに付ける前提で 硬めなのだろうか? 小諸は店によりけりで所違えば別の店だし、丸亀はそれ以来行ってないから今の状態はわからん。どっちの店も今でも健在なわけで、世間的にはバリバリ=サクサク、それが揚げの標準なのかもしれない。ああ、ウエストもどっちかというと硬めだから、地域によって好まれる味わいに大きな差があるんだろうね。

そうこうするうちにガラス越しに見えるオレの車の横に薄汚い軽が停まる。他たくさん空いてるのに何故寄せる? 何故並べる? 降りてきたのは3名で0.5t位ありそうな揃って短パンの夫婦+娘。ドヤドヤと店内に突入し注文でギャアギャア選択とキャンセルを繰り返し騒いだ後しばらくしてやって来たご家族様御一行はオレの左、爺とあんちゃんが仲良く並んで飯食ってるその目の前の席にみっちりと落ち着いて、マスクを外してでかい声でガハガハはしゃぎ始める。娘が真っ先に切れ子とツボ漬けを小皿に特盛りして、椅子が壊れそうな肉塊が震えているわ(笑)。なるほど、セルフで食べ放題の切れ子とツボ漬けにいちばん近い席なんだなと理解した。爺もあんちゃんも気にするでもなく、300平米はありそうな客席の四隅の1点に5人が集中していて本日二度目の不思議。その視覚的暑苦しさと騒音に耐えかねて、そそくさ、バリバリと店名に同じく名前負けしている何の感慨もないエビ、キスの代わりにミニブリ、揚げ過ぎで水分飛んじゃってる薄ペラアナゴ煎餅、超ミニイカ、いちばんまともだったナス、冷凍カボチャの新感覚天麩羅をバリバリと消化し、お帰りは専用出口へ。出口脇にトレイの返却棚がある。急成長中チェインの調理システムと人材配置の限界かね? 外で飯食って、自分で作ったほうがマシだったわと思うのはとても悲しい。うへぇ。

今年のふるさと

春のカキ、アスパラと来て初夏になって、ふるさと納税で泉州水茄子を選んだが、流石に贈答品レベルで値は張るが皮も薄く柔らかく瑞々しさも溢れんばかり、滴るほどで旨かった。さすが本場。実は近くのスーパーや青果店でもその半分以下の価格で地元産水茄子を扱っている。で試しに何度か買っているのだが、皮が固い、瑞々しさに乏しい等、本場には敵わない。一口齧ってはっきりわかるレベル。それでもロットなのか時期なのか産地なのか、まぁコレなら水茄子と云えるかなというレベルのものあって品質は向上中なのだろう。来夏に期待している。

たまごサンド

パッションフルーツはトケイソウの実。水茄子に続くふるさと納税で、沖縄産。けっこう値が張ったが見事なものが大量に届いた。2つに割って中の種の回りの黄色い果肉を種ごと食べるわけだが、まぁ、パッションフルーツ・ジュースの素だわ。年端も行かない幼少期、仕事の関係で親父が台湾産のパッションフルーツ・ジュースを調達してきて、その香りと味わったことのない南国の爽やかさに悶絶したものだ。

パッションフルーツ

Amazon Prime Video

そういえばそういう漫画が昔あったなと試しに観た『孤独のグルメ』は予想通り期待外れ。既にseazon1から8まであって、チョコチョコつまみ食いしただけだが、中身の進歩の無さと適当に差し替えても何ら支障がないマンネリ加減に驚く。メニューが似たりよったりでパッとしない上にその店行ってそれを選ぶか? なのと各seazonに必ず朝鮮料理が選ばれるのは都会ではそこまで敷衍して日常になっているということか、それとも制作側の趣味なんだろか?(後注:番組を韓国のTVに売るため?) 老若男女を問わず朝鮮焼肉がすっかり日本食として受容されているどころか、唐揚げと共に最も好まれる現代日本食として絶賛されているのは皆も知る通りだな(笑)。残念ながら、中身はドラマ仕立ての部分が冗長だし、わざとらしい演出が純粋につまらん。食い物に貪欲とも思えない痩せた主人公のキャラも嫌われる要素を徹底的に削ぎ落とした人畜無害、無自覚無思想。そんな糞ツマンナイ親父は(今コレを読んでる)お前だけで十分有り余っとるわ。こーゆー店(表から一歩外れた昔ながらの個人店)が良い店的な価値判断も都会人を気取ったカッペ風で実に滑稽だが、間が持たないからといってランチ1食で酒抜き5000円食うのはまったくかまわんけど、この人の食い方は流れで金額が張るわけじゃなくて、かつ丼食ったら冷やし中華も旨そうだから追加する的な、ガキというかバカ学生のノリだよな(笑)。

いっそのこと最後の部分の原作者が飲み食いする部分だけで良いのでわ?(笑) というか、この作者に飲み食いさせてウンチク語らせればよいのに。なお、店を選ぶのにも色々裏がありそうだが、ここに登場した実店舗にはTV放映後実際新参客が怒涛のように押し寄せるそうで、そこまで含めて実に日本的なTV番組なのだろう。ターゲットにしている主要な視聴者層が実際に追体験できるあたりが10年近くも続く(スポンサーが付く)長寿の秘訣かな?

『DCI Banks seazon 5』

以前『1~4』については評したものの、回を重ねるにつれて、暗い。暗すぎ。最終シーズンなのにこれでいいのか? 全6話がすべて一貫して最後の収束を迎える。肝心の悪党が小物感漂わせてるあたりが、ちょっと残念なところ。最初のシリーズから何年経ってるのかしらんが、演者も老けて小ジワが増えてるなぁ。最早原作者のミステリィは何処へ? の如く、熱血ポリス物語になっちゃってるが、一応張られた伏線も回収されてるし、過剰な要素をぶち込みながらも、それなりにスッキリ納まる構成はよくできていると思う。セリフの応酬も興味深いしな。主人公が最後に積んでいる石はドルメンの矮小化版だろうか。ケルト民族の伝統的な墓であるが、賽の河原で積む石と同じなのは興味深い。行けばわかるが、まぁ、いたって普通の光景で、観光地でもなく、こんな光景が当たり前のように延々と広がっていて、植物すらまともに生えない石の荒野を風が吹き抜ける。安くてぬるい黒ビールと羊肉と鮭とヨークシャー・プディング食いたいな。DCIはDetective Chief Inspectorで階級としては警部、Inspectorが警部補の模様。

『BroadChurch』

こちらも似たような感触の8話完結ミステリィ。主人公はアイルランド人とされるが、撮影はどう見ても南イングランドの田舎町だね。ドーセットあたり? 6話くらいまでは誰が犯人かさっぱりわからんほどによくできている。一応、近代文明や文化を築き上げた先進国で、動機が変態や異常性向、イカレポンチに起因するのは好みではないのだが、最近のは本もこの手の映像もそういうのばっかりで嫌気がさすな。犯罪は同じ土俵に立つ人間が叡智の限りを尽くして犯して欲しいものだ。理由はともかくとして、“気づけなかった”という事象の結果が特大のブーメランとして脳天に突き刺さるラストはなかなか感銘深い。それぞれが持つそれぞれの苦悩の描き方は、非常に丁寧で執拗で納得できるあたりは素晴らしい。タイトルは設定としては事件が起きる田舎町の名前だが、イギリス国教会の広教会派のことでもある。作中の若い牧師の説教はなかなかイケてる。

たらこクリームパスタ

スーパーで売っている紙パックの生クリーム200mlを一度で使い切れるメニューはなかなかないのでときどき作る。普段作るトマト缶+アルチェ・ネロのトマトピューレ+生トマトのトリプルトマトソースより受けが良いのは理解できない。一般的には明太子を使うのかもしれないが、時代遅れのカッペ老人はたらこが基本である。明太子が一般に普及してその名前を聞くようになったのは80年代初頭で、それ以前、たらこは塩漬け北海道産が普及していて安価に売られていた。貧乏人の飯の友だったね(遥かな過去形)。今はほぼアメリカかロシア産。近海スケトウダラを取り尽くしてずいぶん高くなった。昔だったら見向きもされなかったような切れっ端や崩れたものが加工品やペーストになって大手を振って歩いている。

たらこスパ

たらこはオーブントースターで軽く焼き目を付けてぶつ切り。アルデンテに茹で上げたパスタをバターと生クリームで和えて極めて軽く塩胡椒、紫蘇の千切りを混ぜ、レモンを絞る。あとはたらこをトッピングするだけ。ほぐしながら食う。

LowLife in the Country

爺婆やオッサンが潰れても掠りもしないが、女子供が犠牲になると国を挙げてヒステリーというのは毎度お馴染みの構図なわけで、特に車を持ってたり運転できる人や酒が飲めて社会生活が充実している人が憎くて堪らない幼稚なネットのヒキコモリの妬み嫉みの見苦しさは滑稽で腐臭が漂う(笑)。確かに自家用の、特に普通(中型)免許で運転できるような貨物車の運転手の総体的な質の低さは、呆気にとられ、目を覆いたくなるレベルであることは事実だし、ロクに整備もされていない汚い車で排気ガスを撒き散らし、無謀で強引な割り込みと視界を塞ぎ、低速走行の嫌がらせ、左折時や横断歩道での歩行者圧迫と枚挙に暇がない。

そんな人間に交通法規を説いたり取締りをしたところで効率が悪いし、運転には人間の本能と連動する感覚的制御が伴うから抜本的な改革には繋がらない。ならば、ここは一気にあらゆる輸送機械の操作から間違いを犯し、酒を飲み、眠くなり、糞をしたくなる人間を徹底排除することが最も簡単に目的を叶える手段ではないか? 飛行機や電車なら法律や保安基準を改定すれば明日からだってできるだろう? コーヒー片手にモニタに向かったオッサンが地球の反対側から衛星経由でリンクした無人機を飛ばして通称テロリストの顔を確認してミサイルをぶっ放して爆殺してる時代だ。車だって趣味性の低い業務用自動車の運転や操作を人間が行う必要はまったくないわけで、さっさと無人化を進めよう。多少の事故が起きたとしても、今人間が引き起こす事故よりは数が減るし、相手が機械ならば無駄にネガティブな憎悪のエネルギーを燃やし続ける必要もあるまい。

水に流す

ウチのあたりは辺境のせいか水がとことんマズイので有名な田舎地方だから、飲水は麦水や葡萄水というわけにもいかず、硬度が1桁から4桁までの水を揃え使い分けているわけだが、猫は硬度1桁の一番高い水しか飲まない(笑)。で、実際どのように違うのか水道事業者が検査キットを配っていたので使ってみた。一応webでの報告義務があるんだが小学生の夏の課題レベル。上水は廉価な直結方式で口径20Ax2の2系統、配管は道路から量水器までが水道用塩ビライニング鋼管、量水器から屋内ヘッダまではHIVP、給水ヘッダから器具までは合成樹脂可撓管と可もなく不可もないグレード。報告は本管に直結している水栓1ヶ所を10分間放水した上で計測する。

水質検査

試薬は残留塩素とPH、硬度の計測用で各5本、前世紀風の原始的なカラーチャートで目視確認する。せっかくだから系統1のキッチン水栓、塩素低減カートリッジ付きのシャワー、系統2の洗面水栓、シンク下ビルトイン型浄水器の専用水栓、池の水の計5ヶ所で計測してみた。

結果は直結水栓は0.4ppmの塩素残留。浄水器とカートリッジ付シャワー、池は塩素ほぼゼロ。池は予想通り酸性気味で、モノアラガイかサカマキガイが発生している。さすがに浄水器はPH7.0をキープ、系統1のキッチン水栓がPH7.4と振れ気味。硬度は炭酸カルシウムの濃度を測っているようだが、水道系統の硬度は40~45程度でほぼ一定で、浄水器は関与していない模様。池だけ150と突出しているが、常時流水でないことや水生植物が原因だろうか。

過疎辺境未開の地、あちこちで商業施設の撤退や廃業が目立つが、多くは築40年超えの建物で、不特定多数が利用する大規模商業施設やホテル旅館で、耐震診断でoutを宣告された建物も多いだろう。だからといって、改修しようにも元が悪過ぎで技術的に対応ができない、改修できても工事休業が年単位に及ぶ、或いはコストが掛かりすぎるから上にマンションでも載せたほうがマシだろうという理由で再開発に頼らざるを得ないこともさぞ多かろう。でもタワマンの旬もそろそろ危うい。駅自体が過去の遺物化するのはそう遠くない。IcTの技量と素養と対応力は世界でも最底辺レベルだから駅近タワマンが下火になるのはまだ少し先のことになるのかな?

一定規模以上の公立学校や公共建築は耐震診断・耐震改修もほぼ終わり、診断対象建物の耐震上の安全性は確保されていると考えてよいが、築40年ともなれば建物や設備の基礎的な機能がボロボロ。防水劣化や躯体クラックによる雨漏りくらいなら使う人が困るだけだが、鉄筋が錆びてコンクリートが爆ぜたり、タラップや空調機の架台が腐ってたり、水槽やルーバーの柱脚ボルトのナットが腐食して無かったり(笑)、マジ危ねえだろが。でも、もうメンテなんぞに回す金が無いんだよね。誰も喜ばないからね。ド田舎に永遠に赤字を生み続ける新幹線や高速道路引っ張って、ヤギしか住んでない島に橋架けて、昭和脳がデタラメの限りを尽くして化石イベントを誘致して、使えない箱物を量産するのが最優先だからな。人口減少に合わせてインフラや公共財も立入禁止のメンテ放棄で跡は野となれ山となれで一件落着。

解凍丼

解凍丼

海鮮というのは名ばかりでほぼ冷凍ものの寄せ集め。刺し身が飯のオカズにならない人間にとっては、飯が酢飯であることは絶対に譲れない最低線だから、外では一度も食べたことがない。いつの間にかソコにあることが当たり前のように振る舞う脂ぎったオレンジ色の奴が見苦しいから鮨屋以外では頼みたくないしな。元は江戸前チラシだろうとも思うが、勝手に後付で海鮮丼などと名乗るから混乱する。イクラはロシア産を醤油漬けにした冷凍品、鮪は青森産ブランド黒鮪の中落ちスキ身冷凍、紫蘇は自家栽培品、海苔は普通の板海苔、山葵は西伊豆産。葱は八百屋で買って来た。菊の花があると良かったが、真夏じゃタンポポも咲いてないわ。味付け用の醤油は正金濃い口と岐阜の白扇酒造の福来純本味醂を煮切ったもの。

解凍丼2

酢飯はササニシキを7分つきで精米し、酢飯規定の水と酢飯モードで炊いたもの。合わせる酢は大サジ1の海塩、小サジ1の三温糖にミツカン白菊を注ぎ、120mlにしたもので米3合。稲荷寿司のときは砂糖なし。時代遅れのカッペ貧老人向けの配合だから良い子のみんなは塩と砂糖を逆にしたほうがよいことは言うまでもない。櫃に盛った飯にすし酢を回し掛け、米粒を崩さないように軽く切り混ぜ、ラップをして2時間以上置いたもの。米の芯まで酢が染みる。温度は人肌だ。

シマアジ

おまけの刺し身はブリじゃなくて養殖のシマアジだ。注文に応じて当日朝、生簀から揚げるのが売りで、あんまりアジ臭くないシマアジだった。養殖はみんなこうなるよな。シマアジも今は殆ど養殖で、鮨屋が言うには生簀の中で掬ったのが養殖、生簀から逃げたのを獲ったのが天然というらしい(笑)。

ウニ丼

ウニは岩手産塩水ウニで牛乳瓶に入っているヤツね。唯一冷蔵品。

で、余った酢飯は稲荷寿司になるわけだ。正確には稲荷寿司用に多めに作った酢飯の一部を解凍丼に流用するわけで、残った酢飯と包む稲荷揚げの量は一致している必要がある。いまどき自分で稲荷寿司を作る人間は、商売人を除けば極めて希少だろう。そりゃ当然、コスパとか時短とか考えたら、100円で2貫の握り寿司が食える時代に情弱の極みにして時代遅れの田舎者の烙印が相応しいことは言うまでもない。

稲荷寿司

油揚げも高くなったものよのう。オレ好みの5枚入りでペラペラのものも100円切るのが稀になった。揚げは意外に長持ちしない。カビ生えたらダメだが痩せて固くなったくらいなら熱湯で10分ほど煮るので無問題。煮上げたらザルでしばらく置いて、手で握れる程度まで冷めたら、破らないよう慎重に握って水分を絞る。絞った分だけ味が染み込むのでここが勘所だ。絞ったら2つに切って袋に指を入れて適度に開いておく。醤油、酒、味醂(甘くしたけりゃ砂糖)を1:1:1で合わせ、沸騰しかけたら2分割した揚げを放り込む。焦がさないように煮汁がなくなるまで煮詰めれば出来上がり。冷蔵すればかなり持つが、やりすぎると揚げがグズグズになって稲荷の袋には難しい(笑)。キツネ蕎麦にでもすればいいけど。

懐かしのレジ袋

すき家とほも弁は最初から何も聞かずに袋に入れてくれる。どっちもトラブル必須な客層だから極めて順当な判断でさすが。すき家の袋は「Sukiya to-go」って書いてるあたりも好感する。MaCは紙袋に入れて封印付きのシール貼って、半透明手提げ袋に入れてくれるが、持ち帰りは少数派だろう。友達や同僚や家族とお喋りしながら一緒に並んで、一緒に買って、一緒に食べるということにかけがいのない至上の意義があるのだろうね。カッペ老は狭い場所で立って並ぶことに快感を感じないからモバイルオーダーしかしないが、いつもモニタ画面にM付きの番号はオレだけ。この現象にはいつも困惑するところで、己が協調と同調を至高とするこの社会から脱落した負け犬カッペ貧老であることを改めて認識すると同時に、くわばら、くわばらと振り返ることもなく一目散にトンズラを図るのだ。

しかし、このマクドのシステム、横取りが相次いだようで、以前は自分の番号を申し出るだけで受け取れたものが、最近は受け渡しの際に携帯端末画面でのオーダー番号の目視確認が必須になっていて笑える。それに対抗してネットにはオーダー番号入りのスクリーンショットが出回っているらしいが、モニタの画面を見てソコにある番号を打ち込むと、オーダー画面を作ってくれるソフトなんか簡単にできそうだな。割に合うとは思えんが(笑)。同じような事象はホモ弁でもあって、注文してない奴が横取りして遁走とか、店員からは見え難いリーダーの読み取り部に何故か予め会員カード(ポイントが貯まる:殆どの人は非会員+現金払いだから無頓着)がセットされていたりと、高リスクな割に費用対効果が極めて薄い涙ぐましいまでの努力には驚嘆と染み入る感動を禁じ得ない(笑)。

近くの八百屋は最初の一週間くらいで(税率の違いに)面倒(笑)になって諦めたようで、以降は惜しみなく無料で立派な(ビニルの厚い)袋に入れてくれる。パン屋Donqの袋はとても立派な手提げ付きなのでいつも3円払って袋を積極的に貰う。Donqのネエチャン、ヨボ老カッペ爺にも分け隔てなく接遇してくれて、いつも親切にありがとう!

有料でも概ね3円から高くても7円くらいだが、チンケなペラペラから立派なものまで実に多種多様。耄碌カッペ寒村ではゴミの回収は任意の袋でOKなのでレジ袋は役に立つ。3円なら有料だとしても自治体指定袋より安いらしい。指定ゴミ袋は新聞屋や廃品回収業者に貰うことはあっても買うことはないからな。

冷やし中華2021-3

マンボウ圏外鰻行脚

某ド田舎駅前1分。EV降りて目の前じゃ。瑕疵検査立ち会いが11:00に終わっちまって、ロータリィの木陰のベンチで涼を取る。かつて正面にあったチェーン中華は赤と黄色の発狂しそうな外装のテイクアウトから揚げ専門店に変貌していた。看板にデカデカと踊る“テイクアウト”の文字には違和感と不快感しか感じないな。世の中、道を歩けば唐揚げやらラーメンやらタピオカやら理解不能な業態が蔓延しており、我が情弱カッペ老害は肩身が狭い。狭すぎていつまで道を歩けるのだろうと不安になるが、まぁ、畦道でいいか。開店時刻の11:30。まだ準備中。あのう? と声を掛けるともうちょい掛かるとな。炭でも起こしてたのか? 外で待つこと10分ほど。4人掛けテーブルx3、奥に座敷2卓。いちばん居心地が良さそうな真ん中のテーブル席を勧められそこに。まず検温。メニューは壁に短冊のみと割切れ感でいっぱい。7割が酒で食い物は鰻重2種、鰻2種。摘みが3種のみ。

オババに鰻重+白焼きのセット重を注文。「うちは時間掛かるわよ」とありがたい忠告をヘラヘラ笑い流す。コロナで生は中断中で瓶のみ。それも今どき珍しい大瓶のみ。おまけに黒ラベルと恵比寿のみ(笑)。キンキンに冷えたグラスにビールを注ぐ。あ~旨い。貧乏そうに見えたのだろう。摘みもなしに飲み始めたのを見て哀れに思ったのだろう。素揚げの川海老に塩振ったものをもらう。非売品だそうで。おお、ありがとう。しばらくして婆さんが籠に入れた捌いた鰻をびろ~ん、びろ~んと見せに来る。心臓が動いているのがたった今捌いた証拠と説明される。なるほどな。ニョロニョロ生きてるのを見せに来て客に選ばせる店もあるが、それよりは合目的だ。しかし、でかいな。焼くと縮むけどな。でも今から焼くのかよ? 覚悟はしてるが、酒が進むな。

待つ。ただひたすら。ビールが尽きてonce more。ついでに塩らっきょうを頼む。ポリポリ。塩と酢だけで酒に合いそうだ。まだ待つ~? と、程なく注文後40分ほどか? 想像より早かったのは地焼きだからだろう。2段重に肝吸い、冷奴、漬物付き。即時焼きたての白焼きに取り掛かる。婆が何も付けずにここを食えとかホンモノは違うだろとかうるさいが、その通りだから真中を箸で割いて2分割の切れ目を食う。おう、皮パリパリッす。身はホクホクっす。白焼き屋の白焼きもいいんだが、これはまたこれで格別だな。小皿に練り山葵が供されるが醤油はないかと、以降は塩と山葵で呆気なく完食、ハジカミで口直しして鰻重に取り掛かる。

蒲焼きは焦げもなく、非常に丁寧に焼かれている。これまたパリパリホクホクでタレがちょい甘だけど濃くないから鰻の脂といい塩梅で相乗効果を上げている。いいじゃないか。かなり良いぞ。山椒もいらんわ。飯の質も炊き加減も上等、タレも染み込みすぎずで良いバランスだ。飯食うのに待ったり並んだりはしないが、これなら15分は待ってもいい(笑)。食い始めた頃にオバチャン1名、あんちゃん1名がご来店。電話で予約か持ち帰りの注文も入っている模様で、人っ子一人歩いていない閑散とした駅前にしては繁盛しているようだ。爺+婆+娘みたいな典型的な3ちゃん営業で、70代の爺が捌いて焼けなくなったらその時点で終了は確実だろう。近い将来またまともな鰻屋が一つ減ることが確定した。鰻が1年でいちばんマズイ夏の馬鹿騒ぎが終わったら、また来よう。

正月の食い物が1年でいちばんマズイように、鰻は7末~8頭がいちばんマズイ。マズくても売れるから普段は売れないようなものが店頭に溢れ、買い求める人には事欠かないから焼く方も数をこなすために手を抜くし目が行き届かないのは当たり前。日常的に鰻を扱わない飲食店やファミレス、弁当屋まで、猫も杓子も鰻を繰り出してくるのも恒例と化していて、もちろん鰻を捌いて焼ける職人を抱えているわけではないから、扱うのは異国で蒲焼きまでされて倉庫で眠っていた冷凍鰻(の端物)を刻んでみたり、斜めに削いでみたりと、鰻を食べたことがない人にとっての鰻作りに余念がない(笑)。まともな鰻屋はそれを嫌がって土用丑の日は休業するところも多いようだ。めでたいことである。

冷やし中華2021-4

紅鮭燻製とクリームチーズのサンドウィッチ

個人的にローストビーフのサンドウィッチ、胡瓜とレッド・チェダーのサンドイッチで3択、3時のジントニックorジンライム受けにピッタリ。ホットのアメリカン・クラブハウス・サンドウィッチも好みだが、あれはコーヒーで朝飯向きだ。紅鮭の燻製にはデイル・シードが必要なくらいで特に工夫はない。クリームチーズはイギリス製は高いからニュージーランドやアメリカ産でOK。胡瓜は薄切りにして塩振って冷蔵庫で一晩水抜きする。出来合いのピクルスでもいいか。実は余計な夾雑物と水気のないまともなパンを手に入れるのがいちばん難しい。

燻製紅鮭サンドウィッチ

エキナカ中華「餃子の王様」

各種キャンペインで貰える期間限定JREポイントを消化するには有効1ヶ月の緑券申込に替えるか、JR系のエキナカ等で消費するか、JREモールで買い物するかの選択になる。6月末の期限付きだが、雨じゃ出掛ける気もしないし、サラリーマンのように電車教に帰依した通勤愛好家でもないから、たいして電車乗らんしなぁ。7、8月は緑券400ポイントで交換できると聞いて、ついでを作ってエキナカ消費しかないか。

エキナカの飯屋はショバ代が高いせいか今一つ満足できる店がなくて、基本的に敬遠して来たからいざとなると探すのに苦労する。チェインの専業ラーメン屋、カフェ、バーガー類、海鮮丼、串カツ、牛カツ、洋風居酒屋、パスタ屋、海鮮丼は飯が(ほとんど)酢飯じゃないし、載ってる種も冷凍の養殖ばかりだしでちっとも心惹かれない。一周しゃちゃって最初に眺めた中華か? 通路に出てるメニューをちらっと眺め、日式だけど中国系かなと。餃子の王将には相変わらず一度も入ったことがないが、ここは餃子の王様かよ(笑:最近売出し中のチェインらしい)。

お、生ビ300円じゃん。期待しないで頼んだら一応500mlの中ジョッキだった。菜譜には一品料理もあるし、スタッフは全員中国人のようだから麺イケるかな? と豚角煮麺、店名にもなっている手作り餃子3個を追加した。最初にビール、程なくして麺、ビールが空になった頃に餃子が到着。麺は期待通り日式ラーメンでは使わない中国料理店の腰のない白い細麺。よしよし、いいぞ。角煮はキチンと八角が効いていて好感した。スープは鶏ガラ、ちょっと花椒が効いていておいしかった。焼き餃子は長辺が10cmほどと特大。3個にしておいてよかった。皮厚め、中は豚肉とニラ、ネギ、生姜。質は程々だが平凡で特に印象はない。大蒜なしは大陸では当たり前だが、国内ではそれを売りにしているところがあるくらいで染まってなくて心から良かった。今度は水餃子にしてみよう。しかし、大陸に存在しない担々麺に焼き餃子で平然と“本格中華”やら“本格中国料理”を宣う図太い神経はどこに起因するのか興味深いものだ……とヘラヘラしつつもビールを追加しても2000円ほどで、めでたく6末期間限定ポイントを消化。端数はsuica決済。

外で食うラーメンは塩辛いのと旨味調味料濃すぎ、なおかつ脂っこいのに懲りて近寄ることすらないのだが、ラーメンに限らず最近の食い物は濃い味化が進んでいて堪らん。女子供でもわかる(SNSに書ける)わかりやすさが求められていることはよく理解できるのだが、販売管理の高度化で売れ線が簡単に把握できるから、どれもこれも似た味になってしまうのは困ったものだ。

冷やし中華2021-1

冷やし中華

生麺だけ用意すれば外で食べる理由がないほど安直な食い物。切って載せるだけやん(笑)。外食は見栄え最優先で気取ってるから具がショボい、安っすいスダレハム(笑)、酢を殊更無視した旨味増強“つゆ”がとことん甘いし、ろくに練胡麻を使っていないゴマダレ等々、お世辞にも褒められたものではない。もちろん、素材の品質が比較的そのまま出てしまうから、素材にコストを掛けられる方が有利になることは言うまでもない。つゆは甘酢醤油を基本にするが、出汁を和風にするか中華風にするかで趣は変わる。前もって作って冷蔵庫でキンキンに冷やしておく。器もな。酢も山吹とか白菊とか千鳥酢等々変えるだけで趣が変わるぞ。

冷やし中華2021-2

玉子はペラペラ極細の錦糸玉子にできれば見栄えもいいのだろうが、1.5個/人、顆粒の鶏ガラ出汁でちょっと味付けして薄切りの卵焼き風にしている。液卵の卵白を黄色く着色するあまりにも均一で濃厚な黄色が美しい業務用には敵わんね。肉は豚肩肉の自己流煮豚をスライスする。

冷麺

冷麺

これは冷やし中華ではなくて韓国製宗家の生冷麺を使ったインスタント冷麺。国産は盛岡冷麺に代表されるように白い麺が殆どだが、こちらは黒いコシの強い細麺に2種類の液体スープ付きで売っているもの。胡瓜と茄子は水キムチの素で作っている水キムチ、赤いのは普通の市販品キムチ。あとは冷やし中華と共通で誤魔化す。ナムルみたいなものを用意すればいいんだろうが、アレはアレで、大豆もやし、ゼンマイわらび、人参、大根、ほうれん草と揃えなくちゃならんからけっこう手間掛かるんよ。売ってるのはマズいしな。

宗家冷麺

麺は生麺で茹で時間40秒。茹で上がりを氷水で締めて手早く水を切り、冷やした器に盛り付けるわけだが、麺は手際がすべて。


2021/09/06 作成__2021/09/06 最終更新