mid-GW

朝、道をくぐる歩行者用のトンネルででかい猫に出くわした? かと思ったら、向こうも相当驚いたらしい。キィーと鳴いてオレの脇を脱兎のごとく駆け抜けた面と姿はどう見てもアライグマで笑った。それほど大きくないまだ子供かね? 繁殖しているのか? ハクビシンがどこかの空家を根城にしており、そこここで木登りしているのは聞いていたが、とうとうアライグマまで繁殖していたか。暦の上ではもう夏だが、寒村にも春が来たなぁ。

メジロは随分前からつがいで梅の木にやって来て、仲良く花を啄いていたものだが、今年はウグイス初登場。時代から取り残された寒村の恐ろしいほど音がしない朝っぱらから特有のあの声でよく鳴いている。ホウ法華経。

2015年の鰻

外箱

肝串1本作るには鰻が2~4匹必要だし、肝吸いの需要が先だろうから、活き鰻を店で捌く鰻店では肝串が食えることは僥倖である。というか、真面目な店ならメニューに載せずに、常連から求められたら「今日は肝と鰭1本づつお出し出来ます」みたいに得られるもの。

50x

というところで自明だが、鮟肝と同じく肝だけで流通するのが鰻の肝。崩れた蒲焼きの細切れがひつまぶしや鰻巻き用に出回るのと同じように、一本あたりがショボいし味は落ちるが冷凍串も出回っている。カブトと醤油、味醂で拵えているタレを塗り塗り、加熱はオーブントースターで。

kimokushi

鰻ザクは塩揉みして冷やした蛇腹切りの胡瓜を熱々の蒲焼きと合わせ、冷たい三杯酢で和えたもの。外で食うと端噛みや茗荷の彩りが綺麗。

鰻酢

鰻巻は鰻入りの出汁巻き玉子で淡い塩味にするのがウチの定番。まぁ、賄いだからカタチは売り物には成らんよ。

鰻巻き

社会の底辺を這いずり回る下賤にはGWなど来ないのは自明として、困ったことに、したいことも特にないし、行きたいところもないし、これといって食べたいものもないし、欲しいものはあるけど金じゃ買えない……となると、やらなきゃならないことはいくつかあるとしても、酒を呑むか、仕事をするかしかなくて、結局今年のGWも酒を呑み呑み業務に励むことにした。それでも腹は減るから、すき家やマクドといった私のような非正規負け組下層老爺でも身分違いに当たらず、iDやQuickPayで現金要らず、違和感なくとっても心が安らぐ分相応の外食チェーンに赴くが、ネパールから来たシン君は礼節を持って接してくれて常々感謝が絶えない。マクドはdポとiDで3%引きというからカード作って3年振りくらいに行ったら、バンが湿っててプニャプニャだし直径が1割強ほど減じて更なるミニチュア化を遂げており、建前と外面と幼児味覚を最優先するボクタチの文化の悲哀と綻びを痛感させられ胸が締め付けられる思いだ。一方、すき家は4/27から今年も鰻再開で、漸く優待券の消化もグンと捗るというもの。取り敢えず初日の感想。特うな牛をご飯少なめタレ少なめで注文。今年は3p~3.5pくらいで、ちょっと品がない大きさ。尻尾側にちょっと小骨が感じられた。身肉は白く、箸でツーっと割ける。身は厚いが皮目の焼き加減は冷凍レトルトとしてはよく焼けて脂も適度に落ちている。臭味はないが川魚の風味は残っている。タレは去年よりも薄味で甘味も抑えている印象。もうちょい醤油の辛さを出すとよいと感じた。山椒小袋は特に必要を感じない。レトルトでいいから肝吸いも付けてほしい。牛と鰻は合わないけれど、同時に口に入れるわけじゃないし、ご飯多すぎるからバランス上おかずが必要だ。スーパーのタレ塗りたくった国産?ヒネ鰻よりは随分まとも。もう歳だし、それほど鰻好きってわけでもないし、何よりBottomだから尾花や石ばしや野田岩に毎週通うわけにもいかんし、亀屋はまだしも伊豆栄は観光客だらけだし、初小川や前川は帰り道だがカブトは遠いし、うな鐵の西日暮里は新宿の暖簾分けなのか気になるし、何よりも食える量が減っているから、今年は4/末~9/中はすき家で30尾、鬱陶しい馬鹿騒ぎが終わった秋以降はその他諸々で20尾、通年自宅で10尾くらいで打ち止めだな。

日高屋も優待券の消費期限が迫ってきたので、積極的に新メニューを試す。麻婆豆腐は日式味噌煮込みで麻辣風味共に皆無、塩辛さだけが際立つ。カレイのフライは典型的な業務用冷凍で可もなく不可もなく。和風つけ麺はイワシ+サバ魚粉の臭いと舌触りが不可。味玉追加しても具が貧弱で彩り悪くパッとしない……ということで、結局定番の爆弾・ニラレバ・餃子・中華蕎麦・かたヤキソバに帰結してしまうのだな。利用する近在の唯一店は一月ほど改装で閉店していたのだが、焼鳥日高でも出来るんか? と期待させておきながら、ただの拡張であった。客席が倍になって全席禁煙タイムが~17:00⇒~15:00と縮小したが、50%ほどが終日禁煙席になって夕方以降の選択肢が増えたカタチ。まぁ、仕切りがあるわけじゃないから夕方以降は行かないと思うけど(笑)。

亜モッツァレラ

Mozzarella

MAFF(=Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries)の利権と畜産農家と乳産業+給食産業の権益保護のため、カマンベールと共にTPPで関税軽減対象から外されたモッツァレラ・チーズでありますが、国産と外国産では名前は同じでも「似て非なるもの」の典型でもある、ブーファラとバッカの2種。ブーファラは水牛、バッカは牛。本来はブーファラでバッカは安価な代用品。MAFFによるバターやチーズ等における「お前らには偽物で十分、牛乳だけ飲んでろ」的政策に敢えて逆らうつもりは毛頭なく、寝てる子は永遠に寝てればいいとしか思わないが、モッツァレラ・ブーファラにしてもバッカにしても確実に精確に、ただひたすら旨い。

T&M

イタリアのスーパーで売ってるような普及品だし、冷凍品で相当味落ちてると思うんだけど、それでも旨いわ。猿真似なら世界一といえども、国産の“白いゴム”とは全くの別物にして異物。


2016/05/01 作成__2016/05/01 最終更新