非家庭的な家庭料理

車がもうすぐ初回車検なのにまだ5000kmに達していない。なるべく乗るようにしているんだが、何処にも行くところがない。そうこうしているうちに小さな集落に著しく同型同車種が増え、「おい、コラ!」と車屋の営業を問い詰めたら、「アハハ。わたし、売っちゃいましたぁ(笑)」だと。目立つからちょうどいいです、ってウチをショールームにすんなよ。買うときに周囲2kmに同車種同色がないことを確認して買ったのに、最近は有り得ないはずだった同色にまですれ違ったりしてぎょっとするというか、極めて不愉快この上ない。

ついでに以前から不快だったロードノイズ対策として、タイヤを中国朝鮮産の3倍もしやがる国産・低騒音・低燃費・車種専用タイプにしたら、これは当たった。粘っこい割に振動が伝わらず、ノイズも三割減。車の免許を持たない人が「これってタイヤ替えたせい?」と訊くレベル。テクノロジィだわ。バッテリも青いのに増強したので、車内再生音はいっそう精度を増したように思う。ドア内スピーカーは購入時に純正をリアに廻し、3コア・コアキシャルに代えているのだが、音像の解像度が思ったより上がらないのは制振で手を抜いたからか? バッフルと取付パネルの間は一液シリコンでシールしといたんだがな。ドア内に制振材を入れればいいんだろうが、重くするのは燃費に響くからどうしたもんか。或いは助手席下に転がしているウーハーのクロスオーヴァー・ネットワークの閾値がマズいんか? いろいろ試してはいるのだが、よくわからんよね。

もちろんクシャミを誘発する揮発性の芳香剤の類は厳禁なので、空気清浄機としてUSBで動く中国産シャープのプラズマクラスタ25000を2台常時稼働させている。エアコンの吸気フィルタも年1回交換しているので、車内環境はすこぶる快適だ。オートエアコン常時稼働で室温一定。考えるまでもなく、窓を開けたことがない(笑)。あまりにも開けないので必要なときに使い方がわからず笑える。このプラズマクラスタというのは一時、一世を風靡したマイナス・イオンという奴で、エセ科学として消費者庁から排除勧告が出ていたが、結構効くのね(笑)。この匂い(というかクールな無臭さ加減)好きだわ。

カタヤキ肉ソバ

一人寂しく孤独な昼の賄いはセロリと木耳と豚肉でカタヤキソバ。麺はチャー麺と呼ばれる業務用食材店で5個入りが350円ほどのもの。スープは既製の鶏ガラ。麺がフニャるのは好まないので、水溶き片栗粉で固めに和えている。味付けは塩、白胡椒、老酒、淡口醤油。生姜は使うが大蒜は使わない。

ゴハンのオカズという概念を許容できず、主食としての米を廃絶して10年ほどが経つが、たまには白いご飯で食べる日本風のオカズを食わせろと勝手極まりない要求を受けることもある。仕方なく、3ヶ月に一度くらいイヤイヤ作る豚肉の生姜焼。肉ジャガは年に1回だな。どうやって作ればよいのか、取り敢えずネットを検索するとあるわあるわ、肉ジャガだけで6753のレシピを取り揃えるクックパッドのレシピを採用しようか? 蜂蜜入りでほっこり♪

付け合せというか珍味の実山椒は高知県仁淀川産のものを塩と酒で煮たもの。毎年旬に生産組合から2kgを購入し含め煮にして冷凍保存。1年分としている。昔は八百屋で小分けになった高価なパックを買って作っていたのだが、2年前から切り替えた。和歌山~九州まで産地はいろいろだが、味わいの鮮烈さは高知産が勝る。

肉ジャガ

肉ジャガは人参・玉葱と生姜を綿実油で炒め、火が7割方通ったら、下茹でしたジャガイモを加え、その上にSEIYUのアメリカ牛ロース薄切り1パック550gを適当に広げ、手早く肉に50%ほど火を通し、煮汁を加えたもの。火加減はずっと中強火。名前からして量は牛肉>ジャガイモ>人参≧玉葱であることは自明。出汁は羅臼昆布。ジャガイモは生のまま水から茹でて皮を剥いたもの。中まで火を通すと崩れるので皮が剥ければよい。酒は飲める安酒を飲みながら作る。味醂は甘強、今は広島の入江豊三郎本店謹製のグビグビ飲めちゃう味醂だわ。最後に加える醤油は正金濃口、或いはヒゲタ本膳。芋がグズグズにならないよう、合わせたら三つ葉を加えあっさり火を止める。煮込んでも味が染み込むわけではないし、これ以上染み込んだらクドいじゃないか? 肉と野菜で食うジャガイモは悪くはないが、ドコにも白飯が登場する余地はない。

クックパッドを検索すると6503もレシピがヒットする豚肉の生姜焼きは同じくSEIYUかAEONのカナダ・アメリカ産豚背肉を1パック350g、7~8枚入り。薄いと火が通りすぎて硬くなるので、厚さ4~5mm以上のものがよい。スーパーの肉屋でも、頼めば6~8mm等オーダーは問題なく可能。量は350gでは一人分にしかならないと強く主張するが、足りなければ白飯を食うのが日本人としての嗜みらしい。さようでございますかぁ。

生姜焼きでご飯

生姜は下ろしておく。肉に下味は付けず酒を振って吸わせる。保水のため薄力粉を軽くまぶして余分な粉は落とす。胡麻油で生姜半量をゆっくり炒め、香りが立ったら櫛切りの玉葱1/2個。2度ほど煽って玉葱を寄せ、肉を広げる。動かさないで強火。軽く焦げ目がついたら即反転。同時に(酒:省略可)、味醂、濃口醤油の順で調味。下ろした生姜の残りを入れてちゃっと煽って火を止めて盛り付ける。肉の焼き時間は最小限。余熱で火を通すぐらいの感覚で。大目に見ても1分30秒。葉はロメインレタス。

毎年恒例まぁたバターがないと騒いでいるが、他に何一つ期待しないので、冷凍冷蔵庫には大山乳業とオーム乳業製の業務用無塩・加塩・発酵に加え、フランスの田舎バターも常備されているものだ。12枚切りの薄切りトーストに厚さ5mmのバターを載せることが気軽にできるし、スコンに馬鹿みたいな量のバターをざっくりと切り込むことに躊躇する必要がない。もっとも、個性と風味が際立つフランス産のバターは極端な輸入制限の結果、お気軽にお菓子に使える値段ではない。まぁ、有り余ってダブついて腐ったら捨てる牛乳用の生乳を転用すりゃいいだけなんだが、WW2以後70年、畜舎で餌を啄み蹲るだけのブロイラーのように、最早身動きできないほどに肥え太った既得権益を手放すことはできないわな。仕事の性格上、時折垣間見る「利権」なるものの胡乱で曖昧で摑みどころのないかがわしさには心底感動するわ(笑)。


2015/01/10 作成__2015/01/10 最終更新