おせち廃絶

日常の食事を作り始めて20年程が経つが、2食/日で中・外食率かつては50%、今は25%としても9750食くらいは作っていると考えると感慨深い。正月くらいは勘弁してくれやと、ここ15年ほど、毎年買っていたオセチをもう止めようと思う。去年は洋風を近在のレストランから、和風を某流通系から調達したのだが、どちらも質の低下が顕著でがっかりだった。どうみても(どう味わっても)詰め合わされた個々の品を作っているのは工場だし、大半は安い時期に調達した材料で予め拵えてストックしておいた冷凍モノだし、詰めているのはアルバイトかパートのオバちゃんだわ。凡庸にして愚劣。ま、こんなもんでしょ? 的なセンスの欠片もない見栄えと舐め腐った味わい。もうドコにもプロの気概が感じられぬ。職人気質とか手先が器用とか誠実とか、とうの昔に全て終わったハナシだね(笑)。

南シナ海産グチの紅白蒲鉾と伊達巻は作るつもりはないので万札はたいて買っておいた。蒲鉾というものは小麦粉を練ったものに風味付けをしたものと、白身魚のすり身を塩で練ったものがあるわけで、それを同じ「蒲鉾」と表現するのは意思の疎通が計れぬほど類稀な不幸を内包することになると思うが皆気にならないのだろうか? で、錦玉子くらいは作るかな? 製菓用の凍結液卵黄と卵白があるとすこぶる捗りそうだが、扱い単位が10kg超えじゃあな。数の子も昆布もあるし、いつ買ったのか記憶にすらない丹後産黒豆もある。純米吟醸の粕も買っておいたのでバチの腹身と紅鮭を粕漬けにしよう。甘くない煮締めもできるし、ナガスクジラの尾肉に馬肉に豚耳に中国産冷凍根菜と水煮類と下手物も準備万端。今か今かと登場を待ちわびている。

いとより鯛

もちろん、本来の五節句とはかけ離れたオセチは明治後期以降に成立した近代風習(重箱詰めはWW2以降)で、古来の伝統とはこれといって関係ないわけで、好きに作るのが肝要にして必然であることは言うまでもない。クックパッドでとろ~り♪ほっこり時短・旦那が喜ぶ蜂蜜入り幸せレシピを探そう!

イトヨリの刺し身

イトヨリ鯛が半値だったので迷わず購入。珍しく赤ホヤも並んでいたので当然カゴへ。今年最後のホヤはホヤ酢に。イトヨリは皮目を湯引きして刺し身に引く。残りはアラ汁に。

今季最終赤ホヤ

けっこう高級魚のはずのイトヨリ鯛も今は見向きもされないそうで。「魚」といえば、得体の知れぬサーモンと畜養のピンク鮪、海老・蟹があれば概ね事足りる。

ホヤ酢+アラ汁

小振りな赤ホヤは2年もの? 3年もの? オホーツク以北に棲息する赤ホヤは香りよく色味も鮮やか。


2014/12/30 作成__2014/12/30 最終更新