ほっと0.7息

以下、3ヶ月分くらいが混在した状態になっているので、時系列はムチャクチャ。最早因果を考えても仕方あるまい。

今日も花粉が吹きすさぶ中、田舎暮らしを嫌々満喫しているわけですが、なかなか瑞々しくて見事なネイヴル・オレンジが1個68円だったので買い込んできた。ネイヴル・オレンジというと何やら高級そうに感ずるが、臍蜜柑である。ブラッド・オレンジに比べると、遥かに合理的な価格なのでつい手が出るな。宗主様のみに認められた防カビ剤がたっぷり掛かった皮を灰汁抜きしないマーマレイドにするんだ。マーマレイドの本場はバレンシア・オレンジを使うスコットランドだと思うが、今手に入る流通品は、ダンディー産を含め、どれも苦みを抑えちゃっているから、自分で作るのも悪くはない。480gの冷凍ブラジル産鶏腿肉が380円の20%引きで、まぁ、業務用レベルの価格だから、置いてあった6袋全部買ってきたんだが、1週間後、眺めてみたら30%引きなのね。でもオレの残像記憶は誤魔化されないぞ。今回は380gが380円の30%引きで、全然安くない(笑)。手で持ったボリューム感も全然違うし(笑)。オレのような高齢底辺ど田舎もん相手に洗練された大都会の大企業様がセコい商売するものだと深く感銘した。あ~あヨイヨイ。

■カレー饂飩■

3年に一度くらい食べてみようかという気になるカレー饂飩。和風カレーを拵えるのが年に一度とすれば、結構な頻度だと思う。カレーに豚肉や牛肉を使わなくなって十数年経つが、おかげで外で食うと違和感ありまくりで咀嚼が止まるどころかスプーンを落としそうになることもある。特に、高級でおいしいとされるコダワリ云々ものほどダメで、まぁ、昨今は近寄らないことにしているから実害は殆ど無い。で、余ったカレーをどうしようかと考えあぐね、一日一回火を通しつつも早10日。そろそろやばいかと饂飩に載せた。昆布が強めの合せ出汁でつゆは和風。付け合せは馬肉を生姜醤油で。

カレー饂飩

ああ、くたびれた。去年の夏から24時間連続して休みがない。月頭(2月頭のこと)にようやく一件検査が終わったが、もう一件が底無し泥沼化してるのに納期だけが迫って来て青息吐息。働いても働いても終りが見えない時期の辛さは半端じゃやないわ。会合の類も極力キャンセルして来たので、今冬はおかげで鍋を食わずに(てっちり、葱鮪、湯豆腐を除く)済んでいる。ウチのあたりは大したことないが、雪で近県野菜が収穫不能で、西国からの遠距離モノが溢れておるな。時期に応じて九州産は決して少なくはないが、長崎キャベツなんて初めて見たぞ。2回めの雪は途中から雨になったせいで物議を醸した。しかし、まぁ、見事に……落ちたな。いやぁ、人が死ななくてよかった。怖くなったので、はね出し20cm切り詰めて、板厚0.2上げといた(笑)。6kN/㎡くらいは持つはずだから、理論的には3m積もっても大丈夫。実際は知らんがなぁ(笑)。

仙人になるつもりだったのに、世間とは隔絶されつつも、どうも正逆の土人化が進んでいる。土人だから生きるために食うのではなく、食うために生きている。だから、躰に良いから、“コスパ”が良いから、人気があるから、評判が良いから、どこでもいつでも食べれるから、腹が減ったから、付き合いだからといった理由で食べることは基本的にない。食べたくないときに飯を食うなんてのは論外だし、食べたくないものを無理して食べる自虐趣味もない。時間がないから焦って食べたり、簡単に済ますなどという、逆説的に無駄な時間を使う気もさらさら無い。よりおいしいものをより多く、味わいながら食べるという意味においては、獣、うちの猫と全く同じである。田舎土人万歳!

■ぱぱんがぱん■

パンはきっとPanであって、Painではない。バゲットよりちょっと大きいPainは[pεn]と言うからパンに聞こえただけだろう。英語でパンはBreadだが、パンとしては食べず、3時のお茶請けにするのがSconeにしてスコン。パンより重く硬く、クッキーとの中間ぐらい。乳脂肪48%生クリームよりは重く、80%のバターよりは軽いクロテッド・クリームとジャムで食べる。んだが、デヴォンのクロテッドは類似製品が国内生産・流通しているわけでもない(中沢から?なものが出てるだけ)のに、高額の関税と業界のタッグマッチ、あるいは特恵待遇で生きながらえている畜産農家保護を名目にした乳価決定システムという省益と中間団体の既得権益の下で実質排除されているに等しい。要するに、下々のものは「毎日牛乳飲んで、パンにはマーガリンでも塗っとけ」ということですな。ははぁ。

スコン

で、レーズン入りスコンやバゲットの残りを薄切りにしてフレンチトースト風にしたものをおやつ代わりに食べたりはする。冷ましてポソポソし始めたスコンを手で割り、たっぷりのクリームで口に押し込む。ざらつき、硬さ、小麦、バター、濃厚で滑らかなクリーム。マスカルポーネで代用できないこともない。

フレンチトースト風

フレンチトースト風は卵にオレンジか生クリーム、砂糖にシナモン程度で簡単に作る。ふにゃふにゃでグチャグチャしたものは好まないので、これも外ではうっかり頼めないものの一つ。固くなったバゲットを1cm厚くらいに切って、混合液にざっくり漬け、砂糖とシナモンをまぶし、発酵バターでしっかり焼き目を付ける。

しかし、こういうものを食っていると、昔を思い起こすな。ぬるいビールにキドニーパイやらヨークシャー・プディングにローストビーフ詰めてグレイヴィ・ソース掛け回したものが食いたくなってたまらん。

食パンは税込み76円(イトーパン製)のものが賞味期限間近で半額になったときに6枚切りと8枚切りを1袋ずつ買うのが常。できれば期限切れの豚の餌を譲ってくれると嬉しいのだが、38円ならば許せる味ということでしょうか。昼の賄いで一人で4枚消費。焼きは強め。チーズはカビを削ったグリュイエールやゴーダ。鴨の脂肪肝や西洋松露の刻みを載せて風味付けを図ると、ま、こんなもんか的な味にはなるよう。脂肪肝はパテになっていたりすると混ぜものだらけなのに相当高価だが、昨今絶賛売り出し中フン国産の生の一本ものなら驚くほど安価でプア。オワとカナールを一本づつ冷凍庫に常備しておくのが常道というもの。カナールのほうがさっぱりなので付け合せによって適宜使い分ける。ハンバーグや牛焼肉の付け合わせにすることが多いが、粉振って普通にこんがり焼くだけでも酒の摘みにはなる。

鴨脂肪肝

ブラジル産の鶏腿肉を融かしちまったので、焼いてonマフィンズ。国内では脂っこいので高価な部位であるが、海外ではヘルシイな胸肉やささみほど価値がないので安価な腿肉でござる。腿肉は塩胡椒、皮を下にして白葡萄酒でフランベしながら脂を出し切るように、出た脂は拭いながらしっかり高温で皮がカリカリになるまで焼く。半額ワゴンの88円4個入りマフィンズは両面をしっかり焼き付けて、マスタードを塗りたくる。生の新玉葱、アスパラ等適当。間違ってもトマトやレタスみたいな野菜は挟むなよ。食べるときはもう1枚のマフィンで挟む。熱いうちに食う。

鶏肉パン

花粉は杉から檜に移りいっそう酷いが、やっと心に余裕ができて、鮨屋。一月ぶりに出掛けたら、あんちゃん歓迎してくれた。サワラ湯引き、インド鮪大トロ、旬の桜鯛、桜鱒、ハタ、カスゴ、シャコ詰め、ゲソ詰め、本ミル、鳥貝、シマアジ、追加でクジラ、シーチキン、脳天漬け。酒はちょい甘だが三島文雄。鳥貝は生だが小振りな瀬戸内モノ。地元産にはまだ少し早い。シャコは小さいけど抱卵3尾載せ。カスゴは半身2枚載せだし、本ミルは水管一本隠し包丁入れてまるごと一貫付けと超豪華仕様で呆れた。まぁ、今は、こういうネタは出ない(売れない)そうで、かといって(鮨屋のプライドとして)置かないわけにもいかないという、「困ったちゃん」だそうだ。

昨夏ぐらいから週に一度くらい電車に乗る行動パターンが増え、使わないと残額がわからん現金充填式のPASMOが不便で仕方がなかった。いやはや、下りるときに引っ掛かって、精算機は現金しか使えないし、現金17円しかないし、駅員に事情を話してラチ外の銀行に行かせて貰うという愚行を2度ほど繰り返し、目が醒めた。そこでオートチャージが可能なものをいろいろ探していたのだが、ようやく鉄道駅近傍で量販営業しちょる別会社の鉄道系カード兼用PASMOをこさえた。量販で常時1%、鉄道オートチャージで0.5%還元されるのは結構いいかも~。ついでにSuicaしか使えない飲食・物販でも実質カード払いができるという意味ではなかなか画期的だな。もっと早くから作っておけばよかった。

■豚肉■

可処分所得の減少に伴う貧困に太刀打ちが出来ず、途方もない関税が掛かっていても尚安い米・カナダ産冷凍肉を常食している。どうせ味の違いなんてわかんないし(笑)、脂っこいの嫌いだし。5kgほどの半身(1頭から2本取れるはず)を半解凍で厚さ3cmに切り分け、主としてトンカツになるわけである。3cmだと1枚あたり概ね250g~300gとトンカツの最適量になる。

豚背肉

背脂が5mm~8mm程度、赤身の部分に背脂に平行に白い筋が入らないことが個人的に背肉の最低条件。餌に飼料米や魚粉を混入すると肉の味がしつこくなるし、脂の味が変質するからパス。肉は酸素に触れると発色して赤身が増す。食べる分だけ残し、さっさと再冷凍。と言ってるうちに、Welcome TPP! 米より肉が安い時代がようやくすぐそこまで来たか。優れたモノは残るが、要らないモノは淘汰されるのが自然の摂理だ。ぬるま湯の中でその摂理を散々捻じ曲げてきた気持ちの悪い横並び意識と不条理な平等主義が、毎度お馴染み外圧で、コナゴナに粉砕されていくのは痛快この上ない。

豚背肉250gx20

■牛肉■

可処分所得の減少に伴う貧困に太刀打ちが出来ず、38.5%の関税が掛かっていても尚安い豪産冷凍肉を常食している。どうせ味の違いなんてわかんないし(笑)、脂っこいの嫌いだし。部位はリブ・アイ=リブ・ロイン=リブ・ロース。量は320g/枚ほど。付け合せの芋や野菜を加え、スープ込みで総重量700g前後。デブるか? パンを付けても軽いからそうでもない。腹が膨れれば芋は残す。焼き加減はミディ・レア。味付けは塩胡椒。牛脂もキロ単位で買っているので焼きの態勢は常に万全だが、躰が言うことを聞かん。オリーブ油で焼いてくれという要請には素直に従う。

牛背肉焼肉310

もう10年以上、外でステーキを食っていないので、コレがそれに該当するのかどうか正直よくわからん。厚さが2cmないと肉を食っている気がしないのは誰でも同じだと思う。フィレも一本入手したので、次回はシャトーブリアンとフィレ・ミニョンの極厚焼肉にしよう。備長炭で焼くと格別だが、天候が決め手だ。そろそろ最適の時期ということで次回は炭焼きにするか? 羊肉もスタンバイ中。

牛背肉焼肉330

外食の機会自体は漸減している。仕入れ原価が上がっても何とか価格を維持しようとするあまり、中身が劣化し過ぎで食うに堪えない範囲が拡大中。極一部を除けば、イメージだけの高級感で売ってるところほど劣化が酷く、材料落とし過ぎに加え、手抜き過ぎにも程がある。西洋料理も正統派は激減して出来合いソースを使い回し、簡便なパスタを売りにするような店ばかり。それもパスタの質が良いというわけでもないし、茹で加減、焼き加減が完璧というわけでもない。何処もかしこも同じ「業務の味」でしかない。外食も産業である以上、最早創意や工夫を求める対象じゃないんだろうが、人間の基礎的な欲自体が退化しているのだろう。安直で皮相的なレベルで完結できることが、今の世の幸せということなのか。

消費税が上がる4月までは我慢比べなんだろうが、その反動が今から愉しみだわ。鮨屋のあんちゃんに訊くと、セット物で100円~200円くらい上げたいそうだが、お好みは1部ネタを50円上げにしようと調整中らしい。あとは売上を見ながら微調整だと。何にせよ、生産する側にとっては、本来価値があるモノが正当に評価される(正当な対価を要求できる)のは至極良いことだ。国が後ろ盾になって無限大の借金を背負ってくれるっちゅうんだから、この機に乗じない手はない。オレがくたばる頃にはさぞかしスリリングな日常が展開されることだろう。

■カキフライ在庫処分■

牡蠣フライ在庫処分

3Lサイズで長さは6~7cmほどになるので、一人1ダースで打ち止め。ホントは小さめの牡蠣を3、4個合わせて一粒に揚げると紐が多くて旨いんだけどな。塩胡椒で下味付けているんで最近はそのまま白葡萄酒で流し込む。歳とともにシャルドネよりもソヴィニヨン・ブランのほうが合うようになってきたのは何故だろう? 技術の進歩で養殖真牡蠣も一年中出回っているが、岩牡蠣も養殖モンが溢れかえって、もう、どうでもいいか。

いつの間にか徒歩最短距離の親父急病の洋食屋が復活していた。雪の翌日、日曜日だというに夕暮れ時に客皆無。貸し切りだわ。ビールをローストビーフ・サラダで摘んで、葡萄酒に替えたらメインはエビ・カニ・クリームコロッケ。小さなコンソメ・カップスープとパンが付く。コロッケはエビとタラバのぶつ切りがゴロゴロ入っていて、軽い薄衣とベシャメルのバランスも程良く、さすがプロの味でした。揚げたアスパラ、ブロッコリィ、人参のグラッセ付き。添え物とはいえ、余計な味付けが施されていないパンにはきちんと熱が入り、皮もしっかり焼けている。バターも銀紙包みの角型で、ないがしろになっていないところがいつも好感である。

今、時代はコンビニらしいが、うちのような高齢過疎の辺境寒村には冗談抜きであまりコンビニがない。かといって、車に乗ってまでコンビニに行くという必然性もないし、コンビニだから駐車場付きというわけでもないし、駐車場があっても変な車が留まっててあまり近寄りたくないイメージが否めない。だから、散歩がてら引き落としのメリットが皆無の公共料金をカード払いしたり、出先でコピーを取ったり、酒臭さを誤魔化すガムを買うぐらいしか利用法が見つからん。並んでいる弁当や惣菜、パン類はすべてと言っていいほど工場量産品だが、その割に非常に高価に思うし、色とりどりのサンドウィッチもおいしそうに見えるけど、カツサンドは脂多めの成型肉か結着肉だし、玉子サンドですらマヨネーズとアミノ酸でゴテゴテの味付けが施され、やけに湿ったふにゃふにゃのパンで挟むんじゃ、あまりにも悲し過ぎるんだが、ホウホウと面白がって無駄に試してはみつつもリピートはないな。間違ってもライ麦パンにバターとマスタードたっぷり塗って、5mm厚のローストビーフと胡瓜とレッドチェダーとピクルス挟んだりしたものは見掛けないし、ジュースもお茶も手が伸びないし、たとえ自分の車でも車内で飲食なんて行儀が悪すぎる。無味無臭の水ならいいけど、マクドやすき家の持ち帰り品が臭うのも嫌だわ。(もちろん芳香剤も)

■香竹筒茶■

プーアール茶のオリジナル版とでもいうのか。竹の筒に詰め込んで気温の高い雲南の土中で醗酵させたもの。ナイフと木槌で竹筒を割って、円柱固体状になった茶葉を適宜割りとって茶漉しへ。湯を注いだ一回目はそのまま廃棄。2回目以降を味わう。しばらく放置した3,4回めが最も濃厚に抽出されるが、よくある泥水のような安っぽさは感じない。手間暇掛かったかつての古式製法が受け継がれなくなって味は相当落ちたと言われるが、乾燥リーフになった袋入りよりは上品ながらも野趣に富んだ風味が味わえる。

香竹筒茶

竹筒茶とか花一個浮かべた茉莉花茶や桂花茶、青茶に桜の花(塩漬け)を浮かべたりすると、寒い時なんぞは躰が温まる気もするんで、開発の人は頑張ってね。ぐでんぐでんに酔っ払って帰る途中だとコンビニくらいしか開いていないのも困るが、どこもカードが使えるから面倒がなくて良いことは認めている。「カード1回ね」でお互いに瞬間。酔っていると饒舌になりがちなので気を付けている。セルフだが180円の冷たいコーヒー(稀にカフェ・ラッテ)を飲みながら千鳥足で家路を辿る。溝に落ちないように。ちなみに予算切り過ぎで不調連発(笑)。溝の勾配直しと蓋かけ工事は一向に始まる気配がないな。

■ラザンニェかラザーニェか? Lasagneでいいだろ■

受け継ぐものも伝えるものも何もない拘りのない日々を重ねているので、正月2日はラザンニェ。板麺をラザンニャ、複数でラザンニェ。日本語では単複同形でラザニア。ラグー・ボロニェゼは2週間ほど前に作った残りもの。ソース・ベシャメルはルーに牛乳代わりに48%生クリームとリコッタチーズを加えて作る。

乳製品

古ければ古いほどおいしい乾麺は半額叩き売り賞味期限切れの板麺を固めに茹で、水分をよく拭っておく。耐熱容器にソースと面を交互に配し、最上層にモッツァレラとゴーダとパルミジャーノ・レッジャーノ。220℃くらいのオーブンで焦げ目がつくまで焼き上げて、庫内10分放置。

焼き上がり

適当に切り分けて熱いうちに食う。麺が多いとくたびれるので普通の半量ぐらい。ホワイトソースがリコッタなのでクドくはない。むしろさっぱり目。自分で最良に為るよう調材調味してるのだから当たり前。悪くはないが、想像を絶するカロリーだね。こんなもの食ってると、そのうち病気になるわ。間違いなく。

Lasagne

■擬似うざく■

鰻屋に赴いて白焼きや蒲焼きが出るのを待つ間は、よく手入れされてはいるが往々にして俗っぽい庭を眺め、つまらんと呟きつつもゆっくりと寛ぎながら酒を呑むわけだが、そんなときに肝串と並んで摘みとしてよく頼むのがうざく。名の由来はいろいろあろうが、要は酢の物である。

うざく試作1回目

塩揉みして蛇腹切りにした胡瓜を30分ほど塩水に漬け込んで冷やし、ぎゅうぎゅうに水分を絞る。焼き立ての蒲焼きを3cm巾くらいに切って、一口大に切った胡瓜と合わせ、キンキンに冷やした甘酢醤油で和えたもの。おろした生姜や季節なら茗荷、紫蘇の花、山椒の実、ちょっと趣を変えるなら煎り胡麻、摺り胡麻を添えても良い。

うざく試作2回目

外で食うとホンの摘みにしかならないが、自分で作ればメイン・ディッシュにできちゃうわけで、飯を食わない最近は蒲焼き丼はやめてもっぱらうざく。鰻はあくまでも熱々。胡瓜とつゆはきっちり冷やすのが肝要と必然。

うざく試作3回目

出来合いの蒲焼きを使う以上、鰻屋のものと同じとは言わないが焼き方を工夫すれば似たものはできる。いろいろ試してはいるが、焦げるくらい表面をパリッとさせると甘酢と相性が良いようだ。

うざく試作4回目

和食を世界に誇れる日本の食文化ともてはやす向きは多いが、現実としては出汁一つ引けず、魚一尾下ろせぬレベルのアミノ酸強化簡便食とカレーラーメンハンバーグと労働者の賄飯である丼モノが日本食なわけで、和食は既に博物館のガラスケースの中に鎮座しているものでしかない。鰻は和食というよりも江戸料理とでも言うべきか。他の江戸料理(鮨、蕎麦、天麩羅)がすべて下賤のファストフード発祥であることを鑑みても、下って来た和食とは系統が本質的に異なる、野卑で淫猥ないかがわしさを内包していると同時に潔さと切れ味が見え隠れする。

うざく試作5回目

ちょっと量販の棚を眺めてみれば、ありとあらゆる加工食品に出来合いソースやレトルト・パウチ、複合調味料、〇〇の素が所狭しと並べられているのは、やはりそれが売れるからなんだろう? 和食を好む人はいても、和食を作れる人がどれほど残っているのだろうか? 文化は本来人に宿るものだが、今は広告代理店に任せておけばすべて捗るか ら楽ちんだよな。

うざく試作6回目

うざくばかり食っていたら、たまには鰻丼にしてみるかという気になるもの。鰻重が重いときは炊きたての飯にシンプルに鰻丼も良いね。肝は手に入らんから豆腐の三つ葉汁で誤魔化す。豆腐は八百屋で委託販売されてる豆腐の味がする1丁170円の豆腐。三つ葉は自家製。ポット植えだけど屋外放置なので野趣に富んだ強烈な三つ葉。

三つ葉汁

山椒は高知県仁淀川産のもの。京都に集積される著名な山椒といえば和歌山有田だが、同じぶどう山椒なのに製法が特殊なのだろう。仁淀川のものは色がウソみたいにきれいだし風味が鮮烈。生産組合から直接買うともの凄く割安。これ味わっちゃうと普通の山椒は気の抜けたビールにしか思えん。

鰻丼

2014/04/28 作成__2014/04/28 最終更新