冷凍異聞

量販に行くと最近は惣菜コーナーの面積と冷凍食品のスペースの充実に驚くが、冷凍ケースに並んでいる鮮やかで小体な色とりどりのパッケージを眺めるに、どうしてこうなった? と感慨深いものが込み上げるのを禁じ得ない。一般的にこれら加工度の高そうな冷凍食品は極めて高価だし、中見えないし頭悪そうな名付けからして腰が引けるし、使い勝手(誰が何のために買う?)が今一つわからない。想像するに、おそらく日常食のヴァリエイション増加と即席に近い調理簡便性を追求したものなのだろうか? 貧困ゆえに食材コストをとことん落とさざるを得ないウチとは冷凍食品の根本的な利用価値が異なっていると考えてようやく合点がいく。

冷凍庫下段

15年前から電子レンジないし、20年ほど宣伝広告を見たこともないから商品情報に疎く、結果的にコンシューマ用冷凍食品や加工食品類を手にすることもなくなった。自分が生きていく上で、今のところは必要のないものという認識が近い。冷凍食品自体は便利で保存性に長けているから常日頃人並み以上に重用している。安いときに多めに買って、チマチマ使い倒すわけですね。今うちの1階冷凍庫にあるのは牛チャック・テンダー(Chuck Tender)3.5kg、豚バラ1kg、芽キャベツ1kg、ズッキーニのサイコロ・カット500g、西洋松露50g。下段にラム肩肉1kg、ラムチョップ8連x2葉、Fish & Chips用のホキ(南極の白身深海魚)10切れ、マグレ・ドゥ・カナール(ミュラー鴨の胸肉)400g、鴨脂肪肝塊650g、各種ハードチーズ塊でパンパン。2階冷凍庫は可能な限り冷蔵スペースを冷凍庫に切り替えても阿鼻叫喚の鰻地獄パンパンで、冷凍干豆腐やらリブアイ塊、ポークロイン塊やら13-15海老から丸鶏、自家製えんどう豆に山椒の実、各種野菜・根菜に至るまでが溢れかえり、下手に取り出すと元に納まらなくて難渋苦渋。食材調達+調理を総括+運営実践する立場としては在庫管理に非常に頭が痛い。ちなみに冷凍食品のパッケージは透明で、商品の状態が開封せずに確認できることが必須だと思う。芽キャベツなんかはどうでもいいけどさ。

冷凍庫上段

ソーセージはブラジル風か最近はもっぱらこれ。腸詰類の場合は1kgで1000円というのが調達目安。Mr.Booはミスター・ブーという昔の香港映画関連だと思うんだが、岡田屋など一般量販で一本100円前後で売られているものと同等品。米久という食肉会社が日本人向けにアメリカで製造しているもの。一本あたり100g前後ということを除けば、極めておとなしく平凡な味わい。皮は羊腸。凍ったまま茹でてもいいし、焼いてもいい。

Mr.Boo

■水餃子■

平凡な海老餃子。皮はしっかりめ。弾力に富む。小エビのぶつ切り、白菜がメインで香辛料は控えめ。もちろん大蒜は不使用。1kgで500円強と20%ほど値上がりし、決して安くはないが、具材を色々変えた20種ほどがあって愉しめる。沸騰した湯で茹で上げ、浮いたら網ですくうだけ。一旦冷水に取ると腰が増すが、そこまでするもんでもないだろう。黒香醋に刻んだ生姜でつけ汁にすることが多い。500gを一回で茹でて、余れば翌日焼き餃子にして摘みにしている。鍋貼に近い棒餃子というものもよく購入するが、豚肉メインで、葱、白菜、黄ニラなどの具材と面(小麦の皮)のバランスがよく、主食にするにはちょうどよい。

水餃子

漬物は冷凍白菜で酢菜と言われるもの。調味料は塩と酢だけじゃないかな? 甘味ゼロ。アミノ酸や多糖類も感じない。乳酸発酵している。薄切りの唐辛子でアクセントにしてみた。

酢菜

■グレ・サバラン■

チーズというよりはお菓子の部類。クランベリィとパパイヤの2種がある。クセの欠片もない甘酸っぱいクリームチーズに半ドライ果肉を貼り付けただけと極めて凡庸。フランス産だが、チーズは悪くはない。生クリーム分? が多く相当濃厚。量はワンパック150gなのでちょうど1食分。

グレサバラン

いやぁ~、2種x2の4つも買っちまって、半額札が付いていれば何でもお得に見えてしまうという、半額乞食の陥りやすい罠にしっかり嵌ったという事例であった。反省中。

グレ・サバラン・クランベリィ

■豆腐干絲■

麺に見えるが豆腐である。コース料理の前菜などに冷やしたものが使われることが多いが、麺代わりに汁物に入れてもイケる。冷凍なので、解凍後軽く茹で、そのまま使うか再度冷やす。今回はキンキンに冷やしたものに、醤油、辣油、胡麻油で調味している。硬くて密度の高い豆腐だけど独特の食感が病み付きになる。これは泰山という台湾のメーカー品。電網ではもちろん、陽光城や知音、アメ横センタービルの地下でも手に入る。

豆腐干絲

■粥■

粥

鍋は原則やらない(最近の傾向として葱鮪、河豚ちり、湯豆腐はOK、すき焼き、鮟鱇鍋は不可、既製出汁と既製ダレ・既製ポン酢は論外)ので、冬といえば粥。研いで胡麻油をまぶした2合の米を2l+αの軟水でフカす。根生姜のスライスを加えて風味出し。出汁は基本貝柱に加え、今回はシナモズクガニのほぐし身とガラで出汁を引いている。塩味つけているのでそのままでもよいが、紅棗、銀杏、ナッツ類、葱、腐乳(赤・白)といったトッピングがあると愉しい。

暖かかったから今日は草取りして猫の散歩。30日に届いたオセチ2種もあまりのツマラナサに年内完食したので、1日は朝からパンとバターとチーズと薔薇ジャム(笑)。ウマウマですな。夜は賞味期限が1ヶ月切れた大分産田舎蕎麦で天麩羅蕎麦にするよ。年賀状の印刷中にトナー切れで焦ったけど、幸い予備があった黒で助かった。次に切れるのはマゼンタの予感。以上、くれぐれも食品の選択は自らの見識と度量にて。


2014/01/01 作成__2014/01/01 最終更新