潮目が変わる

ま~た腰がギックリしちゃって、二足歩行の宿命とはいえ、絶望した。痛風クンとギックリ君で余生の消費税分くらいは無駄になりそうな悪寒がヒタヒタと忍び寄る、昼まだクソ暑い彼岸入りです。ああ、花粉症入れると減損率は復興特別増税付きの所得税率くらいになるなぁ。痛風は予兆があるし、それに合わせた回避方法も何となく会得できた気もするし、ギックリも動けないほど酷くならない様に常日頃の養生が欠かせない。今回は“おとと……”で卒なく回避モードに入ったので何とか騙し騙し生き長らえているところ。いざとなればロキソニンもあるしな。

StaReyna

今回はStaReyna。まだ青い大きめなものを買ってきた。100円/kgで230円也。大振りで直線的な力強さ。あと二日ほど置くと丁度良い塩梅か。身は白く、爽やかな甘味。前回買ったデル・モンテのハイランド・バナナほどのマッタリしたコクと親密な旨味には程遠いが、まぁ、最近のバナナはバナナとして殆ど当たり外れがない。いよいよ5%が8%になって10%になるのか? チマチマ面倒臭えなぁ。もうちょっと暗算しやすい率にしてくれよ。せっかく税込が価格として普及してきたのに、ま~た元に戻りそうだな。証取税はNISAで多少救われるが、枠がキツいのと複数扱いがしばらくは出来ないのが痛いな。一方で、所得税と地方税はそのままなのに復興特別法人税は今年度限りで廃止らしいから、その非公平なコンセプトと根拠に乏しいドサクサ紛れの導入に賛同しかねるものとしては、こりゃ、いろいろ急がねばならんな。見栄はないし、出る釘は叩かれるから外面的な形態に関しては今まで一切興味を持って来なかったが、今後の状況を鑑みれば、そろそろ外面を変えねばならぬ時が来たようだ。

■大蒜とオリーブ油と唐辛子のスパゲティとシーザーさんのサラダ■

セロリ入りAOeP

すっかり安直というか、苦肉の策というか、考えあぐねた時の救世主というか、メイン・ディッシュがない貧相な晩飯。テキトーにお茶を濁す時の定番と化したルーチン・ワーク。パスタはDivellaのスパゲティ使用。ちょい太いが噛みごたえはある。緑は普通は捨てるセルリの葉と茎の緑のところ。唐辛子は昨年産の自家製、大蒜は中国産と最底辺仕様。サラダのレタスはロメインではなく、普通のレタス、この時期は長野東信産しか手に入らんわ。もちろん外葉がシナシナの見切り品。チーズはグラナ・パダーノ。冷凍のまま包丁でカットして、大蒜EXVオリーブ油で揚げた、いつ買ったのか記憶にすらないフランスパンのクルトン、卵は温玉2個入り。

シーザーズ・サラダ

そのバナナを週一回調達している巧妙な値付の八百屋だけ繁盛している太古の遺跡のような買物中心の残骸の、ド素人がやっていた惣菜屋が予想通り潰れて、跡地はいつの間にか在りがちなお菓子パン屋になっていた。とは言っても、開店して三月くらい経つのじゃなかろうか? 新しいものに飛びつく意欲はとうの昔に枯れ、三月持ってるならまぁ、食えるレベルなのかな? と寄ってみる次第。土日になると駐車場が満車で道路に車が溢れてる阿鼻叫喚の焼きたて(笑)お菓子パン屋がまた一つ、ちょっと離れたところに出来たようだが、煽りを食って、このへんで唯一(唯二だった)食えるバゲットを作っているパン屋が傾きそうな悪寒。で、この初めてのパン屋は、客も店主? も、その新しい競合パン屋の話で持ち切りで、なんだかなぁ~~と安くないバゲットと他数種を見繕うが、一人前なのは値段だけでフニャだった。今日で三日目になるけど、ようやく硬くなってきたかな? というレベル。気泡がなく、塩が薄く、妙な油脂類は練り込んでいないようだが、脱脂乳と柔軟剤とイーストフード使ってやがる生焼けのバゲットに酷く絶望した。

その直前に、カード払いが利くだけが取り柄の場末小規模量販を周回したら、駅弁フェアなんぞを開催中で、期待の半額と40%引きが一つもなかったのね。果てしない絶望感に打ちひしがれながら、堕ちるところまで堕ちたものだと人類の終焉としか思えない、色とりどりの駅弁の山を眺め、今日の昼飯は抜きか~、と溜息を吐いた。90年代中頃くらいからだろうか? この手の風土食が素材から製造手法に至るまで加工食品並みの工場生産に完全移行して、均質化されたミテクレだけの他愛ない量産品に成り果てたのは。「味」は「ラベル」という記号で代替可能になったのね。ポスト・モダンですな。7月からアメリカの輸入禁止区域が当初の8県から、北は青森から中信越~東海の14県に拡大したというに、陽が陰ったので鮨屋に出掛けたら、オホーツクの赤ボヤが最盛期。北海道の白魚、三河と桑名の貝、変わったところでインド鮪の漬けくらいで、ネタは枯れ気味というか涸れ気味。秋は天候に左右されがちなのは仕方ない。

■13A都市ガス焼き手捏ね屑肉のトリ肝載せ非定食■

今宵はいかがわしい身代に相応しく擬似洋食で。ちょっと大戸屋風に気取った名前にしてみた。何よりも残飯処理を兼ねた子供騙しみたいで気が進まないが、スッと箸が入るフワトロで肉汁がジュワっと溢れるなんてことは有り得ず、高価なツナギを様々に組み合わせてるわけでもなく、決して生焼けじゃないと言い切るには程遠い、極めて機械的なルーチン・ワークで、熱意やら真心なんてカケラも無いのに、何故かしばしば要望があって、このところ月一程度に作らされるハメに陥っている。まぁ、焼肉に比べるとコストは1/3以下で収まるし、当たり外れがないから安直でノーテクで鼻歌混じりなんだけどさ。肉は1kgを四分割で2回分と貧相貧弱。2回目は捏ねたものをラップに包んで冷凍したものを解凍して焼くだけとコンヴィーニエントだよん。

屑肉は豪牛の赤身を6mmの粗挽きにしてもらったもの。肩・脛・尻などの脂の少ない硬い部位で必要にして十分。ギリギリと奥歯で噛みしめる程に旨みが湧くというもの。脂は剥がした脂身を貰って来て、適当に切り刻んで加える。肝から脂が大量に出るので、少なめにしないと凭れるぞ。痛風の天敵:肝はガチョウorアヒル(Foie gras de oies)の方で、半冷凍で一枚50gにカットしている。肉が250gでフワグラ50gというのが最良のバランス。冷凍が効くのでオワとカナールを一本づつ買っておくと割安だし、食べたいときに食べたいだけ食べれるので超絶コンヴィーニエント。鰻が辺境場末の牛丼屋で食えるように、今やメニュー眺めて15分唸って日替わりランチ頼んじゃうファミレスでも手軽に食える庶民の味ですね。

最初に添え菜を。佐賀のアスパラはオリーブ油と塩、胡椒で。ドイツかポーランドのピクルスはスライスしただけ。自家製元汚染豆と北海道人参の貧弱な組合せは、アイルランドやイギリスの冬場の絶望的な添え菜を思い出させてくれる。肉の焼き加減はいつもの通り。中心部が80℃くらいかな? ローストビーフよりはちょい火を通す感じ。カットした時に血が滴らない程度。肉が焼き上がったら、残った脂で小麦粉を叩いた肝を焼く。中火。ひっくり返して弱火。皿に盛り付けたら、残滓に赤葡萄酒、塩、胡椒、その他テキトーに加えソースを煮立たせ、盛り付けた肉+肝に回し掛ける。透明な方は余計なコトはせずに肝の脂と塩胡椒だけでストイックに決めてみた。おお、コレはいいね。皿舐めた。

食いかけ

■鱧湯引きの梅肉添え■

珍しく山口産の鱧が売ってたので置いてあった7パック、全部買ってきた。1パック当たり開いて骨切りした生を縦方向半身にぶつ切りしたもの。薄い透明ピンクが若干白く濁り始めた程度。このテのものは鮮度がどうたら云々しても仕方がないので、あれば買う。全部買う(笑)。在庫全部出せとは言わないが、置いてあるものは全部カゴに入れちゃうよ。東夷のど田舎じゃ、並べたって売れんて。取り敢えず2パック分を湯引きして、梅肉を添えた。まぁ、まともな魚が食えなかった盆地の知恵だから、感慨深いというほどではないが、あっさりさっぱりで真夏の風味ではあるかな。

鱧湯引き梅

今年の底辺鰻は盆明けはオロカ、9月第一週くらいまでは在庫があったようで、盆明け以降で10回特うな丼できた(笑)。せっかくだから、一度だけ特うな牛とサラダセットにしてみたが、予想通りクドいな。交互に食うと鰻がだいなし。サラダはグンマ~の山キャベツばかりだし。鰻がなくなると牛皿5倍盛りと唐揚げ20個にしか用がなくなるのはとても残念なところ。タマリンド入りの酸っぱいカレ~もアリキタリの家庭料理みたいなジャガ芋入り和風カレーに改悪されて、見ただけで底無しのガッカリ感が否めない。

■赤魚の粕漬に大西洋鯖の味噌煮■

共にアイスランド産の解凍品。いやはや、こげーなものを自ら率先して食うようになるとはの。もちろん、売れ残りの半額品であることが必定。粕漬はどうでもいいが、大西洋鯖はタダでさえ脂っこいから、味噌煮にでもしないと臭いな。

赤魚の粕漬け焼

赤魚というのは概ね寒い海に棲む深海魚で、元々は「メヌケ」や「アコウダイ」の偽装魚としての北太平洋産「アラスカメヌケ」を指していたようだが、今は近縁種を含めて「アカウオ」と総称するらしい。「メヌケ」は「キンキ」や「キンメ」と同じく近海鮮魚なら鮨で食える高級深海魚だが、北大西洋産の「アカウオ」は冷凍されたものを、人件費が安く日本仕様の製品化が可能な中国で捌いて粕漬けにするわけだ。まぁ、焼くだけなんで料理というには程遠いが、上品な白身魚で脂は薄く淡白、味の方は定番にして安定している。ちょっと甘いのはお約束だが、粕も悪くない。

大西洋鯖の味噌煮

タイセイヨウサバは背部の模様がくっきりハッキリ幾何学的だから、マサバとの区別は容易。マサバより寒流帯で獲れるせいなのか脂のりが良いが、それが良いことなのか、眉を顰めることなのかは人次第。脂が酸化すると臭うので、〆鯖はツラい。化学的な対処ができない個人レベルの調理ごっこでは、煮魚や焼魚にしかならんと思っている。味噌は三河の八丁味噌~~が切れたので自家製の合わせ。味噌は必須だが、味醂は使わず中双糖と酒で甘味づけしている。加熱時間は最小で。


2013/09/28 作成__2013/09/28 最終更新