散華うらら

花見の最盛期はヒノキ花粉の最盛期でもあって、目が痒くて堪らんので業務でもない限り、外には出たくない。桜を眺めたところでいい思い出があるわけでもなし、雨こそは救世主。雨に打たれて早く散れ。免疫を落として症状を緩和する内服薬は一切控えるようにしているが、概ねワンシーズンで非ステロイド系抗ヒスタミン目薬を1.5本消化する。もうしばらくの我慢じゃ。

雨がパラつきだしたので、近くの内科医院に特定健康診査の結果を聞きに行ってきた。15年ぶりに眺めた数値は15年前とあまり変わらず、γ-GTPは倍以上に跳ね上がったが許容値以内。尿酸値は予想通り若干オーバーだが、気にするほどのことはない。尿糖と尿蛋白は(-)。糖質制限はまったくしていないが、空腹時血糖値は平均よりかなり低め。下限に近い(笑)。HDL、LDL共コレステロール値は優良だが、中性脂肪が高いのはアルコールの摂り過ぎ。摂取カロリーと酒を減らして、少し運動すれば全ては丸く納まるよ? と言われたが、運動嫌いなんだよね。何かの結果(例えば農作業とか)として身体が動くことは心地よい疲労につながることもあるが、身体を動かすことを目的に運動することは気が進まない。身長が16mm縮んでいて驚いた。縮むもんですか? と訊いたら、縮むそうである。うぬぬ、年1mmペースか。昔から問題あった部分はそのまま、今のところ体質変化は自覚しない。結果は拍子抜けだったが、プロフェッショナルの目で診てもらうことには相応の意義がある。要指導だけど、来ないよね? と言われ、医者と看護師さんで笑ってきた。

下命を受け量販店に出掛ける途中、いつものマクドさんを外から眺めたら、春休みのせいかお子ちゃまメニューに加え、梅に抹茶か? ありがちな商品展開に突き進んでいて、微笑ましくなった。Et tu, Brute ? 苦しくなるとつい手が出ちゃうよなぁ、どこも。まぁ、目先も変わるし、薄く広くな。メイン・ストリームを狙い撃ちする、B級グルメというよりはB(+D)層グルメのマクドだから、その誘蛾灯のような戦略はホレボレするほど見事に正しい。

■ワケあり半額見切り偽ホット・サンドウィッチ■

シェラスコ・サンド

量販店に出掛けたら、5枚切りのイングリッシュ・ブレッドとバタール風のフランス・パンが半額見切りだったので、偽物じゃが仕方がない、と買ってきたはいいが、そのまま食べても好みには合わないので、焼いて食べようという試み。

材料は、

シェラスコ/レッドチェダー/プルーン/玉葱/レタス/マスタード/玉子/ピクルス/アボカド/アンチョビ/バター/アスパラガス/マスカルポーネ/大蒜を揚げたオリーブ油

を適当に組み合わせ。パン焼きはサンドウィッチ・タイプはフライパンで、オープン・タイプは具を載せてオーブンで焼いてみた。つくづく思うが、この手の合わせ盛りは温度管理が厄介だ。レタスは低温がおいしいし、チーズは冷めたら固まる。素材それぞれの最適温度が異なる以上、どこかで妥協しなけりゃいのが辛いところ。嵩張って食いにくいし。

玉子サンド

完全に機械化された工場生産で網の上に載せて焼いているのだろう。バタールの裏面には妙な模様が浮き出ている。双方共に糖分添加の微妙な甘みと油脂類の香料臭を感じる典型的なメーカー製パンであった。フニャついた感触が嫌なので、使用前に数時間ほど外気開放して水分を飛ばしている。水分飛ばしても皮がじぇんじぇん固くならないのが、ジャパニーズ・テクノロジーってヤツだね。考えるまでもなく、現代の食の分野における工業化(=加工食品)は抗することができない圧倒的なまでの流れであって、店に出掛ける度に、展示されている見たことも聞いたこともない、使い勝手や存在意義すら理解できない商品の山に恐れ慄き、アウトオブデイトにして場違いな己を深く再確認する次第である。

ホットサンド

過疎ってる在のせいかガソリンが高止まりして、なかなか140円割れしないので、諦めて安いトコロを探して入れてきた。提携カードだと自動的に会員割引価格になるが、ポイント5倍セール中だったので尚ラッキィ。たまにはイイコトもあるもんだ。と思ったら、また一段の円安。ガソリンはもう下がらんかな? 一般株は上がるだろうが、タコが自分の足を食い始めたら円の信用が落ちるから債権金利はいずれ上昇に転じるだろう。利払いできるんか? 国債に魅力を感じなくなった銀行・証券・生保・年金はココぞとばかりにタコにテメエの足を食わせるのだろう。引き金を引いた奴は最期まで笑っていられるか? デフレが制御できなかったのに、インフレが制御できるのかね(笑)。G7の容認を得るにはかけがいのない生贄が必要だろう。今の歪みは金融政策だけで何とか出来るものではないように思うが、危険極まりない博打がどう転ぶか、結果が出るのは意外に早いかもしれないな♪

シクラメン開花

十数年前、お歳暮代わりに貰ったシクラメンが、今年は売り物と同じくらいよく咲いた。鉢が小さいから植え替えよう、植え替えようと思いつつ早十年。理由はわからん。液肥が効いたか? 花卉に肥料が必要なように、人にも肥やしが必要ですね。このところ週2ペースになっているいつもの鮨屋で、痛風だからビールは止めて酒にしておこうと遠慮したら、あんちゃん曰く、「うちのお客さんは痛風多いよね、ったく、贅沢病! 贅沢病!」って鼻で笑いながら、鰹とシマアジあたりから。三河湾の鳥貝、本ミル、台湾大車を筆頭に海老5種攻めやら、津軽海峡産黒鮪の部位攻め。鳥取のハタハタの酢締めに小振りだが一足早い抱卵蝦蛄は2枚付け。ミンククジラは口の中で蕩けて消える。タラバとズワイは終わっちゃったけど、今から毛蟹がハラショーな感じ。三河の生鳥貝は身が厚くて大振り。通年より時期が遅く、不漁で買値法外らしい。そういえば地元湾産は話にも聞かないな、絶滅したか?

■顔が見えて行列ができる隠れ家的というわけではないタダの蕎麦三題■

一時期、茹で加減がわからなくなって、どうにもおいしいものが作れず、嫌気が差してしばらく遠のいていた蕎麦。そこで、数カ月ぶりの蕎麦は心機一転、温蕎麦にしてみたら、意外においしくできて、およよ? とばかりに、この冬から春にかけて、ちょっと復活している。

冷たい蕎麦ほど切れを必要としない温蕎麦はテキトーでも味が狂わないから、冬場のセルフ賄いに最適な食い物の一つだろう。温蕎麦のつゆは蕎麦つゆをテキトーに軟水で希釈して煮立てない程度に沸騰させるだけと安直で合理的。茹で上がった蕎麦は必ず冷水でぬめりをとってきっちり、ギチギチに締めてから、つゆで再度温める。常識以前の基礎的な作法だと思うが、街蕎麦レベルじゃ冷凍麺で手抜くのが普通になっちまった。出汁は鰹の枯節のみで引く。醤油、味醂は味わいの決め手になるので、まっとうな醤油と本醸造熟成の味醂、ザラメないしは三温糖を使うに越したことはない。

家で食う蕎麦は、所詮紛い物。高価な蕎麦粉を使ったものに興味はないので、もっぱら鳴かず飛ばずだが潰れもしない、その筋では意外に人気があって蕎麦のみならず、饂飩から中華麺まで手広く小器用に何でもやっちょりまっせという地元製麺所の乾麺を用い、下から二番目くらいのグレードを超えないように表記の裏を裏読みし、深謀遠慮を怠らぬようにしている。要は、中国モンゴルカナダオーストラリア上等! ホワイト・ベージュから淡褐色まで挽き具合もいろいろ。腰やエッジの立ち具合、舌触りや香りもいろいろ。300gで100円~500gで298円クラスだね(笑)。蕎麦粉含有率で30%~35%そこそこの、蕎麦と名乗れる最底辺のもの。生麺や冷凍麺という選択肢もあるが、そこまでしなくていいや。

期間限定でもない玉子綴じ蕎麦◇◇◇◇

江戸の昔なら天麩羅蕎麦より高価な最上級の一品である玉子綴じ蕎麦だが、卵の希少価値喪失と価値下落に伴って、今や街蕎麦屋では殆どお目にかかれなくなった過去の遺物的懐古メニュー。まぁ、定義はイロイロあるんだろうが、卵の綴じ具合やしつらえなど、老舗御三家「更科・藪・砂場」あたりがリファレンスなのは間違いないだろう。所詮蕎麦は蕎麦(しかも温蕎麦)なんで、卵や海苔、蕎麦やつゆの素材そのものに拘り過ぎるのは滑稽というもの。気取ったグルメ蕎麦屋ほど場違いなものはない(オレがね)。安価な素材をちゃちゃっと組み合わせ、蕎麦前を愉しんで、締めは蕎麦としてあればよい。

鶏卵2個の下は、海苔を一面に敷きつめて蕎麦と隔てられている。薬味は白葱きざみ。三つ葉のない時期なので彩りには欠けるが、味は完璧。

玉子綴じ

鶏卵2個に海苔1枚使ったのに、具が足りない。蕎麦が見えては玉子綴じとは言えぬだろう。器がでか過ぎた(笑)。つゆは玉子で薄まるので、普通の温蕎麦より若干濃い目がよい。

玉子綴じ改

手作りでも手仕込みでもない鴨南蛮◇◇◇◇

普通、鴨として売られている肉はアヒルだが、合鴨と称することもある。合鴨は、合鴨農法のアイガモではなくて、食肉業界の慣例として食肉用品種のアヒル肉を指す。という、ややこしい展開は、毎度薄ら浅ましい欺瞞と建前取り繕いごっこに終始して、「言い換え」によってモノゴトの本質を偽装・すり替えてしまおうという日本人好みの展開だな。猟期と捕獲量が厳しく制限される天然マガモを流通に乗せることなんてできるわけがない。長浜だって養殖マガモだろう? ちなみにマガモはそこここにいる。うちの前の海にもいる。かなりたくさん群れている。もちろん、環境省指定の鳥獣保護区だから、捕ることはできない。ちなみに高級食材店などで一般的に売られている合鴨でない鴨肉はマガモとアヒルの交配種の飼育鴨。本鴨というのはフランス料理によく使われるバルバリー種の鴨で、南米の鴨近縁種の養殖改良品種。

アヒルは中国人がマガモを飼い慣らした改良種で、そこらで合鴨と称して売られているものは全てこれ。中華圏では北京ダックや皮蛋(ピータン)用のみならず、鶏肉代わりによく使われる。国内産もけっこう見かけるが、値段は4倍以上になる。オレの舌では国産と中国産の差は値段以外にわからないから無問題。軽くローストされている胸肉真空パックの冷凍既製品を買ってきて、解凍。皮目に包丁で切れ目を入れて、皮目を下に、油なしで鍋で焼く。皮目が薄っすら焦げたら、ひっくり返し各面をこんがり焼く。火は入っているので焼き過ぎると興醒め。大量に出る脂は取り出して後で葱を焼く。酒、味醂、醤油で蓋をして弱火蒸し焼き10分ほど。そのまま放置15分で、肉汁を落ち着かせる。3~5mm厚にスライス。断面はピンク色。

鴨南笊

予め焼いておいた合鴨胸肉は薄切りにして、鴨肉を炒めた脂で葱に軽く焦げ目を付けておく。つゆは“もり”用の辛汁を若干薄めて沸騰寸前まで沸かしたもの。挽いた唐辛子を振るのもよい。蕎麦はいつも通り、冷水でしっかり締める。芽が出そうな春爛漫なので今日は笊だ。せいろもあるんだが、せいろだと一人前しか載らないから、うちではあまり出番がない。店なら腹具合に応じてせいろを追加していくものだが、作る人と食べる人が同一のセルフ賄いでは手法的に妥協せねばならない点は多々生じる。

出来合い惣菜で下賤の代名詞といえば天麩羅蕎麦◇◇◇◇

近年、天麩羅蕎麦といえば大振りな海老天が載った豪華なものを指すようだが、アレはどうにも滑稽で稚拙、海老でも載せときゃ文句あるまい感が拭えないので避けてしまう。そんなに海老って旨いすかね? 活きの天然車海老を目の前で最適加減に揚げて使うなら、その心意気に免じて食べてみたいなという気にさせるが、元来ファストフードの蕎麦をいたずらに高級化するのは野暮を通り越して本末転倒としか思えない。かといって、芝浦の芝海老+青柳のバカガイの柱+駒込村の三つ葉を胡麻油で揚げた“かき揚げ”を天麩羅と称することも、ほぼ絶滅した過去の風習と考えたほうがよいのだろう。言葉の定義はもちろん、人の基礎的な認識すら、万象入り乱れ、時代とともに移り変わるものであることは言うまでもない♪

天麩羅蕎麦

天麩羅は量販深夜半額見切り品で、下処理がなっちょらん穴子+売れ残りの鯵、或いは安直に桜海老、牛蒡、人参等で構成された“かき揚げ”。かき揚げは見事な真円で、直径10cm、高さ6cmほどという、専用のかき揚げリングとかき揚げレードルで作った感がありありと感じられるもの。セルフ・アレンジは大分のわけぎ、自家製葱(普通の白葱再生品)、自家製三つ葉。かき揚げの揚げ油は植物系で玉子無しと思われるが、中途でウンザリにして、ちょっと胸糞悪くなるしつこさが残る。トンカツや牡蠣フライの揚げ油を使い廻しているのか、パーム油や大豆油を用いているのだろう。蕎麦の天麩羅は揚げ立てでないほうがよい(むしろボッテリ衣で、油がしっかり切れるまで置いた、衣が硬い“つゆ耐性”が必要)が、ちゃんと胡麻油で揚げて欲しいよん。

かき揚げ蕎麦

昨今、サクサク・ヘルシー感を強調したいがために、白っぽく揚がるキャノーラ油等を用い、温蕎麦まで天麩羅と別盛りにして提供してみたり、出来上がった温蕎麦の上に天麩羅を生業とする専門店風の華奢な天麩羅を最後にちょこんと後載せする風潮が目に付く。天丼なんぞも天麩羅をつゆにくぐらせずに、甘ったるいタレ(?) なんか掛けちゃうアレと事情は同じなんだろうが、天麩羅が先でつゆが後という順は絶対に譲れない♪ トンカツとカツ丼が全く別個の料理であるように、天麩羅と天麩羅蕎麦・天丼も根本的に異なる性質を持っている。と、思わない?

■極上でも本格でもない平凡な茶碗蒸し■

それだけ作るには手間がかかる上に、本来、吸い物代わりだから、ちっとも腹の足しになりゃしない~という意味で、レゾンデートルに黄信号が点滅する茶碗蒸し。まぁ、小田巻にでもすりゃいいんだろうが、カドが削れ過ぎた病人食みたいで、酒の摘みにはちょっと辛い。一方、外で食っても妙に固かったり、出汁が人工臭くておいしい処は極めて限られているから、自分で作るのがいちばんなのはわかっている。食事というよりは趣味のお菓子とでも考えればいいか。

本来は家庭料理だろうから、味付や出汁の選択は地域や嗜好、階層によって千差万別だろう。共通点は卵を出汁汁で割った卵液で蒸すぐらい? 銀杏は茹でちゃうんで通年入手可能な業務用中国産缶詰、4号缶で180円台。干し椎茸は食品庫に秘蔵している貴重な備蓄在庫品。海老は冷凍黒虎13-15サイズ、穴子はいつもの煮穴子、三つ葉は自家製、その他適宜、お好みで。卵と出汁汁は容積比1:3。蒸し時間は最初は強火で、表面固まったら弱火に落とし15分~20分ほどかね? 蒸し器は開放気味にして温度85℃程度を保つようにする。

右:干し椎茸出汁+海老+くわい+銀杏+三つ葉
一晩軟水に漬けて出汁を引いた椎茸は石付きを取って傘を薄く刻む。海老はいつもの下処理後、軽く塩茹でし、でかすぎるので2分割。くわいは缶詰。

左:干し貝柱出汁+穴子+銀杏+人参+刻み干し椎茸+三つ葉
穴子は煮穴子。貝柱は具も加える。

茶碗蒸し

売り物は表面に彩りよく具材が半埋め状態で顔を出しているが、普通に作るとどう足掻いてもああはならん。具材を薄くして卵液に浮かすか、具材を多くして卵液に沈まないようにするか、蒸しの中途で載せるといった工夫が必要なのだろう。うぬぬ。

むしろカロリーアップな速成魚香茄子

福岡産の大きな長茄子が一山398円だったので、安くはないがツイ手が出た。色艶が濃くて、ヘタが手に刺さって痛いわ。2本は早速糠漬け。残り4本x2で、まぁ、茄子といえば魚香茄子2回分か。前回、手を抜いて皮を剥かなかったら食感悪くて、やっぱり別物だったので今回は真面目に剥いちょりますん。剥いた皮は塩で揉んで半日置いて和芥子で和えると、なかなか素敵な酒の摘みになりますん。

タイミングを合わせるため、まずは準備を。生姜、大蒜、葱はみじん切り。泡辣椒(唐辛子を塩水で乳酸発酵させたもの)10本も細かく切る。鶏がらスープは沸騰寸前まで煮立て、肉類は室温に戻して、一口大にしておく。香菜は冷水に晒し3cmほどのザク切り。中華鍋に油を張って、加熱開始したら茄子に取り掛かる。茄子は水洗後、ヘタを切断。皮剥器で縦方向一発で剥いていく。剥き上がりを縦6等分。直ちに適温(180℃)になった油で油通し。表面に軽く焦げ目がつくまで数分じっくりと揚げて、ジャーレンに上げ油をよく切る。

間髪をいれず、中華鍋に胡麻油を敷き、中火で肉。油が透き通ったら弱火に落とし、大蒜、生姜、泡辣椒の順に香りを立てる。強火にしたら、茄子を戻し、葱を加え、スープ、黄酒を追加。煮立てながら、(酒醸)砂糖、醤油で調味。水溶き片栗粉でトロミをつけたら、胡麻油を鍋肌に流し、油がぐつぐつ跳ねるまで、強火で加熱。火を止めたら黒香醋を加え、香菜とともに器に盛り付ける。

魚香茄子

白身の川魚に見立てた茄子はほぼ原型を留めず、口にした途端、蕩けてしまう。泡辣椒は本来福耳種のような巨大唐辛子を漬け込むのだが、うちのは普通の赤や青の糸唐辛子を花椒や生姜で香り付けした塩水に漬けて冷蔵庫内放置したもの。ヌル酸っぱ塩辛くなれば、うまく醗酵していて、売り物と同じ味になる。醗酵すれば乳酸が腐敗を防ぐので、長期保存が可能(だと思う)。

産地直送期間限定有機栽培とは無関係なとんかつ補足

幅広く流通するカナダ、アメリカ産でOK。デンマーク産は滅多に見掛けなくなった。肉を柔らかくするために添加されているといわれる女性ホルモンは血中尿酸値を下げる効果もあるし(笑)。かつて輸入豚は、大味で水っぽく肉としての旨味に欠けると思っていたが、正直今は違いがわからん。どっちもどっち。平田の三元豚はおいしいと思うが、四元豚はアメリカ豚だ。鹿児島黒豚は証明書がついてないと怪しすぎて手が出ない。輸入豚の最大の利点は、そこらの量販でも大きな塊肉や皮付きが容易に手に入ること。バラ以外は背脂をきっちり削いであるので、実質重量的にも尚グッド。薄く切った国産肉を広げて大きく見せ、“いかに少ない重量でいかに大きく見せるか”が売りって、根本的に狂ってないか? おまけに、スライスしちゃったら表面積が増えて切断面が軒並み酸化しちゃうじゃないか。わけわからん。そこでシュッと一吹き、あら? 元通りのアスコルビン酸の出番ですよ、奥さん。

ポークロイン生肉

ロイン◇◇◇◇

日本語でロースと言われる部位。和食ではとにかく脂っこい食い物(部位)が好まれる(大トロや和牛のサシ等と同じく)せいか、安価なものは背脂を落とさないでそのまま使うことが多いようだ。まともな価格のものはちょっと削いだりして、脂が目立ち過ぎないよう調整している。一方、厚みに関しては、ほとんどの量販では8mm~10mmほどのペラペラ肉としての扱いで、予め注文しないと塊を置かない。重量にして1枚100g程度が基準だろうか? 近在の弱小チェーンは何故か業務用の扱いがあるので、最近はもっぱらそこで塊を買っている。アメリカ産2kgの半割塊を8等分。1枚250gにして使う。

ロースカツ

フィレ◇◇◇◇

こちらは普通に量販店で売られている88~98円/100gくらいの普通の輸入豚、アメリカ産。一本600g程のもの。2cm厚に斜め削ぎ切りし、塩胡椒。脂が少ないので生肉重量で1人前300gは軽くイケる。

ヒレカツ

門外不出秘伝のタレは使わない牛リブ・ロイン焼肉

諸般の事情により国内産黒毛和牛や廃用牛、滞留牛には縁がないので、伊藤羊華堂ネスパで入手した豪産リブ・ロインで焼肉。厚さは生で1cmほどと貧弱の極み。1枚150gと質量も貧弱。3枚は飽きるが2枚はチョロいわ。背脂がきちんとカットしてあるのは好感。キッチンペーパーに包んでチルド数日。ペーパーが湿ったら適宜交換。肉は臭うくらいが旨いが、万人に勧めはしない。調理前に予め室温に戻し、塩胡椒を振って置く。先に付け合せに火を通し、次に肉。ヘットで軽く焼く。フライパンは変な加工をしていない地金のものをしっかり熱しておく。肉を皿に上げたら、肉を焼いたフライパンに残った肉汁に赤葡萄酒(エスパーニャ産メルロ)を注ぎ、リー&ペリン、塩、胡椒、バター、マスタード等で味付けしてソースにする。肉が貧弱だと余計な小細工が必要になる。スープはポルチーニのポタージュ。サラダはシーザーズ。パンは小麦+ライ麦ブレッド。自家製。

リブロイン薄切り焼肉

塊のリブ・ロインならば塊のまま焼くのがベスト。塊の場合は外周の脂がきっちり落とされているのが普通。適宜エイジングを施し、赤く鮮明だった肉色がマッタリと褪色するのを待つ。頃合いを見計らい、手で塩胡椒を擦り込んでフライパンで焼き目付け。アルミフォイル包でオーブン150℃で40分(1kgの場合)くらい。そのまま庫内20分放置している間にソース作り。フォイル内に析出した肉汁(けっこう出る)は最後にソースに加えている。一人前330gほどにカットして、ムシャムシャ食う。肉はムシャムシャ、腹一杯食うものである。いちばん厚い部分で4cmくらい。1パウンドじゃ大きいし、1/2パウンドじゃ小さい。飯なんつうのは赤い肉と赤い葡萄酒。ときおりスープと強いて言えばサラダがありゃいい。ステーキにするならTボーン(脊椎とリブ・ロイン、フィレをくっついたまま1枚に切り出したもの)がいいけど、売ってないなぁ。

リブロイン厚切り焼肉

匠の技もアクロバットも不要な片手間セロリ炒飯

昼の賄いは角煮を作ったときのラード在庫処分で特盛炒飯。玉子は基本。具はセロリ、胡麻和えゼンマイ、松の実。調味は中華出汁、塩胡椒、胡麻油。スープは白木耳。

セロリ炒飯

米はササニシキが底をつき、その場凌ぎで北海道ななつぼし。前夜炊いて保温しておいた残飯処理。「ななつぼし」も今となってはコシヒカリ系のしつこい粘りがない希少品種になってしまった。合掌。


2013/04/08 作成__2013/04/08 最終更新