春爛漫

今住んでいるところは幅員6mの公道に接道しているが、両端の蓋なしU-300溝と電柱が邪魔でM1エイブラムズとチョールヌィイ・オリョールがすれ違うことはできない。液状化でグズグズになったU字溝と道路の補修工事がようやく始まるらしいが、ちょっと傾いたが差し替えには至らなかった電柱の外灯は一足早くLED灯になった。演色性や照度は置いておいて、まぁ、長持ちするからメンテは楽だしランニング・コストが落ちるのは事実だろう。庭はそろそろ春爛漫。梅が終わり、水仙が咲き、菜の花が花弁をもたげ、ルッコラは満開じゃ。池には今年も招かれざる客が我が物顔でプカプカしちょる。2011年産と2012産の訳ありエンドウ豆は蒔種が年明け1月中と大幅に遅れたが、気温上昇に伴い順調に発芽生育中。これまた大幅遅れだが中国産大蒜、ジャガイモなんぞもすくすく生育中。

試行錯誤を重ねつつ、基礎的な食生活を転換して2年。食いたいものを食いたいだけ飲み食いした結果、そのせいかどうかは知らんが、来たな、足親指関節激痛が(笑)。最初は深酔いで記憶喪失、いつの間にか亀裂骨折かと思ったが、まぁ、2年間に渡って、世紀末!最後の晩餐ごっこができたオレの躰はたいしたもんだわ。風が当たっても痛いから痛風というが、なんのなんの。ぎっくり腰の冷や汗が流れ、進むことも退くこともできない、そのまま失神したほうが楽そうな神経痛に比べれば、足痛ぇぇぇぇぇと蹲れるレベル。BMIは22.3~23.8を行ったり来たりとここ15年ほとんど変わらないから、紹興酒とビールがダメなら、葡萄酒とジンがあるじゃん? と一向に懲りない……んだが、ソウダ、地元自治体の特定健康診査で尿酸値測ってコヨ~っと、近くの内科医院に予約を取るのであった。毎年やれよ~とチケットが送られて来るのだが、ここ十数年無視していたものが役立つとは、いやはや感慨深い。歳だなぁ(笑)。

■叩き牛蒡胡麻和え■

ちょっとだけ反省を込めて、ゴハンのオカズを作ってみた。皮を小削いだ牛蒡は酢をちょっと加えた湯で、食感を失わない程度に1、2分湯掻く。熱いうちに叩いて繊維を潰すのだが、そこまで太くはないし、硬くもないから途中で止めた。予め準備しておいた、乾煎りした白胡麻、煮切った味醂、米酢、醤油を合わせたもので和えて冷ます。付け合せは茹でたスナップエンドウ、自家製三つ葉。

叩き牛蒡

為替予約もそろそろ期限切れ、輸入品がコソコソ値上がっている。値段を上げられないところは量を落としたり、大きさを小さくしたり、付け合せを省略したりと日々工夫に余念がない。個人的には生産の結果としての“モノ”の価値が正当に評価される方向性はありがたいが、今、人工的に作り出されつつある状況は、持てる者が売り抜くための一過的な躁状態にすぎないことも、誰もがわかっている。慎重に、かつ最大限の利益をもたらすタイミングを見計らっているだけ。その後に来るものは……、もう知らんわ♪

確定申告で最寄りの税務署へ。一応、青だから帳簿は作っている。毎年のように気紛れでコロコロ変えるのは止めてほしいものだ。期限には1週間ほど早いが、相談は別会場なのでガラガラ。税金もずいぶん長い間、ビックリするくらいの額を払ってきたから、そろそろお役御免でいいよな~。

取引銀行さんがワンタイム・パスワード発生機をタダでくれるというので早速申し込み。翌週には可愛い発生機が手元に届く。Webで登録するとログイン時に第一暗証に加え、ワンタイム・パスワードが要求されてセキュリティupが計れるという目論見。電池駆動される時計が組み込まれていて、60秒間だけ有効なパスワードが逐次発行されていくという仕掛けなのだろう。次はキャッシュカードの生体認証化かな? 指の静脈紋で認証するやつ。

■蕗味噌■

この手の、どう足掻いても一定量以上売れそうにない商品の場合、香りも苦味も飛んじゃった万人向けというか、甘ったるい味付けが施されたものにせざるを得ないことは深く理解するが、作るのは非常に簡単だから、敢えて買うこともないから無問題。蕗は野原に自生するものだが、産地をある程度絞れる栽培物はアクが抜けていて、面白味の欠片もない。一方、残念ながら、裏庭に自生する「After that」の山菜・ハーブ類は多かれ少なかれ、様々なRIによって汚染されていることは免れないが、量が少ないから、まぁ、いいか……と安直に妥協する。自治体に計測に出すほど量が採れないんだな。

蕗味噌

■角煮な日々■

小分けになった豚バラだとどうしても肉が薄くなるので、いっそのこと1枚(2kgくらい?)単位で買うようにしてみた。5~6cm角のキューブにできるので、ようやく角煮らしくなってきた。

角煮1個

肉は大鍋に入る大きさに分割し、塊のまま屑生姜、屑葱で30分ほど茹でる。中心まで火を通す必要はない。茹で上がったら熱いうちに取り出して老抽+老酒をまぶしておく。冷めたら100g/個程度に分割。断面に老抽+老酒を廻す。熱したフライパンで分割した肉の6面を押し付けるようにして、表面だけ焼く。

角煮改

老酒、ザラメ、中華顆粒出汁に水を加え煮汁を作る。胡椒、丁字、八角、桂皮、肉にまぶした老抽+老酒も加え加熱沸騰させたら、焼いた肉を入れ、落し蓋+蓋をして肉が煮汁に完全に浸かるようにして、極弱火で3時間ほど煮る。85℃程度でかまわないので、私は電熱保温器の上に載せて放置しちょります。

角煮改2

3時間後、冷却開始。一晩経つと表面に白いラードが析出しているので、ラードのみ回収。調味液が減っていれば老酒を追加。一旦軽く沸騰させて、再び電熱保温器上で放置3時間。以降の放置は常温ないしは冷蔵庫で。食べる直前に再加熱し、別にとった少量の調味液に醤油を加えたものに水溶き片栗粉でとろみを付けておく。付け菜などをテキトーに盛り合わせ、和芥子をお湯で溶いて添える。

3x角煮食いかけ

昆布や鰹といった和風旨味調味料が使われることが多いが、豚の脂と合わさるとちょっとくどいように思うので、自分で作る場合は鶏ガラ系の中華出汁にしている。スパイス類との相性もよく、香りも喧嘩しない。回収した天然ラードは可能な限り水分を落として、もちろん炒飯や焼肉などに使う。

角煮食いかけ

■オートミール■

イギリス産か北米産の燕麦を使用したものが安価に入手できる。北海道産は3倍以上と値が張る。水で煮て、塩で味付け、甘くしたココナッツ・ミルク、乾燥果物や木の実、ココナッツのトッピングで主食代わりにしている。冷めるとお世辞にもおいしいとは言い難いので、即刻食い切れる量を調理することが肝要。ハード・チーズを下ろしたり、南方系のスパイス類で香り付けしても面白い。昨今の国内では外食でもほとんど見かけない(昭和の昔はホテルの朝食メニューに必ずあった)食い物だが、麦のお粥であり、所謂シリアルの原型なんだろうと思う。洋食器にはスープ皿と別にオートミール皿があるしなぁ。まぁ、牛乳で煮るのだけは勘弁してちょ♪

オートミール

■タピオカ・ミルク■

台湾産(原材料の芋が台湾なのかどうかは知らん)の大粒黒タピオカをココナッツ・ミルクで和えたもの。煮蒸ししたタピオカは黒蜜を絡めよく冷やす。ココナッツ・ミルクは若干加熱しながら砂糖を溶かして、一旦冷やし表面に張った油膜を除き、キンキンに冷やす。両者を合わせ、香菜を盛り、シナモン・スティックで掻き混ぜる。

タピオカ・ミルク

■TopValueの餃子で昼食■

岡田屋商店謹製プライヴェト・ブランド:価値絶頂シリーズの一品にして逸品。10個入りで99円、安売りで88円、投げ売りで49円の生餃子。一人前2パックでビールのお供、平日の一人でまったり朝昼兼用にぴったり。貧乏臭いタレが付いていないところに好感して買ってみたが、大蒜臭いし野菜がキャベツ(笑)なのは、もう、仕方がないのか? バリはパッケージに残った貼り付き防止用打ち粉(薄力粉かな?)を集めて水に溶いて使ってみた(笑)。わざわざ片栗粉を出してくるより安っぽくて相性いいかも。醤油+辣油よりは黒酢かな♪

TV餃子

しかし、まぁ、岡田屋はんも怒涛の快進撃でんな。ベルクス、カスミに続き、ピーコック、マルエツを傘下に収めたと思ったら、今度は傘下のダイエーを完全子会社化か? どこへ行っても価値絶頂シリーズが溢れかえる光景が垣間見えるぞ(笑)。まぁ、7+iがダメならウォルマートという選択肢もあるが、個人的には近在にドムドム・バーガーの復活を是非。

■Wカツ丼■

賄飯を出自としながらも、今や知らぬ人のいない、最もポピュラーな日本食としての地位を築き上げた“丼もの”だが、その、たかだか130年ほどの歴史しかない“丼もの”のなかでも、昭和初期発祥という後発なのに、すっかり王者の風格すら漂わせるのは、やはりカツ丼だろう。現代においては、あらゆるものが安直に丼化されるが、台になる白飯との相性、上載せの必然性、色彩効果、カロリー充足感という意味で、カツ丼は群を抜いている。それは他の多くの、白飯に“おかず”を載っけてみただけの似非丼と異なって、つゆに浸し玉子で綴るという創意工夫によってもたらされた街蕎麦のサイドメニューにして、まともなトンカツ屋からは外道の下手物として蔑まれる、野趣に富んだ、ノンキャリ叩き上げの素性だろう。カツは揚げ物だから、本来揚げ立てで賞味するものだが、時間が経って冷えて硬くなったものを再利用可能という観点でも、他の丼とは根本的に異なる不遇と不純の野合のようないかがわしさを兼ね備える。もちろん、揚げ立てのカツを使っても良いが、その場合は油切りとカットしたとき肉汁が流れないよう10分ほど置いて使うとヴェリィ・グッドでトレ・ビヤンにしてハラショー。

Wかつどん

その前に、余興でトンカツ。カナダ産500gの背肉塊をパーシャルで放置していたら、ようやく色が褪せてきたので二つ割にしてトンカツ。外で食うと油食ってんだが肉食ってんだかよくわからない代物に出くわすので、すっかり、シコシコ家内制手工業する内食メニューに成り下がった。今回は久々に7系列の基幹スーパーで購入してみたが、背脂が3mm厚ほどに削がれていたのには感心した。国産豚は脂をそのまま付けて重量稼ぐのが普通だからね。筋切りして塩胡椒。肉を叩くのは論外。衣はあくまで薄く、油を吸わないローストパン粉。肉は120℃~140℃程度で12分、油から上げて10分休ませ180℃で45秒の二度揚げ。中心部に薄っすらピンクが残る程度がベスト。食べる頃には余熱で火が通ってしまう。そのまま、岩塩で、レモンで、とんかつソースできめ細かいポーク・ロインの味わいを愉しむ。付け合せにはキャベツを用いることが多いが、特に拘りはないので、ルッコラ、アボカド、獅子唐という無節操で。

厚切りとんかつ

松乃家のWとんかつ定食がハズレ続きなので、ならばいっそのことWカツ丼じゃ! 外で食うとフワトロなどと称した白身が透明な、タダ単に卵掛けカツ丼を食わされる(ナマの部分は器を傾けて躊躇いなく捨てるから食わないけど)のがオチなので、すっかり自分で作る賄いに成り下がった。今回は残り物がないので豚背肉を切り分けるところから。カツ丼用の肉は厚過ぎないよう、1.5cmほどに切り分ける。適宜筋切りをし、室温に戻した肉の両面に塩胡椒。15分ほど置いて衣をつけて揚げる。揚げ上がったら、カツは油切り。浅いフライパンに菜種油を敷き、玉葱半個5mm厚の串切りを中強火でイョイョっと返しながら15秒炒める。常備している蕎麦用のつゆを軟水で薄めたものをヒタヒタに加え、一煮立ちしたら2枚のカツに包丁を入れて、玉葱の上に出来上がりの形を想定しながら置く。つゆの量はカツが半分浸かる程度。1分弱ほど煮たら、ざっくり溶いた卵2個分の半分をカツの上に流し蓋をする。火は強火。30秒で三つ葉を散らし、残りの卵を加え再度蓋。20秒強火で加熱を続け白身が白濁したら火を止め、蓋をしたまま余熱で火を通す。玉子内部は半熟でもよいが、白身表面は薄膜が張って白く見えるのが玉子綴じというもの。普通の蓋付き丼には入らんので、ラーメン丼に熱い飯を薄く控え目に盛り付ける。Wカツ煮を崩さないようスライドさせて、飯が見えないように盛り付ける。水着売り場の試着ブースじゃないんだから、白飯(できれば玉葱も)がはみ出して見えては滑稽というもの。白、黄、狐色、緑の饗宴こそがカツ丼の醍醐味だろう。好みで七味唐辛子。漬物、汁で3点セット。HOMOのWカツ丼と違って、最期まで食い切れる(笑)!!!

Wカツ丼2

調子に乗って、同じ7系列で特売していた豪産リブ・ロイン150gを4枚買ってみたが、これは失敗。物足りない。貧弱。薄過ぎて、よっぽど手早く返さないと火が通り過ぎる。せっかくのリブ・ロインなのに、火が通った焼肉なんて悲しすぎだろう? 炭火で表面だけ炙るように焼かないと上手くないわ。脂身はきちんとカットされていて感心した。肉が厚けりゃ、リブ・アイと言ってもよい。赤身肉をきっちり食わせようというこの辺りの肉事情も、ようやくと言うべきか、まだまだ子供騙しと言うべきか。何でもかんでも、ゴハンのオカズという位置付けから脱却しないと、食い物の本当の旨さはわからんよ♪

リブロイン

■混ぜご飯:ピビンパッぷ■

朝鮮民族と異なり冷蔵庫にナムルが常備されているわけではないから、残飯処理の賄い飯というよりは、計画性とコストを掛ける必要がある朝鮮式混ぜご飯。今回はちゃんと大豆もやしを使用。岡田屋謹製TopValueブランドの駒ヶ根工場製、一袋100円近い高級品を延3袋も使ったわ。自己流アレンジ緑は自家製香菜。コチュジャンは予め胡麻油で練っている。牛肉は冷凍の業務用バラカルビ。

朝鮮混ぜごはん

■豚薄切り肉の生姜焼き■

これといって芸が無い故、これまた外で食うことはない基礎的な家庭の味。手間いらずで調理時間も最小と昼のセルフ賄いには最適。脂っこい小間切れ肉やバラ肉よりも、背肉(ロース)の薄切り(3~6mm程度)を用い、肉が硬くならないよう最小時間で火を通す。肉を塩分のあるつけ汁に漬け込むと当然硬くなるので避ける。代わりに、室温に戻した肉の両面に薄力粉をまぶし、保水を図る。肉に火を通してから玉葱を加え焼くことが多いが、逆のほうが圧倒的においしい。

生姜焼き

生姜は下ろす。付け合せなどは予め下拵えして、皿に盛りつけておく。フライパンに菜種油を敷いて、生姜半量、玉葱串切りを中火で軽く炒め、味醂、醤油の順に加え一煮立ち。パンを斜めにして玉葱を片側に寄せ、残った部分で薄切り肉を広げて片面を強火で20秒焼く。残りの生姜を加え肉を裏返し15秒ほど。色が変わったら、すぐに全体を軽く合わせて火を止める。味付けは味醂と醤油のみだから、最低限クピクピ飲んでおいしい本醸造味醂とまともな醤油を使うと、文句の付けようがないものが簡単にできますことよ、奥さん。

生姜焼き再度

2013/03/15 作成__2013/03/17 最終更新