夏枯れ

今の土地に来て4年ほどが経ち、植えたつもりのない合歓の木も高さ3mほどに伸びて今夏初めて花が咲いた。空の青を背景にした可憐なピンクは風に吹かれ儚げに揺れている。 6群に増やした天使ラッパも初夏の開花以降順調に伸びつつあるが、まだ1.5m程度と期待外れ。肥料が足りないのか?

合歓開花

盆明け20日過ぎ。そろそろ市場も平常に戻ったか? と鮨屋でコハダになりかけた新子。秋刀魚もチョロチョロ良質なものが出てきたらしいが、ネタは夏枯れだな。鮪は渡島江差と大間。黒鮪特有の酸味が入った濃厚な赤身。ウニもこの時期だけの粒立ちと舌触り。店長は筋子をしごいてイクラの醤油漬け作りに余念がない。今年はトキシラズが豊漁だったが、白鮭も早いらしい。

唐辛子が盛況。よく伸びる。直射日光に当てたほうが実が赤くなるので、ときどき葉を毟る。毟った葉はもちろん葉唐辛子として炒め物や佃煮にする。手間いらずで便利。

唐辛子繁盛

■祝:松乃家復活

8/29。すき家の鰻は終わっちゃったし、行くとこ無いじゃんと拙い経験を再走査。そろそろ豚肉のロットも変わった頃だろうてと、性懲りもなくWとん定食飯大盛り。うんうん。1cmあるかないかとちょっと薄いが、まともなロース肉に戻っていて祝:松乃家復活。しょうがねえな、また通うのか? 弁当メニューにはカツ1枚300円があるのだが、店内には適用されないのかな? 今度聞いてみよう。カツ1枚の普通のとんかつ定食は490円、カツ2枚のWとん定食は飯特盛り可で850円となると、カツ1枚と飯増量に360円掛かっているわけで、490円のとんかつ定食を2人前食ったほうが効率は良いな。腹が膨れたまま戻らなくなりそうだが。正直、白飯やらキャベツはどうでもいいんだ。無くても全くかまわない。オレ、純肉食だから。

駅頭や路上で野菜や果物を販売してる人が増えたなぁ。概ね2種類に分けられるが、一つは絆を前面に打ち出して、周辺価格よりかなり高額に押し売りするタイプ。もう一つは如何にも胡散臭い、商品知識ゼロの雇われ茶髪バイト君が異様に安い価格で叩き売るタイプ。扱っているものはどちらも似たり寄ったりで胡散臭さがプンプン(笑)。それでも眺めていると、どちらもけっこう売れていて興味深い。まぁ、河川敷やら公園やら駅頭で、未来を担う少年少女が地べたにウンコ座りして、睾丸や卵巣に自ら進んでβ線を当てることが遍く推奨されているんだから仕方のないことだね。あっぱれ、あっぱれ。このクソ暑い中をご苦労さん♪

赤黄ミニトマト

露地植え放置栽培なのでミニトマトだけだが、このところ暑すぎて実を回収する気にもなれん。黄色は苗を買って来たものから脇芽を再生させて5、6株にした。赤のティンカーベルは去年の実から取った種で大量に苗ができた。受粉の問題なのか一部に釣鐘型じゃない、丸型や徳利型など変形果も見られるが、まぁ、味は同じだ。売り物と違って完熟させているので異常に甘いが、皮がちょっと硬くなるのが難点かな? 売り物は緑のうちに収穫して紫外線でも当てるのだろうか?

ゴーヤ・チャンプルー

今年はゴーヤを植えたつもりはないのだが、こぼれ種から勝手に芽が出て勝手に実が生る。生れば黄色くならないうちに食う。品種が違うのか、肥料が足りないのかは知らないが、せいぜい15cmほど。売り物と異なって、採りたては苦味が殆どないのでイメージ狂う。

■豚角煮のようなもの■

皮付き豚バラ肉

試しに買ってみた皮付き五花肉(皮付き豚バラ肉塊:三枚肉)で角煮。普段使っているカナダ産皮なし豚バラより30円/100gも高いんだぞ。ちょっと小さいが上手くいったら次は大きく切り分けてもらおう。いつものように軽く茹でて、老抽+老酒。表面を焼き付けて老抽+老酒とスパイス(八角+胡椒+丁子+茴香+桂皮)で煮込む。冷やしてラードを分離して器に盛り付け蒸し。皮が着いているせいか形が崩れにくい。塊が薄すぎて立方体1個にならん。小さい分、味は早く沁みるが肉を喰らうという醍醐味には欠ける。

豚バラ角煮

元の見た目からは想像できないほどさっぱり。さっぱり過ぎて物足りないわ。見た目は濃いが、普通の醤油が少なかったせいか味も薄かった。肉の脂と繊維はすっかり変質して口中で蕩けていく。皮に関しては見映えの問題かなぁ? コラーゲン云々には興味ないから、30円の価値があるかどうか。スープは葉唐辛子と玉子。

角煮近景

■Eels in late summer 2012

8/11:すき家9回目

朝7:50。土曜日~。早朝から庭仕事しながらビール2本飲んじゃったら、ちょっと物足りなくて、ついでにきんきんに冷やしたソヴィニヨン・ブランの白葡萄酒も半分開けて、どうにも腹減ってすき家へスキップ。あき家なら隣に2つあるが、すき家はスキップで5分も掛かる。途中信号待ちをする場合、女子高生や子供を連れたお母さんの汚物を見るような厳しい視線にどう対応すべきか毎回困惑するが、ホロ酔いホロ酔いホロ酔い酔いっと。酒あればその方がいいんだけど、エアコン効いてる窓際じゃないテーブル席の真ん中で、取り敢えずビールでいいや。ポッキー刺さったソフトクリームがなくなったのはショックだが、揚げた芋なんぞもメニューに加わったし、幅広い層を取り込みたいという意欲は評価している。あんちゃん店員2、推定20代~50代の男ばかり客5~6。もっと居たかも。酒なら居酒屋で飲めという意見もあろうが、この手のチェーンのファスト・フードは全席(見える範囲の厨房も)24時間禁煙だから、座る場所を気にしなくていいし、後から来た客に隣でプカプカされることもないから、居心地が極めて良い。禁煙の飲食店はまだまだ少ないし、分煙とはいっても名ばかりが常態だから、摘みはショボくてもオレにとっては完全に居酒屋の代わり。素材が著しく不分明で「After that」を全て無かったことにしている巷の居酒屋よりは、広範な衆目に晒されているだけ、ある程度の担保も利こう。仕事でもないのに絆瓦礫ならぬ千葉長生産Csのみ合計41.9Bq(JT発表値)の絆煙を浴びる趣向はさらさらない。ラストはいつもの特鰻丼+お新香セット。門戸を閉ざしている米は常に少なめでOK。良かった良かった、まだ在った。まだまだ在るって(笑)。

8/13:すき家10回目

すっかり貧乏自慢になっちゃってるな。まだまだ暑いから川向うの鰻屋は10月まで我慢だ。老舗レベルは禁分煙もほぼ浸透しているが、町場の鰻屋(天麩羅も)レベルになると鮨や蕎麦に比べ、一向に禁煙化が進まないのも腰が重くなる理由ではあるな。同じ焼き物屋でも焼鳥や焼肉に比べれば遥かにマシだけど。こちらは、そろそろ最後の追い込み? 盆明けまでは持たないか? 鰻は頭側が3Pの1/3カット、残りが4Pのハーフカットに見えた。頭側は蒲焼にするには明らかに肉厚だね。厚さや大きさによって焼き方蒸し方を変えるほどのコストは掛けられないだろうから、身厚になると脂の落とし方が弱く、ちょっとしつこい。臭みは感じない。皮は薄くてヌチャっとするが、まぁ、仕方ないレベル。小骨はない。尾側は身の厚さも適当で、微妙に香ばしくてなかなか。買い物帰りで遅くなり、11:30とちょっとヤヴァめの時間帯だが、カウンターに数人、テーブル席はガラガラ。こういう時は迷わずテーブル席へ。食い始めた頃には7割ほどカウンターが埋まっていた。いつものあんちゃん店員1、オバさん2。

いつ(水揚げして加工した)の鰻かは知らないが、これからという季節に終了してしまうのはちょっと鼻白む。カードとまでは言わないが、WAONかEdyが使えるようになるともっと便利なんだが、全国一律にやろうとするとまだ割が合わないか。

8/20:11匹目の鰻は既に終了済みだった。

また来年。牛はオーストラリア+メキシコ、米はコロコロ変わるが、現在は茨城産に遷移。

Edyは携帯アプリを入れるだけで1000ポイントくれるという販促に乗って落としてはみたけど、今のところ使う機会がまったくないな。チャージが携帯端末からできるのは便利だが、1000円超えるならカード一括払いにしたいし、コンビニには全く用がないし、飲食はファミレス系チェーンでしか使えないようだし、量販もピーコックとワイズマートじゃなぁ? と思ったら、マクドでは使えるな。Times駐車場でも使えるのか。楽天自体には特に関心も感慨もないが、上手く使えばポイントが笑えるほど溜まる、楽天カードを使って長く使えばそれなりの利益還元がある、検索システムが意外にまとも、ネット・ショッピングでは老舗レベルの安定性と継続性、値段が同じならインターフェイスが同じほうが楽、一度使えば膨大な商品で個人情報の打ち込みが不要、といった観点で塵芥メールが山ほど来ることを除けば、現時点では購買者に非常に有利なシステムになっている。システム自体もサイト技術者や運営者の技量が熟れて、ツマラナイ無駄が少なくてよく出来ている点は高く評価している。

■穴子飯再度

穴子を煮た汁が余っていたので新たに調達し再度。半島産輸入品だが、魚の関税(5%?)を考慮しても安くはないな。青森以南ならどこでも獲れる真穴子だが、これは島根や鳥取に揚がるものとほぼ同じものだろう。李朝以降の近現代朝鮮には全く関心が持てないが、東日本太平洋産が壊滅状態じゃ仕方あるまい。冷凍物も多く出回っているが、これは活けで入ったものを魚屋(新潟の中堅水産卸)が捌いたものかな? 捌き方が東日本向け国内仕様だが、魚の流通ルートはホントさっぱりわからん。

朝鮮穴子

身肉はまぁまぁ厚く、大きさもほどほど。皮目に垢のように白いヌメリが浮いて鮮度はお世辞にも褒められないが、煮る分にはなんとかなるレベル。普段以上に丁寧に霜降りして、包丁先で皮目のヌメリを徹底して落とす。1時間半ほど極弱火で煮込んだら、煮込みすぎたようで手で掬っただけでブチ切れた。飯は昆布1片、米4合に120mlのすし酢。砂糖大匙3、塩小匙1に純米酢を加え撹拌し120mlにしたもの。時代遅れな、かなり酸っぱめの味付け。思い立って始めても、夏はすぐ溶けるから楽ちん。穴子飯はやっぱり酢飯が合う。紫蘇の葉は庭製、実山椒は出来合い品、刻み海苔は湿気るから最後。でも、やっぱり穴子が足りないのよね。ドンブリ飯だと100gx2匹だね。

穴子飯

■マクドでいろいろ学んだこと■

前回に引き続き、小輩にも乞食クーポン3種が下附されたので、カサコソと底辺道を伝い渡り全ゲット。再び底辺ホイホイに足を取られるのだった。昨今、底辺は資本主義の場末:牛丼屋に引っ張られちゃうし、金持ちは最初からマクドなんて眼中にないから、イメージで釣れる微妙な中間層をフォークでスープを飲むように、掬わねばならないのが辛いところだね。10:30ごろ。オーダー待ちは無い時間帯。携帯クーポンで注文してWAON払い。5分掛かると札を渡される。紙袋を手提げビニルに入れ、口を結んで地下に降りていくと階段の途中で仄かに臭いやがる。車内禁煙・禁飲食(ミネラルウォーターのみ可)・禁香・禁RIなのにクルマに臭い付きそうだわ♪

ホット・ゴールド・マサラ:290円

アチアチ。辛いものが苦手なので、予めプシュっとビールを開栓。包み紙を剥ぐとやや潰れた球状の外形。クミンとコリアンダーが香る。一見してバンはクラウンとヒールの間に中間層付の3段構成で背が高い。トップはポピーシードでもなく、白胡麻でもない粉状のもの(粉砕モロコシ?)で飾られた、味わい甘めのいつものフニャパン。焼いていない面(中段の底面)があるのは何で? 手抜き? 近在のマクドのパンはさいたまぁのフジパン東京工場製らしいが、要求される納入価格と仕様の狭間で小麦粉を極限までケチり、添加剤と膨張剤で膨らました国産メーカー製パン故の、いつもの悲しいレベルであることは言わずもがな。

構成は下層に千切れレタスがワラワラ、ペラペラ・チェダー風チーズ1枚、衣揚げしたチキン腿肉1枚にソース。上層にはトマト輪切り、ソース、千切れレタス、僅少の玉葱小片。構成に新味は感じられないので、今回の特徴はソースということか? ターメリック+クミン基調の着色料で染めたような鮮やか黄色ソースで、フェヌグリーク入ってないだろ? ゴールドというにはちょっとツラくないか? フェンネル、コリアンダー、マスタードシード、黒胡椒程度は混ぜているのだろうか? カルダモンやシナモン、クローブといった平均的な日本人にはキツイらしい香辛料は割愛されていると思われる。大蒜、生姜風味も感じられず。僅かにチリペパーの辛味が口に残るも、スパイスが効いているというよりは、ヨーグルト系乳製品? の酸っぱさと相当量の多糖類で甘酸っぱく、増粘剤の粘度でクリーム状に仕上げた、おとなしめの北インド風をイメージしたマヨネーズ・ソースのようなもの。衣揚げ鶏肉の脂っこさとさっぱりトマト+レタス、甘酸っぱソースが各々個性を主張してバラバラ。屑レタスが崩れたす。予想通り、どこがマサラ? スパイスを不自然なコク旨ソースに頼らず、馬鹿の一つ覚えの唐揚げ肉をタンドゥーリ・チキン、レタスを止めて焦げ目入れたスライス玉葱にでもすれば、遥かにバランスと納まりは良くなると感じた。

マイルド・ゴールド・マサラ:290円

パッと見ショボい。“ホット”と異なり、普通の上下2枚のセサミ・フニャパン。ゴールドの由来はいっそう不明。千切れレタス、薄ペラ・チェダー風チーズ、極甘コク濃カレーソースにくぐらせた衣揚げ鶏腿肉を重ねたものに、たっぷり目の激甘コク旨マヨネーズでもう、湿気が多すぎてベタベタでダラダラ。噛むとぐちゃあと溢れる鶏脂はギトギト。血糖値急上昇。強烈なアミノ酸で舌が麻痺する。何故ここまでフニャフニャでヌチャヌチャにしなければならないのか? お菓子や離乳食の一種なのか? “ホット”に比べスパイスはほぼ皆無で、ジャムみたいな果実や蜂蜜シロップ? を混入したと思われるレトルト和風なんちゃってカレーソースの甘ったるい臭いがムンムン。テリヤキ・バーガーの甘カレー版といったところ。辛くない甘口カレーではなくて、こてこてに“甘い”カレーという前代未聞の新機軸。さすがにこれは大人の食い物じゃないわ。「お子様ランチ」と同じ年齢制限を記載してくれると助かる。

ビッグ・チキン:250円

さすがに3個目のチキン攻めには辟易。チキン余っちゃってるし、儲かってどうしようもない消化メニューの趣。揚げた腿肉は上記と同一。バンは上記に比べ更に柔らかい甘フニャパンで、薄切り極小ベーコン、偽モッツァレラ・チーズ、千切れレタス小片。ソースは酸っぱくないサワーソースで、得意のヌチャベタ質感。揚げ物がかなり塩辛い上に脂っぽく、口中に広がる鶏の脂を甘味と不自然なコク旨味を強調したソースが消化しきれていないバランスの悪さを感じ、咀嚼が滞りがち。強熱したフライパンに食いかけの断面を押し付けながら、最後は白葡萄酒で流し込んだ。ヒャッハー、830円でもう腹一杯だよ♪

衣揚げは小麦粉に、ショートニング、結着剤、添加剤、香料などが適宜混入され、かなり固めのお菓子風サクサク感を強調した作り。揚げ油は植物油+ショートニングかな? クセは皆無。腿肉は脂が多くかなり塩辛く味付けされているが、胡椒は殆ど感じさせず、一般性とコストダウンを両立させている。「鶏肉といえば焼鳥か唐揚げ」という世間の嗜好をきっちり見切り、インドとは思いっ切りズレようが問答無用とばかりに、ハズレが有り得ない形で押してくるあたりはさすが最大手。カロリー云々の割に(芋を含めた)揚げ物や砂糖に対する忌避感は極めて小さい(というか口だけなこと)こともよく理解しているね。用いられているチーズはもちろんナチュラル・チーズではなく、恐らく国内大手の植物油脂をバインダーとして各種香料や乳化剤、増粘多糖類、アミノ酸で味付け、加熱処理したプロセスチーズ、ないしはチーズ含有量が更に少なくてより安価に製造できるチーズフードで、所謂「とろけるチーズ」と云われる典型的なジャパニーズ・チーズ。

マサラはmasalaで、本来は数種~数十種の粉状やペースト状の香辛料の混合物を指す。インド、パキスタン、アフガン、スリランカ、ネパール、バングラディシュあたりのオカズに該当する食い物は見た目がどうであろうとほぼすべてこのマサラ風味である。組み合わせるスパイスで多種多様な風味を出すことができるので、マサラの風味と言われても具体的な風味を限定することはできないし、その“匂い”をそのまま持ち込んだら、香を焚くこともなくなった現代では、概ね“臭い”として苦情が殺到するレベル。今回のオリジナルはインドのChicken Maharaja Macという商品らしいが、あちらのものは衣揚げしていない鶏肉パテがダブルで2枚、トマト2枚にオニオン、ピクルス入りでセサミ・バンを用いているように見える。形が崩れないよう円筒形の紙筒に入れられて、更に包み紙で覆われているようだ。しかし、四足はもちろん鶏もダメな人(シーク教徒他)も多いから、メニュー揃えるの大変だろうな。ヴェジ相手は出汁や油も変えなきゃいけないし。

一方こちらは、揚げた鶏腿肉(要は唐揚げ)という日本人好みの共通材料を徹底して転用使い回し、衣付けで肉量も減らせるし、ソースをちょいと変えるだけで、いとも簡単に高額3メニューくらいデッチ上げちゃうぜ? というマクドの開発力に平伏すべき、毎度お馴染み、いつもの日本人向け商品であった。お見逸れしました。あっぱれあっぱれ。ニッポン万歳!

■セルフ賄い残飯処理

松の実

松の実はバジルソースや中華には必須だが、相変わらず高いのう。3800円/kgもしやがった。もちろん中国吉林省産だが、今年はセコく裏の公園を徘徊し、黒松の松ボックリを集めてどこまでできるものか、試行してみようと考えている。

◇黒炒飯◇

冷凍剥き身エビと残り飯の残飯処理で。具は冷凍大蒜の芽、葱、松の実、出汁は中華鶏ガラ粉体、味付けは老抽と胡椒、老酒。賄いの常道。

松の実黒炒飯

◇セロリ炒飯◇

角煮から排出されたラードと香味液の残飯処理で。卵、冷凍エビ、セロリ、葱。黒い小粒は香味液に残った黒胡椒の粒だ。出汁は香味液の成分をそのまま利用して特に加えていない。味付けは定番の塩、胡椒、老酒。

セロリ炒飯

2011年晩秋、十数年ぶりに手にして以来、期間限定品や新メニューが出る度に足を運び、半年で10個は食べる勢いの熱烈愛好者になり、冥土の土産を兼ねて、現代日本食の典型的な一側面を垣間見つつも、社会習俗と共に深く若干斜めに味わっている。購入にあたっての原則は、モノを買うときは基本的にいつでもどこでも同じだが、そのモノの価格を知識と経験から自分なりに想定し、その想定価よりも安ければ買う。高ければ買わない。他人が決めた値段に惑わされるほどもう若くはないわ。“どうしても欲しいモノ”はこれといって無いのでそれで何の支障もない。マクドの主要商品の場合は大型パテ1枚モノで350円、2枚なら500円(共に許容誤差30円)ってところだろう。

驚いたのは地域によって値段が違うこと。高額商品の場合に限るようだが、都市部の店舗が数十円(10%程度)割高な価格設定であることに驚いた。テナント料や人件費が高いことが理由にされているようだが、流通経費や販売効率は加味しないのか? 各店の独立採算にしたら都市部繁華街店は今の半額でもペイするんじゃないか? 逆に現価格の3倍にしても採算合わない店は相当あるだろうに。まぁ、購買力のある“取れるところから取る”のは商売(と税金)の基本ではあるが、こんなところにも地方バラマキ税があるとは恐れ入った(笑)。

とはいうものの、この戦略は長続きしないように思う。代替のない地方で安くして、いくらでも他に選択肢がある都市部で上げたんじゃ、トータルの売り上げ落ちるだろう? むしろ既存店はベイシック・マックとして100円マックと既存メニューで統一し、競合のない場所は値上げ、一方、都市中心に子供や学生、低所得者を完全に排除できる完全別メニューの高額高級仕様の別ブランド店を増やせば(或いはM&Aして)儲かるだろうに。きっちり利益が出れば、末端にも餌を与えてくれる機会が増えて嬉しいというもの。経営原則に必要なのは、平等じゃなくて公平だと思うが。

ダブル・クォーター・パウンダー・チーズ 490円

Double quater pounder with cheese? 世間に媚びたインチキ・バーガーのオン・パレードにはいい加減食傷したので、だいぶ見やすくなったメニュー看板を眺め、いっそのこと、いちばん高いバーガーを所望。時間掛かるんだそうよ。10分近く待たされた。紙箱入り。高さはたいしてない。基本的なチーズ・バーガーのチーズを2枚に、パテをペラペラから1/4ポンドの2枚にしたもの。ピクルス、玉葱、ケチャップ、マスタードという基本に忠実で媚のない味わい。ここはがっしりしたパンに、エメンタール等まともなナチュラルチーズを使って欲しいものだが、そこまで国内で求めるのは“ないものねだり”なのは理解している。買って来たら、自分で最初の1個はレッド・チェダー追加。も一つおまけはペコリーノ・ロマーノを5mm厚にスライスして挟み、オーブンで軽く湿気抜きするといいじゃないか。噛み締めるほどに溢れる肉汁と奥歯で磨り潰す肉の食感と旨味、咽そうなチーズの濃厚さ。黒ビールに最高に合うじゃん。これだこれ。

普通のセサミパンで挟んでいるので全体に占める肉パテの割合が概ね適切で、本来のバーガーに近いものだろう。以前から疑問に思っていたレタスではなく、玉葱と肉という組み合わせもやはり王道に違いない。全然ビッグじゃないビッグマックより全然イイじゃないか? ハンバーガーはやはり「牛肉」だと思う。口の中に広がる脂と噛み締めて味わうがっしりした肉の旨味こそがハンバーガーの醍醐味だ。個人的には玉葱はまるごと輪切り、肉はもうちょい脂身を減らし、臭いくらいの赤身肉で歯で引き千切る感じのガチガチのパテにして欲しいわ。ついでに、パテをもう1枚追加してトリプルにできないかな? 野菜食いたきゃレタスだろうがトマトだろうが、各々100円ずつもあれば、よっぽど上等なものが食い切れないほど食えるわけで、何もハンバーガーに無理やり挟んで食う必然性などまったくない。むしろ、そのために無駄なソースやしつこい味付けを施さなくてはならず、食い合せが悪く、熱いのかヌルいのかはっきりしない中途半端なものが出来上がるのが実態だ。宗教上の理由で動物由来の食品を食わない人や菜食主義を否定することはまったくないが、そういう人はマクドに用はないだろう? 肉や魚をどう見せて、どう出すかで、料理屋の良し悪しは単純に決まってしまうものだ。

490円というマクドで最も高価な価格は、内容を考えればほぼ想定通りで理に適ったものだろう。ちなみにアメリカでは同一商品が3ドル弱で現レートでは日本の半額以下だが、向こうはチキンなどは逆に高いし、牛肉輸入に伴う関税(38.5%)を鑑みても2倍というのは非常に良心的な価格設定だと思う。国際価格との差異が末端価格にして、米(778%)が8倍、バター(360%)が5~10倍、小麦(252%)が4倍、砂糖(328%)が5倍に上り、その差額を懐に入れ、日夜、明るい未来作りに邁進しておられる“やんごとなきお方々”や“その庇護下の方々”に比べれば、最大手故に異種同業との競争に晒されているマクドは肥えそうで肥えないな。

■賄い麺4題

◇インスタント・トムヤンクン麺◇

インスタント・トムヤンクン

最近けっこう出回っているタイ産のインスタント・ラーメン。トムヤンクン味とグリーンカレー味がある。小振りだが5個パックで150円を切る価格に釣られ、常備している。麺を煮込まなくても、湯を注いで蓋をすれば出来てしまうという元祖インスタント。スープや味付けは完全現地仕様。日本のラーメンのコク旨濃厚出汁と脂、甘ったるい、或いは塩辛いスープについていけない私にとっては貴重なインスタント食品である。海老がなかったので豚肉と大蒜の花茎、セロリ、豚の餌などを適当にトッピングしている。

◇ソース・ヤキソバ◇

ジャンク・ヤキソバ

特に工夫のない普通のソース・ヤキソバ。豚肉、キャベツ、人参。胡椒は白、ソースはオリバー焼きそばソース8割+どろソース2割。辛子は練り和辛子。紅生姜はすき家で持ち帰りすると袋に入れてくれる個パッケージ。牛丼には使わないから冷蔵庫に貯まるので、ときどき消化する。昔、テキ屋の屋台で貪り食った雰囲気を再現してみた。

◇担担面◇

ココのレシピ通りに作ってみた。さすがにけっこう本格的だな(笑)。違うのはピーナッツを砕いていない、芽菜(ヤーツァイ)を水に晒していない(以上手抜き)、肉が挽肉じゃなくて細切れ、麺が腰のない中華麺でなくて普通のうどん(近くに売っていない)、といったところ。

peanuts

ピーナッツはインド産が安価で大粒で質が良い。乾煎りして擦れば皮は簡単に剥ける。

辣椒油

胡麻油に花椒を落とし弱火で加熱。香りが立ったら白胡麻を加え、焦がさないように加熱する。別の器に朝天辣椒を毟り、加熱した油を一気に注ぐ。

肉は豚の赤身肉を生姜で炒め、醤油で味付け。

芽菜+肉

芽菜は一般的に塩抜きするらしいが、うちのはあまり味が濃くないので刻むだけで済ましている。緑は屋外栽培してる春蒔き香菜だが、8/20頃、暑さで全滅した。あ~あ。

白練り胡麻

練り胡麻はメーカーによってけっこう差があるので、いくつか試してみるとよい。このメーカーは白っぽい方で芝麻醤として売られているものに近い。

スープ+ピーナッツ

スープは鶏ガラに練り胡麻、胡麻油、香醋、花椒油、醤油、砂糖、砕いた大蒜を少し熱を加えながら混ぜてみた。味付けは濃い目に。量は一人分で100mlもあれば十分。

四川担担面

以上を小碗に盛ったウドンに適宜盛り付ける。ウドンは日本風に冷やしている。夏だし。食べる直前にぐっちゃぐちゃに掻き混ぜるのがお約束。スープがないから、オマケにトマトと玉子のスープを作った。

トマトと玉子のスープ

不明なレシピや自分なりに疑問に思っているレシピは検索で概ね解決する。和食以外は当然ネイティブのサイトが正確で詳しいし、目を開かせる内容であることが多い。ヨウツベも言葉がわからなくても映像を追えば理解可能という意味でかなり役に立つ。日本語サイトの場合は「NHKきょうの料理」や「All About」の一部あたりが総花的ながらも、きちんと校正されていて内容がまとも。アレンジが加味されるとしても、料理の基本がきっちりと押さえられて好感する。料理店や飲食店を実際に営業しているプロのサイトもその専門分野に関しては極めて有益で教えられることが多い。あまり料理として参考にならんのは、「男の料理」や「釣り人の特権」系、漁師や農家の生産者関係、健康バイアス掛かった「気取ったネエチャン」や「栄養士」系。素人写真にクレジット入れてるのもパスだし、とにかく経験が浅く舌が肥えていない、それに気付けないワカモノ系もツライな。ダメを通り越して最悪なのが、言わずもがなの「クックパッド」。手抜き自慢と馴れ合いお友達ごっこに明け暮れて、この国の食文化に未来が無いことがよく分かる(笑)。

◇適当中華麺◇

残飯麺

角煮を作ったときの塊肉の茹で汁を保存しておいて、後々出汁にしている。鶏ガラに飽きたときに最適。具は豚肉、搾菜の唐辛子炒め、葱。スープは醤油、老酒。胡麻は坦坦面作成時の油の残り。麺は29円/玉のカンスイ入り中華生縮れ麺。


2012/09/03 作成__2012/09/03 最終更新