変曲点

大戸屋にチケット消化に出掛けたつもりが何故か鮨屋で飲んでいる初夏の惑い。初夏は鰯、鰹、蝦蛄にシマアジ、赤貝より赤い青柳海岸産の朱色に燃える青柳。白身はヒラマサから初め、マコとヒラメの食べ比べ。茹で上がりのズワイの足肉を軽く炙って蟹味噌をのせたもので、海底に降り積もる様々なRIの饗宴に思いを馳せるのも格別だ。今季初ホヤは青森の天然、平貝の炙り、噴火湾のホッキに京都の岩牡蠣、トドメは東京湾三番瀬船橋産の鳥貝だね。握りの上でキューって動いて縮むやつ。それなりの時間を重ねた信頼関係の下で飲み食いをしているから必要以上に不安に思うこともないが、検査で撥ねられた魚や正規流通に載らないヤヴァい変形魚を買い漁っている業者の噂を聞いたり、湾内スズキ等生態系の上位に位置する肉食魚からも出始めてるから、多かれ少なかれ、命を確実に縮めつつ味わう旬の鮨は麻薬に等しい♪

葉蘭

せっかくETCをつけたので高速道路に乗ってみたが、タダの入口から乗って、タダの出口から出たので動作環境は未だに不明だ。意味無~。でも、税務署行くぐらいしか用がないんだわ。北側を蓋で抑えられてしまうと行動範囲には厳しい制約があるし、思い付きでプラプラするのも、フィルターやら下回りの清掃を考えると面倒だし、唯一の愉しみでもあった現地調達の食い物や飲み物に躊躇するというか、そんなこと考えながら……って時点で出る気が失せるわ♬ 電車でおっかなびっくり宇都宮。宇都宮がナンだっちゅうわけじゃないが、北への玄関口であることに変わりはない。なんだか、人通りが少なくて寂しくなったな。必死に県産品フェアとかやってるし、カレー屋ばっかりだし。通りがかりの人に教えてもらった駅裏のみんみんで餃子を6枚(焼4+水1+揚1)食って、ビール飲んで、帰りの新幹線で酒飲みながら、みんみんのあんちゃんがエラい親切だったので弁当にしてもらった餃子2枚食って腹壊れそう。ココの餃子は今時珍しい、大蒜臭くない正統派で非常に好みに合う。で、家に帰って、晩飯に餃子4枚食って寝た。

大蒜

そろそろ大蒜は収穫期。地植えのみ一斉に収穫。縦が元中国産。横が元青森産。中国産で直径6cmほど。青森産は種をケチったせいか最大径4cm強と振るわず。残りはプランターに元青森が一箱。まだ放置中。今年のツタンカーメン豆は、採れ過ぎてかなわんので去年に比べ作付けを半減したが、既にほぼ収穫完了。寒さに強く丈夫で簡単で手間いらずの割には収穫が確実に見込めて大変便利な植物であるわ。豆飯と豆かんにして残りは調理用に冷凍。一部はそのまま乾燥させて来季の種にとっておく。パセリも繁盛。伊豆大島のアシタバから生葉で100Bq超えが出てるから、うちのパセリもヤヴァいのは確実。一度に大量に食うわけではないのは幸い。すくすく成長して花穂が立つと1mぐらいになるが、葉っぱが減って食うところがなくなるのは香菜や三つ葉あたりとも共通する生態だな。パセリにはアゲハの幼虫が付くのだが、ひたすら旨そうなところを「お先~」とばかりにムシャムシャ食べているのを眺めていると、何だか心底羨ましくて、遠くへ翔んでいける日が来るように放置している。

野苺

トマトはまだ発芽したばかり。限られた面積を転用しようと、その前に芽が出て食えないジャガイモを植えている。すくすく生育中。白い花が咲いた。オクラ、唐辛子類は昨年の種からようやく発芽。ホムセンで胡瓜苗68円を3本、黄色のミニトマト68円を1本調達し地植え。順調に生育中。両者ともに既に開花中。苗は早いわ。野苺も昨冬2分割して少し肥料をやっておいたら、けっこう実が生った。赤くなればそれなりに甘い。最近、ホムセンでも腐葉土はインドネシア・タイ産にすっかり代わった模様。赤玉はどうかねぇ? テキトーに測った感触では大丈夫そうだが。

パセリ

■松乃家■

駅前のちょっと引っ込んだ、人の流れから外れた位置にあり、広告灯が灯らない夜以外は背景色に埋没してわかりにくく、いつもガラガラで重宝している以前はチキン亭だった松乃家。隣は昔も今も松屋。どれも松屋フーズが展開する屋号違いというだけで、仕入や配送は相互融通していると思われる。松乃家は一応和風定食がメインだったはずが、今のメニューはすっかりチキン亭に戻って、カツとフライの揚げ物ばっか。以前、仰け反るほど塩辛いうえにブッカケ生卵状態のカツ丼を食わされて以来近寄ることはなかったが、名前が変わったから中身も変わったか? と再訪。松屋系列の外装はガラスが原則らしく、道路から店内レイアウトや客の入り具合、客層が掴めて便利。結果的にナウなヤングの男女グループが幸せそうに交遊していたり、しみったれたオジサン等が肩を並べている松屋を眺め、隣の松乃家に入るという行動規範が確立されるに至った。女子供の存在と粗野で横柄な雰囲気は煩わしいし、騒々しいのと窮屈なのは苦手なのね。

5月の頭くらいからどこも夏季“チキン”攻勢で破竹の快進撃なのは周知の通り。ここでもワンコイン(昨今では500円のことを意味するらしい)チキンカツ定食や600円台の親子カツ丼(チキンカツの卵綴じだろうか?)、チキンカツカレー等の新メニューがデカデカとしたポスター・ポップと共に店内外の壁を埋め尽くしている。焼付塗装されたアルミ製強化ガラス框自動ドアはマイクロ波と近赤外線併用タイプの非接触センサーのレスポンスが悪く、トロい。店内に入って直ぐ左脇に食券販売機1台。以前は外部にも置かれていたが撤去された模様。幅とカテゴリー分けが滅茶苦茶で目的物を探すのが大変。売りたくないものほど表示が小さくなるのはどこも同じ。最近は面倒になると後ろに並んでいるワカモノに訊く。みんな親切に教えてくれるぞ。

スイカ系列以外のカード類は使えない? 使えないタイプの券売機。20人ほど座れそうなU字カウンターはカウンター甲板のみ木質系に交換したようで形状は以前の通り。以前は壁向きカウンターだった部分が普通の2人掛けテーブル席に改装されて喜ばしい。昼時や朝夜は知らないが、客層はサラリーマン、タクシー運転手、フリーター、年金生活者等の原則一人客、稀に作業員風男2~3人組。24時間禁煙。客、店員とも、はしゃいだり、騒いでる光景に出くわしたことはない。静かで統制がとれており概ね喜ばしい。結果的に、カップル含め女性客は見たことがない。

驚いたことに、セレブレリティや余裕綽々の利用者が多いとみえ、食券を見て復唱されるメニューの大半はチキンや豚汁定食だった。もちろん、日々の酒糧に事欠く身としては、そんな高級なブラジル産ブロイラー肉や朝から豪華な煮込み? 朝食に手が出せるわけもなく、カツ丼にはトラウマがあるので、標準メニュー中最安値のとんかつ定食490円也を選択する以外にない。高価なトッピングや海老フライ、メンチ、唐揚げ等を付け合せることも有り得ない。もしや身分が違い過ぎるのではないかとの思いに、小さくなってカウンターの末席につき、水を手にした店員に食券を差し出す。カウンターにはソース、にんじんドレッシング、何らかの調味料、ちっとも辛くない練辛子小袋、プラ箸箱、冷水ピッチャーが整然と並べられている。ビールは生も扱っているが、たいてい瓶だ。瓶ビールは安直なアサヒ超辛中瓶で、450円。すき家より高いがお新香類が付くのは嬉しい。

オーダー復唱と同時にパン粉付け済みの肉がフライヤーに投下される。立て掛けてある2枚ほどの揚げ置きカツと思われるモノはカツ丼用か親子カツ丼用? と思う。煮て卵綴じする場合は揚げ立てではなく、ちょっと置いたものの方が衣と肉が安定するからという基本的な手法は踏襲されている。衣は小麦粉と液卵を混ぜた液体にくぐらせ、粗目の生パン粉を下品にならない程度に付けたモノ。衣がちょっと脂っこいが、外食・惣菜では標準仕様だから仕方あるまい。付け合せはキャベツ千切り一盛り、紫キャベツちょびっと。ワカメのみの具で合わせ味噌の、出汁の味がしない悲しい味噌汁付き。

金網に乗って供される肉はポークロイン、いわゆるロース肉で、臭みもないが旨味も薄い北米産と思われる(掲示では北米産)。まぁ、食券飯屋くらいのグレードなら高価な国産品は使えるわけがないから、かえって安心できるというモノ。揚げる人によって厚かったり、薄かったり、けっこういい加減で呆れるが、揚げた状態で肉厚1cm程は確保されており、概ね120g/枚程度と思われる。若干安価な肩肉や尻肉で誤魔化す弁当屋や惣菜とは異なり、ちゃんと背肉を使っているが、当たり外れがちょっとあるかな? 筋切りが甘く端部で若干筋っぽいモノに当たる場合があるが、脂身が多すぎることもなく、数年前の記憶よりは遥かに上質なモノと思われた。ちなみに、a.m.10時半頃に調理人が入れ替わるようだが、夜勤のイケメンあんちゃんの肉選択(Wの場合2枚共でかくて分厚い)と、午後の小太りあんちゃんによる薄っすらピンクの極上揚げ加減がベスト。

ダブトン

2回目以降はもっぱらカツ2枚のWカツ定食を注文している。朝10時に食うと、夜7時まで腹が減らないというスグレモノ。カツ1枚じゃ、ちょっと物足りないのね。Wになると、何故かカツ下の金網は必ず省略される。値段は850円と良い線だが、飯を大盛り、特盛りにすることができる。うっかりしていても、親切にご飯の量を訊いてくれる。大盛りの飯は黒っぽい陶器(プラ器のときもあり)に3/4ほど盛られて出てくる。普通盛りの1.5倍量くらいか? 量に不満を感じたことはない。ちなみに特盛は怖くて試したことがない。米はオーストラリア産+国産という表示で国産の産地は不明。混ぜてる割合も不明だが、長く大きめの米粒であっさりした風味。コシヒカリ系の甘みや粘りはない。おそらく古米に豪産のミニマム・アクセス米を混ぜたもの。炊き加減は普通~やや固め。カレーやカツ丼用に使える炊き方になっている。

ホール、厨房共に今時珍しいほど客の動きをよく見た接客。声が明快で丁寧なんだが、マニュアル丸写しのクドさというか慣習からかけ離れた過剰さが感じられ、「いえいえ、どういたしまして。こちらこそ、よろしくお願い致します」と立ち上がってお辞儀し返しそうになって困る。あとは自動販売機による食券前売り制を止め普通のメニュー・オーダーにして、隣の松屋や食券飯屋といっそうの差別化を計ってくれると、客層の向上が見込め、よりいっそうゆっくり落ち着ける腹ポンポコリン満腹食堂になるだろう♪

■中華風炒めもの

叉焼の付け合せを何にしようか困り果て、黒クワイ(馬蹄水煮缶詰)、袋茸(缶詰)、カシューナッツ、人参、香菜で炒め合わせ。大蒜・生姜・葱みじん切りを多めの胡麻油でじっくり炒め、強火にして香菜以外の具材を一気に加え、老酒、塩、胡椒、牡蠣油、醤油で味付け。1分ほどガーッと煽って香菜を加え、火を止める。

中華風炒めもの

広東風、或いは上海風に塩味系+牡蠣油の旨みで刺激がちょっと少なかったか。サイコロ状に揚げた鶏肉と唐辛子を加え、花椒ぶち撒けて四川風の味付けにすれば、宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)に似たものになるはず。焦がさないよう油通しするのがけっこう難しいけど、うまくできると旨いよね♪

茨城の湖沼河川全滅に続き、利根川本流の下流域、佐原の天然鰻から130Bq/kgで、そろそろと忍び寄るものが来たなぁ♪ 滅多に食えるものじゃないが、骨煎餅や肝吸いはなかなか面白そう。茨城は真正ド田舎だが事故慣れしてアレルギーがないから、元々観測体勢が整っていたこともあってデータが多いし、千葉は田舎っぺ農漁業県だが都市部に取り返しのつかないZONEを抱えちゃったから、北関東のような村八分や魔女狩りが有効に機能せずボロが出ちゃうよね♫ 断水騒動は誰一人悪者はいなかった……といういつもの結末でいそいそと幕引き。既に終わったこと。来週には無かったことにされていそうだ(笑)。群馬のダム湖が躰を張って溜め込んできた雪解け水が満水になって、梅雨前に放流するのは恒例行事のようなものだから、毎年この季節(場合によっては晩秋にも)になると似たような騒動が持ち上がるのかな? 取り敢えず再稼働に漕ぎ着けたら開き直るのかな? 同じ水源なのに(金町と栗山は目と鼻の先)、オゾンによる高度浄水システムが実装されている最新施設は問題なく稼働、微生物を利用した旧式の浄化施設は取水停止。恐らく貯留槽としての役割が期待され復活を果たした八ッ場に加え、取水系と浄水系の最新設備への改修を死に物狂いで急がないとバレるぞ?(笑)まぁ、平日は工場や病院なんぞが動いているからターゲットはやっぱり土日だね。稼ぎどきの晴れた土曜日に店を閉めざるを得なくなった(なる予定の)人はご愁傷さま。悪者がいなけりゃ怒りの矛先を向ける相手もいない(笑)。住めない場所に住み続けるってことの宿命だね♪ 一応念のため、いつも買っている業者に水を追加依頼したら、誰も考えることは同じようで、注文が殺到しちゃって納期遅れ。もう上から下へとてんてこ舞いで笑いが止まらんって。まったく、なんちゅう世の中なんだよ♪

■ぴざ小宴

賞味期限切れのチーズの大量消費を考えると、最も効率的なのはピザだろう。ゴーダの半分500gとデンマークの青カビチーズ400gとパルミジャーノ・レジャーノ300g、白チェダー300gほどをあっさり使い切りたい。強力粉300g、貴重になってきた“Before that”薄力粉300gを合わせ、40℃の砂糖湯で溶いて予備醗酵させたサフの乾燥イースト30ml、塩10g、EXVオリーブ油30ml(このあたりは全て目分量)を加え、水300ml弱で練る。

生地

生地がなめらかになったら球状にまとめ、油を塗ってラップ密封したボウルで直径が倍以上に膨らむまで醗酵させる。気温によるが、25℃で2~3時間くらいか。膨らんだら10等分。厚さ2~3mmに伸ばす。直径25cmのピザが10枚焼けるが、チーズの量が市販品とは桁違い、生地よりチーズが厚いのが基本。もちろん、ピザデブまっしぐらの超ハイパーカロリーになるので、まぁ、一人2枚が限度だ。残りはラップに膨らむ余地を残して包み、冷蔵保管。10日くらいは持つ。

パンチェッタとアンチョビのピザ

寝かしてる間に具材を準備。大蒜、唐辛子、パセリ茎をオリーブ油でじっくり炒め、トマト缶の固形分、塩、胡椒、赤葡萄酒を加え水分を飛ばしつつ煮詰める。パンチェッタ、アンチョビ、マッシュルーム、オリーブの実、ジャガイモ(軽く茹でておく)、ミニトマト等好みの具材を揃えておく。チーズはブロックから適当な厚さにスライスしておく。どうせ溶けるから厚みは適当で。

マッシュルームのピザ

オーブンを250℃で余熱開始したら、等分した生地を再度練って、延し棒で伸ばす。熱したピザストーンや鉄板などに生地を置き、トマトソース、好みの具材、各種チーズをのせ、オーブンへ。250℃:5~6分で焼き上がり。草類は適宜タイミングを見計らい後載せしたり、チーズに埋めるなど、焦げないような工夫が必要。

パンチェッタのピザ

焼いている間に次の生地を伸ばし、2枚目以降は食いながらセルフで焼く。自己流お好み焼きの格安西洋版であって、間違っても、洗練された老若男女が集うリストランテ等でワインとともに供される前菜:石窯ピッツァであるわけがない。個人的に具材は貧弱にして、労働者階級のお茶受けや軽食にふさわしい、身の丈に合ったものになるよう常に心掛けている。

ポテトのピザ

もちろん、蟹やらウニやら、キャビア、フォワグラ、ポルチーニといった豪華トッピングにはまったく手が出ない。生地のカリッとした焼け具合と、チーズそのものの質・量と組み合わせを考える程度。2回に分けて、取り敢えず計7枚消費した段階で、当初の消化目標は概ね達成できた。次回は具にあり余っているナッツ類、乾燥果実、ニュージーランドのクリームチーズとイングリッシュ赤チェダー、フランスの白カビ・チーズも加え鼻血出そうな感じでまとめてみよっと♪

今半黒毛和牛(貰いもの)のピザ

■回転寿司 「銚子丸」

100円寿司モドキはしばらく間を空けて、今回は皿で値段が変わるタイプへ。店名にもなっている銚子は関東最東端の港町で利根川河口に大きな漁港があり、主として近海魚の水揚げ兼水産加工業で有名だったが、近年は地盤沈下が続き過疎化が進行している。“After that”は更に拍車をかける勢いで、来年辺り、どのような統計データが出るか、まさに見物。今となっては良いのか悪いのか、銚子漁港からの仕入を謳っているようだが、本社が銚子にあるわけではないし、銚子に縁のある企業なのかどうかも怪しい。たまに出掛ける量販店の隣にテナント入居しているのは知っていたたが、今まで機会がなかったので今回が初めて。利用者は隣接するTimes系駐車場を2時間無料利用できる。

風除室の自動ドアをくぐると直ぐに客席でレーンが目の前。大手100円寿司店舗の1/3程度の面積で決して広々とした感じはない。同伴者が病院帰りの杖をついた老人だったせいか自動的に10卓ほどのテーブル席に案内された。レーンは一台。短辺と長辺一つずつがカウンター、一長辺がテーブル席、残り短辺がサービス・アクセスというレイアウト。開店11:00の平日昼前11:30だったが、既に70%ほどの埋まり具合で盛況だろう。客層はオバさんグループ、カップル、子供連れファミリー父抜き主体で、一人客はほぼ皆無。回っている皿は断固として取らず同じモノを要求するグループや、持ち込みペットボトルをテーブルに並べてる客等、品性はお世辞にも高くはなく、落ち着いてゆっくり味わうには不適切なレベル。ホールは悲しくなるほど田舎臭い衣装のオバちゃんパートがワラワラと過剰。その割には店内が妙に雑然として、パントリーにあるべきものが客通路を占拠していたりと清潔感に欠ける。壁に貼られた手描きのポップに統一感が感じられず、張り方も四方テープで汚らしい。赤っぽいインテリアの垢抜けしない色使いは失笑レベル。鮨はファストフードだから気取りや洗練は不要だが、ドン臭さが漂ってキレがないのは困りもの。

テーブル席は6人掛けか? 一昔前に流行った10cmほど上がる床に、テーブル端部が座席面に半分被るタイプで極めて窮屈。デブお断り(笑)。背凭れ側も仕切りがなく隣席と後頭部がぶつかりそう。聞き分けのないガキが隣席だったりするとかなり悲惨なタイプ。お茶はセルフの粉茶。産年産地不明。お湯サーバーの湯温低め。ガリ箱と醤油差し、メニュー、小皿がレーン側にまとめて置かれている。着席と同時におしぼりと割り箸がサーブ。昼前だったのであら汁サービスが付いたが、中途半端な味噌味だし妙にヌルいし、下処理のレベルが低く臭い。これはハズレ。セルフでお代わり自由らしいが、まったくその気にはなれず。

レーンの内側のツケ場に職人3人。親方風が40代くらい。残り二人はまだ若い見習い風。レーン長辺中央部に縦3段ほどの変わった形のネタケース。レーンには数種の皿が回っているだけで、ないものは全て職人に直接注文する模様。一人あたり捌かなきゃいけない人数は回らない鮨よりも随分と多そうだが、適宜作業分担と見えないバックからの支援もあるのだろうか? 時間が掛かることを除けば対応はなかなか良い。レーンはダイクロイック・ハロゲン系の白熱照明で照らされており、色合いがよくおいしそうに見える。取り敢えず、ホーッ、マジすか? と回っていたカマスを賞味。続いて鰯、漬け鮪。カマスは小田原の赤ガマスを皮付きで握っていて、ネタも大きく旨味も乗っている。非冷凍の鮮魚を扱っているとは思わなかったのでちょっと驚き。鰯は島根産って浜田あたりか? こちらは鮮度イマイチ以上に大振り過ぎで小骨がウザい。漬け鮪は漬け込みが非常に浅いタイプで、キハダの赤身に煮付け醤油を回し掛け葱を載せたもの。

初めてなので、3種3貫付けの独自サービス品や外道には手を出さず。まずは基本的な質の見極め。メニューを眺めてみるが、まぁ、何というか、ズブズブと投げ遣りな気分。気を奮い立たせ、真鯛>銚子産近海生キハダ赤身>紋甲イカ>赤イカ・ポン酢載せ>本鮪赤身>本鮪中トロ>鉄火巻>穴きゅう細巻で腹パンパン。本鮪はメニュー写真とは裏腹に、どう見ても、いわゆるピンクがかった地中海の蓄養鮪で、舌触りが若干荒く、黒鮪本来の深みある旨味や酸味に乏しいモノ(魚体が小型のもの)。良識人なら一目見るなり手をつけないレベル。注文があると解凍するのだろうか? 出てくるまでに妙に待たされる(笑)。ネタの切りつけも斜めに包丁を入れて単位重量を減らしているあたり、そこまでして出さなきゃいけないのか疑問に思った。一方、鉄火巻はバチ、穴きゅうの穴子は冷凍だが回転寿司としては驚くほどまともなレベルにまとまっていた。老人が余らせたホタテ貝柱>鮑>赤貝>つぶ貝も一貫ずつ賞味したが、超ミニというかマイクロ鮑はオーストラリアか何処かの養殖(回収して使い廻す、わざとらしく皿に載った殻の渦が緑)だが、一応鮑と名乗れるホンモノ。赤貝は大きいが中国産の黄色っぽいもの。ツブはロシアの冷凍ツブだが、100円寿司とは明らかにグレードが違い、一応寿司の体裁は保っているといえるだろう。

酢飯は酢が若干弱いが砂糖くどいというほどではない。温度は回転特有の傾向か? かなり冷たいが、昨今の寿司モドキ全盛時代ではこれまた、かなりまともなほう。米は国産表示のみで産地不詳。粒が大きめで長細目の品種だから、コシヒカリ系ではないだろう。メニューにはないが、望めば穴きゅうを細巻にしてくれる程度の裁量は職人次第で可能なようだ。職人の手元は構造上見えない工夫がされているが、握りも細巻もすべて職人の手仕事と思われる。次回からはシャリ小さめにしてもらおう。

醤油は銚子のものかね? 煮切り風に手を加えているのか、既製の刺身醤油なのか、香りはないがクセを押さえたまろやかな味わいで、こちらも100円寿司とは雲泥の差を感じた。ガリは白っぽい中国製の既成品だろうが執拗な甘さが薄いもの。会計は満腹で2000円以下/人で納まり(酒なし)、回らない鮨屋と100円寿司の中間程度。レジのオバちゃんがクーポンをたくさんくれた。よく行く立ち食いと同等か、ちょい高いくらい。中身の質に関しては、ド素人相手に媚びつつも、そのレベルに堕ちて開き直る潔さもないという、どっちつかずで迷走しているような中途半端な印象を受けた。

全てではないが、個々のネタは概ね大きい。というか大き過ぎる。鮨は一口で食べれる大きさに握るものだが、かなりの大口を開けられる私ですら一口で食べるにはギリギリのものがあった。見栄え良くネタが大きいのは嬉しいが、ネタに比例してシャリまで大きすぎて腹が膨れる。一人で食べたら二貫付けなわけで、種類を食べれない。お得感を演出したいのだろうが、見映えを優先するあまりあちこちに無理も出る。鮨にするには同じ魚でも最適な大きさを選ぶことが肝要なわけで、一つの握りにする魚の身の大きさは自ずと定まってしまうもの。鰯や鯵なら半身一貫、コハダなら半身2枚で一貫、車海老ではなくマキ、大穴子ではなくメソ。その極限が新コや新イカだろう。使う魚が大きくなれば、当然処理しきれない小骨が煩わしくなったり、身が硬く大味になったり、身をぶつ切りにしたり斜め削ぎしなくちゃいけないわけで、鰻が小さいほど高いように、握りにピッタリの大きさの魚を仕入れて握るのが鮨屋の仕事というもの。一方、白身魚や鮪、鰹、鰤といった魚は大きいほど(高価だが)脂が乗って熟成が効く。縁側や脳天といった希少部位を取るためにも一定以上の大きさが必須になる。スーパーや魚屋で素人相手に売っているような鼻で笑うレベルのサイズを鮨にしたところで旨くもなんともないわけで、そのあたりの微妙なズレを上手く誘ってコストを吸収しているのだろう。

派手な回転寿司メニューは一見、色とりどりで華やかだ。サーモンや揚げ物、麺類、デザート等に加え、女子供に分かり易い小細工トッピングに工夫を凝らす表向きの方向性は理解できるが、やはり鮨を食おうと思うとちょっと寂しい。白身、貝類、酢締めがあまりにも貧弱で通り一遍。その一方で「勝山の真鯛(内房勝山港水揚げの天然真鯛?)」を素面で回してみたりとチグハグ。煮穴子や蝦蛄、茹で海老を除くと、貝にしても魚にしても解凍刺身オニギリにトッピングの趣向を凝らすだけで、鮨の基本的な技法である、煮付け、酢締め、霜降りといった現場職人レベルでの工夫と熟練が必要とされる、いわゆる“仕事をしたネタ”がまったくない。メニューにあるのは炙りばかり。まさかガス・バーナーじゃないよね? 液体ガスの残香を嗅ぎながら食うのは最早鮨じゃない。もちろん、コハダもないし、青柳もない。牡蠣もないし、小柱もないし、ヒモもない。いわゆる鮮魚を一切扱わない100円寿司とは異なり、旬の鮮魚もないことはないが、そこはやはり、貝は活けで殻付きを仕入れてないし、魚も一本、一尾、一枚で仕入れているものが殆どないか、セントラルキッチンで下処理しているということを示しているのだろう。

今回は車だったので酒は頼まなかったが、刺し身やツマミもできるようだ。駅からそんなに遠くないから今度は時間を選んで飲んでみよう。鮨のような寿司という割切りが必要だが、簡潔とは程遠い田舎臭さを我慢すれば、非大量消費用特定ネタ狙いで行くのは、大当たりかハズレか? 命を縮めつつもけっこう面白いんじゃないか? と思っている。

■チキン

外食で地鶏でもないチキン・メニューにはどうしても食指が動かないので、チキンはeat inするものと割り切っている。もっぱらブラジルや北米の580円/2kgの冷凍腿肉が多い。昨春緊急輸入モノの賞味期限が余すところ1年余りとなって、予想外の境界の曖昧化による責任回避、即ち「食べて除染」一億総被曝政策に目論見がすっかり狂った輸入卸が今春から大量放出。ここ3ヶ月で200~300円ほど値下がりしている。手羽はもうちょい高くて700円/2kg前後。胸肉はもっと安くて腿の半額くらいが相場。解凍して、煮るなり焼くなり揚げるなりするだけ。牛肉と違ってそれほど品質差がないのも安直でお気楽。

鶏腿肉

◇マクドナルドのチキンでおやつ◇

世界に冠たる大亜米利加様に平伏せ属国民キャンペーン以来、セットものばかりでろくなクーポンがないので、すっかり寄り付けなくなった天下一マクドナルド。パケット代が勿体ないのでアプリを起ち上げることもなくなったわ。ようやく100円商品が追加になり、単品クーポンがたったの1種類だが来たので世間で大流行のチキンなるものを味わってみた。

「チキン・フィレオ」は「Chicken Filet-O」ということが包み紙を見て判明した。最後の「O」って何だろうね? Filetをヒレ肉ととると明らかに優良錯誤(鶏にヒレに相当する部分がある? 強いて言えばササミか)になるから、最後の「O」は実は0(ゼロ)で、「ヒレじゃないチキン肉」という意味かいな? 「フィレオフィッシュ」というのは昔からあった気がするが、あれは「Filet-O(f)-Fish」なんすかね? 魚のFiletは頭と内臓を落とし三枚下ろしにした骨無し正肉という意味だから、語呂合わせみたいなもの?(笑)。まぁ、接続語を中間に入れて固有名詞化するのは、小学生でも知っている普通名詞を二つ並べて、英語としてはさっぱり意味不明にして仮初の繁栄のシンボル、21世紀のバベルの塔の名よりは純粋に英語的でよいか。

以前(クーポンで)150円だったものとは異なり、鶏肉の部位が胸肉から皮付き腿肉に変わったと思われる。で、50円高くなって200円かよ(笑)。脂っこいのが好きなナウなヤングには受けそうだ。レタスがちょぼちょぼ。ソースはチーズ+マヨネーズ系で世間的にはシーザー・ソースっていうやつかな? 一口食って塩辛い。スパイスは胡椒だけだと思うが、ちょっと、人工臭いかな。揚げ立てだから衣はサクサクして良いが、肉は小振りな腿肉1枚? か、カットして半分程度。薄過ぎで肉を食っているという醍醐味には程遠い。

100円なのでチキン・クリスプ(Chicken Crisp:カリカリ・チキン?)も試してみた。こちらは恐らく量産ナゲットの大型版。バンからはみ出る程度の大判ナゲットと、千切れレタスをバンに挟み、マスタード入りのマヨネーズソースで和えたもの。クズ肉の臭みを隠すためか、かなりきつめの塩味と安っぽい白胡椒の風味を効かせている。ツナギの結着剤か保存料、質の悪いマスタードのアルコール臭? が若干浮くが、冷めないうちなら値段相応か。ダンボール食ってるみたいだが100円牛肉バーガーよりボリュームはあるな。スナック菓子風の一本調子ではっきりしたコク、すなわち“たんぱく加水分解物”風味がと~っても現代的で、若年層受けは確実だろう。開発者はイイ線を突いている♪

もう一つ。マック・ポーク120円というのを試した。基本的にすべて予備知識ゼロで買っているので蓋を開けた時の愉しみは倍加するが、外したときの失望感も半端ない。缶ビールを開けて早速一口。使用部位の問題だろうが豚肉特有の臭みを通り越した臭さが残る。ドコの肉使ってんだよ(笑)。おまけに最初は気付かなかった(紙包の底側に落ちて)ソースが流動的な照り焼き風醤油味で臭みを隠すためなのか、玉葱入りと思われる香辛料と不快なまでの甘味とコク、それでいて強烈な塩辛さに仰け反った。どれもこれも、こんなに塩辛くして、減塩アンチカロリー潔癖滅菌脱脂信仰のヤングに受けるのか? と不思議でならないが、今日も客はびっちり入っているところを見るとオレの拙い思い違いなのだろう♪

チキン、ポークと食べ比べてみて、やはりビーフがいちばん大人しく、綺を衒わず好感する。安直なマヨネーズ・ソースに頼らない、ケチャップとピクルスの安っぽい組み合わせがベタで大味なイメージにぴったり。塩分もきつくなく味わいに枯れた安定感が漂うのは、やはりオリジナルに歴史があるからだろう。それに引き換え、チキンやポークは目先をちょっと変えて媚びてみせる代用品のレベルに留まっている。見映えとインパクトと謳い文句だけの、構造的な組み立てと奥行きを知らない若造が作る単調で出来損ないの調理ごっこに似ている。

◇和風唐揚げ(鶏竜田揚げ)◇

四川風やら油淋鶏にするのもよいが、今回は自己流和風唐揚げ。肉は皮付き腿肉。解凍したら大きめの一口大に切り、岩塩を振って30分ほど水抜き。キッチンペーパーで水分をよく拭き取る。濃口醤油、味醂、胡椒、下ろし大蒜、下ろし生姜、みじん切りの葱、胡麻油で漬け汁を作り、肉を漬け、冷蔵庫で1時間以上寝かす。肉は漬け汁をよく切って、揚げる直前に片栗粉をまぶす。

鶏唐揚げ

揚げ油はキャノーラに30%ほど胡麻油を加えたもの。160~170℃で1分半、油切り放置4分、180℃:30秒で二度揚げする。出来上がりは1分間油を切って、器に盛り付けすぐ食う。唐揚げに求められる、極当たり前の味を味わう。スパイス強めにしておくと酒の摘みにもなる。


2012/06/06 作成__2012/06/10 最終更新