もうどうにでもなあれ~☆

3月にしては珍しく雨が続くが、今年もまた花粉の季節がやって来た。雨上がり、水滴に叩き落とされた花粉が黄色い粉状になってデッキで渦状紋を描く。一応集めて測ってみたが、有意な差は今のところない。やっと生えてきた蕗の薹よりは低そう。もちろん、くしゃみと咳と鼻づまりと涙目で異物排除機構は絶好調だぜ。免疫を落とさないよう目薬以外は控えているので、吸気全閉、空気清浄機フル稼働だが辛いわ。昼から風がなくなったので出掛けるといえば鮨。

本鮪剥がし》真鯛》サワラ霜降り》鰹》特大ボタンエビ》シャコ》出来たてあん肝》牡蠣》生ホタルイカ》コハダ》シーチキン

あん肝と蛍烏賊は2貫づけ。蒸し上げてフォイルのまま風に当てていたあん肝を軍艦にしてもらう。葱と紅葉おろしを載せポン酢。人肌ほどのあん肝はスルッと口の中で蕩ける。「ぬるくていいね」と声を掛けると、あんちゃんも我が意を得たりとばかりに頷く。人肌の酢飯と常温のネタこそが握り鮨の真髄であることに改めて気づく。けっこう大振りな蛍は目と嘴をトゲ抜きでちゃちゃっと処理。そのまま握る。透明に薄っすら縞になった褐色が冴える。生蛍は嫌う人も多いし、タイミング次第。ここでも普通は湯掻くか、醤油漬けになっている。シーチキンはハゴロモの商標じゃなくて、目鉢の腹身を煮切りで煮付け、冷ましたらホワイトソースと和えて軍艦に載せ、青葱を散らしたもの。かつて、目の前でネタケースの腹身のサクを丸々鍋にドッポンしたときには唖然として目を疑った。これも出来立てが最高。いつも面白い物を惜しみなく出してくれるあんちゃんに感謝。と同時に、鮨を心置きなく食えないものにした、人類史上最凶の無能と怠慢を忘れることは生涯ない。

ようやく。NTTEの光回線が2年契約で月当たり700円引きになるというので、取り敢えず飛びついた。今月から適用されているはず。KDDIのほうが速いんだけど、追加電話番号が使えないんだわ。寡占業界は妙なところで差別化を図っていて、競争がちぐはぐでいかんな。未だに全く使いこなせないドコモのガラパゴス携帯も2年契約だから、乗り換えにはあと1年以上期間が必要だが、そのころにはスマホとやらも新規需要を食い尽くし、乗り換え販促でこなれた料金になっていることだろう。岡田屋あたりの2次業者の低速だけど低料金ってのでいいわ。機器も通信環境も。民生用技術は枯れて初めて、使い物になるというもの。脳内研究>軍用>スペシャル・プロ用>業務用>民生用>一般大衆>オレ用って感じで、オレが使う分には十分だよなあ。

カマス+アジ

富山のカマスというのは初めて見たな。面白そうだから買ってみた。アジが境港とか仙崎、或いは北九州、東シナ海なのはごく普通だが、その隣には富山のイワシまで置かれていて笑えた。けっこうモノの良さそうな普通のマイワシが5、6尾で150円と格安。地元産より安いんじゃね? 小売も売れなきゃしょうがないから、仕入にもだいぶ工夫を凝らし始めたようだ。ここは大手量販だが、当初の滅茶苦茶ぶりから片足が抜けかかり、配慮が行き渡り腰も定まってきた。

■甘鯛ときんぴら

主産地は概ね西かな? 暖かい地方。西日本では蒸し物でよく使われるが、うちの辺りじゃ途方もない値段がついていて、恐れ多くて手が出ない魚。ということで、業務用冷凍食材、長さ20cm強のベトナム産フィレ。甘鯛にもいろいろあるが、詳細不明。水っぽい魚で元々刺身には向かないので、昆布で締めたりするが、繊細で上品な白身魚ちうことで、塩と酒のみで素材を生かすんだっけ? 気取った和食に最適にして、ポワレとか餡かけになっているのもよく見るな。

甘鯛餡かけ

軽く塩を振って15分ほど置き、皮目を霜降りして臭みを抜く。再度塩振りして、葱の上に敷き、中強火で蒸し15分。蒸し上がりに三つ葉を散らし、甘酢餡で綴じた。ちょっと餡が多過ぎたわ。冷凍だからどうせ臭いだろう~と侮ったが、淡白で柔らかい身が口の中で自然とほぐれる。甘鯛の香りはしないが臭みは上手く抜けた。次回は塩のみで京風にしてみよう。付け合せは久々のきんぴら。と言っても人参が不在で、珍しい佐賀の蓮根と鹿児島の牛蒡、宮崎のスナップエンドウを合わせてみた。

きんぴら

■叉焼二題

豚の塊肉を漬け込んでじっくりと炙り焼いたもの。煮豚とは異なり、仕組みは極めて単純で明快なので工夫の余地は殆どない。適当な調味料(紅糟、老抽、老酒、三温糖、胡麻油、大蒜、生姜、葱、牡蠣油、胡椒、花椒、五香粉等適当に)を合せ、肉を塊のまま最低1日、出来れば1週間浸け込む。漬け込みが終わったら、漬け汁をよく切って、オーブンで180℃・30分、余熱で15分ほど置く。途中、数回に分けて水飴(麦芽糖)を塗る。焦げるようなら途中でアルミフォイルに包む。叉焼の赤い色は本来は紅糟(ホンツァオ)という、もち米に紅麹を加え醗酵させ絞った酒粕を指すが、近在では手に入らないので紅南乳の液体部分を使っている。水飴はブドウ糖を合体させたような分子構造で、大麦の麦芽に多く含まれるのでその名があるが、餅米や屑米から作る高級品は別として、安価な普及品はトウモロコシやタピオカから作られているので、まぁ、あまり気にする必要はないでしょう。

叉焼ブロック

◇フィレ

豚フィレ600gくらいのもの。漬け込みは短く1日。焼きも生っぽい感じで仕上げた。フィレだから脂身は少ないが、柔らかい。肉汁安定化で30分ほどオーブン内で置いたのだが、切るとけっこう流れた。付け合せは胡瓜と搾菜の豆チ炒め。

ヒレ叉焼

◇肩肉

肩ロースとして売られている500gほどのもの。漬け込み3日ほど。こっちのほうが固さと脂のバランスが中華街で鉄鉤(叉)にぶら下がっている叉焼により近い食感。味もよく染みている。付け合せは台湾ホウレンソウと大蒜の花茎の紅南乳炒め。叉焼は削ぎ切りした後軽く炙っている。

肩叉焼

■MaCdo再度

半年ぶりに回高屋で生ビと冷酒を煽りつつ、餃子2枚と煮豚とレンチン焼き鳥を朝飯にして絶好調。マスクをして、ちょっとくらい目が赤くとも花粉症。スキップしながら帰り道に、昼はマクドでいいかぁ? と昼時で混む前に再度。広小路バーガーの290円クーポンが来ていたので、ココまで来たら最後まで、乗りかかった舟とばかりに悪乗り。ガラパゴス携帯お電話機をかざすとビコビコン。追加でレタス胡椒バーガーと普通のバーガーを持ち帰りオーダーしてWAONにしたら90円足りないって。げげ。ここの読み取り機ではオート・チャージまではしてくれないらしい。現金で不足は補えるそうなんでその場は済んだが、これはちょっと不便だね。自分のWAONにいくら残っているかなんて、普段全く気にしないもんなぁ。ちなみに、くれたレシートの最下段に、支払金額に応じてポイントがつく(0.5%? 知らなかった(笑))のだが、累積値が3000を超えている。後日、岡田屋の“わんわんお”でダウンロードできるんだっけ? と万障繰り合せ重い腰を上げて機械に載せたらポイント分の金額で充填された。おお、わんわんお?! と合成音声に合わせ唱和。迫る年波に勝てず、この手のことが億劫で、疎くなりがちな日常を反省せねばならんな。

広小路バーガー:290円

私的には広小路というのは上野御徒町なんだが、これは違うんだろうな。戦後できた中野のモノは建物の名前だったのかな? 爺ちゃんが向かいで靴屋開いていたんだが、サンプラ側を含めて広小路といえるほど道広かったかなぁ? 斜向かいは陸軍(憲兵学校と間諜学校)で、ちょっと北の豊多摩刑務所(後に中野刑務所に改称)の囚人が脱走するとサイレンがウーウー鳴って、自動車警邏が四つ辻でピーピー笛吹いて、子供はスッコンデロって怒られたんだからオレの記憶に間違いはない。

バンの裏焼きが若干濃くて、香ばしいというほどではないが、フニャパンが標準のその他以前に比較して好感。今までのバンの中でいちばんおいしいぞ。やればできるじゃん。ノーマル・パテよりはしっとりした平べったい肉にスライス・ペラペラ・パストラミ風ベーコン1枚、レタスと極薄赤・黄パプリカ・サラダ、偽モッツァレラ風ペラペラ・チーズ風、底のほうにちょびっとマスタード風ソース、いちばん上には前回と同じたっぷりのチーズ臭くない甘いチーズ風クリームという、今までの妙に突出した東アジア向け媚志向が感じられない分、例えパプリカとマスタードが猪口才な子供騙しで、ベーコンも肉質感に乏しい典型的な加熱タイプの日本風のものであることを差し引いても、総体的に上手くまとまっているように思った。多分、最初の試作品はおいしかったことだろう。あーでもないこーでもないと、寄って集って出る釘を叩き、最大公約数的ツマラナサと中途半端極まりない雑物にされていく過程が目に浮かぶ。

脂の薄い赤身牛肉に脂っこい豚バラ・ベーコンをでっぷり巻き付けるのは肉料理として一般的だが、ペラが1枚折り畳まれて載ってるだけで巻かれるほど量が多くないのは失笑を誘う。バランスを考えたらベーコンは3枚必要だ。パテ肉も厚さ倍にして、中心に赤味が残るくらい生っぽくできないのかな? 塩胡椒をきっちり使って、生で食える部位の肉だけで練るなら十分可能だと思うが? それは、まぁ、臓物やら器官の加水分解物やらいろいろあるんだろうな。歯応えの残る肉厚は肉食の食感として極めて重要な要素だと思うが、B級ジャンクにそこまで求めるのは酷か。極めてドメスティック、凡庸で当たり障りのない構成は、世界に冠たる偉大なる首領様「亞米利加」に平伏すには相当不足感が否めないが、常日頃、赤貧に喘ぎ酒代にすら困窮する身としては、金額的にも“300円以下なら”妥当な線と感じた。

レタペパ・バーガー:120円

レタスと胡椒という意味らしい。普通の大きさのペラ肉に玉葱みじん、大きめの生レタス、薄っぺたいマヨネーズ系のソースで味付け。胡椒はどこだよ? と思ったら、ソースにちょびっと風味の抜けた黒胡椒が入っているということらしい。マヨネーズはちょっと酸味があるタイプ。う~ん、これは普通の、日本風の癖のないマヨネーズ(シーザーズのつもりじゃないよな?)に価値を見出せない人間にとっては、普通の100円バーガーとの価格差がネックになるか。バンは上下とも潰れ気味だし、ピクルス入ってないし、レタスもサラダ菜としては凡庸でツマラン野菜だもんな。もっとも、コンパクトな形状と、総じて詰め込まれた、濃い目の味わいをもたらすジャンクとしてのバーガー類は、ツマンナイ居酒屋の摘みなんぞに比べれば、はるかにビールに合うことに今更ながら気づいた。デブりそうだけど。

改めて思うに、眺めればいつも空席を探すほどに客は入っているし、知名度も抜群。最早国民食として、極一部のやんごとなき方々を除けば食べたことがない人を探すことは難しいレベルまで、津々浦々に浸透していることに驚く。メインを安く見せ、セットやサイドで稼ぐというのはどこの外食でも同じだが、同業他社の追従を許さない取っ替え引っ替えバラ撒きクーポン戦略と、紛い物や代用品の巧妙な多用によるコストダウンの肝所の押さえ方、あらゆる階層の日本人に理解と受容が可能な“アメリカ風”というイメージ作りは見事としか言いようがない。特に味覚が未発達で蜃気楼のようなプライドに縋り付きたい旧ミドル・クラスへの訴求力は目を見晴らせるものがある。同じモノをリピートするほどではないが、腹が減ってりゃそれなりに食えるという微妙な質と、安くはないが躊躇する程でもないという、絶妙な水準を狙った価格付けも心憎いばかり。必要なのは「味」ではなく「マーケッティング」。率直に賛同しよう。心底感服した。3回ほど利用してみて、パン類を扱う即席小売りとしては、非常によく研究していることがわかるので、最近根底から見直している。と同時に、他のチェーンも20年以上食ってないから、ちょっと試してみようか? と、ここに来て思い直している。今がいつまでも続くわけじゃないから、食べたいものは食べたいときに、食べたことがないものも、食べれるうちに食べておこう。

■焼きそば

即席食品初期の頃、おもしろがって食べたカップ焼きそばの余りにも酷い味わいが脳裏にこびり着いているのだろうか? 麺は決して好まないわけではないのだが、幼少時の縁日やテキ屋の屋台で食べて以来、外では食べないし、家でも滅多に作らないメニューの一つに焼きそばがある。たまに蒸し麺を揚げて、餡を掛けて食べたりはした記憶もあるが、それは、いわゆる日本の現代の「焼きそば」ではないわね、多分。量販店の粉ソース入り3食パックはとてもじゃないが高くて買う気がしないので、一向に食べる機会がなかったとも言える。今回、150gの蒸し麺が19円/袋と中華麺より安いので、うっかり釣られて買ってみた。昼のセルフ賄いに丁度よいかな?

豚バラ肉100gほどをフライパンでしっかり炒め、毎度お馴染みホウレンソウ、大蒜花茎を加え、高温と塩、胡椒できっちり、手早く炒め上げる。一旦、器に取り出して、パンに新たにキャノーラ油を敷く。温度が上がったら、麺を焼く。一人分で2袋。中火で片面3分ほど。底に押し付けながら薄っすらと焦げ目がついたら反転。更に3分。飲みかけの老酒を50mlほど垂らして蓋。蒸らす。適度に揺すりながら3分くらいかなぁ? 蓋を取って中華粉出汁一摘み。肉、野菜を戻して強火で1分。火を止めて日本のウスター+オリバー・どろソース適量。よく掻き混ぜて、胡椒をガリガリ挽いて出来上がり。

焼きそば

オリジナルの中国料理から完璧に改竄されて似ても似つかぬものになっているからリファレンスがない、或いは過去の味も記憶の彼方で憶えていないので、これでいいのか? よくわからん。麺がちょっと太いような気がするが、こういうものなのか? 外面はパリッとして、中はしっとりで悪くはない。ソースで食べるのも、こういうもんだと言われりゃそうなんだろう。子供の頃食ったソース焼きそばには練り辛子が付いていたが、今でもそうなのだろうか? BBQも鉄板焼きも基本的に腰が引けるジャンルなのでさっぱりわからん。世間的にはキャベツや青海苔、紅生姜を合わせるようだが、どれもないし、その方向性だと出汁は和風になるのかな? タコ焼きみたいだけど。結局、よくわからないということがよくわかった唯一の結論ということで。

豚バラ肉はベーコンに成りそこねたような同形状、2mm厚ほどのスライス品。68円/100g程度の安価なブルガリア、ハンガリー、ポーランド等の東欧産を使っている。地震と「アレ」で流通量が激減すると見て、昨春以降、北米豪牛肉、北米・東欧豚肉や南米・東南アジア鶏肉が大量に輸入されたが、何故か想定より国内産がじぇんじぇん減らず(笑)、在庫抱えちゃった商社の投売りでこのところ輸入肉の価格がガラガラと下がっているようだ。末端としては嬉しい限り。今のうちに在庫の充実に励まねばな。

■かつ二態

ヒレカツ

普段はあまりやらないが、このところフィレ(Filet・Fillet:関東語でヒレ、関西語でヘレ)も安いので、ついつい買い漁る。柔らかいだけで肉本来の醍醐味には乏しいが、たまには脂っこくないのもいいなと思っちゃう年頃。

◇ヒレカツ

ヒレカツ断面

外食や惣菜では一般的だが、生パン粉や粗目のパン粉を使った衣のバリバリした油っぽさには常々閉口しているので、自分で揚げる場合は既製細目パン粉か、固く焼いたパンの皮を袋詰めにしてよく叩いたものを使用している。儲ける必要はないから弁当屋のように肉より厚い衣を着ける必要もない。塩胡椒でしっかり下味は付けているから、最初はそのまま、塩、ソースといった具合に調味料を変えていくがそれほど必要としない。揚げる前に肉は室温に戻す、厚めに切る、揚げすぎずに余熱で火を通すぐらいの条件で、特に工夫もなく誰にでもそこらの惣菜レベルを超えるものができるはず。昨今はトンカツには豚汁というのが標準だったりしてひどく驚くものだが、もちろん汁物は赤出汁一択。茸がないから具はワカメ。辛子は練り和辛子。

ワカメ赤出汁

◇ヒレカツ丼

ヒレカツ丼

中一日か二日。揚げ立てでないカツは煮るしかあるまい。16cmの親子鍋もあるんだが、近在のホムセンの調理器具は、中華でなく国産を謳っているのにどうにも質が悪く使えないので、最近はもっぱら普通のフライパンで作っている。結果的に、丸くきれいに盛れないが、味は保証付き。玉葱を軽く炒め、鰹出汁、煮切り醤油で煮る。味付けは若干濃い目で丁度よい。甘めが好きなら砂糖、味醂で調整。玉葱が透明になってきたら、煮汁に浸かり切らぬようカツを載せ、2分ほどグツグツ煮る。溶き卵(1.5個/丼)を流したら、蓋。中火で卵が固まりかけたら三つ葉を散らす。余熱で蒸らしながら、頃合いを見計らって熱い飯を盛った丼に盛り付け、蓋で綴じ加減を各自調整。赤出汁の具はスナップエンドウ。

スナップエンドウ赤出汁

もちろんご飯モノに漬物は欠かせない。というか精米後の糠が余ってどうしようもないので、せっせと糠漬け。この季節はシンプルかつ安価に人参と大根あたりか。おまけで自家製野草のサラダ付き。

糠漬け+サラダ

2012/03/14 作成__2012/03/14 最終更新