月蝕領にて


バチのブツ切り塊の皮くらい剥いたことはあるが、本鮪をバラしたことはない。その皮は厚みも1cmほどになって、良いコラーゲンが抽出できるそうだ。フカヒレと同じでそれ自体には味が無いから、醤油と味醂・酒で味をつけて冷やせば、思いもせずあっさりと上品な煮凝りができるのだという。さぞや濃厚でコテコテかと思いきや、これがまた予想を外してくれる。こういう工夫は今やなかなかお目にかかれない。カンパチは今年初めてかな? 本来は秋の魚だが、今年はまったく見かけなかった。ブリに比べてエッジが立つから鮨にすると旨い魚。酢飯とよく合う。

鮨は量が少ないし、骨や皮や内蔵を好んで食べることもないし、同じ物を大量に食うわけじゃないから、今のところ躊躇いなく食っている。湾内ネタを使うような高級店ではないしね。新米を使う鮨屋もあるわけがない(機械で握るトコロは知らん)ので、総体としては気にするほどではないはずだが、データは概ね悪化傾向だし、さすがにちょっと怖くなってきた。鮨屋も仕入れには相当苦労しているようで、あんちゃんの顔も浮かない。家で食う魚介は“それ以前”の備蓄缶詰、魚種の特性から産地と水揚地が厳密に推定できるものに限られてしまう。水揚地がわかればある程度類推可能だが、北海道といわれても日本海なのか、オホーツク海なのか、太平洋なのか、噴火湾か津軽海峡かでいろいろ違うじゃないか? 全部一緒に扱われると、サッパリわかんねぇのも多いからなぁ。データが呈示されなければ、0か、100かで判断する以外にない。関係者はツマラナイ横並び意識を捨てて、自らのアイデンティティを強烈に押し出す時期に来ていると思うが、難しいのかなぁ?

■八角(トクビレ)の干物

鮨屋のあんちゃんが隣の駐車場で干した八角の干物。冬場は干物屋も兼業だそうで。市場でネタを仕入れたついでに、残り物をまとめて買って来て、店で捌いて塩水に漬け干すと。売れ残りの雑物だからモノの指定はできないが、つぼ鯛やカマスなんか干物屋で買ったら目が飛び出そうなものが100円とか200円レベルで出せるという。店前の箱に入れておくと通りすがりのオバちゃんがけっこう買っていく。無くなりそうだったからオレも2本貰っておいた。

八角焼物

最近、入荷数は増えているらしいが、そこらの魚屋ではまず見かけない八角。漁として狙って獲っているのは北海道の西海岸。カサゴと同類で外殻がトゲトゲして硬い。長さは40cm弱。身は白身で腹身は上品な脂が乗っている。刺身でも食えるが、この辺りでは見たことがない。早速焼いて、スダチを絞る。大きさの割にあまり食うところがないが、旨味がのって香ばしさとのバランスが絶妙だった。

■マクドナルドの思ひで

◇「マクドナルドの200円ビッグマック」

乞食速報によれば、40周年記念なんだそうで、'71年創業時の価格だそう。当時は銀座4丁目の藤田田(ふじたでん:故人名)商店ね。電車賃が10円の時代に80円の立ち食いハンバーガーは燦然と輝いて見えたものだった。立ち食い、歩き食いなんて行儀が悪すぎると新聞に叩かれて、急遽店の前のホコ天に椅子とテーブルを用意させられたんだっけ? それにしても、途中国内から米本社へ経営権の移譲はあったにせよ、老いも若きも日本人の心をしっかり掴み、全国津々浦々どこで食べても同じ味のもはや国民食として、40年も同じ名前で続けていけるというのはあらゆる産業のなかでも極めて稀な例だ。

そこでこの度、世間の流れを身をもって体感しようと、十数年ぶりにハンバーガーショップ・マクドナルドに赴き、今話題のビッグマックというものを買ってみた。与信カードは使えないようだが、WAONが使えるのは便利だな。かざすケータイもあるらしい。基本的なハンバーガー類は10数年前に食べた記憶が微かに残るが、高額メニューの代表? だった「ビッグマック」を食べるのは生まれて初めて。「ビックマック」と聞くことが多いのでビックリ・マクドナルドの略かと思っていた。

ビッグマック

蓋を開けてあまりの可愛さにびっくり。どこがビッグなんだよ? やっぱり、開けてビックリマックじゃねーか。写真に比べると、バンに湿気が移ったのか縦方向が張りを失い、明らかに潰れている。ペラペラ薄い肉が2枚、ピクルス、微妙に溶けた“チェダーチーズ風の何か”が1枚。レタスとミジン切りの玉葱。甘ったるいケチャップとマヨネーズ原料のドレッシングで味付け、バンにはポピーシードじゃなくて白胡麻が載っている。バンはふにゃふにゃで質感なし。スカスカ軽量。香ばしさ皆無。小麦感ゼロ。乳や植物油脂の安っぽい風味が感じられる典型的なオコチャマ日本人向けパンそのもの。レタスと玉葱は細かく刻まれていてボロボロ。食い難いったらありゃしない。刻むことで鮮度も酷いもんだし、屑なら入れないほうが良いと思う。

肉のボリューム倍増、サウザン風の甘いドレッシングじゃなくてせめてディジョン風マスタード、玉葱は薄切りでいいから輪切りで1枚、ピクルス倍増、チーズは本物のレッドチェダー5mm厚、バンは歯応えと質感と重量感が欲しい。好みで発酵酢を振り掛けられると尚可。値段倍でもいいから、2個で腹が膨れる仕様にしてもらえると嬉しい。

ちなみに今人気沸騰中らしいグラコロも賞味してみた。何を略した言葉か食べるまでは理解できなかったが、グラタン・コロッケでいいのかな? エビとマカロニをベシャメルソースで合わせて衣付けて揚げたんか? トレイに載った紙包みのあまりのミニサイズには、もはや失笑するしかない。軽く昼飯のつもりだったが、ちっとも腹の足しにならんので、結局bigMacx3にグラコロを消化。えらく高くついたぞ。喉の渇きはビールで癒したいが、眺めた限り店内にはアルコール類が置かれていないようで酷く困惑した。もっとも、そろそろ二条大麦の麦芽やホップが今年度産に切り替わり、屋内消費はベトナムやらベルギービールに切り替え、寒くなってきたこともあるし外でのビールもほぼ機会根絶で問題なし。老酒と葡萄酒があればいいや。それよりも、ああ、またしても産地不明の乳製品と葉物野菜を食ってしまったことを深く懺悔する次第であります。

■生姜収穫

生姜収穫

いい加減に畝を空けないと次がつかえているので一気に収穫。新生姜と去年の種、ヒネ生姜、余興で植えた谷中生姜みたいな小生品種も収穫。採れたては恐ろしく瑞々しくて、辛味に欠けるが、フルーツのような食感。おお。これはちょっと想像を超えて感動的だ。どれも旨い。ヒネですら旨い。売られている生姜は採れたてでないことは自明だが、保管すると味が落ちるのだろうか? ここまで差があるものとは思わなかった。こりゃ、来年も作付けは必須の情勢か。しかし、甘酢漬用の新生姜って、初夏と晩秋に出回るが、6月くらいに出回るものは温室栽培なのかな? 高温多湿条件を作ってやらないと、うちの辺りでも育ちが良くない。

◇ eneloop

マウスを無線マウスにしたら意外に電池を消費する。そこでサンヨーの充電池、エネループ。1500回充電可と耐用性が高そうなので添子ちゃん用単4とマウス用単3を4本づつ購入。単4で1.5時間急速充電が可能なので重宝しております。ニッケル水素充電池の仕様なのかアルカリ乾電池よりも若干電圧が低く1.2Vほど。電圧を読んでいる各種表示が低めに出るが不具合というわけではない。持ちは圧倒的に優れているね。デジカメ用にも追加しよう。

■エビチリ

さすがにトマトケチャップは所有していないので、ホールのトマト缶でエビチリ。16/20のインド産冷凍ウシエビ:通称ブラック・タイガー。2人前10尾:500円程度。下拵えしたウシエビを軽く油通しして、蒜姜葱・豆板醤とトマト缶固形分、ガラスープ、調味料、黒香醋で炒めたもの。散った緑は自家製香菜。エビチリだから殻剥き仕様で。甘酸っぱ旨辛い、しっとりと弾力ある海老を愉しむ。完成された味付けの料理だから、工夫の余地は殆どない。

エビチリ

◇ 空気清浄機x2

マスクは大量に在庫しているが、モノは験し、屋内環境の改善に導入。秋はブタクサだからいいけど、来春はおっかない花粉だからなぁ。今年は表面付着に過ぎなかったが、来春は花粉の構成分子の一部が葉や根から取り込んだRIに置き換わっている可能性が高いわけで、影響は今年の比ではないはず。林野庁が測るといっていたが、いっこうに結果が出ないじゃないか。どうせ、御用の巣窟放医研辺りとつるんで「ただちに~、ただちに~」って、どうやってゴニョゴニョ=無かったことにするか思案中なんだろ? 南東北よりも北関東、いっそのこと多摩や房総半島も測ったほうが良くないか? 一説によると町田の杉花粉が100Bq/kgらしいので、土壌や空間線量から類推して南東北・北関東産は50kBq/kgが想定される模様。あ、プルトニウムよりはるかに重いから敷地の外には飛ばないんだっけ? な~んだ、安心安全じゃないか。国税庁も日本酒の仕込水測るって言ってたけどやってますかぁ?

居住部分には激安28畳用ダイキン製加湿器付、事務所部分にはシャープ製24畳用加湿器なしを導入。平均CH=3,400程度なので容積的にはちょっと辛いが、まぁ、無いよかマシだろう。早速稼働させてるが、臭いに反応して脱臭するのが面白い。C2H5OH息とか柑橘剥いたり屁を吹き掛けるとセンサーが反応してしゃかりきに働く。思ったよりは効いている模様でくしゃみは減ったかな。空気がすっきりと冷たい感じで心地良い。イオンがどーたらとか、光がかんたらという機能は実効性があるのかよくわからん。

祝・HOMO弁券消化完遂

まだ使いきらぬうちに新しい券が送られてきてしまった。ゲゲっと気を取り直し、突撃した記録。海苔弁230円セールとかしてるしい~。使い切る苦労も馬鹿にできんわ。

◇塩チキンバスケット

まず、パッケージの小ささに驚く。のり弁の箱よりも小さいコンパクト仕様。620円と高額の部類。一応(なか卯なんかに比べると)かなり大振りの鶏唐揚げが10個入りでぎっしり。まずはそのまま。衣だけとか脂身だけということはなく、パサつかないきちんと腿肉の味がする。揚げ加減も上等。衣はカリカリ・サクサク。中身は芯まで熱が通って尚且つウェット。下味は塩と胡椒、よくある旨み系の何か。微かに大蒜。味はけっこう濃い目に付いているから、ちょっと人工的な風味のゆず塩調味料小袋2個は浮くか。価格内容比が良いのか悪いのか微妙。家で作ると花椒・唐辛子風味になっちゃうことが多いから、生っぽいこういうのもたまにはいいか。

◇生姜焼き・おかずだけ

毎回迷うが、家で滅多に作って食べないものを積極的に購入することにしている。楕円形のパッケージはパッと見は生姜焼き、生キャベツ千切り、お新香の順で面積が占められている。肉は厚さ1mmもない極薄が下が見えないよう、丁寧に広げられている。玉葱少々。肉を捲ると下に肉はない(笑)。ソフト麺で底上げ。まぁまぁと気を取り直し、一口食って咽る。根生姜を下ろした生姜で炒めているわけではなく、明らかにあの泣く子も黙る業務用の生姜風味。おまけに恐ろしく甘い。肉はデンマーク風の柔らかで脂の薄いペラペラ肉。

生姜焼き

いくら語る内容のない庶民のクイモノとはいえ、これを“豚肉の生姜焼き”といってしまうのは、ちょっと酷いよなぁ。これで満足できる人がいるとはとても思えない。あまりにもあまりにもなので、外では食わないし家でも滅多に作らない豚肉の生姜焼きに挑戦。冷蔵庫を漁るが非加工の豚肉はハンガリー産豚バラ肉しかないわ。ぺらっぺらの肉が大好きな日本人向けになっていないのか、厚さ5mmほどのものを150g。大蒜ちょっと。生姜たくさん。玉葱1/4個。5分で作る。生姜は収穫したばかりで大量にあるから心置きなく使える。売りモノの50円分くらい。大蒜生姜はみじん切り。玉葱はテキトー。熱したフライパンに胡麻油。弱火で大蒜玉葱生姜を炒め香りを立てる。中火にして肉を重ならないように並べる。底面が焼けたら裏返し、酒・味醂。強火にして肉の赤味がなくなり始めたら醤油。味醂の照り、醤油の香りを引き出す。3回煽って火を止め、白胡椒をたっぷり挽く。青葱散らして出来上がり。5分もかからん。4分弱だ。

生姜焼き

豚肉の生姜焼きなんだから、豚肉がいちばん多くなくちゃいんちきというもの。玉葱でフカシたり、キャベツで誤魔化すのは論外。付け合せっていうものは主従の従であって、箸休めと口休めみたいなもんだ。無くても困らないもの。肝心の肉だが、肉が薄過ぎてちょっと食感が頼りない。火が通り過ぎたか。黒豚のように柔らかくも蕩ける脂でもないが、噛み切る肉の味わいはある。バラだからちょっと脂がうざいが、旨味はある方かなぁ? 肉の量がちょっと足りなかったが、ビール1缶くらいはいける。世間的なレシピとは多分いろいろ違うので念のため。完全自己流生姜焼き。

■久々に魚

◇ 和歌山尾赤に石川イナダの腹身

尾赤鯵

室戸沖あたりが主要な漁場か? そろそろ旬のすごい重さ。2尾で0.75kg。パンパンに太った通称尾赤アジ。ムロアジに近く、アジ特有の癖はあまりない。鯖と鯵の間の子。安くて脂のりがよい。2尾共捌いて、半分を刺身、残りは翌日用に酢締めにしてみた。身が柔らかすぎて普通の平作りにするとエッジが立たずぐちゃっと崩れる。鮨ネタにはならんな。基本的に魚も肉も背身を好むが、このところ魚に飢えていたので、つい、脂のりの良さげな腹に手が出た。いい値段だなぁ。と、思ったらイサキじゃなくてイナダだった(笑)。鮨屋で毎回デロデロのブリ食ってるのに、何を今更。左がイナダ。右が尾赤。見た目は不味そうだが味は絶品だった。脂乗り過ぎで蕩ける。

稲田+尾赤刺し

◇ メジとスミイカ

江戸前で新イカと称するのは初秋に獲れる甲イカ(墨イカ)の幼体で全長10cmほどのもの。捌いた1杯の身を一貫付けにして味わうのだが、今となってはもう、遥かな古き良き時代の昔話かな? 「新子」とともに言葉が通じないメニューに仲間入りだわ。

スミイカ

メジは長崎、スミイカ(甲イカ)は兵庫。パッと見、なかなか良いメジだったので、つい手が出た。鮨屋のあんちゃんに教わったので、最近は捌いてさえあれば眺めて良い部位が買えるようになってきた。今日は当たりの日かなと、もう一軒魚屋を覗いたら、そちらは福岡産。捌きたてのカマがあったので、いい値段だったが思わずまた手が出た。カマの大きさからしてもかなり立派な1m超のメジと推察。スミイカは2杯とも身は刺身。ゲソとエンペラは塩辛。丁度よい大きさと刺身にするには最適の鮮度(寝かし加減)で身は硬くもなく、フニャフニャでもなく程よい厚みと旨味。久々に満足できる烏賊刺しになった。

メジ+スミイカ

メガバンクと郵便貯金の口座をNet-BANK対応にして4年ほど経ったか。現金に用がない取引はすべて自宅でできるのは超絶便利ではある。実際現金使うのって、滅多に使わない電車カードに充填するときか、個人商店や一部の外食くらいだもんなぁ。で、そのNet-BANK。普通預金が底を尽きそうになったときの残高照会のドキドキ感はスリリングだし、振込手数料なども無料だったり、他行宛もかなりお得な設定になっているのが嬉しい。実店舗利用とのコスト・ヒエラルキーはまだまだ少なすぎると思うが、誘導的、積極的な価格設定の差別化は理にかなっているだろう。この国のムラ社会は「平等」と「公平」という名の下に、あらゆる不平等と理不尽を強要してきたからな。そんなムラ社会がにっちもさっちも行かなくなって、少しずつ崩壊していく様を眺めるのは心底心地良いものだ。

■ 箱寿司再度

五島の鯖が手に入ったのでバッテラ。今回は白板昆布も揃っている。穴子と海老は安価な輸入冷凍品。酢飯はササニシキ古米を利尻昆布1枚を敷いて減水気味で炊く。炊き上がりを櫃にとり、手早く寿司酢と合わせ団扇で扇ぎ冷ます。寿司酢は米酢0.55と砂糖0.35、塩0.1を合わせ、米1合当たり40mlとしている。寿司酢のバランスは好みで。うちの配合はかなり酸っぱめ。

鯖塩

鯖は3枚に下ろし、塩1時間。冷凍塩鯖でもかまわない。脂のりが勝ち過ぎると締まらないので痩せている方が良い。塩を流したらペーパーで水分を拭いて、米酢。スダチを1個絞っている。酢締めは身の表面が薄っすらと白くなる程度。30分ほど。締めたらペーパーに包んで冷蔵庫で一晩置く。翌日、腹骨を漉き、中骨廻りの小骨を刺抜きで抜く。最後に皮を剥く。

鯖酢締め

白板昆布は大阪の昆布問屋で入手した。経験的に昆布と炭はさすがだわ。こっちとは比較にならん。サイズがいろいろあって悩むが、木枠サイズより僅かに大きめが良さそう。うちの木枠は7.25cmx21.5cmというサイズで、いわゆるバッテラサイズよりも幅がかなり大きく、ぴったり合う昆布がない。昆布は寿司酢を温め、軽く煮ておく。

湯霜穴子

穴子は湯霜。ヌメリを小削ぎ、水・酒・砂糖混合で柔らかくなるまで煮る。最後に醤油を加え、手を突っ込めるほどの温度になるまで冷ます。冷めたら慎重にバットにあげて詰めを塗っておく。

煮穴子x3

解凍した海老は塩で揉んで洗い、水洗。水を切る。殻を剥き、背ワタを抜く。尻尾の先端まで足側に串を通し、塩一摘みの湯で湯掻く。ただちに氷水にとって締める。身が冷えたら直ちに水から上げて、串を抜き、足側から包丁を入れて開く。開いたら水分を拭きとって甘酢に15分ほど漬ける。漬け上がりはペーパーで水分をよく拭っておく。

ゆで海老

玉子は出汁巻き玉子の要領で味付け(うちは寿司用は砂糖入り)、平滑且つ一定厚でこんがり焼きあげる。んだが、玉子料理を作らないオレにとっては難しいんだな、これが。失敗したが、まあ許せ。味は同じだ。

海老甘酢漬け

今回は鯖寿司x2、海老玉x2、穴子x1で1本あたり米0.7合くらい。押し潰すんでシャリはけっこう必要になる。本来はラップを使わず、木枠に嵌めたまま白板昆布を載せて、寝かして水分を抜くのだが、それをやるには本数分の木枠が必要になるので、素人には非現実的。位置合わせが難しいが、ラップに敷いた白板昆布を木枠に嵌めて、鯖を裏返して敷く。シャリを敷き、紫蘇の葉や実山椒、海苔と胡麻など中段に挟んで再びシャリ。蓋を載せてしっかり押す。穴子と海老玉も以下同文。型から抜いたらラップのまま一晩放置(冷蔵庫不可)すると味が馴染む。

海老玉

で、食う。生姜は自家製甘酢漬。昆布がちょっとズレているがバッテラは成功の部類。売り物よりも使っている鯖がいいから当たり前。昆布が載っていると表面が乾かないのも利点の一つ。締め加減の調整も自在にできるから、好みの生っぽい締鯖になっている。酢飯は市販に比べると酢がきつく、甘味は半分程度。好みによるが、冷蔵設備が発達した現代では酢を利かせすぎる必要性も薄れたとは言える。海老玉の海老は普通の寿司海老より上等だから身が厚く、茹で加減も完璧で弾力に秀る。甘酢と玉子のバランス、中敷きにした紫蘇の葉と実山椒も味を引き締めた。穴子は痩せた格安業務用冷凍(量販外食等で一本穴子で提供されているヤツ)だが、ちゃんと手間暇掛けて扱ってやれば臭くもないし、驚くほどふんわり柔らかく化ける。1個1個がけっこう大きい(2.5x7.5xH5cm)し、米がパンパンに詰まっているので腹膨れるわ。

箱寿司再度

2011/12/11 作成__2011/12/11 最終更新