偽りの日常


世の中には「わかってる人」と「わかりたくない人」、「わからない人」の3種がいて、「わかっている人」は「わかっているけど何もいわない人」と「わかっているから嘘をつく人」の2種類に分かれる。前3者の乖離は認知力や言語に代表される表現力の差でもあるが、心情的な、生まれつきの価値観の差異でもあるから溝を埋めることはできないし、溝の存在を理解させることすら難しい場合もある。「わかっているから嘘をつく人」にとっては「わからない人」や「わかりたくない人」が自らの存立基盤(飯の種)だから、その数を増やすことに腐心する。「わかりたくない人」は“みんな同じがいちばん”を旨とし、眼に見えないものはないことにできる、眼に見えないものにはカネを払わない典型としての一般。無知は本来罪だが、「わからない人」は何がわからないのかわからないから、それを自覚することも永遠にない。最悪はやはり「わかっているけど何もいわない人」か。「観察者」であり「傍観者」だが、他者に影響を与えないが故に、影響されることもないという意味で、公正な「記録者」になることはできるだろう。世の中はうまくできている。

収穫直前

国の災害救助法が適用される正式の被災地に認定されたので、オレも晴れて被災者。うんうん。罹災証明を発行してくれるようで、お役人様が下請外注業者を連れて建物の調査に来た。調査といっても下げ振り定規と目視確認ぐらいで、期待して立ち会ったのに思い切りズッコケた。うちみたいな零細土建系コンサルですら水平垂直見るときにはレーザー測距機持って来させるのに。早速連休明けて役所に出掛けると、疲れた初老のオヤジが出てきて、めんどくさそうに保険用と確定申告用に2枚被災証明を発行してくれた。罹災証明は市長印がいるから郵送してくれるそうだ。

一雨降る度に土壌表面の放射性物質も土中に浸透し、葉物野菜の表面付着だけでなく根から養分や水分を吸い上げるあらゆる植物とそれを餌とする動物やヒトが、健康に良いとされる放射性物質をふくよかに含有し、γのみならず、内から放たれる高エネルギーα粒子や電子線で豊穣に内部被曝する局面が近づく空模様ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

豆御飯当日

おかげさまで、食物や加工品の入手ルートの著しい変更や中食の根絶、外食の厳密な選別を余儀なくされたうえ、収穫を迎えた自家作物を前に疑心暗鬼に駆られることも、また楽しからずや。欲しいと言われたご近所の婆さん連中には子供に食わせちゃだめですよの注釈付きで差し上げたが、こちらからお薦めできるものではないわな。RI管理区域の内と外、どっちがどっちなのだろう?(笑) 区別の意味があるのか、ないのか。これまた日々平凡な日常を彩るよしなしごとでありましょう。相対的に概ね信頼に足ると判断している研究施設が発表する数値によれば、ここの土にも4/14までの累積で、Cs134、Cs137が各々53,000Bq/m2=53,000MBq/km2=1.4Ci/km2降り積もっており、尚着実に絶賛増加中だろう。いやはや小石混じり土上で100,000Bq/m2に迫る勢いじゃねぇか(笑)。半減期が8日しかないI131が減っていないという事実も薄気味悪いものですな。ちなみに現行法である「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」では、4Bq/cm2=40,000Bq/m2以上の汚染物は、放射線管理区域外への持ち出しが禁止されているので、この表土を動かすことは不法行為になるし、他人の土地にゴミばら撒き、本来の機能を喪失させる事態ってのは純粋に刑法における器物損壊だと思うのだが、これ、引き取り要請できるんかね?

ちなみに、降下物の場合はここにあるように、Bq/m2で測るのが世界的にも標準的な作法。降下物はせいぜい5cm程度の表層に留まるのがその理由。ところが、3月の終わりごろからは盛んにkg当りのBq値を表示することが普通になっている。kg単位にすると、試料を立方体で採取するから出てくる値が一桁ぐらい軽く下がってしまうことを狙っているわけだ。よほど見てほしくないのか、空間線量を地上80mで測っていたりする例もあるので、単純な測定数値を見る場合も値を鵜呑みにせず、単位や測定条件を考慮することが理不尽な目に会わない為には必要だろうが、わざわざ書くほどのことはないか。もちろん巷に溢れる安心安全キャンペーンには一被災者として心から賛同しているので念のため。

豆御飯翌日

しかし、凡そ誰もが日常的に使う単位になるとは当事者すら思っていなかったに違いない。Bqはアンリ・ベクレル(Antoine Henri Becquerel:1852-1908)、Svはシーベルト(Rolf Maximilian Sievert:1896-1966)、Ciはもちろんマリ・キュリー(Marie Curie:1867-1934)の人名が由来で、放射線防護の専門家シーベルト以外は研究対象であった放射性物質による障害で自らの命を落としている。キュリー夫人の直筆論文の閲覧には放射線防護服の着用が義務付けられ、パンテオンに納棺された鉛の棺からは今も尚、放射線が観測されている。

えんがちょが津々浦々に満遍なく行き渡り、環境中に効果的に発現するには300日ほど掛かるそうなので、最初のピークは年末から正月辺りかいな? 上水は活性炭とゼオライトを用いた濾過吸着処理で誤魔化すとしても、露天の河川や湖水、溜池、要は作物や家畜に与える水や加工食品を作る地下水に関してはお手上げ。生態系だけでなく(工業も含め)淡水を使うすべての産業が影響を受けることになろう。海水も海流によってどう拡散するのか、発表数値とIAEAあたりの予測を精査すれば、何が良くて何がダメなのか、概ねの予測はつくだろう。いつ放出を止めることができるかにも拠るが、日々増量されなくなっても以後は核種ごとの半減期に応じてゆっくりと微減するのを座して待つだけ。拡散してしまったえんがちょを効率的に回収する技術はないし、広大な山河や海を除染する国力はもうこの国にはない。半減期30年のCs137が無害化(3桁:1/1000以下)するには、2の10乗=1024だから30x10で300年掛かるのだ。事故直後に先達ロシアが「シベリアに来なさい」と提案した意味を否応なく理解できる日も近そうだが、オレの余命では到底最後を見届けられないのが残念でならない。目に見えないからって知らない振りをしていても、地獄の釜の蓋はもう開いてしまった(底が抜け落ちたのか:笑)。取り返しは効かないし、後戻りもできない。

◇ 安鯖PC追加2台

年度末セールか? ¥17,980になっていたので2台購入。以前はG5。今回はG6。CPUはAMDからintel core i3に変わっている。と云われても何がどう異なるのかはほとんど知らない。現G5の1台はサーバ、もう1台はWin2kでお絵描きマシンだったのだが、Win2k号をPlamo Linux-4.73に換装し、現サーバのDNS+imap+WEBサーバ補完+入れ替え用にする目論見。サーバOSのヴァージョン・アップ対応とも云う。つまり、2台で交互にヴァージョンを上げて、カーネルの最新機能とLibcの更新を兼ねながら、更なる相互補完+安定運用を計ろうという試み。

G6

Win2k号の代替新規G6にはWin7p-64をインストール。USB-3.0カード付きのDSP版、投げ売り品。インストールはきわめて順調に推移するが、勝手がわからん上にデフォルト状態が独善的でウンザリ辟易。セキュリティをエディタでいじらないとsamba接続できないし、キーボードの101~106入れ替え、Ctrl-Capsの入れ替え、タイムサーバの設定などの際にいちいちレジストリを直接いじったり、コマンドプロンプトで設定しなければ対応できない決め打ち仕様はなんとかならんのか? メモリの規格がまた変わっていて、今度はDDR3-1333? だったかな? 4GBx2 with ECCというあたりはお約束。AHCIで順調にインストール終了。一つだけ出た不明デバイスはHPのサーバー・マネジメント何とか。調べればすぐわかるので、そのドライバを探して入れてやればOK。完璧。

恐らく64bitのアプリケーション自体を所有していないので、効果のほどはよくわからん。ソフト側の対応は今一つだし、今のところ積んだ分だけメモリが有効に使えるぐらいのメリットしかない。ie64もflashが動かないんじゃ出番はない。firefoxはv4になって複数の環境同期が可能になった。以前アドオンだった同期システムが組み込まれた模様。ブックマークだけでなく、クッキーやパスワード、タブ、履歴も同期できるのでこれはとても便利。独自暗号化されているようだが、自前サーバ上のapacheにPHP5を組み込んでやればLAN内に同期データを格納できるのでよりいっそう安心。

黒メバル

魚は様子見だったが、青森の黒目春が置いてあったので煮付け。筍と山椒の葉。

無線アクセスポイント兼ルータを入れて動体+赤外線センサーカメラx2でインターホン補完を考える。入口を固定化しない形態に冗長性を持たせた(何も考えていないという説もある)結果、上下足の区分がテキトーになりすぎ、実態的に上中下足三態が入り乱れ、来訪者の混乱を招くらしいあたりの改善と、携帯電話による外部アクセスでの状況把握を兼ねる。初めての無線で暗号化規格に馴染みが無いせいか若干難儀するもWPA2で接続。理論値300Mbps だけど実態はよくわからん。300Mbps=37.5MB/sだから実効を考えればこんなモノか? 配線がいらない無線LANが脚光を浴びていた時期もあったように記憶するが、このスピードじゃ大容量ファイルの転送はきついかな。

押しても反応しない、或いは押してもいないのに連打状態(笑)のキーが出てくると、発狂しそうになるキーボード。PCの操作用キーボードは以前から101キーを利用していたが、最近はあまり好みのものが売っていない。売っていても高い。そろそろ圧倒的にメジャーで目移りするほど豊富な日本語キーに乗り換えるのがいいのか? いいのだろうな。ということで取り敢えず1台を106化。記号を探すので難渋するのと“enter”押してるつもりで“む”押してたり、“space”の左右の使わないキーが邪魔でかなわんが、少し慣れてきた。

◇ 大分岩牡蠣

岩牡蠣

養殖ものが軌道に乗ったらしく、かなり大振りなものが手に入る。手よりもでかい。¥198/個。安いのか高いのか、全く売れていない。真牡蠣の倍以上だが、まぁ、そんなもんだ。海産物から見放された地では天の恵みと5個/人を掻き集める。重い。4、5年ものだろうか? 殻が分厚く頑強で、真牡蠣に比べ剥く手間三倍。味が濃厚で旨いっす。蕩ける滋味と爽やかな磯味のバランスが上々。

まずは2枚

取り敢えず手段の整わない今は水揚げされていないとみて、鮨屋にせっせと通いまくる。回遊魚は夏までか。野菜や肉のように二束三文に暴落すれば惣菜や外食産業、家畜の餌に流れてくれるから安心できるだろうが、食物連鎖と生体濃縮を考慮するとピークはまだ先だろう。鮨のネタなら量はタカが知れているだろうが、気分は良くないな。

◇ 泉州水茄子

漬物

泉州は大阪府の南部沿岸地帯。特産の高価な茄子だがエグミがないので生でそのまま食えるという逸品。一握り程度のものが2個で250円と普通の茄子の3倍以上。早速一つは糠漬けに。半日漬けるくらいが美味。

水茄子

生はよく冷やし、ヘタに包丁で6等分し手で裂く。塩水に数分漬けておくと変色が防げる。手早く水分を拭き取り、鰹節と和える。好みでポン酢を掛けてもよいだろう。冷たいうちに食う。瑞々しさを味わう、初夏の風物詩。浅漬けもすこぶる旨い。そういえば水貝(冷やし生鮑)のオリジナルも同郷かな? 大坂・泉州は冷やした瑞々しさをとことん味わう料理に秀ている。

蕪糠漬

蕪糠漬は自家製。軒下避難プランターで育てていたもの。小蕪で辛味があるが忘れて久しい懐かしい味がした。


2011/05/28 作成__2011/05/30 最終更新