Carpe Diem


見れば見るほど中途半端過ぎて頭を抱えたくなるような被害を被った。写真撮って罹災証明書貰っておかなきゃな。家の前の道路はアスファルト面のみ5cmほど隆起した模様。U字側溝のレベルは変わっていないけどいいのか? まぁ、排水勾配が狂わなくて助かったともいえる。電気は道路の電柱があちこちで傾いているが、線が繋がってりゃ倒れはしない。ガスはフレキシブル管だし、上水は地中はHIVPで内は合成樹脂可撓管だから変形にはある程度追従するだろう。物理的損傷がない限り漏れることはない(ハズ)。いちばん脆弱なのが下水だろうか。揺れが収まり見物に出かけると最終汚水枡の重いPC蓋の隙間から、ときおりシルトを含んだ砂水が吹き上がっていた。もっともすげえ花粉で直ちにノックアウト。翌日、嫌な予感と共に蓋を開けると枡が満杯。上澄みを掻き出すと底には粘土のような砂がまったりと沈殿していた。会所が多過ぎて継手だらけの宅内塩化ビニル管はまだしも、本管や枝管は40年以上前に直接路盤下に埋められた小口径の土管だ。下水道は終末側で崩壊しているらしいが、埋設本管のシルト吸引・高圧洗浄、宅内枡・配管の洗浄・カメラチェックでは取り敢えず機能に支障はない……というところにようやく漕ぎ着けたところ。

満開

植付けが早かったせいで今年は花が早い。ほんの数十粒の種から3年でここまで増える生物の繁殖性には目を見張る。来年は突然変異が混じったりするのだろうか? サーベイ・メータはどこも売り切れで収穫に間に合うだろうか? プランターは塵はともかく雨には当てぬよう軒下に避難できるが、露地モノはどうしようもない。逆に、異様に雨が少なく、花粉が一向に治まらないのも困ったものだ。風に吹き寄せられた黄色い粉末にうっかり触れようものなら、炎症を起こして痒くてたまらん。

せっせと水をぶっかけてできるところは洗浄しておりますが、近くの計測値を眺めていると、200km以上離れているのにけっこう出てるなぁ。海水の影響はまだ先だろうが、取り敢えずは土壌がマズくね? 累積値で放射線管理区域レベルじゃん。今の線量だと50km圏で2週間しないで年間許容被爆量を越えてしまうが、福島中通りを圏内にはできないものなぁ、現実的に。……と思ったら、やはり来た(笑)。許容量を20倍に上げるのか? もう爆笑もんだな、この国の為政者が考えることは。70年前と精神構造は何も変わっていないのか。基準なんて都合に合わせて好き勝手に変えればよいし、世の中は感情に訴えればどうにでもなるが、人間如きがどう足掻いたところで物理法則は曲がらないだろう? 自らの首を繋げるために自衛隊や消防にパーフォマンス突撃させる感覚は、弾を撃ち尽くした銃を掲げて万歳突撃させたかつての一億玉砕と何も変わらないじゃないか。信じるものが救われるならば、それはそれで一向にかまわないけれど。

しかし、まぁ、絵に描いたような親方日の丸ノーメンクラトゥーラがフグスマをzone(ストルガツキー作『路傍のピクニック』あるいは映画化された『ストーカー』における囲いの“内”)にしてしまうとは恐れいった。かつては陸前浜街道(R6)や常磐線を年に何度も往復したのに、オレが生きてるうちに、浜通りを通ることはもうないのか。真冬でもノーマルタイヤで仙台まで行ける貴重なルートだったのに。原ノ町の塔は既にないそうだが、夜明けの久之浜の海に雲のように浮かぶ霧も、富岡や双葉の海岸に打ち寄せる冬の荒波を拝む機会はもうないのか。そのうち地図からも消される日が来るのだろう。238Uの崩壊副産物のような半減期の短い131Iに始まり、133I、134Cs、136Cs、137Csに加え60Coも出ちゃったみたいだし、132Te、134Teに106Ruまで出現となると核分裂反応に伴うものだし、出てほしくないものは測らないし、出てもまともに公表するつもりはなさそうだが、Csが出ているならベータ崩壊の真骨頂90Srや半減期1570万年の129Iだって当然出ているはずだ。さらにMOX燃料使っていたのだから、239Puや244Puも撒かれたと考えるのが妥当だろう。最早2万4000年とか8000万年のレベルで不毛の大地になるのか。238Uに至っては半減期45億年、128Teなら2.2×10の24乗年だものなぁ。宇宙にとってはほんの一瞬だが、人間にとっては永遠だ。物理や化学の教科書でしか聞いたことすらない放射性アイソトープの饗宴が直に体験できるなんて、もう思い残すこともないか(笑)。二つのAtomの炸裂で始まったこの国の黄金時代は、再び自ら解き放ったAtomによって終焉するとはな……。国は敗れても山河は残った前回に比べ、今回は喪った山河の上で国だけが果たして残れるか? という壮大な実験になるのかもしれないな。あっぱれ、あっぱれ。

えんどうの花

死の大地になると云われた現ウクライナの彼の地は、人が入れない見事な森が再生されつつあるという。放射性物質が現代の技術では無害化処理できない以上、この先年々蓄積される汚染土や汚染水(汚染が集中する下水はヤバイぞ)を入れ替えるったって、入れ替えたヤバい方を置いておく場所がないもんな。まぁ、オレは気にするほど細胞分裂が盛んな歳じゃないし、これといって遣り残したこともないのでさほど気にしてはいないのだが、補償逃れに基準値を数十倍~数百倍にコソコソ引き上げてるようじゃ、どうせ後になって因果関係は一切認めないだろうから、ある程度の自衛策は取らざるを得ないだろう。カロリー控え目、塩分控え目に加え、これからは線量控え目か? 栄養士はベクレル:シーベルト変換計算が大変だな。相変わらずの開発途上国並恣意的大本営発表と、官房機密費とスポンサーに飼い慣らされた大政翼賛ズブズブ癒着媒体の下では胡散臭い生数値と海外情報だけしか頼りにならないが、明確な境界を作り取捨選択を図らなければ、偽装と隠蔽が蔓延り結果的にはすべてが等しくダメになっていくという毎度のパターンを“また”繰り返すのか? 嘘つきたちの言葉を真に受けて辛酸を舐めた人間の怨念で歴史の図書館は既にいっぱいなんじゃないのか? “直ちに”害はないだろう。だが、放射性アイソトープの愉快な仲間たちはゆっくりと確実に、精緻なまでの無慈悲さをもってDNAを破壊していく。やれやれ、10年後が思いやられるぜ。

もっとも、国力が衰え、あらゆるパイが萎んでいくなかで、予め“余剰”部分に滅亡因子を埋め込んでおくという意味ではあながち間違った手法ではないか。そこまで考えているなら、誉めて遣わすぞ。

◇ 瓶(カメ)

瓶

紹興酒5lカメ入り。蓋と思しき部分は分厚い石膏で密封されている模様。手じゃ埒があかないのでバールとかマイナスドライバーの出番。たかが酒を呑むのになんという試練。蓋の分厚い石膏を苦労して抉ると、竹の葉に包まれた口が現れた。慎重に葉を剥いて密閉用のビニルを外す。中に破片が落ちないよう口の周囲を濡れ布巾で拭う。

ふた粉砕

ああ、匂い違うわ。早速レードルで掬って一口。話に聞く通り、加熱処理された瓶詰めとは明らかに違う滑らかさ。透き通るような甘さと柔らかさ。レモン絞ったり、氷砂糖入れたり、オンザロックにしないと飲めない人でもストレートでクピクピ飲める模様。生だからもって一月? まだ3.5lくらいは残っている。

紹興酒

◇ Last Oyster

殻付きの主産地が全滅したせいで今年の真牡蠣はこれが最後。来年は瀬戸内海産を食べることになるのだろう。1個88円もしやがったので結局20個しか買えなかった。重いのなんの。

カキ1

殻が厚く、長いものより丸っこい方が身がふくよかな気がする。つるりとした独特の食感と磯の塩味、口いっぱいに広がる滋味は他に代え難い。

カキ2

付け合せはドライトマトとピクルス、生玉葱のサラダ。パンがライ麦だったので味付けはモルト・ヴィネガーにしてみた。黒+白胡椒たっぷり。パセリは自家製。ジャムは杏とブルーベリーと近所の方に貰っている大量の柚子を砂糖で煮込んだもの。杏とブルーベリーは購入した果実の残りを煮付けたもの。消毒はスペインのシャルドネ。ああ、シャブリが飲みたい。

非生salad

2011/04/15 作成__2011/04/15 最終更新