花粉襲来


凄いな。花粉来た。極度の意欲低下を引き起こすので以下支離滅裂。今年もまた、某医に泣きついて処方してもらうポララミンとアレロックと抗アレルギー目薬漬けの日々が始まるのか。まぁ、飲んだところで効くというわけではないし、効くまで飲むと副作用でエライ目に遭うから、気休めみたいなもの。昔はクソ馬鹿高い市販薬に頼っていたが、良い鴨であることに気付き止めた。原因ははっきり分かっているのに、経済効果が大き過ぎる故に誰一人まともな対策を取ろうとしない辺りは、国策の一種なのだろう。報国動員して植えたはいいが、ロクに手入れをしないから(やたらと高い割には質が悪過ぎで)使い道ないもん。見る前に撥ねられるレベル。薪にするコストすら出ないゴミの山。荒れ放題の山に放棄された老杉は遺恨を込めて今日も黄色い花粉をばらまくと。

梅満開

今年は大蒜が高い。青森産の大蒜が1ネット(特売10個入りぐらい)238円のわけないだろ? と思ったら、2380円で仰け反った。まぁ、オレは400円で18個入りのモノで全然OK。それでも去年の倍額なんだけどな。食材の質はそれを食べる人間の質に自然と収斂していくと常々考えている。自前の元青森産や元中国産大蒜の芽がチョボチョボ出てはいるが、収穫にはあと4、5ヶ月必要だ。

◇ Aglio Olio e Peperoncino

今年は1個50円近い中国アッリョ5~6粒とペペロンチーノは種ごと3本。アッリョは薄くスライス、ペペロンチーノは手で細かく千切って、火の着いていないパンにEXVオリーブ・オーリオを流し放置。なるべく古い乾麺1.5mmを一人前150g、チュニジア産。たらふく。オーリオは後掛け込みで100mlぐらい。あとは塩。量は全て適当。麺を茹で始めると同時に、パンを極弱火で着火。必要なのはタイミングだけ。素材がどうたら、手法がどうたら詳説するのは、ラーメンやおかゆを真面目に作るのと同じくらい滑稽というか無粋。出来上がりに30mlほどEXVオーリオを掛け回し和える。ヌルヌル。運ばれた肉料理やサラダにオネエちゃんやギャルソンが満面の笑みでダバダバ掛け回してくれるアレだ。グラッツェ、グラッツェ。オレは全然平気、ブォナ・ペティート! AOePの醍醐味は向かいの女の子のオーリオでしっとりと濡れた唇にあることだけは譲れない。

素麺

◇ ラムチョップ

羊は入手が難しいが、けっこう好きなのであれば積極的に買う。どう見ても野菜肉炒めとしか思えない“ジンギスカン”にはまったく興味が持てないので、あの丸い成型肉は叩いてザァ醤にするしかないのだが、やはり羊でいちばん旨いのは骨付きバラ肉だろう。焼くだけでなく、スパイスで煮込んで食うのもよい。最大の問題は需要がないせいで、流通量が極小、極めて高価につくこと。好みだが、焼き加減はミディアム・レアぐらい。味付けは岩塩と胡椒だけでいい。骨の付いた肉をガリガリしゃぶりながら食うのが肉食の醍醐味だと思う。

羊肉

家電エコポイントをWAONに変換して店の機械でダウンロード。与信カードタイプなので入金は自動だが、ポイント・ダウンロードは読取/書込が必要だから店に行かねばならぬのか。まぁ、大人が協調的に殴り合いしている値動きの激しいイオン・クレジットにはずいぶん儲けさせてもらったから、しがない個人としてはおこぼれに預かれるだけで多くは望まない。分相応ってやつね。たまに利用する本体のAEON、有人レジが空いているのに、セルフレジに人が並んでいるのが不思議で、店員に訊いたらWAONポイントが2倍になるそうで。ああ、さよけ~。食品や酒は消費できる限界以上に買うことはないから、請求でびっくりしないという意味で極めて非キャッシュ利用に適したアイテムだし、現金会計がないのは硬貨が増えなくて便利だが、優待カード類の機能もまとめてくれると尚嬉しい。

◇ 鰻丼

調理10分

賄い飯じゃあるまいし、丼飯に何でもかんでもオカズを掛け回し、掻き混ぜたり、水分でベチョベチョにして飯を食べたり、タイ料理でもないのに右側に敷いた紙ナプキンにスプーン(≠ナイフ)とフォークを並べて置いて、お子様ランチやら給食の如く一枚の皿に何でもかんでも盛りつけて悦に入る、昨今の幼児性向極まる食習慣が薄気味悪くて堪らない田舎老人ですが、焼いた鰻を飯に載せたモノは数少ない例外の一つ。もちろん、甘ったるく、くどいタレが飯底にまで滲み、飯が褐色に染まったものはやはり受け入れがたいものだが、自分で作ればその辺りは如何様にでも調整ができるというもの。

準備完了

白焼きが廉価で手に入れば自分で煮切りを塗りながら焼くという手法が可能だが、まぁ、場所柄と生活レベルを鑑みれば、日常的に手に入るのは4p近辺のロクでもない輸入解凍品ばかり。おまけに、今年は昨年冬(2010年)のシラス不漁が響いているのかべらぼうに高い。価格を上げられない“国産”はヒネタ端物ばかりだし、中国産まで去年の倍しやがる。ここにきて更に価格が鰻登り~、というのは冗談ではなくて笑えない状態になってきた。質はどんどん下がるのに、価格はどんどん上がる。モノは毎度お馴染み、キャッチーな話題作りを忘れない業界大手セイワフード御謹製。今夏は価格を上げずに如何に量を減らすかの競争になりそう。刻むのか?(笑) 今から頓珍漢で愚劣極まりない狂騒が目に浮かぶな。

焼き

水飴のような既製タレは40℃程のお湯で丁寧に洗い流す。このタレは蒸して焼いた鰻の水分が飛ぶのを防ぎ、冷凍時の臭いが付くのを防ぐための流通時のシールドと考えるべきだろう。キッチンペーパーなどで洗い流した身の水分をきっちりと拭い、皮目と身肉の境に串を打つ。皮目と身側を交互に、脂がじわじわと湧いてくるまで焼き上げる。火加減は強め。

鰻丼食いかけ

タレを完全には落とし切れず、網にくっつきやすく焦げやすいので頻繁に返す必要がある。外側がパリっとしてきたら薄く煮切を塗り直し、徐ろに半身を肴に食べる。ここで山椒の要不要を判断する。調子に乗ると飯のオカズがなくなるのは侘しい。外で食うときはウザクやウ巻食いながら肝串で酒を呑み、白焼きの焼き上がりに期待感を高め、待ちに待った白焼き食い終わったら真打鰻重の出番なのだから、やはり一人3匹くらいは用意すべき。

浅漬

添菜は白菜と胡瓜に塩を振り、しばらく置いて水をきっちり絞ったものに刻み柚子を混ぜた漬物モドキ。鰻の味付けは蕎麦用の返しを温めたタダの煮切り醤油を塗りながら焼き、焼き上がりに5mlほど回しかける。飯は10%減水で炊いたササニシキ。入手できる鰻の質が毎回かなり異なるため、一定の味を出すことは非常に難しい。

鰻丼完璧

◇ 背黒鰯

背黒+真鰯

こちらも不当に高いが、このところサボりすぎていたせいかアンチョビーが残り300gほどと底を尽きかけているので3パック。最大12、3cmほどで、刺身用と書かれているが刺身で食う気になる個体は数匹だけであった。高価であることの免罪符の一種かね? 妙な商習慣が蔓延しているものだ。中に一匹だけ真鰯が混じっていた。同じ群れで泳いでいたのだろうか? せっかく刺身用なのだから数匹選抜し、残りはタッパに放り込んでいつもの塩漬。出来上がりは最短5月末と想定。選抜はちまちま3枚に下ろし頭・内蔵・中骨はタッパに加え発酵促進用。下ろした身はさすがにしょぼすぎて腹骨削いだら何も残りそうにないので皮も剥かず酢締めに変更。塩を振り15分。洗い流して水切り。鯖締め用の中古酢で30分。身が白くなってきたら上げて、ペーパーに包み冷蔵庫で一晩寝かす。生姜醤油で。皮も小骨も感じず、いい塩梅に漬かった。

背黒酢締め

2週間後、1.5kgほど追加。値段は同じで量は倍ほど。今回はモノが良く、鱗がギラギラに残っていたが、面倒なのですべて塩漬け。鱗を取るのに手間がかかるのでアンチョビーにする場合は妙に新鮮過ぎるものも考えものだな。取り敢えず、今年分の仕込みは完了か? 5月くらいに安く出ていたらもう一回分くらい漬けておくかな。

◇ “昔の醤油拉麺”の思ひ出

gara

3度目の正直。気を取り直し、きれいに洗ったガラを適度に砕き(鶏なら手で折れる)、水からゆっくり加熱する。葱と生姜も加える。沸騰させないように1時間程度。一旦煮沸しているのであまり出ないが灰汁はすくう。以降は前回と同じ。コクとか旨味とか腹の足しにはならないが、記憶の底にある味は再現できたつもり。叉焼が切れたので、腿肉を買ってきて再度漬け込み中。1週間はかかるので、しばらく拉麺は休み。

拉麺6

験しに、カンスイの少なそうな白っぽい“手揉み中太麺”も利用してみたが、高価(5把で328円)な分、悪くはないが拉麺としては凡庸。目論見としては中国面に合いそうな非カンスイ生麺を探しているのだが、大蒜、生姜、P県豆板醤で炒めた小間切れ肉を使い、白木耳とイービン芽菜、胡瓜、花椒たっぷり、香菜を散らし、もちろん胡麻は練り・摺り・煎りの三態で久々に作った担担湯麺にはなかなかよい具合。

担担湯麺

昨今の強烈を通り越して激甚なアミノ酸風味に慣れてしまうと、普通に鶏ガラ出汁を引くと“水と変わらん”と思わないでもない。良く言えば簡素、事情通から見ればチープで平凡ということなのだろう。白濁するまで濃く煮出したものを中国料理で白湯(パイタン)スープというが、あれは用途がちょっと違うように思う。

拉麺3

改めて思うのは、やはり器の縁の中華渦巻模様(雷紋:稲妻がモチーフ?)がないと寂しいということ。回高屋のスープが変わったおかげで外で拉麺を食うことも滅多になくなったが、家で作ることも少なかったから器の準備がない。


2011/03/05 作成__2011/03/05 最終更新