巡った因果


今年は梅が100個くらいは採れそうだ。開花期にきちんと受粉してやれば、いっそうの結実が期待できるが、寒いんだよな。

梅の実

◇ まめかん

塩味付いた赤エンドウ豆とお世辞にも質が良いとは言えない寒天。一応まめかんなので豆はかなりたくさん入っているあたりは良心的か。よく冷やしておいて、器で混ぜて添付の黒蜜をたっぷり掛けるだけとお手軽。業スーで買うとたっぷり2回分でも100円しないというお値段もお手軽。冷たくて甘い夏の味覚。甘くないものを甘くするのは勘弁して欲しいが、本来甘いモノは甘くないとダメなので、この手のしっかりと甘いモノはけっこう好きです。

まめかん

豆は赤エンドウ豆を塩煮したものが標準だが、黒豆を使った店もある。赤はちょっとポソッとした感じが残るが安価。甘く煮た黒豆は当然高価につく。ツタンカーメン豆が実り始めたので、今度は寒天自作、黒砂糖で黒蜜作って自作してみよう。

◇ タレ?

年齢層に因るのかもしれないが、最近とことん違和感を感ずる表現の一つ。天麩羅のタレ、天丼のタレ、牛丼のタレ、角煮のタレに蕎麦にまで付けダレとは恐れ入った。“つゆ”や“しる(汁)”、“餡”という元々ある言葉を使わずに、なんでもかんでも和風液体調味液全般を“タレ”と称する語彙の貧困化が進行している。元来は、せいぜい、「焼肉(鶏)のタレ」、「蒲焼のタレ」といった脂っこい下手物を食うときに用いるトロミの付いた液体調味料で、調理中に味付けを施す“合わせ調味料”を指す言葉だったと思うが、今では出来上がった料理に、上から後がけするもので、暗に多糖類を大量に含有し甘辛味が強く粘度が高いもの(=コクのあるもの)という意味合いが込められているように思える。言うなれば、日本独自の暗褐色の既製ソースの和風版ということなのだろう。今や、鮨屋ですらタレ(昔はツメ)という言葉を耳にする。“タレ”は“垂れる”を名詞化した表現なのだろうが、垂れるものには今も昔もロクなものがない。「鼻水」や「涎」、あるいは垂れた乳、垂れた頬肉……どれもこれも緊張感を失った醜いモノである。“頭”や“能書き”“文句”くらいなら、まだキタナクはないが、「実った植物が頭を垂れる」以外は、決して良い意味ではないことは自明だろう。垂れるほど“タレ”が掛かった食い物は果たしておいしいのだろうか?

◇ ホヤ(海鞘)

ホヤ

でかいのが180円だったのでつい買ってしもうた。宮城の養殖モノ。昨今は小振りな3年モノばかり出回っていたが、久々の4年モノかな? ちゃちゃっと捌いて、半分はホヤ水でホヤ刺し、残りは粗塩で揉んだ胡瓜と浜名湖青海苔(生)を添えて、いつ作ったのか憶えていない自家製柚子ポン酢で食う。

ホヤ刺身
ホヤ酢

酒はキンキンに冷やした山廃純米超辛口刈穂原酒+21。気温に均しながら呑む。たぶん、経験的に最も日本酒度の高い酒。アルコール分18~19%。意外とすっきり甘味すら感ずる。けっこう効くけどサラサラ呑み易い酒です。味わうほどに辛さが際立ち、ホヤの味を恐ろしいほど引き立たせてくれるというもの。産地からは遠く離れているが、流通が大きく改善されたせいか、最近のホヤは旨い! 食わず嫌いが多い食い物の一つではあるが、鮨になっていれば食うくせに、ホヤと予め言っておけば食う人が激減するので大変助かる。付け合わせはイカ刺し。まだ若いが柔らかい。

イカ+海苔

スルメだから肝とゲソ、エンペラは塩辛になる。本当は身を使うのだが身は刺身で消化するので残らない。肝は丁寧に引き抜いて墨を外し、塩を振りキッチンペーパーで包む。ゲソは吸盤を揉み洗いで落とし、エンペラはテキトーに皮を剥ぐ。一晩冷蔵庫で水抜きしたら肝を搾り、器で和えて、塩と酒を振る。好みで山椒の葉や柑橘類を搾るもよい。生姜や唐辛子で変化を付けてもよい。1回/日上下をひっくり返して掻き混ぜて、三日目ぐらいから旨味が廻る。“手づくり”ではないので、素人には入手が難しいタンパク加水分解物・ソルビット・調味料・pH調整剤・甘味料・増粘多糖類・着色料等は割愛でOK。市販の気持ち悪いほど甘ったるくアミノ酸補強された塩辛とは隔世の感。それほど好きと言うわけでもないから、刺身の残材処理で量は十分賄える。アニーちゃんがいるかもしれないので、よく噛んで食べようね。冷蔵庫で1ヶ月くらいは持つ。

塩辛

◇ 苦し紛れの安直解題

レシピ乃至オリジナルはよくわからん。豚肉は細かく叩く。泡辣椒、ドウチ、大蒜、生姜、葱はみじん切り。中華鍋で油を加熱し、肉を15秒ほど一気に炒め、各みじん切りを加え、香り立ったら胡椒、醤油、老酒、酒醸ちょっと。尚炒めつつ、薄切りの胡瓜、10秒後、水溶き片栗粉、煽って鍋肌辣油。計1分ぐらい。簡単楽チン節約ね。思ったより旨かった。また困ったら作ろう。

胡瓜豚

2010/05/30 作成__2010/05/30 最終更新