Now Aholdings(笑)


風が吹いたり、雨が降ったり。寄越せと言った憶えはないが、長年の奉仕貢献に哀れを催した生保が恵んでくれた。あまりの端株に、某超大手メガ証券の度重なる勧誘にケツがムズ痒くなりながらも、はぁ? と無視していたが、塵以下のクズ客にカス株ということでお似合いか。さっそく下がってやがるが、大人はみんな知らん振りだな。そのうち年金ちゃんとか投信さんが買いに来るだろう?(薔薇色の、未来夢見て、アホルダー)

2年ぶりに葡萄海老を立ち食い。2年前は仙台。3年前は同じ店。去年は入荷無し。薄っすらと紫色付いた身色が特徴で、ねっとりと旨味が濃い。船橋の鳥貝に木更津の青柳といった湾内産春の貝がお目見え。鳥貝はまだちょいと小振りで重ねで1貫2枚付け。透き通る身肉と黒い嘴(厳密には尻尾)、シコシコした歯触りと淡白な旨味は春の風味。

パパイア

岡田よろず店の業績が良いことは大変喜ばしいことでもあるのだが、そのせいか最近、豚肉ブロックはアメリカ産ばかりだし、オーストラリア牛ロースもこっそり値上げしていたりしてせこさが際立つな。青果は商社系大量仕入れのせいか毎度今一つの印象だが、Doleのパパイアが安かったのでしこたま買い込む。しばらく常温で追熟させて臭くなってきたら冷やして皮を剥いて食う。小振りだが甘味はそこそこ。特有の臭みは年々改良されて薄くなって質の向上は目覚しいが、東南アジア現地で食う完熟パパイアには質、価格共に及ばない。DoleはDel Monte、Sunkist(厳密には組合:農協)等と並ぶ多国籍農業企業の一つ。その創始者(Sanford Ballard Dole:1844-1926)はクーデターで島を乗っ取った後、王家を一人づつ隔離軟禁し、子種の拡散を徹底的に防ぐことで絶滅させたハワイ共和国初代大統領・ハワイ州知事としても名高い。植物並みの絶滅育種を受けることになる土人王家は海の向こうの某王家に婚姻縁組を求めて種の存続を計ったが、背後にちらつく影に怯えて話は御破算に終わったという。いつの世も土人は哀れなものだ。

牛丼弁当

“うどん”はその後進展なし。「松」や「吉」は前は通るが、ガラスから覗ける、対面にしろ、隣接にしろ人と人との距離感が完璧にOut of dateな佇まいがバリアになって未だ機会無し。おまけに「松」系列は食券制なのがネックになる。いまどき機械相手に財布から小銭を出すなんて面倒極まりないし、口で一言言えば済むものを客に目で探させる感覚はかつての鉄道事業者並みの親方日の丸独占企業を髣髴とさせる。最低限、機械で清算させるなら与信カードで使えるようにして欲しいもの(Suicaが使えるものはあるらしい)。極めて人工的な味付けが施されたこのグレードの食いものの味に関して敢えて表現する意味はないと思うので、今一つきっかけが掴めないでいる。一方、新しい店ほど対面カウンターを減らしている「すき家」は混み過ぎて店員がテンパっている。せいぜいMax6割席が埋まるぐらいのシフトを組んでいるところに満席状態になるまで客が押しかければ、当然のことながらサービスが著しく低下するだけでなく、内部統制が瓦解破綻してしまう。せっかく新規客を取り込んでもリピートに繋げられないのは勿体ないよん?

今半弁当

どうせ牛丼を食うならば、浅草の今半(角じゃなくて仲見世折れた裏道のほう)もよろしゅうございますことよ。敢えて丼モノを食う店ではないが、1.5盛りもあって、こちらは計ったようにつゆが極めて適量で、甘味はあるもののくどさは感じられず、肝心の肉質も柔らかく噛み切る必要を感じない。嗚呼、これぞ牛丼。余ったすき焼きを丼に載せたという由緒に最も忠実なモノが食えるだろう。本来、丼モノは冷めないように蒸らすことで味を浸透させ、あるいは玉子の綴じ加減を各人で調節できるように蓋付で提供されるものであるが、ここの牛丼はもちろん蓋付でいそいそと盆に載せられてやって来る。残念ながら郷の在住ゆえ、ちょっと遠いので、面倒なときは近くの出店で牛丼弁当を買っている。

牛玉+牛丼

牛丼の起源は明治期の開花丼か? すき焼きの残り肉を白飯に載せたあたりが、葱が玉葱に代わり、彩り緑として三つ葉やグリーンピース、赤い紅生姜を薬味に載せるようになったのだろう。昭和の中ごろ、すき焼きのお持ち帰り用として開発された浅草今半の牛肉弁当なんぞが実は現在の牛丼のオリジナルに近いのかもしれない。今半の牛肉弁当は割り下を使っているのだろう、甘めだが脂の薄い肉に味がしっかりと染みているわりにくどくなく、あっさりとした味付けで飽きが来ないあたり非常によくできている。肉は薄切り肉だが各部きっちり層になって1cm以上敷き詰められており、ありがちな誤魔化しが一切ないのも好感する。白飯へのつゆの染み具合も適度な加減にして上品で程良い。冷えることを前提に施された味付けと材料の選択にはすき焼きの老舗として100年の長があるといったところか。グリーンピースの数が計ったように同じなのは偶然か? 玉葱は特殊な仕入れなのだろうか? ウソのように旨い。

牛丼

ボリュームもけっこうあるから弁当には丁度良い。ちなみに和食用の生肉を買う場合は同じ建物内に出店している人形町今半がグレード別に100円刻みで同じ部位が取り揃えられており、品質も安定していて使い易い。500円/100gくらいの最低グレードの肉200gほどでも、鰹出汁と煮切りであっさりと煮て飯に盛ると、しっかりと肉の味を前面に出せる満足のいく牛丼になる。

勢いでホモ弁

プレナスのホットモットで期間限定200円海苔弁を買う。喧嘩別れしたホッカホッカ亭(のホカ弁)は近くにあるが、ホットモット(通称:ホモ弁)は近くにないなと探していたら立ち食い鮨の向かいがそうだった。交換期限切れているのに景品を寄越せとごねている子供連れの若い母親のおかげで注文待ちが数人。出来上がり待ちが4、5人。FCかな? ネクタイきっちり締めた脱サラ風の品の良さそうな店長さんから、結局ドラえもんの何とかグッズをせしめ、弁当1個買わずに2人のお子様を引き連れて颯爽と引き揚げて行く母親の得意気な顔を無関心に眺め、注文だけして先払い。待ち時間を訊いて対面でビールを飲みながら鮨を少し摘む。ヒラマサ・カンパチ・鰹。今期初ホヤ(津波で今年は暴騰の予感)は3/19。鮑より味が濃い“とこぶし煮”がおいしくて30分ほど現を抜かす。

海苔弁の揚げものは何らかのよくある代用白身魚とちくわ天。衣は今流行りのTFAでサックサク。海苔の量、佃煮の敷き具合はけっこうまともで、調味料まで減らして薄味を謳っているスーパーの278円寄せ集め屑弁当よりははるかにマシ。平常価格は290円だが、価格競争力はある(もちろん200円でも利益は出ている)だろう。一方、カツ丼は一応ロースの一枚肉だが悲しいほどにぺらぺら。薄切りハムかと思ったぞ。肉の味がしない。何ら表示がないということは今流行の北米産“非”クローン肉(FDAの公式見解によるとクローン豚が自然分娩で産んだ子豚はクローンではないとのこと)だろう。カツは玉子できちんと綴じられて、不必要に甘くなく、くどくないあたりはまぁまぁ。値段なりだが、撤退した廉価スーパーの肉厚1cmカツ丼弁当330円とは比較にならない。

さて、次はプレナスついでに系列の「やよい軒」、ちょい高だが対抗で「大戸屋」あたりが課題か。

◇ とん茶

とんかつ:30分(前日) 本調理:20分

下品な下手物ジャンク、ある種の賄いの為れの果てのようなもの。某チェーンの“とんかつ茶漬け”を指しているわけではない。余って冷えた揚げ物の消化手段ではあるが、翌昼時にちゃちゃっと食うには簡単でけっこう気に入っている。カツは100円/100gの国産肩ロース塊。肩じゃないロースのほうが良いに決まっているが、見極める目と使いこなす技術がない。消費期限を4、5日過ぎて、ちょっとくすんだぐらいが旨味が乗って丁度よい。2cm厚に切ったものを筋切りして適当に叩いて伸ばし、塩胡椒を擦り込む。衣を着けてラードとキャノーラ混合で普通に揚げた残り。

肩ロース

「とんかつ茶漬け」として商品化されたモノは甘辛濃い味に煮詰めたとんかつに炒め煮したようなグズグズのキャベツとしけった刻み海苔が載せられたもので、茶漬けとしてではなくて、カツと飯は別で提供される。それをひつまぶし風に趣向を変えながら食べるということらしいが、ピンと来ないので自分ではもっぱら天茶のとんかつ版としての「とん茶」を作っている。誰が考え出したのかは知らないが、だいたいにおいてパン粉を着けた揚げ物にはキャベツが添えられることが多いが、モンシロチョウの幼生じゃないので生であろうが火が通っていようが、キャベツはドイツ料理かロシア料理にしか使えない野菜であると認識している。特に、揚げ物にキャベツが合うと思ったことは一度もないというか、揚げ物の脂が付着してテカテカ光った刻みキャベツは著しく興趣を削ぐものだし、ご飯に入り混じった刻みキャベツはこの上なく醜く、尚且つ、食感が悪く米飯の味を殺すので、およそ飯と合わせて食べるものではない。

とんかつ

普通に麦飯を炊き、丼に飯を盛り、冷めた昨日のカツを載せたら、枯れ節で濃厚に煮出した鰹出汁に煮切り醤油少量を合わせ沸騰させたものを注ぎ、更に苦濃く出した煎茶(宇治かりがね:100℃蒸らし2分)で割る。とんかつ自体に塩が着いているので、煮切りは薄めか? と感じるほどでよい。薬味は葱、白胡麻、炙った刻み海苔にたっぷりの山葵で決まり。

とん茶

ロースの脂の旨味と煎茶+山葵、鰹出汁のバランスと香りが肝要にして必須。極めて当然の前提だが、とんかつと飯の質が一定以上であること。更に、味の決め手である茶や鰹出汁で手を抜くならば、卵で綴じてかつ丼にでもしたほうがはるかに良い結果を生むだろう。酒はビールでもいいが、冷酒1合でかつを食い始め、酒がなくなったら茶漬けをさらっと流し込むのが気に入っている。


2010/04/06 作成__2010/04/11 最終更新