椅子取りゲーム


真面目に働いて、結果としての税金を真面目に払おうという意欲が著しく減退する季節らしく、経理担当者からは受注時期の平均化と経費の項目別効率的支出および領収証をちゃんと貰え等激しく突き上げられる状況でございますが、ナントカ申告書に記載することをうっかり端折ったりすると“市民団体”にネチネチ告発されてしまうので、「細けぇことはいいんだよ、適宜よきに計らえ」と、かわすことがいざという場合の保険になることを学び、いつもニコニコ酒を飲んでいるわけでございますが、皆様におかれては如何御過ごしでございましょうか? おかげで己の経営状況や収支等皆目件当もつかない状況でございますが、取り敢えず毎日飯は食えるから、まぁ、いいや、と思う次第でありますね。まともな仕事自体が影も形も無くなりつつあることだし、この先、人口減があからさまに響いてくれば、すべてのパイはいずれ縮小に転じるわけで、沈みゆく船の上での救命ボートの奪い合いはとうの昔に始まっているのでしょうが、そんな権力闘争に関わるのは最初から願い下げだわなぁ。

クレソン

池の窒素分を水耕クレソンに回収させ、水質を浄化し、金魚の産卵床の確保等環境改善にもつなげようという一石二鳥的試み。まだ水温が低いので屋内で食い残した根っこを再生中。左は池の水。右は普通の水道水。窒素分のせいで池の方が発育は良いようだ。水は週に2回ほど入れ替えるだけでスクスク生育中。3月になったら液体肥料を与えたものも試してみよう。

今年の初鰹は2/5。去年よりちょっと遅いかな? 今更ありがたるものではないが、本来の旬の頃にはすっかり食い飽きているというのは本末転倒と云えないこともない。味は薄いがさっぱりとした香りとしっとりと密な身肉はまぁまぁ。今年は当たり年かな? 希望的観測。

17歳のとき、どこかの予備校の近くにあった“立ち食い”で食って以来の快挙。当時は80円か100円、天麩羅載せて180円くらいだったが、数十年ぶりに“ホットのかけうどん”を山田うどんで食ってみた。今年、初うどんだ。厳密には揚げ玉が入っているのでタヌキうどんだが、あまりの味の濃さに笑ったゾ。甘味が薄いのは好ましいが、安い醤油なのか、醤油を減らして塩で補強しているのか、なんというストレートな塩辛さ。タンパク加水分解物の質は想定の範囲内だが、味付けの尖り具合は某松屋系列に匹敵する。冷たいのは味覚が鈍感に麻痺するのであまり感じないが、ホットは強烈。ここまで塩辛いとリピートは辛いな。と感じつつも、3ヶ月に1度くらい、唐突にあのベタでフラット、なんの工夫もない真正直な味が懐かしくなるのだな。疲れた舌を休ませる? 出てきたモノをそのまま掻き込んでも何ら支障のない、無造作で本能的な栄養摂取行為みたいなものか。業界は異なるが飲食も極一部を除き、どこも閑古鳥が鳴いている。ここも昨今は休日100円引きに加え、夕方5時以降20%割引き券をばら撒いているが、ガラガラだもんなぁ。大丈夫か? 外食が自らの味覚で食いものを味わうことから、ラベリングされた情報を食べるという行為にすっかり変節した昨今では、モノを売るということよりも情報に幻想という付加価値を付けることが満足に繋がることぐらいは誰でもわかっちゃいるのだが、いもしない客を求めてしまうのは何処も同じか。

タンドゥーリ・チキン(Tandoori Chicken)

タンドゥール(Tandoor)という粘土製無水窯で、長い鉄串に刺して焼いた焼鳥のような物。タンドゥール窯の側壁にナンを貼りつけて焼いている光景は、巷の中央アジア料理店でガラス越しにパフォーマンスしており、よくお目に掛かるので知らない人はいないだろう。名前の通り、ただの焼鶏である。作ること自体はコツがあるわけでもなく、テクニックが必要なわけでもない。外食と自作の最大の差は400℃を越えるタンドゥールで一気に焼くか、250℃くらいのオーブンでちまちま焼くかの差だろう。

タンドーリ・チキン

好みのスパイスと塩をヨーグルトで溶いて、皮にナイフでプスプス突き刺して穴を開けた手羽元に塗り込んで1日、2日置いておく。オーブンを250℃で予熱、網に載せた肉を220℃くらいで10分、上下をひっくり返して10分焼くだけ。手で掴み、ただ齧る。味はスパイスで決まる。最近はちょい辛め、唐辛子、胡椒、ウコン、クミン、コリアンダー、カルダモン、パプリカ等を気分でテキトーに混ぜている。

◇ 肉球

下準備:20分 本調理:10分

正月用の生クワイは割高だが、馬蹄(クワイ)の水煮缶詰(567g:内容量340g:180円くらいのもの)なら心置きなく買うことができるというもの。元々は同じ平安時代の輸入品だが、国産が青クワイのみになったのに対し、輸入品はもっぱら黒クワイで品種が異なるものらしい。でもって、クワイといえば肉団子。蓮根やハンバーグの種で代用する向きもあるようだが、やはりクワイの食感は代用が効かないものの一つ。ちなみに、青クワイは熱を通すと蓮根のようにネットリと粘り、期待されるシャリシャリ感を失うのでこれまた代用不能。

慈姑缶

豚挽肉がないので小間切れ500gを叩いて角煮の副産物ラードを50gほど加える。卵白1個、老酒50ml、五香粉10g、胡椒10g、塩2.5g、生抽10ml、下ろした生姜10g、焙煎胡麻油15ml程度を合わせ、左手でよく練る。放置10分。よく練るを2回ほど繰り返し、豚肉に酒の水分を吸わせる。肉団子なのでクワイは50gほどでよい。数mm角にみじん切りにしたものを加える。最後に片栗粉30gほどを合わせヌチョヌチョに練る。

練る

葱が入っているが甘酢用の葱が手に付いていただけだ。気にしないように。練り上げても球にするのが困難なほど、かなり緩いぐらいで丁度良い。揚げ始める前に甘酢餡の準備。葱、生姜のみじん切り、香菜を刻み、老抽王、鎮江香醋、老酒、三温糖、水溶き片栗粉、煎り胡麻を並べておく。

揚げる

中華鍋に油を張って160℃ほど。練った肉を球状に丸め落としていく。鍋が埋まる頃には最初に入れたものが揚がっているはず。ジャーレンに揚げながらすべての団子を色付く程度(2~3分ほど)に揚げたら1分冷まして二度揚げ。30秒ほど揚げたらジャーレンに上げ、直ちに鍋の油を切る。餡は一気に作る。新たに胡麻油30mlを中火で熱し、生姜、葱のみじん切りを炒める(10秒)。香りが立ったら老酒50ml、三温糖20g、続いて老抽王15ml、最後に香醋30mlを加え強火にして水溶き片栗粉を加えたら、ジャーレンの団子を戻し餡を絡める。ここまで30秒。化粧油に胡麻油を鍋肌に回し入れ10秒。直ちに器に盛り、香菜、煎り胡麻を振り、熱いうちに食べる。

肉球

かなり緩めに練るので形が崩れがちだが、外殻はしっかり、中身はしっとりと柔らかという最低限の基本線は必定。肉の旨味とクワイの歯触りが命にして、甘すぎない香醋と老抽王の風味が作り出す爽やかにしてまったり。肉は豚に拘らず、牛や羊でもおもしろい。

齧る

ちなみに下の糖醋肉は香醋は鎮江だが老抽王を使わず普通の国産醤油で試作してみたもの。悪くはないが想定通りの味で酸味が強調されやはり深みに欠ける。老抽王は醤油としての風味が際立つわけではない(むしろかなり中途半端)が、他の調味料と合わせたときの威力は(見映えも含めて)想像を絶するものがある。

普通の酢豚

2010/02/13 作成__2010/02/14 最終更新