蝉が煩い


昼間はさすがに暑いが、夜は涼しくて助かるな。電気代が。どこから湧いて出るのか今年は蝉が多い。煩いぐらいならまだしも、そこらにボトボト落ちて息絶えないでね。

金魚の子

金魚が何の断りもなく子供を作っているようだが、体長10mm。育つのか?

ピラフ(Pilav、Pilaf)

調理時間:30分

米料理といえば、炒飯、焼き飯、炊き込みご飯、混ぜご飯、粥、雑炊、ピラフ、パエッリャ(パエージャ)、リゾットと千差万別多種多様なわけだが、炊き上がった飯という半完成品を利用できず、原材料のみから最短時間で、簡単にメシにありつきたいときに重宝するのがピラフ。炒飯以外の各種ご飯類のように一定量に規定されず、一人分のみ米0.5合でも何ら遜色なく調理可能という汎用性も嬉しい。

米3合をちゃちゃっと洗い笊で水切り。リゾットにする場合は米は洗わない。冷蔵庫を漁り、使えそうな材料を抽出し、下拵え。出汁が出るものがあればよいが、なければ固形スープの素やブイヨンを使えばよい。取敢えず確保できたモノは、小ホタテ6個、鶏ササミ3本、玉葱、人参、青唐辛子、パセリ。加工の基本は米によく混ざり、味が染み込みやすく、火が通り易いよう小さめに大きさを揃えること。

フライパンにオリーブ油30mlを敷き、月桂樹の乾燥葉を握り潰し、クローブ3、大蒜一粒みじん切りを加え中火で着火、温度が上がったらパセリ茎みじん切りを香り立て、青唐辛子3本ワタごとみじん切りを加え、玉葱みじん切りを透き通るまで、更に、人参みじん切りとホタテ、一口大に削いだササミを表面の色が変わる程度に軽く炒める。塩3g(米3合)、胡椒、ナツメグで味付けを施す。塩は後述の固形スープの素やウスターソースとの合算で量を決める。米一人1合=150gで塩分量(1g+その他0.5g=)1.5gだから重量比で1%ほどかな。足らなきゃ後で足せる。

まぜまぜ

火を弱火に戻し、水を切った生米をパンに加え、米粒が透き通るまでよく炒める。米が油を吸ったら、米と同容量(3合なら180mlx3)の水と固形スープの素を加え、強火で沸騰させる。沸騰したら弱火に戻し、リー&ペリンズのウスターソース5mlをタラリと回し掛け、蓋をして炊く。米3合でおよそ12分程度。炊き上がりは鍋底から泡状の水分が上がらなくなって、音がしなくなったら30秒我慢して火を止める。蓋をしたまま8分~12分程度硬さの好みに応じて蒸らす。炊く時間や水量を調整すれば米に芯を残したり、リゾット風にもなる。

ピラフ

蓋を開けたらパセリの葉みじん切りを混ぜ合せ、EXVオリーブ油(or バター)15mlを回し掛け香り立てして完成。熱いほうがおいしいが、動物系の油を使わなければ冷めてもそれなりにいける。個々の米粒はパラパラで、粒としての硬さを保持し、油でコーティングされ独立した存在感をきっちり主張する。

深夜徘徊


深夜、ふと一段落したときなど思いがけない空腹に気付き、かといって台所をガチャガチャするのもイヤだなと思うときは、一人ぷらぷらと徘徊に出る。俳諧詩吟ではなく、老人の深夜徘徊である。集落の明りが途絶え、街道を走る車がなくとも、月が出ていればどぶにはまることもない。在とはいえ、以前に比べると社会構造の変化の波は確実に押し寄せ、弱小個人はすっかり駆逐され、街道沿いや停車場付近には煌々と虚飾を散りばめた深夜営業の店舗などが誘蛾灯のように妖しい光を投げかけている。概ねジャンク・チェーン店に限られるが、拙者の如く時勢の後陣にあって日々遠ざかりつつある先達の背を拝する虚け者にとっては、身分違い、場違いといった謗りを受けずに、酒込みで1000円あれば喉の渇きと腹が満たせるという意味で重宝致すで候。昼間のように動物状態や発情期を呈したヒトの幼生が群生跋扈せず、平明な無関心とひっそりと沈殿した空気だけが不躾なほど明るい蛍光灯の下で、まるで別世界のような様相を呈する状況が酷く心地良い。

以下は一応、公平を期すため、約2年に渡って季節を変えて必ず複数回(一部を除く)訪ねて実際に食べた印象と感想を記述している。店によっては時間が限定されるため必ずしも深夜の訪問というわけではない。また、チェーンであっても徒歩圏限定のため、通える店は限られている。得られた印象がチェーン全体に適応できるわけではなく、特異点を突いてしまっている可能性もあるので考慮されたい。店数は訪問店数/徒歩圏店数。徒歩圏は凡そ半径4km、30~40分程度の距離。

T蕎麦(1/1店:非チェーン零細のようだから特に名は伏す)

最大収容10人ほどの立ち食いだが椅子6脚ほどあり。立ち食いの経験はない。禁煙。夜は11時頃までと早仕舞い。向かいの立ち飲みで一杯やった後や鮨屋でホヤを食い忘れたとき(意味不明)にセットで行く。厨房はおばさんと董の立ったお姉さん、計2人。製作時間はメニューを問わず最小3分くらいか。冷たい蕎麦はもう少し時間がかかるが、テキパキとしてたいへん気持ち良い。食券制。箸は塗箸。店内に冷水器あり。水はセルフ。酒なし。

蕎麦は挽きぐるみの生細打ち麺(使用している生麺とつゆのセットが売られている)で粒状感は感じないがエッジが立って腰があり、それなりに香りが残り蕎麦の味がする。エキナカは論外としても、ちょっと立ち食いでは有り得ないレベル。都内のおいしいと言われる著名立ち食いにも引けは取らない。つゆはさっぱりした辛めで甘味を押え、出汁鰹も臭い過ぎず薄過ぎず蕎麦の風味を邪魔しない。キレがあるとまでは言わないが許容範囲。残念ながら冷たいのよりも温かい蕎麦が旨いのは立ち食いの宿命のようなもの。掻揚げは少数揚げ置きだがそれなりに熱が残っている状態でサクサクして器からはみ出るほどの大きさ。大き過ぎてちょっと脂っこい。サイドメニューとしてお稲荷さん、かき揚げ丼などご飯ものも扱うが数は少ない。うどんは置かない。

ゆで太郎 1/2店

蕎麦。徒歩だと30分はかかるのでちょっとくたびれるが、24h、禁煙、瓶ビール400円。本来は立ち食いだが、いく店はすべて椅子あり。食券制。配膳返却は完全セルフ。冷水器セルフ、蕎麦湯はあったりなかったりと時間帯によりけっこういい加減。比較的新しいチェーンで、モリ260円でもけっこう量はある。700gの特モリなんぞもあるが、大モリ(100円増し)で十分。繁盛時間以外は注文を受けてから蕎麦を茹で始めるので、最低でも5分は待たされる。掻揚げ、天麩羅類も注文揚げで揚げ立てが食える。そば粉50%を標榜する白っぽい生麺、自家製麺(店に製麺機がある)で、中細、正方形断面。腰はあるがエッジはそれほど立たずキレは感じない。つゆは凡庸。返しは利いている。出汁は薫らず若干甘めだが、蕎麦とつゆトータルで見れば著しい瑕疵はなく組み合わせとしては悪くない。薬味は練り山葵と葱。メニューは丼類からカレーまでけっこう豊富だが、蕎麦以外はあまり見かけない。天麩羅類は個別注文可能。

マトモな時間帯にいった例がないが、調理はいい歳の親父一人のことが多い。茹で加減や締め加減は上手いが愛想は悪い。昼間は不良中年やクタバリぞこないの爺、夜はお水系やら不定やらで客層はもっと悪い。かめや、小諸、富士、吉といった老舗チェーンの一角に食い込む勢いは確かにあるか。

すき家 4/4店

在ゆえ吉野家は徒歩40分の隣町まで出向かねばならず、そのせいか近在の松屋はいつも混んでいて入る機会がない。その点、微妙に外れた場所に出店するすき家は時間を外せばガラガラ、客はオレだけ貸切状態で重宝する。本来別々にあるべきものをたいした根拠もなく一つの器に盛り付ける調理手法は好まないので、10年ほど前に神戸ランプ亭で牛丼を食べて以来この手の店で食べた経験はなかったが、あまりにもあちこちにあるので怖いもの観たさで最初に食べた豚丼の飯がグズグズに湿っていなかったことが好印象で、それが他のものも食べてみようという動機付けになった。チェーンではあるが、バイト店員の質には差があるため、店舗により(といっても近在4店舗の比較だが)盛付や接遇にかなり差がある。古くからある店の方が味がまともで、客扱いがこなれていて快適。食券ではなく対面注文。24h(一部am2:00まで)+禁煙。瓶ビールはスーパードライ中瓶で400円。

牛丼は店によって、あるいはよそう人によって飯が“つゆ”でグズグズ。底にはつゆが溜まって米粒がばらけている状態になり、極めて食べにくいことがある。本来の味付けは比較的甘味がない薄味と思われるが、これも店によっては煮詰り過ぎたものを提供されることがある。オーストラリア産といわれるバラ薄切り肉の肉質はばらつきが多い。値下げ直後や店舗、時間帯でかなり異なり、臭いや硬さが許容限界を超えていることがあったので、豚丼廃止以前は一度注文した切りで懲りた。主力以外の他メニューやサイドメニュー、トッピング類はレトルト・パウチだろう。割高だし、これも一度で懲りた。季節もので鰻丼? 鰻くらいマトモなところで食おうよ。鰻は材料に金を払うのではなくて、“割きたて焼きたて”という仕事に金を払うものだ。2009年春のメニュー変更は50円程度の値下げになったようだが、豚丼がメニューから消え、カレーもスパイスが香らず胡椒味で塩辛いだけという仕様低下の現状では正直選択肢からは外れがち。

松屋系列かつ業態 1/1店

とんかつ、チキンかつ、かつカレーを主体にした業態の模様。松屋本体は利用したことがないので差異は不明。24h、禁煙、食券制、全席カウンター。実験中なのか主力以外のメニューはしょっちゅう変わる。サイドメニューや季節ものは割高(というか、目先を変えた稼ぎどころか)。客層は昼間は学生、予備校生、サラリーマンで女性もちらほら、違和感はない。夜はタクシー運転手、夜勤のあんちゃん? 等で殺伐にして不定。粗雑極まりない内装とくたびれた中高年店員数名で回す。場末感がありありとして、居心地は良いのか悪いのか、不思議。生ビール400円、中瓶ビールはスーパードライで420円だったかな? お摘みセットらしきものを売り込んでいるようだが、エアコンの効きが悪く、客単価を上げつつも客回転も上げたいという欲張りな思惑が透けるので長居はしない。どっちかにしろよ。

ロースとんかつ定食は490円と格安だが、かつは120gを切る程度の明らかに小振りなもの。厚みは10mm程度とそれほど一般性に欠けるわけではない。注文を受けてから揚げているので、とんかつは最低10分ほど待ち時間がある。揚げは今風に当り触りなく植物油のみだろう。揚げ色は褐色というよりは薄い狐色。衣は脱脂大豆粉や卵黄蛋白で改良されたと思われるミックスで、今風に粗目のパン粉の質感と殊更にサクサク感を強調したもの。粗めにすると厚付けになり油がたっぷり含まれるので、安くて小さい肉でも結果的に満足感が増すという効果も狙っているのだろう。丼飯にキャベツ盛り合わせと味噌汁付。お新香は付かない。何ら臆することなく、できた順に並べられていくので、めしがいちばん右、汁ときて、とんかつがいちばん左という配列の新鮮さに驚く。オレは仏かよ? なるほど。餌と考えろということか。ソースは二種類+ポン酢から選べるが、ケチャップを混ぜたような特製、ポン酢共に砂糖たっぷり甘過ぎで、どれも似たようなもの。選択肢はないも同然。からしは封切りタイプの超ミニ袋入り。4つで一般的な分量だがまったく辛くない。

覆い尽くす

一方、かつ丼(580円味噌汁付)はちょっと面白い。載っているかつは定食と同じもの。具はかつ、玉子、玉葱、刻み海苔のみで緑の彩り一切なし。出汁に関しては期待もしないが、とにかく塩味が突き抜けている。醤油のコクはほとんど感じられず塩味のみが際立つってコストダウンし過ぎだろう? 更に、返しに味醂ないしは酒を使っていないのか、ここまで甘味が感じられないつゆも珍しい。出汁と返しを合わせているのでなく化学合成つゆの一種だろうか? 甘いつゆ全盛の世情にあっては画期的だわ。玉子は近年主流化著しい、綴じ方がゆるくヌルヌルの半生。卵ご飯じゃあるまいし、白身くらい固めろよ。品がなさ過ぎ。器の蓋を取らずにそのまま持って来ればいいのに。つゆは量が多過ぎで飯がべちゃべちゃ。底は液体に飯が浮いている状態でかなり忍耐を要する。もう一つの主力メニューである“かつカレー”類は甘ったるく、スパイスが香らず、味付けに明らかに醤油を使っている典型的和風カレーというべきもの。ちぐはぐな味付けに凹む。

徒歩圏はここ1店のみだが、内容はともかく廉価を売りにするとんかつ業態チェーンは総じて増えているように思う。誰もが知っている“まい泉・和幸・さぼてん”といった大手とんかつチェーンが、バリバリに尖った油が口に残る粗衣と、ハンバーグみたいに肉の繊維をズタズタに機械加工成形した“柔らかい肉”に積層肉(それ、とんかつじゃないだろう?)やらチーズやら梅紫蘇とあらゆる方向に媚を売り、豚に名前くっつけて自画自賛して、もう何でも有りの悪趣味かつ無節操なメニューで本質を忘れた小手先芸に走り、何を気取ってんだか皿の上に金網乗っけてみたところでちっとも味が伴わない迷走状態に陥っているのに対し、安かろう悪かろうとはいえ“普通のとんかつ”が1/3の値段で食えるというのは潔くも好ましい傾向じゃないか。喰われているのだろう。大手勘違いチェーンは盛んにブランド豚をでっち上げてイメージ戦略に走ることで必死に差別化を計っているが、その価格クラスになると上野御三家に代表される低温長時間揚げ白衣系や、奇を衒わずオーソドックスに真っ当なかつの味を追求し続ける職人店、⑤@秋葉原や山1@神田で特ロース定食にビールも付けられてしまうわけで、全然話にならんことよ。

街のとんかつ屋にとっても死活問題だろう。個人営業でそこそこのかつを出す街のとんかつ屋も斜陽業態の一つだろうが、一つ減り、二つ減り、とうとう徒歩圏には1店を残すのみ。およそ商業には適さない集落の奥まった間道の更に奥という立地が幸いし、ひっそりと生き残っている。定食は999円と1500円の2種のみだが、注文を受けると調理人はおもむろに冷蔵庫を開け生肉を取り出して、たっぷりと胡椒を振って下味を付ける。ロース又はヒレかつは150gぐらいか。赤出汁なめこ汁か豚汁を選択可能。ソースはトマトピューレとヴィネガーを加えたような、少し酸味がある赤褐色のもので、軽快な風味が揚げ油に胡麻油とラードを加えていると思われる香ばしい衣と合わさると程よい風味をもたらす。最近、お新香が付かなくなったのが酷く残念であるが、使っている材料に業務用臭い違和感がなく、バリバリの荒衣でない、細やかで肉にさっくり、ひっそりと密着する衣と、程よい脂と肉の旨味が率直に伝わる優しい味わいが気に入っている。しっかりと香ばしく揚がった薄衣で厚肉という和風を装いながらも、繊細なカットレットの面影を偲ばせる。衣が薄いから衣の油に邪魔されずに“普通のロース肉”の脂を堪能できる、という実に当り前の味の組み立てがきちんと守られている。

幸楽苑 (1/2店:年0.5回ペース、通算3回の印象)

どちらかというと郊外型、駐車場付き。福島県郡山(会津?)出自の廉価ラーメン・チェーン。価格は税別表示。ここは24h+禁煙なのでビールを飲むには都合がよいのだが、客筋がファミリー御用達で居心地がよろしくない。生ビール450円(夏は350円?)、瓶はなし。客寄せメニューの“中華蕎麦”は290円で、昭和29年当時の昔ながらのあっさり醤油味を謳うが、鶏がらスープだけでできていた当時の中華蕎麦の面影は皆無で、完全に現代日本の創作中華。当り前だが、そうじゃなきゃ商売になるわけがない。もちろん、昭和29年に都内でこういったラーメンが供されていたという記憶はない。歯も生え揃わない幼少時、荻窪のマーケット入口にあった中華店(今でもある)で、ラーメン一杯を餌に毎日のように(正確には二日に一度:中華>蕎麦(>稀に鮨or洋食)の繰り返し)仮託されていたオレが言うのだから間違いはない。

近在には2店あるが、どちらも通りすがりに眺める分にはそれなりに賑わっているようだ。客層や趣向の区分が計られ、それに対応した受け皿があるという意味において、こういう店が末永く繁盛してくれるのはとても望ましいことだ。

日高屋 1/3店

回高屋とは変わった名前だなというのが第一印象。こちらはどちらかというと駅前型で駐車場なし。埼玉県北の同名市が出自らしい、原価率2割台を誇る超高収益型和風中華店。近在にある唯一の店舗はpm3:00以降、閉店まで全席喫煙可なのでその時間帯に行くことはない。テーブル席中心のレイアウトはファミリー向けというよりは夜の居酒屋スタイルを狙ったもの。特に夕方以降は最底辺の居酒屋状態でモノを食うのは少々辛い。生ビール390円(夏場350円?)、瓶ビール450円。メニューには麺類以外に定食も載るが味は想像できる。以下、中華蕎麦と野菜タンメンのみの感想(他の麺類は写真見ただけで無理)。

中華蕎麦は幸楽苑より100円高いが、麺は細め、半透明でカンスイ多めで硬め。業務スーパーで買っているうちのメイン麺、製造者不詳の38円袋入り中華生麺に近い。スープは鶏がらに豚骨と煮干、魚節(のパウダー・エキス類?)を加えた混合タイプで、漉しが甘いのか低質な魚出汁の粉っぽさが口に残り、蛋白加水分解物が強調するアミノ酸が必要以上にくどいのは不快だが、前述の幸楽苑に比べれば、同じメニューである中華蕎麦は嫌な甘ったるさがなく、麺も粘らず遥かに食えるレベル。いや、食えるモノを出そうとしている意識が窺えるというべきか。価格的にその意識が空回りしている部分も見受けられるが、個人的に、外で食えるラーメンがほぼ壊滅した現在では、数少ない“普通の味”が残存しているチェーンである。ときおり表面に異常にラードが浮いていることがあるのは何とかして欲しいものだ。すくって捨てるけどさ。タンメンのスープは中華蕎麦に比べ醤油が薄いが出汁は同じ。塩で誤魔化して薄味と野菜たっぷりを標榜しているのだろうが、塩分濃度は逆に高そうだ。つゆは塩辛くてとても飲めないのは同じ。海苔、メンマ、チャーシュー、刻み葱の代わりの野菜(キャベツ、人参、もやし、偽木耳?)に100円+の価値があるかどうかは個々人が判断すべきことだろうが、所謂ラーメンに求めるものがない人間としてはどうでもいい話。

炒飯は味を付けて炊いた飯に冷凍の具を混ぜて炒めているように思う。炒める音が聞こえるから実際に炒めているのだろうが、結果的に鍋を振る人間によって味が大きくばらつく。店長ッぽい初老の親父、ないしはバイトあんちゃんのときはまぁ、OK。餃子は冷凍焼餃子一種類のみで、薄味で大蒜を入れないところは評価できるが、割高だし極めて平凡。生ビールは“一番搾り”らしいが、タイミングによりかなり味が異なる。チュウハイ類は薄くてジュース・レベル。再顧に値しない。

海鞘(ほや)

調理時間:10分

まぁまぁの大きさの青森産のホヤが安い(100円)ので2個。殻の色から天然モノと思われる。盆前くらいまでが旬で、身も大きく価格もこなれる。調理が簡単で後片付けが楽なので夏場はホント重宝する。好き嫌いが際立つ食材のせいか、消費拡大を計るためいろいろなレシピが考案されているようだが、どれも笑っちゃうほどおいしそうには思えない。ダメダメ。ホヤは所詮ホヤ。どう弄くったところで料理にはならんよ。普通に生で食べるのがいちばん。というかそれ以外にないだろう? 韓国にボッタクリ価格で売りつけた残りを、ごく一部の人間が100円で食えることにこそ意義がある食い物である。

青森海鞘

+の水管を包丁で落とし、そこから鋏を突っ込んで殻をジョキジョキ縦に裂き、根元に指を突っ込むと、身がポコリと殻から外れる。-の水管部を鋏でちょん切って、指で裂いた身を裏返して黒い腸と汚物を毟り取り、真水で軽く水洗。包丁で適宜切り分けて、ホヤ水(+水管を落とすと殻から吹き出る海水)に漬けて食うもよし、ポン酢で食うもよし。酒は辛い冷酒。選択の余地はない。飯のおかずにはまったくならんよ。

ホヤ水漬け

剥いた中身も養殖ものより若干色が浅い。身肉は厚く、張りがある。特有の香りもさっぱりとした印象で、ふむふむとゆっくり味わってもあっという間に食べ尽くす。ホヤ水漬けをそのまま食うのが絶品。ホヤ酢にするよりも山葵醤油で食べても良いな。

海鞘酢

冷やし麺

調理時間:下拵え15分+本体調理15分

いつ買ったのか記憶にすらない名もないメーカーの細麺(デュラム・セモリナ100% 乾麺 通称:カペッリーニ)が邪魔臭いので処理。カペまで細いと意外に使い道がなくて持て余す。

手鍋にオリーブ油30mlくらいと大蒜みじん切り、肉桂とクローブ各3欠片を入れ、月桂樹の乾燥葉を握り潰し、パセリ茎のみじん切りも加える。弱火でじっくりと加熱しながら香りを移し、大蒜が焦げないうちに火を止め冷ます。冷めたらボールに移し替え、青唐辛子4本みじん切り、種抜き完熟オリーブ10個を輪切りの薄切り、国産レモンの残り皮半個分をみじん切りにして加え、更に白葡萄酒酢50ml、塩4g、黒胡椒たっぷりを加えてよく混ぜる。トマト中2個を適宜切り分け、パセリの葉、偽バルサミコ酢15ml、米酢15ml、EXVオリーブ油15mlを加え軽く和える。冷やすので味付けは若干強め。味見をしてOKならばチルド室か冷凍庫で最低1時間ほど、きんきんに冷やしておく。盛りつける器も冷やしておくと尚よい。

塩きつめで茹で湯を用意し、沸騰したら麺250g(二人前)を芯がなくなるまで茹でる。茹で上がりは直ちに笊に受け、水洗して粗熱を取り、氷を張ったボールで締め上げて笊に押し当て水をよく切る。冷やした皿に麺を高く盛りつけ、冷やしたソースをたっぷりと回し掛ける。

冷やし麺

刻んだアンチョビ、下ろしたチーズなんぞを加えるのもよいが、網焼き茄子にアンチョビ載せマスタード添えを副菜にしたので、純ヴェジタブルになった。ああ、辛酸っぱくて冷やっこい。月桂樹の葉や肉桂は予めちまちま取り除いてもよいが、まぁ、オレが食うんだもの、気にしないさ。


2009/08/02 作成__2009/08/05 最終更新