月遅れネタ

カルピスの業務用無塩バターを半年ぶりくらいに入手。冷蔵ケースで銀紙が輝いていたぞ。他の乳業メーカーのバター製品が概ね黄色がかったクリーム色を呈しているのに対し、カルピス社のものは白色で、乳臭くなく、味もさっぱりと上品な透明感がある。国内産業の保護というよりは、本省及び傘下の特殊法人の特別会計のフリーハンド原資としての輸入障壁のせいで(高くて)滅多に買うことができないEU産のバターに近い味わいがあるように思う。

新サーバになって最後の再起動から
13:55:14 up 36 days, 17:02, 1 user, load average: 0.14, 0.04, 0.01
というところ。デイスク・アクセスが速いせいかすこぶる快適です。dns問い合わせやimapメール環境も引っ掛かるようなモタツキ感が皆無になった。サーバ機のわりには変な癖もなく素人でも何とかなるあたりも汎用性が高くて優れもの。PS2キーボードやPS2マウスも内部でUSB変換されているので、用がないときは外しておける(外してもエラーが出ない)というあたりも使い勝手がよい。どうでもいいような機能を売りにしなけりゃ食えない国内メーカーと、余計なものは片っ端から切り捨てて合目的だけで走れる海外メーカーの差が如実に現れてしまう。

時鮭

カムチャッカに返る白鮭を北海道東方沖でピックアップしたもの。鮭の旬が秋なのに対し、初夏から夏に獲れるのでかつては“時知らず”と呼ばれていた。本来そんなに獲れるものではないらしいが、今年は(6月~7月の話)スーパーに出回るほど揚がっているらしい。産卵で川を登る秋鮭が4、5歳であるのに対し、2、3歳と若く生殖機能が発達していない故に身肉が美味であるのが売り。半分を二日冷凍後刺身に、残りは塩焼き。アイヌじゃないので刺身は完全に溶かしたものを薄切り。山葵醤油で食う。鮭特有の臭みがまったくない身肉はしっとりとした脂乗り。乗り過ぎもせず、薄過ぎもせずというあくまでも自然のバランスの絶妙さに改めて唸る。養殖鮭鱒類が歴史参照上の“鮭”でも“鱒”でもないことが今更ながらはっきりとわかる深みのある味わいを堪能できるだろう。

花咲蟹

同じく初夏(漁期は7月11日から二ヶ月間)にオホーツク海で獲れるタラバの矮小種。足の本数が足りないので厳密には蟹ではなくヤドカリの一種である。タラバより浅海に棲むため、北海道沿岸のものはほぼ獲り尽くしたらしく、昨今ではロシア領内が主要漁場になっているらしい。活きは紫褐色から灰褐色、茹でると真っ赤に染まる。棘は鋭いが適当にもいで鋏でバキバキカットすれば身離れは良いので食べるのは楽。北海道や都会では盛んにラベリングしてブランド化されているようだが、近在では雄で400g~600gほどの端物?(偽物か?笑) が活きで350円、茹でてあるもので500円程度で売られていることが多い。雌は概ね1.5倍~2倍になるようだ。

花咲蟹

こちらも今年は豊漁だったらしく場末のスーパーにすら山積みで並んでいた。田舎故ありがたがって買う人もいないせいか、オバちゃんが群れていたりするとあっさり買い物を放棄してしまうほど物欲に欠ける私でも余裕で買えるというなかなかスグレモノである。日にちを置いて3回ほど購入したが活きを自分で茹でたほうが茹で加減や塩加減が調整できて良いし、なによりも茹で立てがおいしい。一匹を一人で食べるには丁度よい量で、コスト的には蟹の中でも最も安い蟹(2008年7月解禁現地市場最高値で雌1600円/kg、雄1000円/kg)である。まぁ、お味のほうは、いろいろな評価があるようだが、ちっこいタラバ蟹の味(蟹じゃなくてヤドカリの味)がするね、としか言いようがない。身肉は締まって風味は濃厚だが、殻に接する身肉の赤い部分には若干癖がある。味噌の甲羅焼きは良かったかなぁ。産地と旬、調理法を比較検証しながらおいしい各種蟹(蟹料理を含めて)を味わったことがないので、蟹に関しては語る言葉を持たない。

メジ皮つき

珍しく皮つきが並んでいたので高いなと思いつつも即決。今年は日本海でも本鮪がかなり揚がっているようで、境港あたりも活況を呈しているらしい。まともな近海生本鮪は年に数えるほどしか食べれないので、いきおいメジには目がない。初夏~夏のメジ、秋冬のメバチあたりが個人的に似合っている。腹身だし熟成はしないので皮ごと引いて山葵を下ろし早速食う。皮と身の間のあっさりした脂と鮪本来の身肉の味のバランスが清々しくまとまっていた。水っぽさもなく、これは値段以上の価値があったかな。

めじ

中華ソバ

エアコンの効いた部屋で中華ソバを食べるのは嫌いではない。外では滅多に食べることができない過去の遺物だから、60円ほどの生麺の玉を買ってきて作る。ストレート太麺、ストレート細麺に縮れ麺あたりを常備しておけば、けっこうヴァリエーション豊かに工夫できる。いずれも水分過多(でんぷん混ぜてんの?)の歯にくっつく“ぬちゃぬちゃ麺”ではないことが最低条件である。
出汁は鶏がら。鶏がらを買ってきて出汁から作ってもよいが、できる量が多過ぎる上、長持ちしないから考えものだ。冷凍すると風味が落ちるので好まない。更に、火に掛けっ放しで夏場は暑苦しくてたまらん(コンロ入れ替えにより火力は3倍になったが、首にタオル巻いてる中華屋の親父の気持ちがよくわかる)のでたいてい顆粒に逃げる。貝柱があればかなり品よく決まるがコストが掛かる。合わせる脂分は鶏肉がなかったので豚バラから出たラード。鶏-鶏よりも豚か牛を合わせたほうが面白みは増すがしつこく、臭みが出る場合がある。

中華ソバ

叉焼(≠煮豚)が切れているのでバラ肉を炒めた脂からスープを仕立てる。味付けは濃口醤油、老酒、五香粉。スープはあくまで透明に。純粋においしく飲める濃さがよい。脂は丸く玉になって浮く程度。多過ぎれば捨てる。具は筍(塩蔵支那竹を塩抜きし胡麻油で炒めたものでも可)、搾菜、セロリ。刻み葱は必須。大正海老とか木耳があれば尚良い。茹った太麺に具を載せてスープを廻しかけるだけ。黒胡椒を適宜振る。
アミノ酸を一切増量しないので最初はコクが薄く感じるが、そのぶん筍やセロリの味、香りが引立つ。昭和の中頃、南京町の中国人の店や、真っ白なテーブルクロスが掛っているような、ちょっと小奇麗な中華料理店で食べた中華ソバや広東麺、あんかけ麺や五目ソバといった趣が今でも好きだ。


2008/08/28 作成__2008/08/28 最終更新