弥生記 -(2007/04/17-2007/05/16)

1;諸々

好天が数日続くことを見計らってスミチオン系の農薬を椿、山茶花、および果樹、梅に散布。思いっきり浴びたから自らに付着していたダニ類もたくさん死んだことであろうよ。あひゃひゃ。苦労の甲斐があって昨日(5/17)確認したところ今のところ効果は十分に出ている模様。一方、下草はぼうぼうで既にジャングル状態。ハーブを適宜摘み取って、しつこく居残っている蛙になりかけたおたまじゃくしを眺め、駄猫と遊んで退散。もう二週間ほどで蚊に食われそうだな。

雨あがり

“ググる”などと動詞化されるほど一世を風靡したNo.1検索エンジンもこのところおかしな挙動を示すことが多い。よくあるパターンが特定の語句の組合せに反応しないこと。あるいは商売っ気のあるwebばかりが上位を占めてしまうこと。現象から推察するに、要は情報の取捨選択に資本のバイアスがかかり始めたということなのだろう。デファクト・スタンダードの地位を手に入れた途端、恣意的なフィルターとして機能し始めるのは世の倣いなのだろうが、驕れるものは久しからずもこの世の理だろう。

そこで“百度(http://www.baidu.jp/)”である。日本語版はWebと画像検索しかなく、まだまだ発展途上であるが、今のところ軽くて妙なフィルタリングがなされていないところに利用価値がある。“中国産毒野菜”とかでもヒットするぞ(笑)。

デジカメが不調。ときどきCCDが無情にも沈黙する。撮影スタンバイ状態になってもCCDが真っ暗。背面液晶のアイコンは表示されるが画面は真っ暗、手動でシャッターは下りるがデータは真っ暗と、あちゃちゃ、こりゃ、CCD死んでるか、電源いってないなと心が真っ暗。もっとも、暫く放っておくと復活しているという性質の悪さで益々真っ暗。CCDが瀕死だったら買ったほうが安いだろうなぁ~、まだ4年くらいしか経ってないのに早過ぎないかぁ~と機種名で検索するとメーカーのWebがヒットした。およよ。高温多湿下で似たような現象が多発したらしく無償修理対象になっていたらしい。おお。さうさう。食い物の写真を撮ると不調なんだよなぁと、さっそく0120すると宅急便が取りに来て工場行き。不具合が継続的に現れるわけではなかったが、10日ほどでCCD交換と相成って戻ってきた。対応もとっても懇切丁寧で見直したぞ、日本メーカー(一応Canon)。

ということで快調です。ファームウェアや制御ソフトも明らかにアップデイトされているようで、動作がきびきび。合焦スピードや測光評価アルゴリズムにも改善が見られるじゃないか。しかしまぁ、せっかく手段が快適になったのに、撮るものがないのは虚しいものだ。

雨あがり2

元々は一眼レフが重くてかさばるから、お手軽に現場調査に持って行けるカメラとして購入した。
必須事項は、
1:単三乾電池で駆動すること
2:ポケットに入る大きさで、かつ操作性が犠牲にならない(軍手で操作可)
3:1600x1200ピクセル以上の画像
4:10cm程度のマクロ撮影が可能なこと
5:光学カメラメーカーの製品
6:もちろん安いこと
というあたりだった。

実機は3,4はオーヴァー・スペック(2048x1536、5cmマクロ)、5は製品の成熟度が飽和した現在はあまり関係ないが、当時のエントリークラスが今でも十分使えるあたりは嬉しい。

■ここに至って心を去来する由無しごと

積んでおいた若竹七海「古書店アゼリアの死体」は取っ掛かりが若干タルイが、中間部では三回くらい爆笑したぞ。

雨あがり3

バッテリーには優しい季節だが充電を兼ねて買い物。酒屋で葡萄酒と麦酒、純米吟醸一升瓶他、中規模食品小売店でこのところそれなりの努力の痕が見られる鮮魚売り場を物色。今風の香水プンプン主婦の方たちが絶対に手を出さない真カレイ三尾、30cm越えの重量級殻付タイラギを購入。おまけに生鰹がやっと400円割れしたので背身半身。銚子、勝浦での小売価格が一匹1000円くらいのものだろう。

真カレイはすべて雌、30cmほどで150円x3匹。あまり鮮度はよくないが、身が膨らんで、卵が透けて見えたので煮付用に。ぬめりを落とさず軽く洗って腸のみ抜いてキッチンペーパーで水分をよく拭き取り、ペーパーに包んでチルド。明日の晩飯に。鰹は厚めの削ぎ切りで生姜と煮切り醤油で。巨大だけどあまり食うところがないタイラギは柱は刺身、紐は酢の物かな……と夜の献立を考える。

■走りの雨

◇メバル刺し、煮付
小さな(12~15cmほどか)メバルが安かったので7匹パックを購入。メバルはメバルでも青森のウスメバルという薄赤に褐色の斑点がついたほう。目春と書く春の魚で刺身でも煮付でもうまい。大きめの5匹は三枚に下ろして皮を引き刺身、小さい二匹は煮付にした。酒八方はみりんをちょい多めで若干甘めの味付けで。小さいながらも端正な脂が際立って、香りとともに上品な白身の味わい。液面反射は皮岸の脂。フラッシュをデフューズするの忘れてた。

目春煮付

◇筍
今年は不作だったせいで異常に高かった。やっとのことで今年最後の孟宗竹の芽を入手して糠で水煮。一晩置いて冷やしたものを早速白味噌の酢味噌和えで。ちょいとアクが抜け過ぎて平凡な味になってしもうた。山椒の芽と合わせて今年も初夏の始まり。

◇乳製品
牛乳が余っているそうだが、なにも積極的に異種動物の異種蛋白でできている、子供を育てるための一時食である乳をそのまま飲みたいとは思わないのが普通だろう。人間だって子供のうちは母親の乳を飲むが大人になったら飲まないだろう? ある時点で乳が欲しくなくなる遺伝子が組み込まれているわけで、成体が乳を飲むというのは哺乳動物としても極めて不自然な行為だと思うのだが、そうではないの? かな。

ということで残念ながら国産の乳製品で食えるものは極めて限られている。カルピスとトラピストの発酵バターくらいか。戦時携帯食じゃあるまいし未だにプロセスチーズなんて作っているし、出来損ないのナチュラル・チーズに加え、バターも偽物ばかり。四角のぺらぺらの溶けるチーズなんか恐いもの見たさに買ってみたがあまりの不味さにさすがに捨てた。これなんだよ? 牛乳と乳酸菌とレンネット、塩以外に何かいれてんだろ? つなぎのプラスチックと原料のコクの薄さを誤魔化す増粘剤にはほとほと呆れかえる。

おかげで国内産業保護のためにクソ馬鹿高い関税のかかった輸入チーズを買わざるを得なくなる。ということで大規模小売店舗の中小支店で賞味期限切れを一ヵ月後に控えやっと三割引きになったチーズを大量に購入。ゴーダ(オランダ)、レッド・チェダー(イングランド)、サムソー(デンマーク)、マリボー(デンマーク)。モツァレラやパルミジャーノ・レッジャーノはkg買いしないと高くついてかなわないのでスーパーでは買わん。どれも葡萄酒の摘み、ピッツァ、パスタと使い勝手も多岐にわたりかつおいしい。ナチュラル・チーズはどうやら一般的な感覚では臭くて食えないらしいので、三割引きになってもちっとも売れなくてとてもありがたいことだ。

ガーベラ

◇シンプルなサンドウィッチ
個人的に好きな食べ物だが、自分で作るのは嫌な食い物の代表でもある。
まずは準備:サワークリームの製作。牛乳は飲まないが生クリームは食う変節漢である。一方で、もちろんパスタのカルボナーラに生クリームは入れないが、あれは意味合いが大きく違う。

2日前:手で持って人肌程度に温めた生クリーム1パックにヨーグルト大匙4を投入しさらっと攪拌して常温~40℃弱で半日放置。乳酸発酵で固まったら冷蔵庫へ。
1日前:冷蔵庫でオヤスミ中。トラピスト、カルピス等の発酵バター、ワインビネガーで伸ばされたマスタード・スプレッドの在庫を確認。ちなみにスプレッド類は石油化学工業の賜物であるプラスチック転換人造油脂類やトランス型植物油脂を用いずに、植物の実や塩、酢、せいぜい酸化防止剤のみからできているEU製品が経験的においしいと感じています。

当日:パンを作る場合は自分で作る。面倒な場合はパン屋でシンプルなイギリスパン(大麦、ライ麦パンでも可)を薄切りにしてもらう。パン生地がある程度乾燥してしっかりとした強度があることが必須。フニャパンを使うと溶けてしまう。
本当は定番のローストビーフ・サンドに拘りたかったが肉がないよ。焼き上がりの熱い肉を薄く削ぎ切りしてラディッシュと発酵バターで挟むのが肝だから、今回はさっぱりと諦める。

準備2:最終イメージの決定と具材調理
1:胡瓜とチェダー・チーズのサンドウィッチ
胡瓜はパンの大きさに3mm厚くらいに切って、軽く塩、黒胡椒を振り、キッチンペーパーで水抜きする。レッド・チェダーも3mm厚に薄切り。バター、マスタード、サワークリームのどの組み合わせにも合うだろう。緑と浅いオレンジのバランスに期待は高まるというもの。

2:卵とモツァレラ、マッシュルーム
溶いた全卵に細かくカットしたモツァレラを合わせ混ぜる。マッシュルームを薄く切りたっぷりの有塩バターで炒め、脇に寄せて卵をスクランブルする。固まらないうちにマッシュルームを卵に載せて生焼けのオムレツ風にまとめ蓋をする。後は火を止めて余熱で。ふわふわの半熟チーズオムレツにマッシュルームの苦味、風味を利かせた中だけ温かい妙味を愉しむ。マスタードの辛味がポイント。

3:バナナ、カシューナッツ、サワークリーム
バナナは5mm厚くらいに削ぎ切り、ブロークン・カシューナッツは袋に入れて適当に叩いて細かくする。バナナの淡い甘みはサワークリームの濃厚な酸味でいっそう引立つ(はず)。

本番:耳を落としたパンに、発酵バター、マスタード、サワークリームを適当に割り振りながらたっぷりと塗る。具材を適宜載せて、組み合わせの妙を愉しみながら、湿らせたキッチンペーパーをかけて崩れたりしないよう落ち着かせる。葡萄酒かジンを用意し、パンをナイフで一刀両断、適正な大きさおよび形状にカットして食う。どれもけっこう濃厚なのでお腹いっぱいになりまっせ。デジカメが修理中だったので写真はない(笑)。

蝦蛄

◇蝦蛄(シャコ)
おや、珍しい。誰一人手に取らない、きれいで体長18cmほどとかなりでかい蝦蛄を発見。直ちに持ち帰り早速処理をする。さっと水洗いし濃い目の塩茹で5分ほど。きれいにピンク色になったら笊に上げて冷ます。鋏で頭、尻尾の左右を落とし、両体側に鋏を入れ背側と腹側の殻を分離、腹は頭から、背は尻尾から殻を剥く。小振りの二匹が雌で卵を抱いていました。うーむ、湯がいてもあまり小さくならなかった。この大きさだとかなりの高級鮨でないと出てこないグレードじゃないか! と若干興奮気味。

茹で蝦蛄

舟虫の巨大版のような外観と悪食を嫌う人が多いようですが、海老と蟹を足して1.5で割ったような香味とあっさりした身肉の旨味、今の時期なら雌の卵のカツブシといわれる弾ける食感が最高。ツメを塗っても塩でも山葵醤油でもいけるけど、食べる人が少なくて本当にありがたい。

龍

身は水気を切りつつ冷やして、苦闘30分、爪肉をこそいで刻みレタス、三倍酢と合わせて蝦蛄爪の酢の物。初夏の幸せ。

蝦蛄爪

◇ヒレグロ
同時にヒレグロを購入。“なめた”と書かれているが、時期や大きさ、魚体およびヒレの色、流線型の魚体、ついでに値段の安さからして、いわゆる“ナメタガレイ(ババガレイ)”ではないだろう。ヌルヌルの粘液に包まれているあたりから、南東北太平洋岸で“黒ガレイ”や“ナメタ”と称するのであながち詐称ではないのだろうが、紛らわしい。ヒレグロは干物や煮付用としては安価で流通量が多い。5枚入りに目が眩み、3尾を煮付、2尾を丸ごと唐揚げにて食う。煮付の身は繊細。独特の匂いが特徴だがしっとりとしておいしい。唐揚げは塩胡椒を振って低温でじっくり、ラストは高温でパリッと揚げる。頭から尻尾まで香ばしい。

鰭黒

◇変格インド風カレー(カリーか?)
殊更エスニックな料理を食べたいとも思わなくなってきたし、面倒だからあまり関わりたくないが、たまにはカレーでも作ろうか。インドのカレーは食べた経験がないので、正直リファレンスがない。味わったことがない料理を作ることは不可能である。ココナツ・ミルクは常備しているので東南アジア・カレーなら可能であるが、タマリンドを買った覚えがない。

食品庫

まずは食品庫の点検。MTRのカッテージチーズホウレン草カレーを発見。思わず安直に(いや、実際MTRのレトルト・パウチはおいしい)流れそうになるが気を取り直してスパイスの在庫を確認。南インドカレーはバナナの葉っぱに乗せて食いたいので却下。イメージ上でのイスラム風北インドカレーなら何とかなりそうなので、日本人がインドカレーをイメージした“インド風日本のカレー”を作ってみることにした。

取敢えず主目標をシンプルなエセ北インド風ヨーグルトベース{炒め玉葱+手羽先鶏}な日本風カレーに置いた。決まれば早い。手羽先を250gほどのヨーグルトに漬け込み。放置時間を利用してナン(Tandoori Naan)生地の準備。
タンドゥーリ・ナンといわれるように、本来は全粒粉とベーキングパウダーを練ってタンドゥールと呼ばれる石釜で蒸し焼きしたもの。北インド、パンジャブ地方特有の食べ物らしい。もちろんタンドゥールなんぞあるわけないので以下は真似事。

発酵中

小さな器に40℃のお湯、砂糖、ドライイースト小匙1.5を投入、軽く掻き混ぜて元気付けておく。ボールにヨーグルト大匙1.5、強力粉150g、アハール・アッタ(インド産全粒粉:さぁすがインド製激安)150g、卵1個、塩ちょっとを放り込み、水と上記イースト溶液を混合しながら練る。ちょいと疲れるくらい固めがよいが、柔らかすぎたら粉を足せばよい。手にくっつかない程度の粘度でコネコネ練り上げて、表面が滑らかになったら丸くまとめ、ボールにラップを張って一次発酵にはいる。気温による(寒けりゃ湯煎)が1時間程度で2倍くらいに膨らむ。

スパイス

その間を利用してカレーに取り掛かる。肉厚の寸胴鍋に植物油(ギーがあればギーでも良いがかなりしつこい)をたっぷり、嘘だろ? というくらい注いで、クミン2掴み、ブラック・カルダモン4個、クローブ5,6個、シナモン2,3本、フェネグリーク一摘み、黒胡椒10~15個を放り込んで中火点火。焦がさないように火を弱めつつ油にスパイスの風味を移す。もの凄い匂いが立ち上るので、匂いだけならここでできた気になる。続いて中強火で5mm厚程度にザク切りした玉葱1個を入れ徹底的に炒める。みじん切りにした大蒜3,4粒と同量の生姜を加え、しんなりしたら中火で焦げ付かないように玉葱が透き通るまでよく攪拌しながら炒め続ける。

玉葱炒め

玉葱を茶色に、原型を留めなくなるまで炒めるのは面倒でやっちょれんので、適当に切り上げる。トマト缶のトマト100g程度、コリアンダー一掴み、ターメリック一掴み、レッド・チリ・パウダーちょいちょい(辛さはここで決まる)、アジョワン・シード一摘み、月桂樹の葉数枚、塩一摘みを入れ、水分を飛ばしながら煮詰める。煮詰まったらヨーグルト漬けの手羽先をどばどばと投入、手羽先を鍋に押し付けて表面を焼く。ちょうど油炒めのごった煮のような情況を呈しているはず。手羽先に火が通ったところで具材が埋もれる程度に水を注ぎ適度に掻き混ぜながら沸騰させる。赤く浮いてきたスパイス油混合体がマサラと呼ばれるカレーの主成分です。これを固めて乾燥させて粉にしたものがカレー粉、カレー粉を小麦と油と添加物で練ったものがカレールーというのはよく知られた話。

マサラ

放置時間にトッピング用ガラム・マサラの作製。コリアンダーを主体にアジョワン・シード、グリーン・カルダモン、基本は芳香さっぱり系で、その他気分で適当にすり鉢でゴリゴリ、粉末にしておく。

ナン焼き

続いてナン。膨らんだら軽くガスを抜いて6等分にして丸める。この状態のアイドルタイムを取れば取るほど膨れた焼き上がりになる。必要なら打ち粉を引いたステンレス台などで麺棒で5~8mm厚に伸ばす。カシューナッツを加える場合は伸ばす前に、大蒜やドライフルーツを載せる場合は伸ばした後に。適当に成型したらさっさと焼く。熱したフライパンに油を敷かず、中火で。膨らんだらひっくり返す。タンドゥールで焼く原理を考えれば蓋をして弱火で蒸し焼きにすべきかもしれないがやったことはない。焦げ目が着いたら出来上がり。ほんの数分。熱々にバターを塗ってもよいし、カレーに突っ込むなり、そのまま齧っても十分おいしい。

ナン

国産全粒粉(鹿の餌だな)と強力粉でイースト少な目、発酵手抜きで作ったナンはこんな感じ。全粒粉の食感で固めの香ばしさが味わえる。イーストを入れず丸く伸ばしてフライパンで焼き、最後にガスレンジ直焼で膨らませると国民食チャパティになります。

全粒粉ナン

で、カレー。ナン焼きの合間にガラム・マサラで調香。味がパッとしないのは塩が足りないから。引き締まるまで少しずつ塩を加えるか、有塩バターなどで補う。以上で北インド風チキン・カレーの完成。ナンを作らなければ掛ける時間はせいぜい30分といったところ。カレーは煮込みではないので肉が柔らかく、スパイスの薫りが際立っているうちに熱々のナンをちぎってフホフホ。写真のものには残り物の人参とナス2本、砕いたカシューナッツが入っています。色は鮮やかだが辛くはないというのが最近の嗜好。ヨーグルトベースのさっぱりした酸味とスパイスの香味、野菜と鶏の旨味のコンプレクス。スパイスはほとんどホール品を使い、いちいち取り出したりはしないので、お、シナモン固ぇとか、あ、葉っぱ食ったとか、うぉ、カルダモン噛んじゃったとか除けながら食うものです。

チキン・カレー

赤く見えるのはマサラが上に浮いているから。かなり油が多いイメージがありますが、油が少ないとスパイスや玉葱が焦げます。また、油がスパイスの香りや味の媒体として機能するので欠かすことはできません。今回はたまたま手羽先があったので使いましたが、普段は豆だけ、あるいは野菜カレーにすることが多く、単純に高価な割りにおいしくない四足肉は滅多に使いません。鶏肉は予め(一週間くらい)ヨーグルトやトマトに漬け込んでおくと更に柔らかく美味になります。ターメリックなどを混入しておけば(エスニックにしか使えないが)長持ちするようです。グリルでそのまま焼けばタンドゥーリ(風)・チキンだし。

スパイス類はそこらで売っているGABANやS&Bの高級品を使っていると埒があかないので、メーカー品に拘らなければ安価なインド直輸入品を使ったほうが良いでしょう。馬鹿みたいに安いので量をケチる必要はないはず。ホールとパウダーは良く考えて買ったほうがよいでっせ(笑)。

◇ピッツァ
いわゆるリストランテ(行ったことないけど:笑)にはピッツァやスパゲティはないのが普通だが、考えてみると(みなくても)どっちも“粉もの”だし、西洋お好み焼きと汁なし味付け饂飩だといわれりゃ確かにママンが作る家庭料理。外で食うものではないな。

残念なことにうちには400℃の高温で蒸し焼きできる石釜がない。ガスオーブンはもちろんオーブン機能付電子レンジもない。加工食品を買ってきて、裏を見てチンする以外の作り方が載っていないと一瞬途方に暮れるぞ(笑)。優れてコンビニエントな道具類にはいろいろ憧れる面もあるが、素人だから拘っても仕方がないし、どうせ使いこなせないから概ね無駄な設備投資になってしまう。もちろん、フライパンでも焼けなくはないだろうが火の方向のイメージが違う。一度、20年以上前に買った電気オーブントースターで焼いたが予熱しても焼きあがりに10分以上かかるというテイタラク。やっちゃおれんよ。そこで焚火じゃなくて直火。グリルがあるじゃないか!

おもむろにグリルを開ける。うっ。臭い。臭いものには蓋をし続けてきた歴史が垣間見える。ちゃんと洗えよ。ちなみにグリル付二口ガスレンジはこれまた20年くらい前に買った化石なので、グリルはバーナーが上面のみ、落ちた油で食材が黒焦げにならないように水を入れるタイプです。網はあるが皿がない。オーブントースターの金属皿を転用するが、大きさは大体合う。ちょっと小さいし角型になるが何とかなるだろう。

好みは薄い生地でサクサク、カリカリなので粉は薄力粉300g強に強力粉200g弱。計500gで一回あたり25cmx15cmを4枚として三回分12枚くらい焼けます。ドライイースト小匙1.5(あまり膨らまさない)と砂糖小匙1を湯で溶いておくのは同じ。合わせた粉にオリーブオイル大匙1、塩ちょいと、溶いたイースト、水適宜で手にくっつかなくなるまで10分ほど練る。表面がしっとりしたら丸めて回数分に分ける。ピッツァ生地だから膨らまなくてもよいので今回分は更に4分割して丸めてちょいと休ませる。残りは8分割して一方向だけ膨らめるようラップに余地を残し空気が入らないように包み冷蔵庫に放り込む。翌日1.5倍くらいに伸びているが、そのあたりがいちばん良い生地になるようだ。一週間は持つ。ちなみに水の量はあくまでも粉の量に合わせた“適当”。練れればよい。ナンもそうだがイタリア人やインド人が作る料理だぞ? 小匙や大匙だって彼らは絶対に使っていない(はず)。

具材はごてごて盛るのは嫌い。水っぽいものは予め水分を飛ばしておくと生地がフニャらなくて良いだろう。チーズ(モツァレラ、ゴーダ等)、煮詰めたトマトソース(手っ取り早くトマト缶の実だけ手でぐちゃっと潰せばOK)、EXVオリーブ油ぐらいは必須か。後は好みで。
生地を麺棒で中央2~3mm、周囲5~7mmくらいに伸ばし、薄くオリーブオイルを塗った金属皿に置く。四周をちょっと盛り上げ気味にすると具材がこぼれない。最初はシンプルにローズマリーとチェダー+モツァレラチーズ、アンチョビをへろっと半身4枚。5分ほど予熱したグリルに投入する。強火で2分、チーズが溶けたらハーブの葉っぱ類(平たくいえば庭の草)を散らす。中火で2分。生地の四周に焼き色が着いたら完成。

pizza2

皿にとってすぐ食う。カリカリ、サクサク、厚めの部分の生地の中はちょっとむっちりした感触。火はつけっぱなしでガンガン連続焼きできるし、焼き時間がとにかく短い(その代わり下手すると焦げる)ので形にさえ目をつぶればとても便利。思い立って30分もあればできてしまう典型的なファストフード。

pizza

第二段は潰した缶詰トマトにエシャロットの葉、モツァレラチーズ、三色胡椒を振って、EXVオリーブ油を垂らして焼いたもの。味付け面はチーズの善し悪しで決まってしまうので、安いときに、あるいは安いところでおいしいもの(普通のブロックを薄く切って載せる)を大人買いしておくとお気楽。

◇今月の鮨ネタ
晩春から初夏の定番といえばまず鰹。分厚い身肉ながらも生鰹のあっさりした香味を生姜、青葱、煮切りで。青柳も旬。身、小柱ともに微かに苦味ばしった江戸前の地場産が味わえる。大振りの蛍烏賊の沖漬け、今年は早い海鞘酢締め、濃緑の法悦、鮑の肝、もちろん貝の王者、本ミルも初夏の味。生桜海老、生鳥貝も継続中。とかいっているうちに三河のタイラギ上物が出回り始めた。終わりのヤリイカのまったりとした甘みを貪りながら、ハタやコチを食らう。季節の変わり目は至福の季節でもある。

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

埃を吹き飛ばしただけ。

3;スキャナ機 NT5.1 sp2 Home セレロン2.2GHz新まんせえ!号

スキャンしただけ。

4;Win機 NT5.0 sp4⇒NT5.1 sp2 早くも1.8GHzに降格?

スキャナ機で試験運用していたフリー・アンチウイルスAVG-7.5が快調なので導入。ほぼ毎日アップデートされているのに加え、特にストレスを感じない軽さは以前から気に入っていたまま。

Doom

もう2007年のはずだが以前取り掛かって全然先に進めない「Doom2k」に再挑戦。うぬぬ。グラフィックが緻密、ガラスを割れるなどの新機軸に加え、閉塞感が強くて眩暈が……おえ、気持ちワルー。面クリアというシステムも変わっているようで、行き来ができるようになっている。未だ全貌が把握できていないのでなんともいえないが、現段階ではかなり手強い。

行き詰り中

ということで三つ目くらいのフィールドで行き詰り中。/(^o^)\ナンテコッタイ。


2007/05/19 作成__2007/06/04 最終更新