如月記 -(2007/03/19-2007/04/16)

1;諸々

春雷でずぶ濡れ。優柔不断が不運に輪をかけて、行くことも戻ることもできない。夜のように暗く街灯が点いた道に雨脚が垂直に白い糸を引いた。待っていたところで止む気配はない。携帯GPSで当地のお天気なんぞをチェックするも無情に雨。ずっと雨。激しく降るとかぬかしやがる。哀れ濡れ鼠。諦めが付いてどうでもよくなってきた頃、軒を伝いながら急速に落ちた気温に震えていると、向かいの家から出てきたおばちゃんが傘をくれた。いつになく凹んでいたので素直に好意に甘えた。冷たい雨が葉桜を潤して、薄闇に轟く雷鳴を背景に閃光が赤く萎れていく花をその瞬間だけ生き返らせた。

染井吉野

2000年頃の導入時、100円を切っていたユーロがとうとう160円の大台越え。さすがに呆れたわ。数年前からヨーロッパでの調達はほぼ絶望的な状況に陥っていたが、ここに来て国内価格もうなぎのぼり。すっかり高値安定で、ドル建ても含めて銀盤購入は完全に停滞中というか気力が失せつつある。

■ここに至って心を去来する由無しごと

というわけで、セール品のクラシックをちょぼちょぼ買っているだけで、購買意欲は極度に冷え切っております。DVDも映画も欲しいものや観たいものはそれなりにあるが、そういうのに限って嫌がらせ価格だったり、廃盤だったりするものだ。

枝垂桜

志水辰夫の短編集『男坂』。中に「男坂」という短編が含まれているわけではないのはちょっと面白い。「再会」「岬」あたりが秀逸かつ気に入った。町田町蔵…じゃぁなくて康か。『権現の踊り子』は相変わらず(笑)。「逆水戸」には笑った。ひでぇ。

■春の病葉を眺めつつ

さぁ、今宵もファストでB級ですらないアンチ・グルメな粗食が満載だ。
異様な早さでもう出回っている海鞘や石鯛、蝦蛄に現を抜かすのも愉しくて堪らないが、適当に選んだ材料で自ら作り上げることも予想以上に面白い。同じメニューを外食、出来合い惣菜、自作と食べ比べてみると何をもって「味」が構成されているかということがおぼろげながらも見えてくるものだ。

地域性という観点も抜きには語れない。近在は過去や伝統とはほぼ完璧に切れた風土であるため、郷土料理に類するものが何一つないし、お土産や特産として他所に誇れるものも何もない。かといって都会というにはおこがましく、田舎というには何の恵みも手にすることができないという極めて無味乾燥な土地です。その結果、これといってよい素材が手に入るわけでもなく、品質が悪くても安いわけではない。食生活はおおむね軽視され、良い材料を入手できる店舗やコストと質のバランスが取れた外食店を見出すのが非常に困難であることが目下の悩みです。

1987年製造の缶ビールが一箱(お中元?)でてきた。350mlと500mlが5本ずつ。30年前のコニャックは大変美味であるが、3年前のビールを飲んであまりのエグさに噴いたことがある。そこで20年物である。腐りはしないだろうがまずいことは自明なので、思い切ってぐびっとプルトップを引くと、噴いた(笑)。半分ほどが服と床に染みを作り泡と消えた。臭い。仕方なく残りをぐびっと。おえ。こりゃエグい。でも密閉されていたのだからアルコール分はそのままのはずと、飲む。おえ。ああ、やっぱりなぁ、流しに少し流してみると想像通りの色。焦げ茶色やねん。黒ビール並みに発酵しきっとる。別に腐っているわけではないから、きんきんに冷やして飲んでみよう。

◇中華蒸パン
銀絲捲という7x12cmくらいの中に糸状の縒りがはいった滑らかな丸い中華蒸パンは某上海料理のオリジナルらしく、どうやって作るのかよくわからんので普通の花巻風にしてみた。中をくりぬいて麻婆豆腐を充填しながら食うわけにはいかないが、まぁ、交互に食えば似たようなものだろう。個人的に麻婆豆腐にご飯という組み合わせは両者の食感が似ていて好みではない。家ではササニシキを固めに炊くことで回避できるが、外ではお手上げ。その点、点心みたいな感覚で食べれる蒸パンはバランスが良いし、関係ないけど、もちろんカレーにはナン(チャパティでもいいけど)だろう。

薄力粉200g、砂糖大匙1.5、塩小匙0.75、ドライイースト小匙0.75、ラード適宜(豚肉の脂身を集めて包丁で叩いています)をボールに入れ、水100~110ccを小分けに投入し捏ねる。丸くまとまったら更に手にとって伸ばし、まとめを繰り返し徹底的に捏ねる(といっても10分もやれば飽きる)。生地が耳朶程度、滑らかな皮膚ぐらいになったら、球状に丸めボールに戻し、ラップをして一次発酵に移る。30分~1時間(気温による)ほどかけて最初の三倍くらいまで膨らます。

多少ねっとりするので打ち粉(強力粉、薄力粉等適当で可)を振りボールから剥がし、同じく打ち粉を適度に振ったステンレス台等で伸ばし、8等分。分割したものを幅4、5cmx長さ25cmほどに伸ばし表面(片面だけだ:笑)に胡麻油を手で薄く塗り広げ、端からくるくる巻いて、ばらけないように最後を摘まんで一体化させる。そのまま拡大されるのできれいに巻けると見た目も良いが味は同じだ。気にするな。蒸鍋にクッキングシートを敷いて丸めた生地を等間隔に並べ、蓋をして常温で30分ほど2次発酵させる。この段階で蒸鍋の下にお湯を入れておくと早い。ただしイースト菌は42℃で死滅するので気温を上げ過ぎないように注意。更に膨らんでくるので位置を微調整し、強火で12分蒸らす。もちろんせいろがあれば薫り付けの点からせいろのほうが良いだろう。12分で火を止め、数分蒸らす。点火後は蓋開けちゃダメだよ。

蒸パン

蓋を開ける。蒸すことではあまり膨らまない。強力粉を使わなくとも十分しっとりふわふわになりますが、売物風に軽く膨らますにはベーキングパウダーを入れたほうが良いかも。

発酵中に麻婆の準備を整え、蒸上がりと同時に麻婆豆腐ができるようにタイミングを上手く合わせよう。コンロが二口あればできる。今回の麻婆豆腐は豚小間切れから適宜ラードを調達し、残り100g弱を叩いてミンチにした。味付けの基本はいつも通り。野菜は葱1本、搾菜、木耳と比較的水分の出ないものでまとめてみた。

麻婆1

よく炒めた豚ミンチ+豆板醤に大蒜、生姜、豆豉(トウチ)、花椒を入れ匂いを立てる。そこに、鶏がらスープ、紹興酒、最後に湯通しした木綿豆腐1丁を入れた段階。以降強火でぐつぐつ。豆腐を入れたら(崩れるから)お玉は使わないで鍋を振れ。

麻婆2

再沸騰したら、葱+搾菜+木耳に残り半量の花椒を投入し、軽く振る。

麻婆3

葱の色が変わったら水溶き片栗粉、胡麻油を鍋肌に廻し入れ、強火のまま焦げ付くくらい煽り、軽く振って完成。

麻婆4

◇餃子
木綿豆腐が余ったので餃子にでもするか。出来合いの皮24枚を購入し、細かく刻んだニラ、牛肉ミンチ、水切りした豆腐一丁、紹興酒、胡麻油、醤油等で適当に練る。フードプロセッサはないのでもちろん(いや、あってもたぶん)手練。練った餡を皮に包み、ロシア寺院の玉葱坊主のように成型する。鼻歌BGMはもちろんLaibachの「Rossiya」であろうよ。あとは蒸すだけ。10分くらいでいいんじゃないの? 生で食えるものばかりだから。蒸し上がりのふわふわを練りたての芥子でアチアチ食べる。海老や貝柱、フカヒレがあればいいんだけどねぇ。スープで水餃子にしてもいいかな。共に主食を兼ねて飯は炊かない。
他にも焼く、揚げるという手法もあるが個人的には 蒸し、茹でが好みで料理としての種類も多種多様だ。具材も甘いものから辛いものまで千差万別雨あられ。甘いものは味付けがけっこう難しいし、胡麻風味は香ばしさを殺さないように工夫が必要だが、上手くできるとおいしい以上に楽しい。茹でる場合はスープ中で崩壊しないよう厚めのしっかりした皮が良い。

スーパーの安売りの日というのは加工品やメーカー品は客寄せで単純に安いだけ(安売り専用の少量パッケージもあるけどね)でよいのだが、生鮮や冷凍モノは在庫処分かエゲツない欺瞞的パッケージングでロクなものがない。何年倉庫に寝ていたのか不明な頭のとれた海老だとか、浅羽やカラスなどカレイじゃないカチンコチンのカレイやら、平常時一瓶100円の茸を半割にして68円で包装したりとか売るほうも必死過ぎて笑える。それでも人の数から類推するに売上げは二倍ほどになるのだろう。

◇搾菜
業務用スーパーで6、7個入り、2kgぐらいの塩+辛子漬け品を購入、使用量に合わせて一つずつ塩抜きする。爆安のうえ、かなり応用が利くので通年常備している。そのまま食う、胡麻油で炒める、付け合せと応用範囲は極めて広い。ロットやパッケージによって塩加減が微妙に違うあたりが中国製だわ。実は筑波あたりで国産品が生産されているらしいのだが、只の一度も見たことはない。いくらするんだろう?

◇坦々麺
手法も最終形態も多種多様であるが、自宅では汁物ではない四川タイプにすることが多い。具材は炒肉、搾菜、青梗菜、白葱といったところ。麺は普通に売られているスープなしの中華麺。太さは好みだろうが、腰があって太めのほうが良いかな。搾菜は粗みじん切り。青梗菜は塩茹でして水を切っておく。豚小間を叩いてミンチにして胡麻油、豆板醤で香り立つまで炒め、大蒜みじん切り、赤唐辛子を加え風味を際立たせる。器でつゆを作る。芝麻醤、酢、ラー油、醤油、砂糖、紹興酒、顆粒鶏がら出汁を合わせるが、まだ混ぜない。たっぷりの湯で中華麺を茹で、麺が茹だったら、茹で汁でつゆを溶き薄め(冷やし中華のつゆと同じ雰囲気)、すかさず湯を切った麺を器に盛りつける。茹でている間に炒った大量(一人前で大匙3)の白胡麻に花椒を加え、すりこぎで適当にすり潰す。炒肉+肉汁、青梗菜、搾菜、白葱を盛りつける。

坦々麺

この状態にドバッとスリ胡麻+花椒をトッピング。写真は青梗菜の代わりに青葱+鶉卵、肉が足りないからモヤシで誤魔化せヴァージョン。温かいうちに混ぜながら食う。
分量は全て適当。二回作れば売物レベルの平均を越えるものができるだろう。麺は若干固め、胡麻は多少大目がよい。塩分は豆板醤+醤油で、甘みは砂糖+紹興酒、辛味はラー油+豆板醤+赤唐辛子で決めればよい。少量の酢と胡麻の風味が決め手のような気がする。芝麻醤は瓶詰めを買うか、白練り胡麻と同じ。

あちこちで異なるタイプの麺を購入し比較しているが、寒水少な目のストレートで太めのものが取敢えず気に入った。スリ胡麻には花椒を適宜たくさん混入すると香りがいっそう引立つ。ちなみに中国料理に使う大蒜はやはりきつめの香りと辛味が出る中国産がよい(ワンネット20個入りで200円しない爆安品が合う)。国産のほくほくした品の良い大蒜では他のスパイスに負けてしまう。

◇うるめ鰯
田舎でも都会でもない中途半端な立地のせいかロクな魚が手に入らない。表示は以前に比べればかなり改善されたが、リパックやら退色防止剤、鮮度保持剤(人工、天然共に表示義務のないものがそれなりに開発されている)を使われると一見惑うので、最終的に信じれるものは自分の目だけだ(笑)。ちなみに食品添加物を毛嫌いしているわけではないので念のため。多くの食品は添加物で生き長らえることで商品価値を保っている。その結果、今の値段で利益が出るという構造になっていることに留意する必要があるだろう。資本主義社会の流通特性として、おいしいものを食べるには多くのおいしくないものが必要だということに過ぎない。

おかげで、買いに出掛けても3回に2回は手ぶらで帰ってくるが、これは久々のヒット。暖かいせいかもう店頭に並んでいた。脂が少ないので干物にされることが多いが、これはなかなか立派な魚体で全長30cmの大羽。ぱんぱんに肥えた姿が旨味を保証している。水揚げ地が遠いわりにはウルメのせいか見栄えが良かった。もちろん刺身で食うが、昼に買って4時間冷蔵していただけで鮮度の落ちっぷりもすざまじい。あちゃぁ、えらの部分が変色してしまった。

うるめ

気を取り直して捌くが小さめの一尾が雄、巨躯の三尾が雌で卵を抱いていた。卵は塩をして軽く湯がいて酒、醤油に出汁をとった残りの昆布を細かく刻んで。中骨は骨煎餅、身は皮を引いて山葵醤油で食う。身はでっぷりとしているがウルメ特有のさっぱりした脂でおいしい。真鰯でここまで肥えていると脂臭くて一枚食ったらうんざりだが、これはいける初夏の味。

◇平目
カレイを買いに出たらまだ平目のほうが肉厚で美味そうだった。ぎりぎり漁獲可能な33cm、300gほどの青森産ソゲ2枚、雄。620円。北海道東方沖だろうか? そのせいかまだ身肉がしっかりと肥えている。当たり前だが卵を抱いていれば身は痩せる。経験的に平目は寒い海で獲れたもののほうが身が引き締まって旨味が濃い。

平目

思ったよりももっこりと身肉が分厚いので、まずは刺身に。テラテラ+ヌルヌルの粘液に包まれているので落っことすついでに背びれ(腹ひれか?)で指を切った。うぐ。5枚に下ろし皮を引き、厚めの削ぎ切りでしっとりとした身肉の質感を味わう。繊細な旨味を味わえるので余計な細工は不要。山葵と少しの(ごく普通の)醤油だけがいちばんおいしい。皮を引く刺身は鱗を落とさなくてよいので、冷蔵庫から出して10分ほど(プロなら4、5分かな)で食える典型的なファスト・フードである。
頭、中骨、尻尾は同時に骨煎餅で。平目はかなり獰猛な肉食魚なので顎がごつく歯がとんでもなく鋭いですが、適当に割って揚げればこれまたいうことなし。バリバリと極めて美味。

小さくて面倒なのでもう一枚は煮付。カレイとはちょっと趣が違う柔らかいなりにもきゅっと締まった肌理の細かい上品な身肉(筋肉質なのか?)が愉しめた。ちょっと幸せ。作り方は真子やマガレイ煮付と同じ。身肉は真っ白く仕上げることが好み。カレイよりも身が崩れやすいので煮る時間は中強火5分+蒸1分ほどでよさそうだ。鱗とヌメリは落とさなければいけないが、霜降りして氷で締めて腸抜くだけだから刺身よりはお気楽。くれぐれも煮汁を沸騰させてから平目を入れ、「煮込まない」ことがポイントです。下のほうに鎮座しているものは塩して軽く湯がいた肝です。

煮付

また、一世を風靡している「カレイの煮付=冷凍浅羽やカラスガレイ(トロカレイ)の切り身の煮付」なので見た目も味もまったく異なります。時代が求める多くの期待に応えることはできないので、懐古趣味と割り切って、くれぐれも自己責任でよろしく。しかし、自分で作って、自分で撮って、自分で食うのは忙しいのでどれか一つにして欲しいものだ。

◇さより
25cmほどの鉛筆グレード。身は刺身、皮は炙ろう。鮨屋では大胆に大名下ろしをしていたが、うちの包丁はそんなに切れないので普通に三枚に下ろす。なんか研げば研ぐほど切れなくなるぜ(笑)。鱗を落として腸を掻き出す。黒い腹膜が臭うのでこそいだら丁寧に水洗しキッチンペーパーで拭き取る。普通に三枚下ろし、腹骨を漉き取り、皮を引く。引いた皮は串に巻いて塩を振り、直火で軽く炙ると美味この上ない。身は半身のまま卸し生姜と廉価な駿河葱で。ま、春の香りということで。

ほっき

◇ほっき
これも安売り品。おまけにあまり大きくない。生きたまま解体だなんて残酷な気もするが、剥き身や死んだ貝は食いたくない。四つあるので身と貝柱は刺身で、ヒモはほっき飯にしよう。普段は少しでれっとして「やっちょれんわ」という趣を濃厚に漂わせているが、殺意を感じるや否や強力に殻を閉じるので、寝首を斯くように、何気なくさらっと柱を抉る配慮が必要。貝柱はとてもおいしいので原型を留めるようステンレスナイフ(貝剥きは持っていないのでステーキの肉切るやつ)で丁寧に殻からこそぐ。

ほっき+柱

殻から取り出しても動いたりしていやん。パンツを脱がすようにヒモを裏返して身から剥がす。ヒモ側についている水管の先端を切り落とし、貝柱を外す。ヒモの部分に塩を振って揉んでしばらく放置。ぬめりを落とすように水洗して適当な大きさに切る。身は尻尾の反対側から平行に包丁を入れ、開いて中の内臓を包丁の先でこそげ取る。生でも食えるが塩で湯がいたほうが旨味は勝るか。

◇イカ下足
最近けっこう手が出ない価格帯に推移したするめイカの下足だけ安かったので購入。糸造りの余りものか、身を刺身にした残りだわね。何故かエンペラ付。イカの刺身は買わないが、こういうものは誤魔化す手間を掛ける意味がないから意外とまとも(笑)。取敢えず刺身、残ったら茹でてパスタの具にでもしよう。吸盤をとりながらざっと洗い、キッチンペーパーに包み半日から一晩寝かせる。水が抜けた味の濃さとコリコリした感触を味わう。半分ほどで飽きたので残りは塩茹でして甘酢漬けに。三日目ぐらいからがおいしい。パスタの具になる前に摘み食いでなくなった。

血鯛

◇血鯛で春日子(かすご:春子、数子とも書く)
魚は概ね1パック300円以下のものが身の丈に合っているので、こういう誰も買わない雑モノには目がない。12~15cmほどの血鯛7尾258円。買ったときはそれなりの鮮度だったが、一日放っておいたらエラに血が滲んできてしまった。あちゃちゃ。もっとも、6尾だと思っていたら、ラップを外すとシールの裏に一匹隠れていて、お得な気分に浸れた。さっと水洗して鱗をこそぐ。鯛類の鱗は頑強かつびっしり全身を覆っているので、包丁でヒレ回りなども丁寧に落とす。ビシバシとかなり飛び散り、いちいち気にしていては魚は食えないが、酒が鱗酒になるのは困る。頭を落として三枚下ろし。中骨と頭は潮汁にでもすればよい。腹骨を削いで皮は引かずにそのまま。皮を下にして竹笊に並べ、濃い目に塩を振る。2時間放置後、軽く酢洗いし、ステンレスバットに並べて醸造酢漬け30分ほど。酒や味醂を微量加えてもよい。締め具合は適宜、味を見ながら決めればよい。漬けあがったらキッチンペーパーに包んで冷蔵庫へ。7匹計14枚では数が少なくて三日しかもたなかった。皮の冴えた色はくすむが、三日目がいちばん味が濃厚でおいしい。

春日子+イカ下足

▽富山海老
よかったら食べていかない? と薦められたボタン海老(標準和名:トヤマエビ)は生で頭をとって長さ20cm、身の厚み1.5cmを軽く越える特大。見たことがない大きさで、シャリの三倍はありそうな巨大で分厚い体躯に圧倒された。甘みを含んだコリッとした身肉の旨味が口いっぱいに広がった。もちろん一口では食いきれず、握り鮨だというのに何とか二口で押し込んだ。普段、海老は滅多に食べないが、久々にしっかりと残る後味に感銘を受けた。

▽生鳥貝
三番瀬産生鳥貝がお目見え。水深2mほどの浅瀬を鉄の籠でごりごりと引くらしい。思ったより身肉も厚く旨味も濃厚。酢飯の上で(生きているわけじゃないだろうが)もっそりと動くさまを眺め、おもむろに手で摘まんで口に運ぶと、香りと甘み、しこしこ感がいっぱいに広がる春の味。

▽キンキ(キチジ)
昔、塩釜や石巻港で眺めていると蒲鉾になるぐらいよく見掛けたが、今や金目鯛と並ぶ煮魚の王者。もちろん刺身でも極めておいしい。鮮度が落ち気味で15cmほどの小振りなのでこの値段(430円)。煮魚にできるまともな大きさのものは、とてもじゃないが手が出ない。半分ほど刺身にして、面倒になったので残りは唐揚げ。鱗を落とし刺身は普通に三枚下ろし。皮は引かずに皮目を上にして俎板に並べ、熱湯で軽く湯霜する。氷で締めて水を切り、山葵醤油。皮目の香ばしさ、鮮やかな赤、ふっくらと脂がのった上品な白身のバランスを心ゆくまで味わう。
唐揚げは頭を落とし腸を抜いて、腹腔内をよく洗い水分を拭う。大きな頭は二つ割り。頭と身に軽く塩を振り、薄力粉をまぶす。頭から低温でじっくりと揚げ、二度揚げして最後は高温でかりっと仕上げる。身は頭の半分ぐらいの時間でOK。この大きさでも骨はかなりごつく、ひれは鋭く香ばしい。

きんき

◇ミルクイ
俗称ミル貝であるが、最近はナミ貝をミル貝(白ミルと表示しているところは良心的)と称するところが多く、区別のために本ミル貝と表示されることが多いようだ。さすがにいい値段だが、ノーマル・レベルの鮨屋で食うと最低でも一貫800円~1000円、以前通った既に廃業したところは400円だった。

ミル貝1

ちなみにこの大きさだと4貫(4つ:昔は1貫=2つだったが、今は1貫=1つでよいだろう)とれるらしい。鮨にのるのは水管の部分だが、もったいないから食える部分は全部食う(笑)。

ミル貝2

貝柱を壊さないようにこそいで、ヒモを分離。水管の黒く固い外皮は手で剥がす。皮を剥いだら適宜削ぎ切りにするが、生きていてモゾモゾ動くのでちょっと嫌。洗った貝殻に水管、ヒモ、柱を盛りつけ。身はほっき同様に半分に割って内臓を掻き出して沸騰した塩水で軽く湯がく。氷で締めて同様に貝殻に盛って博多細葱と自家製ポン酢で軽く和えてみた。

ミル貝

おお。さすがにミル。間抜けで大味で後味が悪い白ミルとは比較にならない香りとコリっとした食感、緻密で上品な旨味は貝の王者に相応しい。柱もヒモもとてもおいしい。三河湾のものですが、この値段では一度も見かけたことがないので幸運だったかも。

ミル貝

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

泰然。

3;スキャナ機 NT5.1 sp2 Home セレロン2.2GHz新まんせえ!号

諸般の事情によりLAN内では認証されないユーザを追加、公開プロクシを使ったネットワーク設定を盛り込む。期限切れで買え買え煩いノートンを抹殺。AVGを落としてきて代替。アドウェア、メルウェア、スパイウェア感知抹消アプリを装備。ieにはBugBrowserをかまし、最新FireFoxとOpera-9.2をインスコ、余計なサービス類を止める。その他、略。ふふ、なかなかシェイプアップの効いた装備じゃないか。

4;Win機 NT5.0 sp4⇒NT5.1 sp2 早くも1.8GHzに降格?

ブラクラに引っ掛かって遊ぶ。クッキーに何やら書き込んでいるのを眺めて愉しむ。WMPがアップデートされるとNeroが固まる。取敢えずCD焼はCDまにゅぴが使えるので困るわけではないのだが。

Doom

「Twzone」なるどっかで拾ったWADに取り掛かるもあっさりオワタ\(^o^)/。

最終面ワープ前

人生オワタ君も久々に喜んでおります。これなら難易度中でもいけそうだな。

罪の偶像

さぁて、次はどれにしようかな。


2007/04/18 作成__2007/04/18 最終更新