師走記 -(2007/01/19-2007/02/17)

1;諸々

いかんいかん。半月遅れの師走記にて候。今年も何の変転もなく終わったが(笑)、今年の冬はヌルくていけません。雪は降らなくともかまいませんが、こう、きりっとしたピーンと張り詰めたような寒気がないと脳がリフレッシュできないもの。冷蔵庫に怒られるまで扉を開けていてもちっとも気分はすぐれないものです。

正月はこれまた唐突にやってきた。だからまた焼豚と煮豚を作る。今回は豚ロースと鶏腿肉で。雑煮の代わりに重慶飯店の月餅。本来は月見饅頭らしいが、いや、まぁ、なんとなく。縁から「蛙飛び込む水の音」。ずいぶんと気が早く冬眠からお目覚めのようで。見るたびにでかくなるな。猫も思わず後ずさりしている。

すぐに飽きそうだが最近ときどき眺めている業務用スーパー。なんとも素っ気ないビニル・パッケージ充填されたウンザリするほど種類豊富な冷凍食品にはあまり気を惹かれないが、麺類やパスタ、調味料、香辛料やザーサイ等加工品の調達には重宝する。中華、西洋料理、和食のそれなりに特化された「手抜きどころ」が見てとれるあたりも面白い。高級品はないが基本的にどれもパッケージは多めだから利用頻度を考えて慎重な予測が肝要だ。

■ここに至って心を去来する由無しごと

何でも知っているわけではないし、先人の知恵を学ぶことは愉しくも役に立つことだから必要に応じてレシピを検索したりするが、けっこう落差があって面白い。女性向きのページは如何に手を抜いて楽をするか、如何に味を誤魔化して安くあげるかばかりで辟易するし、男向けは逆に一から十まで材料を揃える薀蓄コダワリ料理で、やたらと無用に本格派でこれまたウンザリ。ごく普通の料理をごく普通のコストで普通の手間と片付けで作るレシピの少なさに今の社会の病理を見るのが愉快この上ない。あはは。ちなみに料理本や薀蓄本というのは読まない。“How to 本”というのは比較検証ができないのでどうもダメだ。方向性と成果物のイメージを明確にして、基本を押さえてあとは他人のレシピのいいとこ取りというのが上手くいくパターン。味付けや調味料はあまりこだわらないほうが結果が良いようだ。

庭景1

読書は意欲が減退気味。そんななかで相変わらず巧い志水辰夫。「男坂」は抑制の効いた表現とさり気ない描写のバランスが素晴らしい。清原なつの「花図鑑」シリーズは「1」だけあって「2」以降は20年ほど買いそびれていたもの。「イキガミ」は「3」まで。このところ同じものを買ってしまう病の連発でかなり落ち込んでいる。まぁ、ネットで漁った中古だからたいした額じゃないんだが、記憶に瑕疵があるのは嫌だな。

■春麗らかに漲る花粉を浴びながら外食三昧

忙しくなると外食が増える。とはいっても時間にも経済的にも限界があるわけで行くところは流れる水のようにサラッと食ってサラッと席を立てる普通の店ばかり。敢えて興趣を損ねるモノを食う趣味はないが、並ぶ店には行かないし、高級な店も只々面倒。気兼ねなく当たり前に、普通においしいというのがポイント。気取りとかオシャレとか粋とか意気込みとかお子様向け、家族向けといった要素はすべて味を相殺するものとして解釈する。インテリアに凝ったり、頑固親父がいたりなんていうのも論外。システマチックに自動化され設備に金が掛かった店舗や、知識ゼロの給仕を雇っていたり、調理人のいない厨房でまともなものが食えるわけがないことも自明だろうからそれも割愛。過剰なサービスも上っ面の笑顔もうざいだけ。二度目はない。

チェーンというのは(中食も含めて)どうにも中途半端で興趣を削がれるものだ。小さな商売だからこそきちんと手が入れられるわけだし、“良いネタ”は大量仕入れができない。この世に物理的にちょっとしか存在しないから“良い”わけで、こればっかりはどうしようもないこと。しかし、良いものが必ずしも高価というわけではない。なかにはメジャーなルートに乗らないものもある。良いネタだけど数がないから、今しかないから、大きさが不揃いだから、機械が使えないから……そういった味とは本質的に関わりのないレベルで産業的な要請から撥ねられ見捨てられたものは、とりも直せばかつて我々が自然の恵みとして享受してきたものに他ならないのではないか? そういった小ネタこそが安価に客を楽しませてくれるものではなかったのか? と思ったところで、それを見出すプロの目をチェーンに期待することは無いものねだりでしかない。大量仕入れだから安く出せます! というのは、偽物だから、質が悪くてまともな買い手がつかないものだから大量に安く買い叩けるということと同義に他ならない。極めて純粋なレトリックの問題であるが、ま、平たく言っちゃえばあーだこーだ理屈を捏ねないでスルーすればよい。それだけだ。

◇ラーメン
小春日和の近在を逍遥するにつけ、つい足が向く何の変哲もない街の中華屋。気取りとかやる気とか薀蓄とは完璧に無縁な日常に埋没しきった安寧と慰藉。三時過ぎ。客はもちろん一人。カウンターで新聞を開きながら取敢えずビールで喉を潤す。徹夜明けに近いせいか、アルコールが心地良く脳に染みる。メニューをうつらうつら眺め、スタミナ・ラーメン大盛。スタミナとは普通のラーメンの具の代わりに肉野菜炒めのようなものがこんもりと乗っていてちょい辛め(胡麻油+唐辛子)の意だが、毎回微妙に違う気がする(笑)。鶏がら主体の澄んだスープには油が層になって浮いていない、某著名アミノ酸のエグ味がないと今となってはなかなか特徴的。麺は太め、手打ちと表現されているが区別できるほどの舌はない。

庭景2

◇蕎麦
返しが薄くなったが蕎麦はまぁまぁ。代りを見つけられていない。最近はもっぱら、鴨南せいろかかつ重セット。鴨は合鴨。汁はアツアツで鴨、葱の質は良い。かつ重はお蕎麦屋さんのかつどんの味で鰹出汁がよく効いている昔懐かしくも由緒正しいもの。肉質や量も程よく玉子の綴じ加減も好みで気に入っている。オバちゃんは何故か訊きもせずにいつも冷たい蕎麦を持ってくるあたりも正しい蕎麦屋の証しであろう(いや、憶えられただけか)。蕎麦がなくなると時間に関わらず閉店してしまうので、夕方以降やっているのを見たことがないぞ(笑)。

◇坦々麺+半炒飯+胡麻ダレ餃子
場末中の場末だから中国料理というほどではない。それなりのメニューもあるのだが主として昼に行くのでこの頃大体ワンパターンだな。かたヤキソバ(というか昔のヤキソバ)も質量共においしいし、一品料理もそれなりなのだがあんまりやる気がないあたりが面白い。餃子はジャパニーズ・フードの餃子というよりは水餃子に近い柔らかで厚めの自家製皮に包まれている。中身も牛ひき肉と中国野菜でかなりスパイスが効いている。酢の入った甘めの胡麻ダレによく合う。焼餃子は敗戦で満州から引き揚げてきた人が神田神保町で開いた店(今でもあるな、確か)で出したのが始まりとされていて、大陸や台湾には焼餃子はない(今は日式餃子といって逆輸入されているらしい)。

◇天麩羅:塩掻き揚げ天丼
数ヶ月ぶりの海老。掻き揚げだから柱だろうと思っていたら海老も。甘海老はびっくりするほど量も多く、しっとりとした弾力で揚げ加減は絶妙。プロの技。油は最近の主流よりは若干胡麻が濃い目の江戸風、衣は今流行のヘルシー・サクサク感を強調したいがために若干固めで棘棘感が感じられる。個人的には以前のようにもっと柔らかい方が合うと思う。適度に薀蓄垂れて差別感を煽って、勘違い男やヘルシー女を釣ることで効率は上がるだろうが、良い経験を積んできたのだろうから同じ轍を踏んでも仕方あるまい。商売としてはマスへの迎合は避けて通れないだろうが、そうやってミイラ盗りがミイラになった例は枚挙に暇がない。

◇鰻
たまには鰻でも。どうせ食べるなら最も安価で質の良いものが食べれる旬の時期に食べたいものだ。蒲焼が開発されたのは江戸中期、天然鰻は夏痩せして不味くなる。舌が肥えていた江戸時代の人はそっぽを向いたため、売り上げが落ちて困っていた鰻屋に頼まれて平賀源内が一発捻り出して店先に立てたノボリが“本日丑の日”。土用といわれる数週間の期間は春夏秋冬にあり、それぞれ1~2日が丑の日に該当する。
近隣の在の鄙びた道端で鰻売り。一応焼き立てを並べ、貧相な小屋のような店内で食することもできる。隣町の鰻屋の支店なのか? 暖簾分けかな? 親父は一人だし、注文してから焼くため酒と肝串で待たねばならないが、香ばしく締まった身肉と適度な脂のり、くど過ぎないタレで値段なりに正しい鰻重であった。骨煎餅もよいが、玉子焼きは攪拌が足りないように思えた。そういう趣向だといわれればそれはそれでよい。

◇鮨
引戸を開けた瞬間、仕事中だというのにデフォルトのように酒を勧める板前。マイナーな酒ばかり集めるなっつうに。3年寝かした景虎秘蔵の大吟醸雫酒などを見せられるとビールで済まそうと思っているのに心が移るじゃないか。他に客がいるときは首を伸ばして端から端までネタケースを眺めるわけにもいかないので、最近はどこでも馴れ馴れしくならない程度にお勧めを訊くことにしている。

▽島鯵
「しまあじ」とはお珍しい。沼津で5年ほど前に食ったきり、見たことすらなかったぞ。「どぉ?」と訊くと「う~ん。良いのと悪いのがある」とか。当たり外れが大き過ぎてプロでも仕入れが極めて難しいそう(笑)だが……、お、うまい。淡い乳白ピンクの分厚い身肉に鮮やかな血合い、見た目よりはずっと脂が乗っている。香りも上等、滑らかで繊細な食感。……なんだけどやっぱり鯵の味なんだよな、ってところで意気投合。久しぶり過ぎて味を思い出すのに時間が掛かった。

▽桜鱒
サーモン、ハマチ、ウナギという三種の神器をおかないので安心してネタの選択ができるが何やら冴えた紅色。オレンジじゃなくてあくまで紅色の「桜鱒」じゃないか! 腹身は優しいピンクに薄く白が乗り、ふわふわの食感と臭みのまったくない端正な脂が見事。背身は鮮やかな紅色で硬くしっとりとした身肉と仄かな香り。北海道産、桜鱒(本マス)。まだまともな食いものが食べられた時代の名残であり、懐かしくも儚い春しか食べれない絶品(というほど高くはないが、トラウトサーモンのほうが好まれるから流通しない)。青マスといわれるカラフトマスも僅少ながら入荷するらしいが、どちらも個人が魚屋で入手するのは不可能だろう。鮭鱒類の流通はここ20年ほどで大きく変わったものの一つで、そういえば本マスの陸封型(一生を川で過ごす)はヤマメというが、ここ10年以上(産地でも)見たことがない。

庭景3

▽鳥貝
三河湾かな? 当たり。さすがに地元産はちょっと早いだろう。数年前から東京湾内産が原因不明の異常発生らしく、春から初夏は生が出回ります。生で食えるのももう少しの辛抱か……と思っているうちに生鳥貝三河湾産が入荷(3/2)。肉厚の甘みとしこしこ感、ピンと立った尻尾が見事。3月中には若干小ぶりで身肉が薄い東京湾船橋産に置き換わるとのことで今がチャンス。

◇いろいろな食べ方を試すのは愉しい
あったりなかったり安定はしないが、しばらく品切れが続いていた蝦蛄がちょろちょろ出回り始めた。今年の春はやっぱり早い。初っ端鮑あたりでゆるりと飲んで、胃にアルコールが染みた頃、詰めなし蝦蛄を頼んだら醤油つけないで食ってみてといわれ、さっそく試してみたが甘みが際立って思いの他良い。そろそろ味が落ちる小肌(もうコノシロか)鯖類の締めものもきちんとしていて、このところ腑抜けた売れ残りの酢締めを食わされていた身には久々に清々しい思いができた。タイラギは握った酢飯にぴんと飯幅の長方形の海苔を置き、そこにでっぷりと白い柱を載せてきた。うぬぬ、親父、それは斬新だぜ。海苔サンドか? 帯巻きはよく見るけどな。刺さりそうに張り切った海苔の旨味と柱の淡さを同時に楽しめということか。ついでに今日の穴子は塩がいいというのでお任せ。煮ている段階で薄味は付いているから、炙って塩だと香ばしさがいっそう強調されて、でっぷりかつふわふわの身肉によく合う。うん、まぁ、さすがプロはプロだよなと納得。ラストはしつこくならない鰤の霜降り腹身とサビたっぷりの干瓢巻で締め。

▽初鰹(3/2)
早いな。年々早くなる。枕崎水揚げでまだ鰹の値段じゃないと言っていたが味は思ったより鰹の味。さっぱりとした香味としっとりとした口当たりは正に春の味。はしりは生で、脂が乗ってきたら叩いてもよいか。木の芽どきの頃にもっとも美味かつ安価になると解釈すれば良いだろう。
タタキといわれるものは藁で燻したものでガスバーナーで炙ったものとは違う。藁焼きのいがらっぽさを風味と捉えるか雑味と捉えるかで好みは変わるだろうが、所詮は血の気の多い下魚だ。格好つけておしとやかに食うもんじゃないだろう。塩と酢で叩いたものを藁で燻し、煙が上がるもの(焼き切りは氷で締めない)を厚めに削いで山葵醤油でガシガシ食べるのは興趣のあるものだが、冷蔵に四苦八苦していた時代の名残なので今は普通に生で刺身にした方がおいしいと思う。刺身なら普通の濃口醤油と薬味は生姜だけが好みだ。引き立て役に個性は要らない。

普段身近なレベルで手にするスモーク製品や炭火焼ロースト製品は調理香といわれる香料(スモークフレーバーやスミヤキフレーバー)で匂いが添加されているわけで、実際(最初から最後まで)に燻蒸したり炭火で焼いているわけではないことは常識ですが、藁焼フレーバーやら松葉フレーバーっつうのもあるのかな?(笑) やだな。25年ほど前、スモークフレーバーを売り出したある香料会社の人間は馬鹿売れしちゃって笑いが止まらないと腹を抱えていましたが、一週間かかった燻製が燃料も人手も使わずに三秒でできるんだから環境オタクも絶賛でしょう。

■春爛漫の内食は不穏当なまでに曖昧

おこうことおみよつけがおいしい季節でございます。そんなものがオカズになるかと憤った時期もございましたが、今は至極平気なところに時の移ろいを感ずるものです。いやはや、近在の寺町で購入したべったら漬、胡瓜の粕漬、濃尾の守口漬等に加え、自前の蕪の糠漬を常備し、おみよつけの具にちょうど良いではないかなどと葉付大根の葉っぱの具合に目を光らせるようになるとは自分でも想像もできなかった今日この頃でございます。おほほ。

庭景4

◇しつこくオイルパスタ
中途半端な食材はお金がかかるし、何より味を壊すのでどんどん入れるものが少なくなっていく(笑)。大蒜、赤唐、青唐、パセリ茎のみじん切り、自家製ナンプラー、胡椒、煮焼用オリーブ油(黄色いやつ)、1.65mm業務用パスタ(一応イタリア製)、そんだけ。パスタ煮と具材の仕上がりを完璧に合わせることがコツ。パスタが茹ったときに別鍋のオリーブ油がちょうどぐつぐつし始めるタイミング。温度が落ちないように強火にしてパスタを一気に投入、立ち上る水蒸気とジョワッという音を聞きながらオイルを絡めて10秒ほどで完了。表面温度150度くらいになっているパスタをアチアチ言いながら食う。

◇鱈白子
そろそろ終わりか。形のはっきりした北海道産が艶々と美味しそうに見えたので賞味。軽く水洗、適当に分割して5秒湯がいて氷水で締める。丁寧に水気を拭きとって青葱、ポン酢+紅葉おろしで。天麩羅にしても極めて美味。

◇豆鯵の南蛮漬
捨値の豆鯵。死後硬直中なら鱗をこそいでまるごと、ふにゃってたら腸はとる。ぜいごも気になるならとればよいだろう。水気を良く拭きとって小麦粉をまぶす。昆布・アゴの混合出汁、醸造米酢同量を合わせ、淡口醤油で適当に味付け。赤唐辛子は細かく切る。酒とか砂糖は好きにすれ。玉葱を薄く輪切り、人参を千切りにして調味液につける。準備ができたら低温で焦がさないようじっくりと鯵を揚げる。量があれば二度揚げ、なければ最後は高温でカラッと水分を飛ばし、摘み食いはほどほどにしながら上記の調味液にジュッといわせながら漬け込んでいく。冷蔵庫で一晩寝かした方が味は馴染む。

◇炒飯+スープ
炊飯器で飯を炊かないものだからこのところ余り飯がなくてトンとご無沙汰していた。久々に二日目のごはんが生じたので振ってみた。ところがどっこい、焼豚を使おうと思ったがこういうときに限って切れているもの。仕方がないので豚バラ肉を胡麻油と紹興酒、大蒜、豆板醤少量で炒めておく。卵は溶いて、長葱みじん切り、椎茸、ザーサイも千切り。別鍋で鶏がらスープを作りつつ、キクラゲを水で戻す。

料理用のクソ安い紹興酒を一杯やりながら、今日もおいしい炒飯ができますようにと祈る。下炒めで残ったラードを再加熱しキャノーラ油を適宜加える。油の総量は多めかなと思うくらい。発煙したら卵投入。数秒後、油に丸く浮いた半熟状態で、直ちに飯を投入し左手で振りながらお玉で切るようにガシガシ掻き混ぜる。ここまで30秒。なじんだら椎茸、ザーサイ、下炒めした肉を投入。塩、白胡椒で味付け。沸騰した鶏がらスープ、紹興酒、醤油、胡麻油を少量鍋肌に流し、刻み葱、シャンツァイで香り付け。同時に鶏がらスープに刻み長葱、キクラゲを投入。醤油、胡椒、胡麻油で味付け。卵から2分以内。目標は1分30秒。

飯は温かいものをそのまま使う。水分を飛ばしておくとか予め洗って粘りを落とすと楽らしいがそこまでしたことはない。椎茸は生よりも干しを戻したものが良い。海老、干し貝柱とオイスターソース、魚醤、グリーンピースの組み合わせも興趣をそそるが、海老は入手が難しく下拵えが面倒だしグリーンピースは季節ものだ。干し海鼠、筍、空心菜等が入れば更に美味。出来上がりは米の色味が限りなく白いものを目指す。30cmの北京鍋を使っているが左手で振るのは2人前だとちと辛い。炒飯は自分で食う分を自分でちゃちゃっと作るのが作法のようだ。また、中国料理の炒飯といわゆる日本の炒飯はかなり趣が異なるもので、狙い目をどのあたりに定めるかで具材や油通し、味付け香り付けを変える必要があるだろう。

◇麻婆豆腐
熟練しすぎて飽きてきた。赤唐+花椒+豆豉(トウチ)+豆板醤という基本は変わらない。花椒を30%カット、炒飯同様鶏ガラスープを少量加え、水溶き片栗粉を流し、鍋底を焦がす勢いの強火で振るくらいで一般性がかなり増す。葉大蒜、葱以外に椎茸、筍、青梗菜を入れてもよいが多少水っぽくなる。

◇生春巻
湯で戻す丸い乾燥皮がずっと前から目に付いていた。買った憶えはない。賞味期限はとっくに切れていると思われるので敢えて見ないのがコツ。冷蔵庫(W600xD680xH1790の日本製5ドア半自動製氷付普及品)や食品庫(戸棚の下の段ボール箱のこと)を眺め、包む中身を考えるが普通使われそうなものは何もないのが常。捻り出したのが、鶏ササミ+白髭葱+胡麻ダレ、蟹缶+ほうれん草+業務用ナシゴレンの元の2パターン。鶏ササミを塩茹で、蟹缶を水切りしながら、胡麻ダレを作る。豆板醤、芝麻醤、紹興酒、醤油を混合し、しつこく炒り胡麻を加え合わせる。ナシゴレンの元には酢、砂糖を若干加えよく混ぜる。葱、茹でほうれん草を刻み、茹ったササミは適度に毟る。あとは湯で戻した皮の水分を拭き取りながら巻くだけ。パクチーとかレモングラスやナンプラー(ニョクマムか)で攻めるのが本場かな。まだ半分以上残っているから次は遊んでみよう。

◇ほっき飯+ほっき刺身
時期が拙かったのか安くて小さい薄い(色も悪い)茨城産のほっきを立て続けに出されてかなり凹んでいたが、師走に入ってようやく北海道噴火湾の真っ黒なほっきがお目見え。さっそく10cm越え重量級のものを持ち帰り剥く。ホタテやほっきは隙間があるので剥き易くてお手軽。身は刺身、柱、ヒモ他は飯に。水管は先端を落とし二つ割、分離したヒモは塩で揉んでぬめりを落とし水洗、酒、みりん、醤油で軽く下茹で。米は普通に研いで茹で汁を漉したものと水、醤油、酒を張り、ヒモと生姜一切れを載せて炊く。炊き上がりに好みで刻み海苔を。

◇ほうぼう+潮汁
広げると真っ青なヒレが美しくも刺々しい小振りなホウボウを三匹。繊細な白身は刺身で。残りは小骨が多くて面倒だから適当に見限ってアラと共に潮汁にぶち込む。淡口醤油と酒で味付け。近くの高校の女子高生に笑われながら背負ってきた泥葱の青い部分を刻んでたっぷりと散らす。

蕗14

◇蕗のとう
裏庭の蕗が芽吹く。去年より二週間ほど早い気がする。さっそく鋏でまだ袋になっている花茎を収穫する。一週間おきに計三回ほど、200個ほどが収穫できた。天麩羅、茹でて酢味噌で和え物。ほろ苦さが際立つ春の香り。梅雨時には葉も生い茂り、売物ほど長くはならないが柔らかくて繊細な風味の葉、茎も楽しめる。特に世話もせず、毎年勝手に生えてきて勝手に枯れていく。

蕗2

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

BGM jukebox。

3;スキャナ機 NT5.1 sp2 Home セレロン2.2GHz新まんせえ!号

電源入れた記憶がない。

4;Win機 NT5.0 sp4⇒NT5.1 sp2 早くも1.8GHzに降格?

埃すら払わず。

Doom

あは。


2007/03/05 作成__2007/03/05 最終更新