葉月記 -(2006/9/22-2006/10/21)

1;諸々

11月ぐらいになると髪の毛をばっさり切って、冷たい大気に身を晒すのが好きだ。昔はそういう時代だったから、今はただの不精で伸びた髪がウザくてたまらないが、もうちょいかな。北風に透明度が深まることが肝要だ。首筋と耳の下を寒風が通り過ぎると頭がすっきりと冴える。だから、マフラーとか貰ってもあまりしないんだよね。ごめん。

続報
JRE駅前ビルの廃墟に取り残されていた飲食店が我慢しきれずに撤退開始。和食店はずいぶん前になかった気がするが、とんかつ屋、饂飩屋、ステーキ屋が撤退し、残りももはや時間の問題か。というか集客力のありそうなところから撤退するのは家主側の追い出し工作かな? まだかまだかと我慢して、挙句の果てにこれじゃ個人経営の店舗は立退き料貰うまで生殺しで粘らないと踏んだり蹴ったりだよなぁ。塩漬けになっていた近くの市街化調整も外れるようだし、影響力を保持したまま次の市長選に望みたいという思惑もあるだろう。跡地利用に関する“噂”すら流れなくなり、よっぽど煮詰まってグダグダか、深く静かに進行しているのか。

見切りをつけた日生から信託に伴う所有権移転で中央三井信託が野村不動産をセットしたということなのか? デベは全部壊してタワー三本建てたいだろうなぁ。築30年じゃ建物自体は既存不適格で用途変更はもちろん、改修もままならないだろうし、もちろん構造計算すりゃアウト。下層は一体のSRCだから高層だけとか低層だけとか部分的な改修や取り壊しができないのが痛い上に、最大のネックは財団法人某文化ホール(注:補助金は投入されているが市営というわけではない)がど真ん中に鎮座していることだろう。建物と駅の間を公園として都市計画決定してしまったのも痛いな。まぁ、そのうち天の声だか豪腕政治力で何とかなるんだろう。該当地区は容積率600%だが、市街地再開発型総合設計でも使えば限度いっぱい300%の上積みを貰って900%だ。都心並じゃん。現行42000㎡ほどあるようですが、30層、平均1フロア8戸、超格安平均戸当たり4000万でも一本約100億、三本で300億、下3層はテナントで、片隅にホール造ってやってホール分建設費の半分くらい市に出させれば十分ペイすると思うがな。あぁ、もしかして南側の現駐車場+駐輪場も含めて二街区まとめて再開発かけようとしている? うほほ、欲深すぎるぞ。俺にも分け前寄こせよぉ。銭ガッパめ。

元々は軍用地で戦後、払い下げられて市立中学校だったのだが、貴重な駅前超一等地という市の資産も最後には何一つ残りそうにないなぁ(笑)。

涼しくなるとくしゃみがでるな。体力の衰えと共に春のスギ花粉への反応は年々弱くなりつつあるが、6月と10月に新たに反応が出るようになった。そのうち忘れているところをみると一過性かもしれない。元々、あまり病気にならない性質で、青カビチーズはもちろん、カビの生えたミモレットぐらいなら手で毟りながら食える。幼少期には乳母車から手を伸ばし、店先の漬物樽から沢庵をむんずと掴み、歯もないくせにボリボリ食っていたという逸話があるくらいだ。あまりにも臭いのでよく見たら沢庵を隠し持っていたらしい。他にもトンカツとか鮭の燻製酢漬けが大好きで、親父が晩酌している隙に歯もないくせに平らげた(全部呑み込んだんだろうか? 憶えてないよ)とか、親切にサビ抜きにしてくれた寿司屋で山葵付を食わせろとゴネて涙流しながら寿司食ってたとか、無茶苦茶な人生を歩んできたことが懐かしく思い出される次第であります。

■ここに至って心を去来する由無しごと

森博嗣『四季-冬』読了。はいはい。

佐々木丸美がお亡くなりになったそうで、嬉しいことなのか悲しいことなのか、故人が固く再版を拒絶していた作品が再び日の目を見ることになったようです。似たような状況に陥っている作品も結構あるけれど、それはそれでなんともいえない感慨が押し寄せるものだ。内田善美なども時代の狭間に封印してしまってはいけない気もするが。

79年のオケ+合唱隊+マディ・プライア付のツアーを撮った『Exposed/Mike Oldfield』は2枚組みDVD。映像はそれなりにきれい。「Incantations」と「オケ版TB1」がフルで収録されている。うん、まぁ、いちばん印象に残ったのは合唱隊の女の子たちが可愛いことだ。

曇

■そろそろ嫌われてきたはずだが――

隠遁生活を続けていると外界の刺激に乏しく書くことがないので、あれが好き~とかこれは嫌い――♥といった内容に走りがちで、好き好き言ってる分には良いが、それはそれで八方美人みたいで見苦しいものだ。前回のマヨネーズとケチャップで日本人の70%くらいは敵に廻しただろうが、今月は季節ものを一刀両断。また一段と客が減りそうだ。

◇ボジョレ・ヌボ
ヌボヌボ煩いよ。顔見て薦めろよ。2005はボルドーもラングドックも当たり年で素晴らしい出来だが、2006ボジョレは今年も“また”史上最高を更新するのだろうねぇ。今や全生産量の50%(以下、ドイツ17%、アメリカ14%、スイス2.5%、イタリア2%、イギリス…と続く)を競って飲むジャパニーズの皆さん、今年も騒いでたくさん飲んで欲しいの。駅やレストランでも売っているからお勤め帰りに買って帰ればオケ。奥さんも喜ぶよ。なりふりかまわぬイメージ作りに邁進する商社や酒造メーカーはどうでもよいけど、押し付け販売を強要される酒屋にはきちんと儲けてもらわぬとね。代わりにオラの飲む葡萄酒安くしてけろ。ちなみに、フランスの政令では販売は11月の第三木曜の午前8時以降とされています。統計値に“出てこない”時点でまったくもって何をかいわんやであるが、朝から開いているのはパン屋と駅カフェぐらいだものね。

◇ガレット
蕎麦は自分で打っても田舎臭い“きし麺”にしかならないし、シャコシャコ“蕎麦がき”もいい加減飽きるのでガレット(La galette:ブルターニュ地方の田舎料理)にしてみた。後のクレープの原型である。蕎麦粉、卵、塩一摘み、白葡萄酒気持ち程度(最近は葡萄酒の変わりに安酒や味醂を使うことは控え、通販で飲むに値しない激安葡萄酒を買って料理用にしている)。倍量の水を数回に分けて捏ね、最終的に握ると指の隙間から滴り落ちるほどの粘度にして冷蔵庫で一晩寝かす。翌日、忘れた場合は翌々日、腹が減ったらおもむろに作り出す。バター、発酵バター、卵、その他の具を準備する。火にかける時間が短いので火を通すべきものは予め処置しておく。今回は本しめじ、ブラウン・マッシュルーム、パルミジャーノ・レッジーノおよび、緑アスパラ、残り物の焼き塩鮭、ミモレットみじん切り、バジルの組合せで作ってみた。

フライパンにバターを敷き、回転傾斜させながら生地を薄く延ばし、強火で焼き上げる。表面が乾いたら発酵バターを塗って卵一個を割り入れる。適度に黄身をほぐしながら具材を投入。塩、胡椒、他で適度に味付け。チーズが軟い感じになってきたら、すかさず周囲の生地を箸でめくり四方向からオムレツ風にまとめる。まとめた生地には焼き色がついている筈。そこに再度発酵バターを塗りこんで皿に取る。葡萄酒は辛過ぎないスペイン・ポルトガルの白、シャルドネよりもソヴィニヨン・ブランが合う。ちなみに三つは食い過ぎなので蕎麦粉は少な目で可。一人分で100gもあれば十分である。小麦よりも焦げにくい、香ばしい、多少厚くてもモチモチ、冷えてもあまり気にならないで食えると、なかなか素人にはありがたい料理である。

◇鮟鱇の肝
まずはポン酢を作る。酸味は酢橘100%果汁(柚子、カボス、だいだいなど適宜混入もよい)なのでそれなりに数が必要。今回は20個使用。疲れるわ。絞った果汁を同量の醤油で割り、重量比10%程度の味醂、酒で味を調える。プロは煮切りを使うそうだが気にしない。昆布、漉し袋に詰めた鰹節を混入し冷蔵庫で最低一晩寝かす。長く寝かしたほうがまろやかさが増して美味。

あん肝は粗塩を全面にたっぷりまぶし冷蔵庫で2時間ほど水抜き。軽く水洗いして、血管や筋、表面の薄皮を取り除く。薄皮を真剣に取るとぐずぐずになるので適当でよい。ラップに載せて軽く酒を振り、巻寿司のように整形して密封。ほどけないように両端を輪ゴムで留める。中火で30~40分ほど火が通るまで蒸す。蒸し上がりは常温まで冷まし冷蔵庫へ。できれば一晩寝かす。翌日、ラップを解き、薄くスライスしてまったりとした香り立つポン酢と薬研堀の七味(大辛、麻の実、芥子の実たっぷり:無茶苦茶な要求)、青葱で味わう。白、鮮やかなオレンジ、葱色の饗宴。舌の上に乗せて溶けるのを待つ。たくさん食べるものではない。酒は辛口の冷酒。

◇牡蠣
牡蠣の季節だな。今日は取敢えず6つほど。宮城産。松島だね。殻は立派でも中身は意外と小さいが味は豊穣にして濃い。レモンがないので酢橘と粗塩で。殻はたわしでよく洗う。がらがらとバケツに放り込んで、冷やしたブルゴーニュの白を開栓。左手に軍手は必須。ステンレスナイフで上貝柱をこそぎ蓋を捻るように開く。身の下にナイフを入れ同様に下貝柱をこそげば海水スープに身が浮かんだ状態になる。酢橘を絞り、軽く粗塩を振って殻を食器にして一口でぬるりと。ああ(←言葉がない)。

晴

◇鍋
冬は好きな季節だが、食い物のお誘いを受けるときは気を使わなければいけない。「冬は鍋に限る」だとか「鍋やるよー」とか言われたら、聞こえないように溜息をついて「ごめ~ん、仕事忙しいわ」と応えることにしている。「あったかいお鍋で心も体もぽっかぽか」とか言われると、別に物理的に寒い気温じゃないし、食い物で心が温まるなんてずいぶんお手軽なんだねと率直に思う。

この世には鍋が嫌いな人がいないといわんばかりの多数派の思想と善意の押し売り。最初にムカついたのは給与生活者だった頃の忘年会だろう。いわゆる小鍋立てといわれるそれなりの親密さを醸し出すシチュエイションと、素材を厳選し雑味を極力排した鍋ならともかく、「うまいだろう」「白菜食えよ」「海老食えよ」と食え食え強要され、頼みもしないのに取り皿に得体の知れないものが蓄積され、「お、うまい、うまい」と返すまで解放してくれないのも鍋ならではの平均的日常風景だろう。

いちばん困るのはインドネシアの頭がとれた海老だとか、生臭い脂だらけの遺伝子改良鱒や養殖深海魚等を見境なくぶち込んでぐつぐつ煮込まれること。素で食って今ひとつのものを三乗したら結果は自明だろう。それって起死回生の一発逆転を狙っているのかね? こうなるとトイレにでも立って、そこここで油を売ってこなくてはならない。

だから鍋は小鍋立てで食べたい。鋤焼き、しゃぶしゃぶ、湯豆腐、鮟鱇鍋、河豚ちり、鴨鍋(合鴨だろうが)、鳥の水炊き、柳川、葱鮪鍋。どれも素材をきちんと吟味し(というか素材ですべてが決まると思う)、きちんと出汁をとり、つけ汁、薬味、煮込み加減に最大限気を配ることで、二人で突付くという、その場の親密さに相応しい料理となりうるのである。

ちなみに牡蠣鍋は好みではない。煮込まないで軽く湯通しして唐辛子+辛味大根+醤油、ないしは塩+酢橘。味噌は牡蠣の味を殺す。煮込むなら佃煮になるまで煮込むべきだろう。牡蠣は自分で剥きながら食うことに醍醐味がある。港のお婆はいとも簡単にパコパコ剥くが、私は素人なのでどこが隙間なのかわからない完璧な牡蠣だと1分ぐらいはかかるなぁ(笑)。だんだん疲れてきて、面倒になってくるのが消費量を抑えるコツである。剥けない人は剥き身のパックを食うのが作法だろう。硬いくらい締まった身肉の薄透明白緑と漆黒のバランスは、水を吸ってふやけさせた剥き身とはまったく別の食い物である。ついでに“海のミルク”などと称されると純粋に気分が悪くなるので止めて欲しい。

おお、おでんを忘れていたな。剥き身の肉類が入らないという意味で鍋とは異なるが、具は昆布、蒟蒻、大根、茹で卵、シラタキ、がんもどきぐらいでいいわ。練り物は難しいところ。おいしいものは山葵で食べたいし、名も知らぬ深海魚ほんの少しと増粘剤とたくさんのつなぎで練り練りされた油臭いものはおでんの汁が穢れる。薄めの透明な昆布だし汁とあとはたっぷりの辛子だけがよい。

具材が少なくなると、煮え過ぎた屑を「ほら、食っちゃえよ」などと無理やり食わされた上、卵だのご飯だの饂飩を投入するのも見苦しい。雑炊にしたって煮込み饂飩だってちゃんと作ればちゃんとした味になるのに。煮込み饂飩はどうあがいても煮込みだからどうでもよいが、雑炊はお粥(中華だが)と共に米料理である。元は少ない米を水でふやかして食った貧民食だが、具材によっては素朴な米の風味と出汁の旨みを味わうことができる。

大昔、岩手のど山中で食べた鮎雑炊の味は未だに忘れられない。真夏。記憶が古過ぎて脳内美化が進んでいる部分は割り引く必要があろうが、一匹の引き締まった鮎と僅かな山菜だけで構成された素朴な山郷料理。鮎の身肉から滲み出た深い香気がさらっとした米に移り、極めて薄味の塩で、雑味のなさは出汁に鮎そのものを使っていたからだろう。おそらく軽く焼いた鮎を煮立った米と一緒にさっと茹でた程度で、取り皿で解体しながら腸まで食い切れるというもの。最近の鮎雑炊は(というか鮎は)どこで食っても旨くないね。

鍋料理など総称してしまうと本来の料理人には失礼にあたるだろう。どう考えても、原型は猟師や漁師の簡易現場食であり、あるいは“ちゃんこ”のように本来料理をしない人(あるいは素養のない人間)が間に合わせでこしらえたものである。前者は獲れたものとその周囲にあるものを即席で混合したものであり、後者は体育会系無粋さと粗雑さでなんでもかんでもぶっこんだものであって、そういう境遇にない人間が“ご馳走”と称してまで敢えて真似すべきものだとは到底思えない。

だから、食い物としての“鍋”は外でさりげなく食うのがよい。接待のときなどは、必ず仕切る人間が出るからすこぶるお気楽でよい。ついでに金も払ってくれればよいのになぁ。もっとも、フグチリが“晴”の鍋ならば、鮟鱇鍋は“褻(け)”の鍋だろう。鮟鱇鍋は是非、北茨城・福島県以北の太平洋側で。とうとうこんなところまで来てしまったな……、と物憂げに湯気の向こうの伏せた睫毛から目をそらし、他に何の取柄もない荒れた冬の暗い海を眺めながら、うら寂しい場末の食堂でひっそりとつつくのに相応しい。

◇都内某
よく行く場末の廉かろう、冷凍も養殖ものも使っているけど……の割には、量が出るせいかまぁまぁ安定したネタが期待できる。ふらりと一人で入って、真昼間からビールと酒。小肌と蝦蛄詰めナシでスタートすると、隣に座ったお爺ちゃん一人、酒とウーロンハイ、小肌と鉄火などと切り込んでくる。うぬぬ、いきなりそれは斬新だよなと鯖、鮑などと先手を打つとひらりと身をかわし、蒸し海老、蛸塩で、とか。負けたよ。そこまで枯れてねぇぜと平目、ミルでお茶を濁していると、中トロ、穴子とかぬかすんだよな(爆笑)。ビールお代わりとかグズグズのたまっていると「お勘定」。引き際も見事。まぁ、板前は面白がってんのか、いいネタ廻してくれるし、中トロ頼んでシャリから落っこちそうな大トロが出てきたりして愉しいからいいんだけど。また行こう。

稀に同年代もいるが、椅子に座ったとたん「お飲み物は?」と訊かれ「あがり」はないだろう(笑)。客のくせに「お愛想」とか言ってんのも失笑ものだが、これは中年に多い。格好つけてるわりに職人のタイミングがまったく読めないキャリア風オババはいつになっても注文を聞いてもらえず、終いにゃ怒って席を立つ。と、場末の瑣末な人間模様で酒が飲めるというのも歳を食った証拠だねぇ。

◇生フルーツケーキ
高野に代表されるフルーツケーキはあまり好みではない。果実をコーティングする透明なゼラチン状のものが無粋だし、シロップ漬けされた甘いフルーツ素材は香りに乏しいし、そして何よりも生フルーツとケーキは本質的に合わないから。ブランデーとラムが効いた、みっしりまったりの見栄えの悪いケーキが本来のケーキだろう。が、純粋に見栄えを考えてその豪華さというかステイタスがフルーツケーキにあることは認めよう。なんとなく味は想像できるが、トッピングの木苺、蛇苺、桑の実、野葡萄等々のワイルドさに惹かれ15cmくらいで1575円。多分10年ぶりくらいに購入。オークラだかのなんとか。御免。そういうの興味ないの。本音を言えば、売り子の女の子がめちゃ可愛かったので買ってみた(笑)。もう、オレ酔っ払ってヘロヘロなのに、わざわざ売り場から出てきて手渡してくれたの。ちょっと感激した。

味はやっぱりフルーツケーキね。スポンジがほとんどなくてババロア・プリンみたいな軟弱層がぷるぷる震えているというもの。載っているフルーツが“酸っぱくて”、その意味では予想が外れた新鮮で良い味だった。

◇麻婆豆腐
時間が勝負だ。材料を調えよ。木綿豆腐一丁は賽の目切り、塩一摘みで湯通し3分、笊に上げて水を切りつつも冷えないよう時間配分を考えておく。大蒜、皮付き生姜、白葱(季節が合えば葉大蒜)はみじん切り。豚モモ(本当は牛。貧乏ですまん)は少なくてよいから紹興酒ををふりながらミンチに処す。花椒(中国山椒)は擂り粉木で粉砕、ケチるな。豆鼓(中華黒豆の塩漬け)はスライス。赤唐辛子2,3本は鋏で切っておく。

さぁ、行くぞ。
植物(菜種)油を多過ぎないか? というぐらいたっぷりと鍋に投入、強火で肉ミンチを炒める。火が通ったら中火にして焦がさないように油が透明になるまで丁寧に炒める。豆板醤をたっぷり投入し焦げないように完璧に炒め、肉に味を染み込ませる。肉と豆板醤が一体化したら、大蒜、生姜、豆鼓、赤唐辛子、花椒の半量を加え、匂いが際立ったら紹興酒、豆腐、白葱を加え強火で30秒ぐつぐつ。一気に豆腐の水分を飛ばす。焦げ付く予感に慄きながら胡麻油を廻し入れ20秒。火を止めて、残りの花椒をぶっ掛ける。点火時間はせいぜい5分。

塩は豆板醤と豆鼓に含まれているから不要。豆板醤を入れすぎると塩辛くなるので辛味は赤唐辛子で調整。胡椒、醤油不要。高温の多量の油に水分のあるものを投入すると粘りが出る(ex.ペペロンチーノ)ので、水解き片栗粉は不要。豆腐、紹興酒以外の水分一切不要。甜麺醤は四川料理に使わないだろ。味付けの基本は花椒と豆鼓、唐辛子。作法は豆腐の油炒め。唐辛子の赤い上澄みがラー油のように豆腐に滲むことが肝要。鶏ガラを入れるといっそうコクが出るが個人的には不要だと思う。入れる場合はスープにしないで顆粒を投入する。豆鼓の濃厚な香りと花椒の痺れ、赤唐辛子の辣さを心ゆくまで味わう。ご飯のおかずにするなよ、太るぞ。老酒飲め。青茶飲め。

麻婆

写真は牛肉もも肉ミンチ・ヴァージョン。黒っぽく見えるのが豆鼓。ちなみに花椒を効かすと日本人の90%は食えないと思います(笑)。

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

予備機の導入により機械の役割分担に余裕が出てきたので、少し全体構成を再考しなければならない。だいぶ廉くなってきたから超低消費電力版アスロンx2にしようかなぁ。

3;スキャナ機 Plamo Linux 3.2 p5-0.166GHzまんせえ!号

Plamoは4.2まで上がっているが回線が細くて落とせない。光が来たら機械もろとも入れ替えようか。ときどきコケているIP電話のザマを見ていると、ローコストなりの信頼性にすべて身を任すのも問題のようだ。事故や雷雨でメールが不通、遅延などという現象は年に一度くらいは経験する事態だから、メタル回線のアナログ・ダイアルアップも捨て切れない。

元々、いちばん遅れた業界だったはずなのに、そろそろ、社内だけでなく、社外も含めたかたちで一つのフォルダをサーバにおいて最新版を適宜更新していくような“やり方”が必要になっており、データの互換性はもとより回線の質が問われる事態に成りつつある。やだなぁ、24時間監視付みたいで。そうなると光回線は必須なのだが、家の前にはまだ来てないね。周囲で使いそうな家もないから共用タイプでも実質独占じゃん! と、ほくそえんでいるところ。

4;Win機 NT5.0 sp4⇒NT5.1 sp2 早くも1.8GHzに降格?

予備機をセットアップ。1時間ほどでOS、ドライバまでインスコ完了。背にシリアルコネクタがないので主基盤からブラケットで取り出そうとしたが、基板上の端子位置が悪くて届かない。仕方がないのでシリアル・タブレットのコネクタをナイフで削って幅を5mmほど縮め、背面のカード挿し穴から挿入して中で結合。ローテクに勝る解決策は無し。

主記憶を2GBにしたせいか低速のわりにPhotoshopが快適で嬉しい。物理スペックはずいぶん上がっているのだろうが、OSの応答も重くなっているから総体としての体感はあまり変わらない。

が、やはり問題は起きるものである。オンボード・グラフィックの性能も含め日常使用にはまったく問題ないのであるが、画面移動やズーム操作のたびにGDIで画面を書き換える某業務用CADの描画が遅い。遅い! 極めて遅い。これじゃ、使えんがな……。いろいろ弄くっても改善が見られない。仕方がないので素人にも理解しやすそうなベンチを探してきて問題点の把握に努める。

取敢えず、適当に計測してみる。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name Intel DG965SS
Processor Dual Pentium III 1863.41MHz[GenuineIntel family 6 model F step 6]
VideoCard Intel(R) G965 Express Chipset Family
Resolution 1280x1024 (32Bit color)
Memory 2070,388 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 2
Date 2006/10/07 13:41

Intel(R) ICH8 4 port Serial ATA Storage Controller - 2820
プライマリ IDE チャネル
HL-DT-ST DVDRAM GSA-H10N
Intel(R) ICH8 4 port Serial ATA Storage Controller - 2820
セカンダリ IDE チャネル
Intel(R) ICH8 2 port Serial ATA Storage Controller - 2825
プライマリ IDE チャネル
HDT722516DLA380
Intel(R) ICH8 2 port Serial ATA Storage Controller - 2825
セカンダリ IDE チャネル
WDC WD2500KS-00MJB0
標準デュアル チャネル PCI IDE コントローラ
プライマリ IDE チャネル
標準デュアル チャネル PCI IDE コントローラ
セカンダリ IDE チャネル

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
66546 252604 168201 138956 114687 227634 74

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
2823 12800 498 471 60626 50393 5137 C:\100MB

オンボードのグラフィックス・チップの結果。う~ん、四角が遅くね?

2.2GHチェレロンDで計測。これはオンボードのVIAのチップ。体感的に今一タイムラグを感じるが使えなくはないかなといったレベル。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium4 2264.98MHz[GenuineIntel family F model 4 step 1]
VideoCard VIA/S3G UniChrome Pro IGP
Resolution 1280x1024 (32Bit color)
Memory 1014,256 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 2
Date 2006/10/07 13:46

VIA Bus Master IDE Controller
プライマリ IDE チャネル
ST3802110A
VIA Bus Master IDE Controller
セカンダリ IDE チャネル
COMBO IDE5232CO

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
40973 70848 80024 111775 38333 73778 37

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
23925 8752 5276 187 62400 56952 2485 C:\100MB

うむむ。明らかに四角描画が速い。これが差として表れているのか。でも、死体になった機械はもっと速かった気がした……。

ということで死体から4,5年前に買ったG450を引っこ抜いて、普通のPCIバスに挿して計測。体感では以前同様、ストレス皆無。キーやマウスに即座に反応して描画が完了する。ベンチを取ると……おお、時間の掛かること。日が暮れるかと思った。さすがに二時代前のハードウェアである。DirectXにいたっては“動かない”(笑)。四角描画もそれほどではないが、とにかく体感は雲泥の差。もちろん、オンボードは殺してデフォルト装備である。すばらしい技術の進歩に乾杯すればいいのかな。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name Intel DG965SS
Processor Dual Pentium III 1863.43MHz[GenuineIntel family 6 model F step 6]
VideoCard Matrox Graphics Millennium G450
Resolution 1280x1024 (32Bit color)
Memory 2070,276 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 2
Date 2006/10/07 14:54

Intel(R) ICH8 4 port Serial ATA Storage Controller - 2820
プライマリ IDE チャネル
HL-DT-ST DVDRAM GSA-H10N
Intel(R) ICH8 4 port Serial ATA Storage Controller - 2820
セカンダリ IDE チャネル
Intel(R) ICH8 2 port Serial ATA Storage Controller - 2825
プライマリ IDE チャネル
HDT722516DLA380
Intel(R) ICH8 2 port Serial ATA Storage Controller - 2825
セカンダリ IDE チャネル
WDC WD2500KS-00MJB0
標準デュアル チャネル PCI IDE コントローラ
プライマリ IDE チャネル
標準デュアル チャネル PCI IDE コントローラ
セカンダリ IDE チャネル

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
67547 252296 168143 139366 119755 237669 0

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy Drive
12541 2308 1012 160 60663 52405 5545 C:\100MB

まぁ、intelは入ってるけど、腐ってるっていうことで。

Doom

今月も暇なしにて候。


2006/10/25 作成