弥生記 -(2006/3/29-2006/4/27)

1;諸々

旧暦更新だと閏月の年なんぞどうすんかいな? と心配しているのだが、なんとなく月末が近づくとそろそろかな? とは思うでしょう。先にやっておきたいことがあったのでちょっと遅れ気味の晩春の月記。ちょうど今、筍を煮ております。季節はもう夏ですね。

dawn

盆地なので朝日は4000m級の山脈の向こう側に顔を出します。

■ここに至って心を去来する由無しごと

おいおい、別件逮捕ばっかりじゃねぇか。体制との距離に応じて罪が決まるんじゃ堪らんな。トカゲの尻尾だけ先に切っておいて、その末端ばかりを徹底的に叩いてガス抜きのために晒し上げか。罪刑法定主義もすっかり教科書に描いた餅の呈を為してきました。元々根付いていた制度じゃないのだし、情緒的な反応しかできないならいつまでもそんな御題目を後生大事に掲げていても仕方ないのに。あはは。

桜

どうでもいいけどリングイネは太過ぎるよん。茹で時間9分というのは意外とタイミングが悪い。大蒜が焦げちゃうのー。各メーカーはこぞって茹で時間4.5分の細めリングイネを出すように。Waitroseがいちばんうまいなんて沽券に関わらないの? 暑くなってきたからそろそろトマトと青唐の冷製パスタですか。塩、オリーブオイル、黒胡椒、バジルのみで和えた赤と緑の法悦スパゲッティーニ。今や酸っぱくて青臭いトマトを探すのがいちばん大変だ。もちろんお供はきんきんに冷やした安いブルゴーニュの白で。

■山葵

季語としては夏かな? 学名“Wasabiajaponica”。八百屋でも売っていますが白い花が冴えた緑にちょうど満開でしょう。で、根っこ。長さ20cm、直径4cmほどの肥えた山葵が転がってきたが、そのまま齧るわけにもいかないので物品の調達に出かける。盆地なのであまり良い魚が入手できなくて、無駄に苦労をしなければいけません。悩んだ末にこぶし大を越える灰褐色の太ったホッキ、小さな真鯛半身、すずき半身を購入。1000円でお釣りがきて嬉しい。巨大な宮城産ムール貝にも激しく心惹かれたのだが、味が濃いから刺身が負ける。生で食えないのかなぁ。ホッキはステンレスのナイフを突っ込んで剥きますが、ホッキの柱が美味であることを教えられた以上、完璧な形でこそぎ落としたいのだがこれが難しい。厚みがありすぎて湾曲した刃じゃないと。カキ剥きのおばちゃんが使ってる左官ごてみたいなものが良さそうだ。解体撤去工事は写真付のWebがたくさんあるのでググリましょう。

ナイフを突っ込み柱を抉り~、殻を外して身をバラシ~、ヒモを掻き分け足を割り、内臓掻き出し塩水洗い~、ヒモは吸い物、身は刺身~、湯通し3秒冷水晒し。手食いの店で鮨を食って帰りに手を洗うのを忘れても、酢の効果だろう、あまり臭さは感じないのだが、さすがに活き貝の解体直後は手が生臭い。キーボードまで臭いが着きそうでいやん。

夕桜

真鯛は死後硬直は済んでいるから1日以上前の水揚げだろう。身に残る弾力と鮮やかなピンク、透明が残る身肉は、まぁ、こんなものか。鈍った素人包丁でも切れる程度。内湾岸壁でもそれなりに釣れているらしい、すずきは地場安魚だが弾力があり旨味、脂のりもまぁまぁとまぁまぁ尽くし。鮨でもけっこう食べるが味があまり変わらない魚でもある。

山葵の頭を落としておろす。頭の茎は細かく刻んで醤油、みりんで軽く煮詰めると爽やかに辛く美味。おろすには鮫皮がよいらしいがそんなものあるかい。おろし金すらプラスティック。おろしたあとで包丁で叩いて空気を混入すると風味と辛味が増します。明日は蕎麦にしよう。

■春から夏へ

◇マコカレイ・ヒラメ
冬の間ほとんど見かけなかったヒラメが順調に入荷している模様です。いわゆる常磐ものというやつ。漁期制限でもしているのかな。カレイは初もの。ヒラメよりも弾力があって旨味も強い。

先日、別のところでヒラメを頼んだら切らしてるといわれ、鯛ならあるよといわれたのだが、水槽でヒラメ泳いでんじゃん。いつ行ってもヒラメがある店よりはまともと取るべきかな。青魚は別として、活き〆して一日ほど氷温で熟成させたほうがおいしい魚もあるけれど、たいていは物理的に新鮮な魚が手に入らない場所の言い訳に過ぎない。自分の舌よりも見聞きする情報を信じれるというのもある種の信仰なのだろうが、そうやってうまい不味いの価値基準が出来上がっていくという意味では情報は魔物だな。まぁ、無理やり狭いところで生かされている魚は純粋に味が落ちるけどね。
もちろん味も見た目も想像できそうな鯛(さすがに回転じゃないからテラピアじゃないだろうが)なんぞ頼むのも嫌だから、ネタケースを眺めて赤貝がなかったので頼んだら、奥の流しで兄ちゃんが剥きはじめた。

鮪だけは熟成が必要な魚で獲れたての新鮮なものは味がない。近在の漁港に行けば近海ものの皮付きブロックをかなり安価に(1パックで食いきれないほど)購入できますが、凍らせないで少し置いたほうがしっとりと味が廻っておいしいようです。

鮨屋などではトロを含んだ数十キロのブロックをサラシに巻いて氷を詰めたポリバケツで一週間ほど寝かすことが多いようです。一匹30kgのもので3日の氷温熟成が必要だそうで、大きくなればなるほど長く寝かすそう。ただし家庭の冷蔵庫では失敗したら目もあてらんないのは言わずもがな、ということで熟成されてサクになっているものをおとなしく買うのが吉。鮪の価格は商社が仕切っているので非常に高価な上、かつ値崩れしない仕組みになっています。おかげで良いことなのか悪いことなのか自分でもよくわからないが滅多に口に入らない(笑)。

◇さわら・平政
刺身用のさわら(鰆)なんて売っているの見たことないが、鮨では稀に食える。このところいつもあって嬉しいぞ。房総沖だそうですが今年はもう終わりだと。変わって平政。ブリの同類の青魚ですが何故か旬は春から初夏。黄色味を帯びた鮮やかなピンクの硬い身肉とさっぱりした脂のりが清々しい。都会では高級魚でいい値段らしく養殖もされているようですが、ブリと同じく同じ魚とは思えんな。

タバコを止めてもうすぐ10年になりますが、最近は少なくともカウンターは禁煙の店が増えて助かるね。繊細な味の豊潤さをはじめて理解したときの感動は今でも忘れられない。タバコだけは最初からおいしいわけはないのであって、習慣としてそうさせる要因を社会的に取り除いていくことはそれほど難しいことではない(と思う)。その気にさえなればね。これまでに、おおよそ300万(すまぬ、桁一コ間違い)ほどを専売公社およびJT、その関連産業に投資してきましたが、他人には迷惑をかけまくった上に良いことは何一つなかったな。

あぁ、カウンターだとついでに子連れだの学生だのばカップルだのおばちゃん連合等々が湧いて出ないのも実に清々しく心地良い。いや、まぁ、土日は知らんけどね。個人的には若干割烹風の酒もうまいし、丁寧でネタの仕入れ仕込みから技まで感嘆してしまうところの「良さ」はちょっと重い。月に一回でいいや。行くたびにあったりなかったり、あるいは聞いたこともないようなネタに期待しながら、仕事の合間にささっとビール一、二杯でさっと食って、さっと帰るのが気軽でいいなぁ。手の込んだ質の高い仕事というのもわかるのだが、ファストフードとしての無駄を省いた潔さみたいなものが自分には合っているような気がする。

チューリップ

◇真鯛・赤貝・ヒモ
おお、今年はじめて鯛を食ったよ。いやぁ、あるときにはあるじゃないか。鮮明な赤ピンクと白の透明感、こりこりした甘味と深みが素晴らしい真鯛でした。おまけに来た来た来た来たぁ。赤い肉厚の赤貝まであって感激したぞ。鮮明な紅赤から濃いピンク。独特の苦味と香味、ヒモもこりこりで最高じゃないか。
もしかして閖上(ゆりあげ)? 元々、赤貝は検見川産が最上級とされてきましたが、なんせ埋め立て丸投げした某コンツェルンが採砂採土で最高の手抜きで大穴掘っちゃったもので全滅。もちろん後は知らん振り。今や無酸素水と青潮のメッカと化しております。でもって今は仙台南郊の名取市の閖上付近が最上の産地になっているはず。風の音と波の音しか聞こえない何もない防砂林と砂浜がもう延々と続いているのだが、ちょうど今ごろが旬でしょう。

山吹

◇蕎麦
中華が休みだから今日は蕎麦屋だ。元々蕎麦屋だったところが改装してまた蕎麦屋になったが経営者は変わったのかな? 今度は極めて腰の強い十割手打ち蕎麦になって復活した。個人的には7割くらいでもあまり気にしないのだが、蕎麦は更科に加え藪、他二種が楽しめるがまだ全部は試していない。更科は喉越しが良い上に腰が強くボソボソ感は皆無。なかなか切れが良くて、およよよよ…? と思ってはいるがまだ数回しか食べていないから評価は控えよう。つゆは鰹出汁が非常に利いていて甘味はかなり控えめ。このあたりの場末ではちょっと珍しいタイプ。値段も控えめでなかなか良いではないか。
午後の蕎麦屋で明るい障子窓を背に、ついつい頼んでしまう瓶ビールをグラスに注ぎながらぼんやりと黄昏るのもなかなかよいものだ。

◇でんでん虫
直径4cmほどの殻付ブルゴーニュ産(下味つけて殻に戻したもの)、オーブンで焼くだけ御手軽冷凍ものが1個100円だったので6個食す。一般的には複数食うから“les escargots”でレゼスカルゴ。エシャロット、大蒜、パセリの効きもよくオードブルとしても倍は食えるね(10年前なら)。今度は1ダース買ってこよう。酒はもちろんブルゴーニュ。マコンビラージュあたりの安くて酸味と甘味が程よいもの。焼酎のロックでもいいかな。

◇かわはぎ・のれそれ
秋から冬が旬のかわはぎだがさっぱりしているから肝はないが夏場もそれなり。ふぐの代用品として薄造りにしたものを見かけるが、固く締まった身肉と透けて見える山葵のアンサンブルを楽しむのも良い。のれそれは穴子の幼魚。透明でツルツル、ぷりぷりした食感と甘味が海苔と酢飯に合う春の味覚。

黄梅モドキ

これは黄梅ではなくて雲南黄梅といわれる黄梅もどきなのだろう。開花は4月。蔓性の常緑低木。非常に耐性が強い。

◇鰹
これまた年がら年中見かける鰹だが、昨日が初鰹。粋じゃないから戻りも食うけど、馬の鞍のように酢飯に跨った分厚い赤身と葱、生姜に溜り醤油のトッピングは夏の風物詩だな。木の芽の香りが漂う時期になると鰹のさっぱりとした切れの良さが食べたくなる。刺身で食いたいときは氷を入れたポリバケツに逆さに突っ込まれたものが良いです。超高速魚で外敵があまりいないため鱗がなく処理は楽ですが、スプラッター地獄になるので家でやると凄いことになりますよん。

■いまそこにある切り身

先月書いた「サーモン」。大手を振って一年中出回りだしたのはここ7、8年くらいだと思いますが、これはドナルドソン・ニジマスを改良したトランスジェニック(transgenic)・ニジマスらしい(下の方にちょっと書かれています)。ドナルドソン鱒はアメリカのワシントン大学のDr.ドナルドソンが優性選抜で改良したニジマスで、更に遺伝子改良で成長ホルモンの分泌量を増強して、ついでに身肉の不飽和脂肪酸増加(平たく言えばトロ化)を図り、海水で大量養殖できるように改造を重ねたもの。ノルウェーやチリ、オーストラリアで日本向けに大量生産されて「サーモントラウト」として国内で流通している。スーパー等でよく見かけるやつですね。ちなみに北海道や三陸沖で採れる天然鮭や鱒は脂のりが悪く国内では見向きもされないので、もっぱら台湾や中国に輸出されるか家畜の餌になるそうです(笑)。笑ってる場合じゃないって? 朗らかに笑うところだよ。あはは。他にも3倍体ニジマス(でかいのだろう、きっと)だの全雌化ニジマス(イクラがザクザクでハラショー)なども企画されているようですね。まぁ、牛とか鶏なんぞは既にほとんど全雌化(雄は凍結精子として存在する)とかスーパー化されているので今更驚くことじゃないよね。

末端ユーザーから見れば、脂ののった霜降りのトロ肉が安価に出回っていつでもどこでも手に入る。生産者としては、どん詰まりの寒村で捕れるのか捕れないのかわからない魚を追っかけ回すこともなく、商社や食品会社から安定した現金収入が得られる。最終製品は生殖できないように改造されているから種魚持っている育魚会社は先行き安定収入が見込めるし、もちろんアメリカ人は指一本動かすことなく、昼寝しながら特許料とパテント代と技術指導料でダイエットしながらうまいもんが食えると、すべての人類が幸せになる素晴らしい技術に乾杯!

そのうちトロだけしかないまぐろとか、捨てる部分のない(皮とか骨とか頭が最初からない泳ぐ切り身みたいな)魚とか造るんだろうなぁ。いや、既に技術的にはそれなりに可能なのかもしれないが、あとはまぁ、コストと(喜んで食わせるための)マスコミ等による“正しい”情報の伝達制御が必要だろう。余計なことを知っている人間を淘汰していくことも大切だ。というか、何でもおいしく食べれる人間を造ればいいんじゃないか? マヨネーズやマーガリン、あるいは牛乳の給食戦略のように。

豆御飯

◇今しか食えない豆御飯
米はササニシキ3合。グリーンピースは鞘入り一袋150円。米は普通に研いで利尻昆布を下敷きに、塩、みりん適当。水加減は普通。土鍋もあるけど15年位前の普通の電気炊飯器を使用。忙しいんだってば。あとはなんだ、かますの干物と絹鞘の味噌汁だ。所要45分。実働15分。炊き上がりを直ちに食う。

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

特になし

3;スキャナ機 Plamo Linux 3.2 p5-0.166GHzまんせえ!号

何もなし。

4;Win機 NT5.0 sp4 セレロン300@450x2で枯木灘

Mozilla-1.7.12⇒1.7.13:ちょいと軽くなった?

Acrobat Reader-7.0.0⇒7.0.5:何が変わったんだか。どうでもいいけど重すぎるよ。

Doom

「scythe2」25面で糞詰まり。バグかなぁ? それとも時間制限? 出口が小さくて出れませんよ。


2006/04/29 作成 05/03 更新