神無月記-(2005/11/02-12/01)

1;諸々

12月2日にアップすれば体裁は守られたはずだが、忙しいねん。すっかり月の呼称がずれてしまってもう何が正しいのかよくわからない。一月跳んでいるような気もするが、12月1日が神無月の終わりなのだから、今、神無月の月記を書いても著しく理に適わないというわけでもないだろう。

貰い物ですがガメイの新酒を御相伴させていただきました。コルディエールというメーカーのようですが、味は思ったより良いものでした。“Par Avion”ってあるから船便のものはないのかもしれないが、ラベルのデザインが(パァッと爽やかで)気に入ったから1000円以下なら買ってみても良いかな。燻製鴨肉のサンドイッチときゅうりの酢漬けで昼食にはぴったりかもしれない。

bn

もっとも今年は日常用にシャトー・オーブリヨン(Haut BrionじゃなくてHaut Vrillantなんだけど(爆笑))をケース買いしちゃったのでご当地価格2ユーロ、アメリカですら$8.99のガメイの醸造用アルコール添加酒はやはり趣に欠けるというものだろう。まるですべての葡萄酒がガメイであるかのような騒ぎを横目に今日もマルゴーとラフィットとシャス・スプリーンは冷暗所に横たわりひっそりと眠っている。自分の余生を見極めながら、いつ開けるかを考えるのはとても楽しい。

■ここに至って心を去来する由無しごと

円がジリ貧。モノが調達できません。一時的なものなのか、一向に改善しようという気すら感じられないことを見切った転落の始まりなのか微妙なところだが、将来振り返ってみるとあの時が始まりだったねと言われているかもしれない厭な感触が感じられなくもないか。もっとも政策決定に関与しているクルマ屋や電器屋にとっては笑いが止まらない事態でもあるわけで、せいぜい末端の資産を貪り食って結果的に自分の首を締めればよい。

デカ目

■Woo! It's Japanese Quality. happy?

ゆとり教育と階層二極分化の成果が競い合うように平凡な日常に波風を立ててくれて久しい昨今ですが、国民の皆さんがこぞって賛成した規制緩和やら民営化の成果も身近なところで出始めたようです。これがジャパン・クォリティってやつかな。訊かれればいくらでも答えるけれど、期待に反してあまり関心も感心もなくて、正直どうでもいいよねぇ。個人的には質の悪いバラエティ番組がウッカリ目に入ったような気分で無理して続きを見る気はしないが、夢の続きを見たい人だって大勢いるのだからそろそろ幕引きしたいのだろうな。どっちにしても違う世界の出来事だもの。

四足歩行

衣も食も住もすべて売り渡し、金でお手軽に買うことを良しとして来た結果がこの様なわけだ。でも、業界マッチポンプのお手盛り審査にしても、金で買える検済証にしても、その道を“選んだ”ことは紛れもない事実なのだ。その道を支持してきたわけだし、今でも支持しているじゃないか。プリンシプルも美意識も喪失した、金にしか価値を見出せない社会を放任したらどうなるかなんて最初からわかっていた話じゃないか。それともそれ込みの、ある種の劇場戦略なのだろうか? 根本的にウィットが欠けているけどなぁ。どのみち、今更もう引き返せることではないだろう。

■夢残

久々に外に出たら、いつの間にか冬になっていた。

山茶花

と、思っていたら気の早い水仙はもう花が咲かんばかり。毎年同じ季節がやってくれば同じように花開く恒常性みたいなものはある種の風景的慰謝になっていることは否めないだろう……と、ここ数年考えるようになった。変わらないものに対する憧憬は、自らが変わりゆくことに対する無意味な抵抗なのだろう。下り落ちて行くことを自然の摂理として受け入れるまでにはまだ少し時間がかかりそうだ。

水仙

■青

昔、寺の山門を出たら眼下に続く石段の上で空気が凍って見えた。動くもののない静定力学のバランスだけが存在する明晰さに息が止まった。やがて、角度を変える朝の日差しが降り注いで固まった空気を溶かし吹き上がる風を作りだした。冷たい空気の流れを正面から浴びた。

朝

何の変哲もない、見飽きたツマラナイ光景。冷たい風を正面から浴びて痛いくらいの透明な青に気付いた。あるいは枝。桜並木に最後の紅葉がへばりつく。寒さはほとんど苦にならないからその複雑な形状と鮮やかな色彩はダイレクトに目に飛び込んでくる。

枝

あるいは電柱。これはもう純粋に力学の問題だ。カーブする道路に沿った電柱は張られた東電線やNTT線で当然カーブの中心方向に強い張力が掛かるから道路の反対側から逆方向に引っ張ってやらないと総崩れする。倒壊を防ぐ控え柱はその電柱をワイアで引っ張っているだけだから極めてシンプルに直立する。

電柱

刈取りが終った渇いた水田の脇に枯野をみるにはそれなりに想像力が必要だ。腰が埋まるすすきの枯れ野原、背丈よりも高い葦の原も、いまはもうない。

ススキ

2;サーバごっこ機 いまだPlamo Linux 2.0改-0.18GHz不眠不休号

恐悦至極に存知奉ったぞ、こら。8月以来モニターがないのでWin機からSSHでログインしてコマンド・プロンプトでログを覗いたり、特例バックアップ操作なりdfで容量チェックするだけ。スキャナ機にXを飛ばして見ることもできるが、動くものはちゃんと動いているから必要性は薄い。

3;スキャナ機 Plamo Linux 3.2 p5-0.166GHzまんせえ!号

別機に液晶をあてがって、モニターを調達。ようやくスキャンができるようになった。めでたしめでたし。

4;Win機 NT5.0 sp4 セレロン300@450x2で枯木灘

Computer aided drawingな日々。できればdrawingを補完するだけではなくて“おれ”も補完しちゃってよ。

Doom

「眩暈がしないようにそろそろやるかな。新しいWADを捜索中」と書いてそのまま。


2005/12/13 作成