四方山話その1

甦るHDD

なんのことはない。壊れていないじゃないか。2001年夏、停電ショックで逝ったはずのHDD。床に叩きつけるでもなく、分解して遊ぶでもなく、特に意味もなく後生大事に置いておいて良かった。偶々、オールプラスチックだけどファン付きでATA100対応とかいうIDEのリムーバルケースが980円だったので2個買って来て試してみたわけ。そういえば他の機械に繋いで死んでることを確認したわけではなかったんですね。そのうちやろうと思いつつ半年。CD-R機にはATA66カードが刺さっているのでリムーバルケースをATA66対応に入れ換えついでに確認してみたらなんの問題もなく認識して動いているではないか。あれま。こうなると手を返したように私のHDDに対する信頼感は急速に復活するのであった。考えてみればスキャナが繋がっている94年製最古機のIBMの1GBのHDDも今だに現役なんだな。HDDは長持ちしないみたいな話をよく聞きますが、8年に渡って少しずつ増えて来た身近にある16台のHDDはバッド・セクタができることもなく動いているみたいです。この間にオリンパス製のMOドライブは3台共使い物にならなくなっているのと実に対照的であるな。このドライブは正常なデータを破壊するだけにとどまらず、ディスクそのものを二度と使えないようにするというストレージ・デバイスにあるまじき狂暴さ。ローレベルフォーマットも効かないのね。

冷や冷や君

冷やっこそうな彼のことを「冷や冷や君」と名付けてみました。彼は冷気を吸うんでしょうか?吐くんでしょうか?前面から入った冷気がどうなるのか少し心配です。Newというのが何を指しているのかは不明ですが、冷や冷や君だったらどうしよう。彼の周囲に浮ぶ青白い発光体の正体は如何に?もしかして冷や冷や君は球体? 社長とイラストレータかフォトショップのオペレータの中国人の女の子の会話を想像すると楽しそうです。

「ほら、コレの売りはファンが付いてて冷えることなんだからさ」
「はぁ」「雪でも降らせますか」
「いや、こう、冷気がヒュンって感じ、わかんないかなぁ」
「雪原の写真を下絵にしましょう」
「動きが欲しいな」
「やっぱり降らせるんじゃないですか」
「自信が無いんで顔も描いてみました」
「雪って丸いんか?」
「さぁ、もう帰っていいですか」

こうして得られた拙い経験則は
1;取り扱いに注意は要するがHDDは思ったより信頼に足りる。
2;リムーバルメディアは結局、コストと汎用性を考えるとFDDとCD-Rの共用が無難だね。
ってとこですか。規格やそれを支える技術は星の数ほどあるけれど、結局使える「もの」ってのは数えるほどしかないんだな。

CDプレイヤ

コンソールで使える軽いCDプレイヤを捜してきて半年ほど使っていますが、とても気に入っています。単機能で操作性がやたら良いのと無駄なリソースを消費しないという点が実に好みですね。どっかにも書いたけれど24時間運転の化石サーバ機にはSCSIのCD-ROMとISAのSoundBluster 64 Goldという前世紀の遺物(いや、まじで今じゃ手に入らんよ)が“へちょっ”と着けてあるんですが、うちのPCの2ch音声再生環境ではこれが一番まともなので、きちんと使い倒してあげないとな。もちろん世間的にはDVDで5.1chが主流なんでしょうが、嬉しいのか寂しいのか自分でもよくわかんないけど全然関係無いって感じですかな。Pentium4-2GHzの時代にPentium-pro 180MHzだよ、実際。でも、これでことが足りてしまうというか、CPUはほとんどやることなくて遊んでるようなもんだし、負荷をかけるようなこともそれ程ないし、身分相応なわけですね。

さて、その一つ、workboneですが
 
gon@gorira:[/usr/local/bin]$ls -l workbone
-rwxr-xr-x 1 root root 15868 9月 6日 11:53 workbone*
 
と実に軽いし、普段使わない10キーで操作する(画面はここ)のもわかりやすくて良い。と思ったらplaycdには負けたか。aliasを作っているんで実際にはworkbone -aですけどね。
 
gon@gorira:[/usr/local/bin]$ls -l playcd
-rwxr-xr-x 1 root root 6689 9月 12日 13:08 playcd*

ちなみに、日付の前がファイルサイズ。ファイルサイズの単位はバイトです。キロバイトでもメガバイトでもなくあくまでただのバイト。どっちもCDを廻し始めたら落としちゃって(終わりまで順繰りに再生しっぱなしだけど)かまわないんでメモリも使わないしなぁ。実行ファイルだけで何MBもあるようなでぶでよろよろのGUIソフトと比べると、とても同じコンピュータとは思えない。(いやいや、実際違うんだろう。)

コンソールで使いたいのはWin機からもtelnetないしはsshでサーバのハードを使いたいから。Win機にだってIDEのCD-ROMが2台とPCIのサウンドチップが載っていて1台はデジタル出力だけど、はっきり言って話にならん。ちなみに36倍速CD-ROMよりも8年前に買った8倍速CD-ROMの方がはるかにまともな音がするし読み取りエラーも少ない。レーザのレンズやDAコンバータ、内部回路に使っている部品の差なんだろうけど、最近の技術(これを技術と言ったら技術屋さんには失礼だけど)ってのはこんなもんだって。

今年はいよいよリッピングのできない音楽CDが市場に登場するようです。データに暗号コード?を埋め込むため音質が劣化したり、ノイズが入ったり、動作しないオーディオCDプレーヤがあるとか米マイクロソフト社製のオペレーティングシステム以外では音が出ないとか、まぁ、いろいろと既成産業の権益確保に取り敢えずは貢献?しそうですね。ポリカーボネイトの耐久性が向上したのでデジタルコピーの必要性が無くなったとかいう話は全然聞きませんが、そんなことは誰も眼中に無いからいいのか。これからは聞き方も含めて指図してくれるのね。誰がどのように追従するかはまだわかりませんが、そんな音楽産業と一緒になって踊るつもりはないし、そんなメディアを通さなければ表現のできない「アーティスト」に用は無い。彼等が守りたいのは著作権ではなく既得権だろう。個人的には留められない流れを堰き止めようと砂でダムを造ってるとしか思えないのだが、背後にいるのが米政府やユダヤ資本ならば意外に無理もまかり通りそうだな。そのときはまぁ、しょうがない。貯め込んだCDを聞きながら余生を過ごそう。あと10年くらいは新しいのについて行くつもりだったのだが。

困ったらGrub

CD-R機には前述の通りATA66カードが付いているんですが、せっかくATA66対応のリムーバルケースにしたのにATA33HDDをそのまま装着してるのも空しいのでこれを機会に撤去しました。単純にはずすのが面倒臭かったという理由でこのATA33のHDDがプライマリマスタでLinuxのbootやsystemはATA66のプライマリスレーブにあるわけですね。セカンダリマスタにはATA66のHDD、セカンダリスレーブがリムーバルケースの指定席です。で、ATA33を撤去してプライマリスレーブのHDDをプライマリマスタに着け変えたら起動するわけないよなぁ。MBRになんにも書いてないもんなぁ。一応起動フロッピィは作ったから起ち上がるけど、liloのバージョンの問題かATA66カード越しにMBRに書き込めないみたい。もう一度fstabを書き換えて、オンボードのコネクタに繋ぎ直してliloすりゃいいんだろうが、そんな根性はないんで「困ったらGrub」という風説にすがりました。取り敢えずGrubを落としに行ったら0.5.96.1と0.90が最新みたいなんで新しそうなgrub-0.90.tar.gzを落として来ました。展開してコンパイルしてインストールは問題なく完了するも、「で?」ってどうすりゃいいのかさっぱりわからんじゃない。そこはWebを検索すれば大概のことはわかる渡世、楽ちん楽ちん。Grubシェルを起ち上げてそこから操作すればよいらしい。簡単簡単。デバイスの指定の仕方にちょっと癖があるけれど見よう見まねで済む範囲。メインボードのBIOSでSCSIからbootするようにしておけば、ATA66カードのプライマリマスタがhd0になるらしい。おぉ!、rebootすればちゃんとHDDからGrubシェルが起ち上がります。あとはお好みでメニューファイルを作ってやれば起動時に好きなカーネルを選んで起動できます。とても汎用性の高いブ-トロ-ダみたいだから環境を選ばず使えるみたいですね。何はともあれ一件落着、ちゃんちゃん。


2002/01 作成